Chasing The Rainbow 《1-4》

Swallow In The Snow

by詠月(SELENADE)







秋子さんとあゆちゃんと名雪ちゃんはお料理の用意

ボクと祐一君と真琴ちゃん達は
会場の飾り付け

「はい、ぴろ、この紙のわっかをあゆに渡してね」

たたた

紙テープでできたチェーンをくわえて走るぴろちゃん
でも、向かう先はボクの方じゃなくて台所……

「あー、そっちじゃないわよっ、こっちのあゆだってば」

あはは、
ぴろちゃんからも認知されてないんだねボクってさ

「わ、それ以上引っ張らないで、切れるって切れちゃうってば!」

ブチッ

「あう〜、ぴろ〜〜」

「真琴ぉ…この期に及んで遊ぶとは…お前はほんとに…」

「いいじゃない別にぃ、
 そうでなくても猫の手借りたいくらい忙しいんだから」

「本気で借りるんじゃねぇ!」


はぁ〜、そんな調子だったけど
なんとか時間までに間に合ったよ
黙々と働いてくれた一弥君のお陰だね、ほーんと




次は二階に戻って
あゆちゃんが用意してくれた
真新しいブラウスとスカートに着替えて、
あとこれ、ブラウスにワンポイント、可愛い羽型赤いブローチ、
ボクもすっかり女の子らしく、へ〜んしん♪



さて、これからお客さまをお迎えしなきゃね













そして夕方ちょっと前



佐祐理「わあ、そっくりですねぇ〜」

香里「ふうん……たしかにね」

北川「祐一、あゆちゃん片方俺にくれ」

ゴキ!

北川「おあぁっ!」

香里「はじめまして、私、美坂香里、
   よろしくね……あれ、どうしたの、顔色わるいわよ?」

祐一「人一人倒した直後に平然と言やぁ、そりゃ引くわなぁ、大抵は」



いれかわりたちかわり
人がボクの前に現れては自己紹介していく



 栞「こんにちは、えーとあの……」

ボク「あ…栞ちゃん!」

 栞「ええ! 私のこと知ってるんですか?」

ついいつものつもりで答えちゃった!
いけないいけない……

ボク「ちがうの、ボク、そのあの……」

 栞「あ…、それとも、いつものあゆさん!? ごめんなさーい!」

うぐぐぅ…どう説明したらいいのぉ!?

ぱたぱた

あゆ「あゆちゃん、祐一君さ、
   北川君の介抱にかかりっきりだから代わりにボクが」

あゆちゃん!! 
そのタイミング最悪だってば!!

 栞「こんにちは!、美坂栞と申します、はじめまして!!」(ぺこり)

あゆ「……え!?」(首傾げ気味)

わ〜ん! どんどんややこしくなっていくぅ!!




美汐「天野美汐と申します」

 遙「……石成遙(はるか)だ、よろしくな……」

うぅ…この男の人、目つき怖いよ

美汐「すこしぐらい愛想ふりまきなさい、遙」

 遙「これでも、精一杯してるつもりだぞ俺は」

美汐「怖がられてます」

 遙「ちょい待て…顔が怖いのは俺の責任じゃないぞ」

美汐「今となっては半分はあなた自身の責任です」

 遙「ひっでーの、愛想って言う意味ではお前も皆無だろって」

…二人とも、クールそうに見えたけど
話してると、そんなでもないや






祐一「おしっ、全員あつまったな!」

え、一人足りないみたいだけど…
えと…誰だったっけ?

名雪「祐一…舞さんは?」

あ、昨日も名雪ちゃんが言ってた子だね


祐一「あ、ああ、そのことなんだけど…
   さっき家戻るとき真琴から聞かされた、来れないってさ」

名雪「本当…?」

祐一「ホント…って言ってもお前は信じないだろうな…
   …直に真琴に訊いてみな」

名雪「わかったよ…」


不思議なことに
祐一君と名雪ちゃんの間も
なんかぎくしゃくしてるんだよね…













美味しいお料理
楽しいおしゃべり
みんなでゲーム

一度にたくさんの人と知り合って
お話いっぱいして、たのしいな
けど…ちょっとばかし、疲れてきちゃったよ



みんなの方はカラオケで歌う用意はじめたみたい…
CDから歌の部分だけ消して歌うんだって
う〜ん、そんなことできたなんて始めて知ったよ

…それより、ボク…どうしよ…
歌なんかほとんど知らないよ…
何にも歌えないよ〜!

