The unofficial web site provides the informations of Irish folk singer Cara Dillon

Hill of Thieves / Lyrics

False, False / フォールス、フォールス

Trad. arranged by Cara Dillon and Sam Lakeman

Label : Charcoal Records, Number : CHACD002
Recorded and produced by Sam Lakeman
貴方の愛は偽りのものだったのね
どれだけ心変わりすれば気がすむの?
貴方が私を捨て、別の人の許へ去ってからも
愛がもう終わったことを受け入れるのが恐い

私はね、それがどんなに高い木であろうと
這い上がるつもりでいた
そこに実るはずもない果実を探そうともした
冷え切った粘土の底からは温水を汲み上げ、
荒れ狂う嵐の海にも漕ぎ出す覚悟でいたの

嘘と偽り、それが貴方の愛だったのね
どれだけ心変わりすれば気がすむの?
貴方が別の女性の許へ去ってしまおうと
もう貴方が私のものでないとは思いたくない

ああ、私はどんなに高い木でも這い上がり、
ユキホオジロ鳥の巣を盗ってこられる
なにも恐れることなく地上まで降りて
私を一番愛してくれる人の手に委ねるの

貴方の愛は偽りのものだったのね
いったいどれだけ心変わりするつもり?
貴方が別の女性に心奪われてしまおうと
私には貴方をあきらめる勇気がないの

(補足)

1960年代、旅路の名もない老女が歌っていた曲が原曲とされる 古い伝承曲です。ソロ・デビュー当時、カーラは好んでこの曲を ステージで歌っていました。

【high tree, nest】

本作、この4作目のアルバムに収録された10曲の 伝承曲の中でも3曲の歌詞に『高い木に登って 野鳥の巣を盗り、意中の相手に手渡す』という、 「恋のおまじない」のような少し風変わりな行動が 出てきます。
以前、カーラがステージで曲の紹介をした際に
『この伝承曲が書かれた時代には、どうやら高い木に  登るのが恋人達の間で流行っていたようで・・・』
というような事を冗談交じりに話していました。
機会があれば、もう少し詳しく彼女の見解を聞いてみたいものです。

まったく別の伝承曲にですが、歌詞中にこれと同じ行動が より詳しく出ていましたので要約してご紹介します。

1. 登るのが難しそうな、なるべく高い木を見つける。
2. その木の上までよじ登り、野鳥の巣を探す。
3. その巣、またはその巣の中にあった物を奪う。
4. 落ちないように気をつけて木を降りる。
5. 3で手に入れた物を意中の相手に手渡す。

以上のような手順で意中の相手に気持ちが伝わる、 つまり、どんなに困難な恋も成就するようです。
ただし、「これは古いアイルランドの曲によく見られる 独特の表現で、高い木、鳥の巣、奪う、などの語句は 別の何かを暗示している。」という意見も海外の 音楽通によって語られています。
ですので、たとえ片想いの相手がおられようと 決して実行に移されぬよう・・・。