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After The Morning / Lyrics

Brockagh Braes

ブロッカ・ブレェズ

Trad. arranged by Cara Dillon and Sam Lakeman

Label : Rough Trade, Number : RTRADCD198
Recorded and produced by Sam Lakeman
ある日の夜、僕はベッドにひとり寝ころびながら
ふと野心に駆られ、流浪の旅に出ようと思い立った
生まれ育ったこの国に、そして大好きな彼女にも
別れを告げることになる
それでも僕には旅に出る価値があると思えたんだ、
未知の国を探求しに行くんだから

いよいよ明日は出発という日の夜になって、
僕はブロッカの丘を歩いていた
坂道を上がる途中で彼女に出会ったんだけど、
その目には涙が溢れていた
「お願い ジョン、この町にいて・・・」
「あなたが海を渡っても、私には辛いだけ」
彼女はそう言った

僕は白百合のように白い彼女の手をとり、
強く、しっかりと抱きしめて言った
「大好きな君とも、お別れしなきゃならない・・・
  僕の乗る船はもうベルファストに着いてるから
  でも、君が僕のことを信頼してくれるなら、
  僕も必ず君に誠意を示してみせるよ
  僕がこういう気質の男だっていうのは、
  君もわかってくれてるよね」
そして僕らは別れのキスをしてさよならを言った
僕は彼女を置いて旅立ったんだ

グリーノックの町に上陸を果たしたものの、
僕らは大勢の人々に取り囲まれてしまった
その人達は言うには、
僕みたいな道楽者がこの町に来たところで
作物の収穫量を減らすだけらしい
自分の国に戻り、もう二度と来るなと言う
こうして僕は、なんら猶予を与えられないまま
帰りの船に乗り込むことになった
アイルランド、愛する緑の大地に向かって

僕が戻ってきたと聞かされたメアリーは、
喜びにその胸を高鳴らせていた
「私の手の中にきて、ほんとにあなたなのね」
彼女は泣きながら言った
「ずっとあなたのことを想い続けていたの・・・
  人が言うことなんて気にしなくていい、
  好きなように言わせておけばいいの
  じきに私たちは式を挙げるんだから」

そう、好きに言わせておけばいい
気にしなくていいんだ
とやかく言う他人のことなんて

(補足)

野心を胸に海を渡ったものの、邪魔者扱いされた挙げ句に祖国へ 追い返される主人公・・・。
人から「情けない奴だ!」と言われても仕方なさそうな彼ですが、 故郷には変わらぬ想いで彼の帰りを持ち続ける女性がいました・・・。
というようなストーリーですが、こういうハッピーエンドの伝承曲 は意外と少ないようです。

【Brockagh - ブロッカ】

北アイルランドのタイローン州、ネイ湖の西岸に面した小さな町の名です。

【brae - ブレェ】

スコットランドで使われることの多い言葉で、ゆるやかな丘の斜面を意味するようです。

【Greenock - グリーノック】

スコットランド、グラスゴーの西に位置する港町です。