でも…雰囲気からいって…
ボクも歌わなきゃならなそう……
どうしよう…ホント
ピンチだよ〜



佐祐理「あはは〜、それでは歌っちゃいますねー」

佐祐理「一弥、CDセットして下さい」

一弥「これ…姉さん、歌うの?」

佐祐理「はい、そうですよ、2曲目おねがいね」

一弥「…『Swallow in the Snow』ってさ…これって演歌の…」

佐祐理「はい、『越冬つばめ』の英語詩版ですねー
    かっこよくアレンジされてますー」

美汐「ケーシーランキンとは渋いですね…」

 遙「なぜお前が知ってる?」

美汐「SHOGUNは好きですから」

祐一「お、佐祐理さん、ちょっと待って、8ミリ用意するから」





「ねえ、あゆちゃん」

手招きするあゆちゃんに呼ばれて
廊下に出る

ボク「あ、あゆちゃん、お料理美味しかったよ〜」

あゆ「あの…あゆちゃんさ…」



ピンポーン!



「「あ、はい!」」



ガチャ


玄関のドアを開けた先には
歯をかちかち鳴らした北川君がいた。

「うぅ〜、さぶぅ……」

あゆ「あれっ…北川君!? いないと思ってたらどこ行ってたの?」

そういや…何処にもいなかったよね…

あゆ「とにかく雪落として、早く中に」

頭から被った粉雪を落とす北川君

ボク「どうしてたの?」

北川「ん? いやあ家までこいつを取りに行ってたんだよ」

ぐっと前に突き出されたのは…まっしろなギターのケース

北川「みてなよあゆちゃん……
   これで、会場を興奮と感動のるつぼに、はっはははは!」

う…圧倒されそうな気迫感じるよ……



のそのそとパーティ会場に向かう北川君を見て
あゆちゃんがぽつりとこんな事をいった。

あゆ「これは……まずいかも……」

ボク「これって?」

あゆ「あ、ううん、何でもない」

くるりとボクの方に向き直るあゆちゃん

あゆ「それよりさ…さっきの話のつづきなんだけど」

ボク「え〜と…何話してたんだっけ?」

あゆ「あゆちゃん、疲れてないかな?」

ボク「え?」













あゆちゃんの部屋に
ボクは連れてかれて…


あゆ「ちょっと待ってて」

あゆちゃんがエプロンを外す…
あれれ…?


あゆ「じゃーん、どうかな、これ♪」

エプロンの下…
ボクの服とそっくりじゃない!


ボク「どうしてぇ?」

あゆ「疲れてきたんでしょ」

ボク「う、うん」

あゆ「ボクの部屋で少し休んできなよ、
   その間はボクがあゆちゃんの代わり勤めるからさ」

ボク「でもみんなに悪いよ」

あゆ「あれだけみんなと仲良くやってたじゃない、十分だと思うよ」

ボク「でも、ばれたら…」

あゆ「大丈夫、みんな服装でボクたち判断してるみたいだから」

ボク「二人いないと、怪しまれちゃうよ…」

あゆ「買出しに出たっていっとけば信じてくれるって」




あゆ「そうそう、これ交換しないとね」

胸のブローチを外すあゆちゃん
ちらっと自分の胸元のブローチを見ると
形はまるっきり同じだけど、飾ってある宝石の色が違う
今気付いたよ、にぶいねボクったらさ

あゆ「はいっ」

外した青いブローチを手のひらに載せて
ボクの前に差し出す

ボクも胸元の赤いブローチを外して
あゆちゃんに手渡す

あゆ「これで、もう誰にも分からないよ」






あゆ「秋子さんには言っておくから」

部屋を出てく直前
ちらっと振り向いてボクにウインク

ありがたいけど、いいのかなぁ…
とりあえず、歌わなくて済んだかららっきーだね、うん
なんて思ってたら…

コンコン

わわっ!?…見つかっちゃった!?

