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Sweet Liberty / Lyrics

The Emigrant's Farewell / エミグランツ・フェアウェル

traditional song,

arranged by Cara Dillon and Sam Lakeman

Label : Rough Trade, Number : RTRADECD123
Recorded by Sam Lakeman
さらば、古き良きアイルランドよ、
子供時代を過ごしたこの大地に
我まさに今生の別れを告げん
さらば、国花シャムロックを育む島よ、
そこは秀麗なる者達が住まう輝ける地、
そして勇猛なる者達の故国

我、かの平原に儚き思いを抱かん、
その美しい丘を二度と見ることなかろうと
富と名声、甘美なる自由を求め、
波うねり立つ大海をいざ渡らん

今まさに船がデリー港に接岸する、
我らを遙か海の彼方に連れ行かんと
船に天の加護があらんことを、
順風満帆なる航海であらんことを
青き大地アメリカに辿り着くその時まで

耐え難きは住まいし国を追われること
家も土地も売却を余儀なくされ、
先住民、異国人に紛れ孤独にさ迷うのだ
子孫が住み得る安寧なる土地を求めて

一芸に秀でる者、農場主,商人達は
こぞって我らの元を離れ行く、
海の向こうに雇用を求めて
彼らは生業を活かし、気苦労を配し、
その土地で必ずや富を得よう
故郷に留まるなら窮乏が待つのみ

ならば奮い立て、若き男女よ
鉱山が、掘りきれぬ金塊がそこにある
放浪の旅を恐れぬ勇気ある者に乾杯、
留まる者は己の悲運を嘆くこととなろう

ワイン、ブランデー、エール、
我ら満杯の酒を酌み交わさん
遙か故郷の者達の健勝を祈り乾杯
古き良きアイルランドへの思いあらば
いかなる時も我らの心晴れゆかん
青き大地アメリカ、
我らそこに生きるいかなる時も

(補足)

カーラの故郷であるダンギブン村は北アイルランドの デリー州に属します。かつてデリー港からは移民船が 数多く出港しましたので、この地方の伝承曲にも 移民の歌が多いという特徴があります。
移民の歌というと、人々の悲しい別れを綴った内容の 歌詞がほとんどですが、この曲には新転地アメリカへの 夢や希望も込められているように感じます。

【sweet liberty】

この曲の歌詞、第2節に登場する "sweet liberty" という 言葉は、2ndアルバムのタイトルにもなっています。

今でこそカーラが発表するアルバムには数多くの伝承曲が 収録されていますが、かつて彼女が在籍していた大手の レコード会社からは発表を拒否されたそうです。
好きな曲、本当に歌いたいと願う故郷アイルランドの 古い伝承曲を自由に発表できる環境を求め、カーラと サムは実に5年という長い旅を経てきました。
"The Emigrant's Farewell" は自由を求めてアメリカへと 渡った移民の歌ですが、カーラは自身の過去をこの曲に 重ねて2ndアルバムに収録したそうです。
彼女が初めて日本にやってきた2004年、それはちょうど その2ndアルバムが発表された翌年でしが、当時の音楽雑誌 によるインタビューでその経緯を語っていました。