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Cara Dillon / Lyrics

Donald of Glencoe / ドナルド・オブ・グレンコー

traditional song

arranged by Cara Dillon and Sam Lakeman

Label : Rough Trade, Number : RTRADECD019
Recorded and produced by Sam Lakeman
ある夕下がりのこと、
さまよい歩いた先に目にしたのは
花々のかぐわしき香りに包まれた草原
見知らぬ場所へ迷い込んだかに思えたが、
そこはグレンコーの村へと流れ行く
清き泉が湧き出でる地、その近辺だった

眩いほどに美しい、ひとりの乙女が
私のもとの歩みよってきた
彼女が纏うタータンの衣服、リボンが
風に乗ってあざやかに舞い上がる
それこそは、グレンコーの若き英雄
ドナルドの帰還を迎えるものだった

私は彼女に告げた
美しい娘よ、その微笑み、その美貌、
我が心は奪われてしまった
そなたも愛をもって私に応えてくれるだろう
このグレンコーで、そなたに出会いし事を
神に感謝する

彼女は答えた
あなた様の愛をお受けすることはできません
私には、ドナルドという心に決めた者がおります
その者は10年前に戦場へと赴きました
私は彼がグレンコーに帰還するまで、
他の誰のものともなりません

ああ、そのドナルドという若者はもはや
そなたの名など心に留めてはおるまい
異国の地にて別の女に愛を注いでおろう
全てを忘れ去っているにちがいあるまい、
グレンコーにて帰りを待つ娘のことなど

真実の愛と名誉にかけ、決して忘れぬと
堅く心に誓ってくれたのです
もう二度と彼に会えぬのなら、
一生ひとりで生きてまいります
グレンコーの誇り、ドナルドを心に抱いて

(その愛を頑なに守り続ける彼女を見て、
  彼は懐から手袋を取り出しました。
  それは戦地に赴く際、彼女が愛の証として
  彼に持たせた物だったのです。
  手袋を見た彼女は、彼の腕に抱きつます。
  その目からは大粒の涙がこぼれ落ちました。)

よくぞお戻りになられました
私のドナルド、グレンコーの英雄よ

しっかりおし、フローラ
もう君を悲しませるものは何もない
もう絶対に君と離れるような事はない
平穏と充足が続く限り、このグレンコーで
ふたり一緒に生きていこう

(補足)

【Glencoe - グレンコー】

スコットランド、フォート・ウィリアムという 町にある小さな村です。1692年、王位に就いた オレンジ公ウィリアムは全スコットランドに 服従を求めましたが、マクドナルド族の 契約書だけが遅れて届いてしまいました。 そのため、「グレンコーの大虐殺」という 悲しい歴史の側面を持つ村でもあります。
この曲では、戦地を生き延びて故郷に帰った 主人公が描かれていますが、これとは別に 悲しい結末を描いた曲もあります。