ガチャ

あゆ「あ、ボクだよ、ゴメンね」

脅かさないでよ〜

あゆ「あの… ちょっと忘れ物」

ボクを横切って、あゆちゃん
自分の机の上をごそごそと

あゆ「そうそう、これこれ」

CDの棚から一枚取り出す



あゆ「代わりに歌っておくからね、心配しないで」

がくっ

…知ってたんだねあゆちゃん…
でも、ありがとっ













はぁ〜……

白い息が深呼吸と一緒に口から逃げていく

ここはベランダ……

ちらちらと降る雪が
音を消していく静かな世界……

下から佐祐理さんの歌が聞こえる…かすかに…


みんな知ってたわけじゃないけど
幸せそうだよね……みんな……

栞ちゃん、よく商店街で見かけたけど
いつも…どっか伏し目がちで…
なにか辛そうだったよね
大事なことを隠しながら必死に笑ってるみたいで…
でも…さっき会った栞ちゃんは
そんなことぜんぜんなくて…とおっても明るかった。

やっぱり、ここは…
ボクの知ってる世界じゃないんだ……
はじき飛ばされちゃったのかな……元の世界から……

みんな、いい人そう
祐一君も、あゆちゃんも
ここはボクが夢に描いたように幸せな世界だね…
こんなふうにボクもなれたらよかったな…

ずっとここにいていいようなこと、
秋子さん言ってくれるけど……
ボクの場所って…やっぱりここじゃないよね
何とかしてもとの世界へ
いつもの祐一君のいる世界に
戻る方法探さないと……



あれれ?

下を向いて見えたのは…
外灯で奧に向かって延びた人影…

…誰だろう?

道の斜め向かいに女の人が立ってる

黒いロングの髪
そこに雪が載って……
寒そう……


うつむきながらじっとしている…
佐祐理さんの歌を聴いてるのかな…



あ、ボクの方を向いた
丁度、佐祐理さんの歌が終わったのと同時に…


外灯に照らされたのは……
男の子みたいにきりっとした顔



何故だろう……
話したがってるみたい


……外…いってみようかな…


カラカラ…パタン



ドタンバタン!

部屋にもどって気付いたけど
下、すごく騒がしくなってる…

ひっきりなしに聞こえる
男の子の笑い声っていうか、ばか笑いと
悲鳴にもにた女の子の声

その合間合間を縫って
わずかに聞き取れる歌声……北川君かなぁ?

耳を澄ましてみると……



真琴「あははははは―――――苦しいぃ、
    お願い、きゃははは―――!!
    …っはぁ、もおやめてぇぇぇぇ―――――!!」

香里「潤!! やめなさいっ――!!」

祐一「ぎゃあ―――――はっはっはっはっ!! サイコー!!」

佐祐理「あははー、楽しいですねー」



いったいどうなっちゃてるんだろ……
なんか降りるのも怖いよ

音が静まるのまっても
周期的に笑い声と悲鳴が混ざった声が騰がって…



コンコン……

あ、はあい!





ドアを開くと…
あれ!、誰もいない!?


空耳…かな……



あゆ「聞こえないもん、なあんにもきこえないもぉん!」

祐一「どうした一弥、けいれん起こすくらい我慢してるんだったら
   笑ったほうが健康にいいぞ〜〜」


わぁぁ〜
下の音、すっごい響いてるぅ……
リビングの扉…開け放されてるみたい


祐一「おお!美汐、笑ってるのか! こいつぁ珍しいな〜〜」

バシッ!

祐一「効かない効かない〜、流石にこの状況では平手も鈍るってか」

 遙「……っくっ…っがは! 
   ひゃはははは、アホだなぁおまえたちゃ、ぐっ…ぁっぁっあ――はははは!!」

 栞「あのー? すいませ〜ん、みなさん何が面白いんですか?」



パタン



はぁ、しばらく降りられないや……

でも、もたもたしてたらあの人、こごえちゃうし……

どうしよう……



コンコン



あれ?

まただよ……



もういっぺんドアに駆け寄ってみる


ココンココン



さっきより強い
これはもう空耳じゃないよ


ココンココン



ドアからじゃない…
後ろから聞こえてる……

驚いて音の方向に振り向いてみたら
曇ったサッシごしに
人のシルエットが見えた
それはさっき見た女の子……


うそ! だってここ二階だよ!!



そんな…1分も経ってないのに……
どうやって、ここまで登ってきたんだろう…



でもとりあえず開けなくちゃ

カラカラカラ

ゴォー

風に混じって雪が少し部屋に入り込む


「お邪魔する…」

「え、あ……」

「私に用があったんだろう」

「え、うん…そうなんだけど…」

「無礼は承知だ、驚かせてすまない」

「あ、とりあえず中にどうぞ……」


カラカラ…パタン




「舞だ、川澄舞、よろしく」

「ボクは月宮あゆだよ、よろしくね舞ちゃん」

「知っている…」

「あ、それボクじゃない、
 君の知ってるのは料理の得意なあゆちゃんでしょ?」

「……二人とも知っている……」

「ふぇ?…」






「下いこうよ、みんな待ってるよ」

「…私は来ないことになってるから」

「でもさ…」

「それに…下……
 今みんなと鉢合わせになるのは拙いだろう」


あ、そうだった…みんなから隠れているんだっけボク

「…あははは…そうだね〜〜」


階下の音がかすかに耳に入る
…今の言葉で意識しちゃったみたい…



さっきと違って軽やかな女の子の歌声
あゆちゃんの声だね……


どこかで聴いたことあるメロディ……
どこでだっけ……



「意識させてしまったか?」

「ん…? ううん、気にしないで」





「実は私の方にも用がある…」

「ボクに?」

「そう…一度会いたかった」

「え? それって…
 じゃあボクが気付くの待ってたの? 舞ちゃんを?」

「……そうなるかな」

「そんなぁ…ボクが気付かなかったら
 雪だるまになっちゃうじゃない」

「大丈夫だ」

「どうして?」

「……雪の中で待つのは……慣れっこだから……」

「…でもボク、君に会ったことなんか無いよ…」

そんなボクの言葉を舞ちゃんは軽く受け流す

「……伝えたいことは一つ……」



「ここが…何処なのか…
 あゆは知らなくちゃいけない…」













「ねえ、舞ちゃん。
 やっぱり下行こう、みんな喜んでくれるよ」

「いや…私は…嫌われているしな」

「そんな…一体どうして…?」

「私の宿命だ…気にしなくてもいい」

「しゅく…めい…?」

「それに約束のこともあるし……」

その言葉にびくっとする……
……ボクは……

「そう、あゆにもあるだろう……約束が……」

「……でも」

ボクから視線を外して外を見る舞ちゃん

「あゆは未だ果たされていない約束を待つ身…
 私は…果たさなければならない約束を負う身…」

つられてボクも外を見る

雪はさっきよりも勢いを増して降っていた……
部屋の灯りを反射して……光の粒が舞い落ちる



「でも…私は…いずれ約束を破らなければならなくなるかもしれない…
 …いや、もうすでに破っているんだったな…1つ…」

「それは…どうして?」

舞ちゃんは答えない…
その代わり…ボクに向かってふっと笑った、
ほんの一瞬だけだったけど



「では…また…な」

「帰るの!? ホントにみんなに会わないで?」

「用事は済んだ…
 それに…そろそろ連中も気付いたみたいだ…潮時だな」



ダンダンダンダン…!

駆け上がってくる足音、
…一人じゃない
みんなが一斉に上がって来てるような……けたたましい音

……ということは……

バタン!

あゆ「ゴメ〜ン! あゆちゃん、バレちゃったよぉ〜」

……やっぱりね……



祐一「だあっはっはっは〜そっちが本物かあ!」

うるさいなあ、祐一君

振り返って見ると
あれ……誰もいない……

声はすれども体は見えず……
きょろきょろと部屋を見回すと
今まで正面にいた舞ちゃんまでいない…

あれれれ??


驚く間もなくだれかがボクをゆらす、
何、今度は何!?

あゆ「ねえ、あゆちゃん、あゆちゃん」

……あれ……?

あゆ「もお祐一君が追いかけるから、
   あやうく勢い余ってふんずけちゃうとこだったよ」

祐一「おお、では全力で追いかけるべきだったかな」

グイッ

香里「バカなこといわないの!」

祐一「待ってくれ! 前言撤回する、いや、します!」



北川「ああなっちまうと、もう逃げられないんだよな」

美汐「恐ろしいです…」

祐一「北川、なぜ俺に向かって十字を切る!」

香里「この後の痛さを嫌と言うほど知っているから…にきまってるじゃない」



 栞「お姉ちゃん! 残酷なことしないでください!」

祐一「おお、栞ちゃん…君こそ我がエンジェル!」

 栞「どうせなら一思いに逝かせてあげて下さい!」

祐一「うわぁっ!! そりゃね―――――ってばぁぁ!!」

香里「さよなら…祐一…」

祐一「や…やめ〜△♯♂$◇☆◎¥&@※!!」






ボクの目が開いたのは
不気味な音が鳴り響いた直後のこと……


北川「お目覚めですか…姫」

何故か目の前に…北川くんの顔

ボク「わぁぁ!」

北川「今し方、あなたを蘇らせる為の生け贄が一人屠られたところです」

祐一「…ご…ご・ろ・す・なぁ〜〜」

ボク「祐一君!」

北川「ちっ、ドラマの妙を知らん奴はこれだからなぁ」


醒めてくるにつれ
状況が分かってきた。
どうやらボクはあゆちゃんの部屋で寝ころんでいたみたい…



佐祐理「ふぇー、お揃いなんですね、
    これだと見分け付きませんです、絶対にー」

あゆ「ボクの発案だよっ」

佐祐理「うーん、やられましたー、凄いですー」



北川「ところで…あゆちゃん」

再び北川君が迫ってきた、しかも真顔で…
なんか、怖いよ…

北川「俺の歌聴いてくれなかったのか…悲しいなあ」

それって、さっきの大騒ぎのことかな…

ボク「えと…ごめんなさい…今度チャンスがあったら…」

北川「よし、それじゃ即アンコールといこうか!」

香里・あゆ・美汐
  「「「却下!!」」」

北川「何故だ…、あれだけ受けたのに……」

香里「……男性陣にはね、こっちには拷問っ!」

北川「喜んでいた女の子もいたぞ!」

佐祐理「はい、凄く楽しかったですー」

香里「佐祐理さん…頼むから話の腰折らないで…」

佐祐理「あははー、腰を折ろうとしたのは香里さんですよ」

遙「うんうんそうだな、凄い音したもんな」

香里「そっちの方じゃないわよ!」


横からあゆちゃんがそっとボクに耳打ち

あゆ「いなくて正解だったよ、予想通り北川君とんでもない歌を歌ってさ、
   祐一君たち男の子は大喜びだったけど…ボク達には悪夢だったんだから」



祐一「こらあゆ、なに話してるんだよ」

あゆ「別にいいでしょ」

祐一「さては仕掛けがバレて、次の手の相談かぁ
   どっちにしても、俺の目は誤魔化せないぞ〜」

あゆ「非道いよ、あんなことでボクを特定するなんて」

祐一「何を言うか、あんなもの美味しそうに
   ほおばれる奴はお前と秋子さんしかいない!」

あゆ「冒涜だよ、ジャム餡ルーレットなんて!」

う〜ん…何でばれたのか、
だいたい想像ついちゃったよ…






それにしても舞ちゃん……
……あれは、夢…だったのかな……
でも、あの言葉……

『ここが…何処なのか…
 君は知らなくちゃいけない…』

頭に焼き付いて離れない……



ボクは…一体何を知らなくちゃいけないんだろう……



……この世界で……











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