倫敦彷徨記;2日目 1998年9月20日(日)
<Walking Day>

 8時半起床。シャワーして身支度してG階のカフェでコンチネンタルブレックファスト。シリアル、オレンジジュース、ペストリー、ミルクティー。セルフサービスで、一見わびしい朝食なんだけど、このミルクティーが絶品である。紅茶もコーヒーも寸胴ポットにいっぱいに作ってあるものを取ってくるだけなのだが、もんのすごく美味しい。こんな紅茶が、なんでこんなにおいしいんだ!?美味しいすぎるぞ!と叫びながら味わう。気のせいでなくここの紅茶は美味しかった。この後、結局毎朝、おいしすぎるーと言いながら飲むことになる。

 朝食をとりながら本日の第一目的地への行き方をガイドブックでチェック。いざ出かけようとカフェから外に出たら、まだ暗くて霧がかかっていて冷え込んでいる。つまり、寒い。しかも濃い霧で、霧雨と言ってもいいくらいだ。コートを取りに戻るべきかどうか悩んだが、「英国には1日の中に四季がある」と書いてあったのを思い出し、きっとすぐに春が来るだろうと思い直してそのまま出かける。まずはペティコートレーンへ行くのだし、何か買っても良いだろう。

 地下鉄をAlgate East駅で降りると、ちゃんと方向指示板が出ている。人もいくらか歩いているしと検討をつけて歩いていってみると、屋台の群れが通りのずっと先まで続いている場所に着いた。これがペティコートレーンのマーケットか!予想よりずっと規模が大きい。服、下着、帽子、タイ、スカーフ、バッグ、靴、人形、茶器、銀器、等々なんでもありといった様子。規模と人並みに圧倒されつつ通りの一方の端まで行くと、そこには倉庫売りのレザージャケットが!「1着買ったらもう1着サービスだよ」という恐ろしげな売り文句を唱えるおにーちゃんから必死で逃げ出す。見て楽しんだだけで、結局何も買わずじまいであった。

 てくてく歩いてLiverpool St.へ出て、再び地下鉄でCovent Gardenへ移動。正午を回ったし歩いたし、空腹を満たしてからぶらぶらしようと昼食をとりに行くことにする。ガイドブックに載っていた菜食主義者向けレストランへ。スペシャルプレート£7.50はスリランカカレー、ココナッツチャツネ、サフランライスの山盛りがセット。味はまあまあ。ココナッツ生だったのでちょっとえぐみが。日替わりスープも美味しそうだった。小さな店だけど、しっかり客が入っている。テイクアウトもしてるらしく、カウンター付近は常に忙しそうだ。ドライフラワーやハーブが飾ってあったのも感じ良かった。

 お腹が膨れた後は"Tea House"でさまざまな紅茶、茶菓子、茶缶、ポット、カップ等々との誘惑と闘う。このバリエーションはさすが紅茶の国。どうにかEnglish Breakfastを1包み買っただけで抜け出す。お向かいにはcandle屋があり、庭園用の大きなcandleがたくさん並んでいる。灯籠のようになったものあり、水に浮かべるのあり、色とりどりで大きさも様々なのが、色分けされたコーナーを飾っている。Candle standやLantinも多種類あって、室内でもムード満点。庭のある生活をしているのなら欲しくなること請け合い。アパート暮らしには用のない店で良かった良かったと胸を撫で下ろしつつ、Crabtree&Evelynに入る。気になる香りのルームスプレーがあったけど、一つ買うと他のも買っちゃいそうだったので我慢して離脱する。隣は派手な靴下屋で、いつ誰が履くんだろうってほどユニークなソックスやタイツが所狭しと並んでいる。とにかく目に付く店は片っ端から入りたくなるようなディスプレイがされていて、先に進むのが一苦労だ。

 やっとのことでCovent Gardenに辿り着く。 ここは以前は巨大な市場、現在はアーケードになっていて、カフェと屋台が立ち並んでいる。高いんだか安いんだかわからない雑貨あり、色とりどりの包み紙にくるまれたチョコやキャンディーあり、古着あり、Tシャツあり。歩いているのも様々な人種の観光客がいると思えば、犬を連れたお散歩の人もいる。いっそオードリーの花売り娘が出てきても不思議じゃないような空間だ。これは自分で描いたんだよー苦学生なんだよーと主張するにーちゃんの屋台で、楽器や音符が渋い色でのってるTシャツを一枚購入。これに20ポンド出すのが高いのか安いのかもわからないが、ありそうでない感じで気に入ったから良しとする。

 Covent Gardenのお向かいにはSt. Paul Churchがあるんだけど、いい加減歩き疲れもしたのでTea Timeしに横丁の"Porters"へ。いかにも英国な趣の外観と"Cream Tea"と書かれた看板に惹かれて入ったんだけど、これがまた大当たりの店だった。内装も凝っているし、食事メニューにはいわゆる英国料理がずらりと勢ぞろいし、紅茶もスコーンもクロテッド・クリームもジャムも、とにかくメチャメチャ美味しかった。(後で調べたらガイドブックにも頻繁に紹介されてる店だった。)料金はサービス料込みで一人4ポンド弱。大満足である。

 "Porters"を出てすぎに、今度は"Wittared"を発見。当然のごとく吸い込まれてしまうが、お茶で満足したところだったのであれもこれもとは買わずに済んだ。フルーツフレーバーの紅茶が量り売りされていて激安だったが、ちょっと香りがきつすぎてパス。土産用に数缶選ぶに留まる。
 再び通りを、賑やかそうな方向へと歩き出す。街を眺めながら歩くだけで楽しい。ここまで歩くのが苦にならない旅行も珍しい(私にとっては)。

 ダイアナ妃グッズの店があった。チケット屋もあって、"Phantom of The Opera"のチケットを買った。嬉しくて舞い上がりながら歩いていたら"Sega World"があった。なんでロンドンにセガ?と思いつつ入ってみると、これが近未来的な内装でもって、しかもなかなか人気がある様子。エスカレーターに乗ると直通で7階まで上らされてしまい、各階ごとにフロアを一周しないと降りられない造りになっている。置いてあるゲームはあたりまえだが日本と大差ないので新味はないし、クレーンゲームの商品とかプリクラのフレームは日本の方が凝っているんじゃないだろうか。

 Picadelly Circusでは先ず"The Body Shop"で買物。エロス像を中心として反時計回りに広場を歩き、『そごう』も覗いてみる。いかにも日本人相手な商品陳列に呆れていると、隅っこにひっそりとプリクラが。こんなとこまで来て続けざまにプリクラを見るとは思わなかった。恐るべしプリクラ。
 "McDonald"があったので水分補給に入り、大好きなDiet Cokeを注文する。何故だか日本じゃ回収がかかってしまって売らなくなったんだよね。Coca Cola Lightじゃ味が全然違うからイヤなんだよー。

 Trafalgar Squareへ降りてNational Galleryの前に出る。さすがに夕方だし、本館は後日に譲ってGallery Shopを覗くことにする。ダイジェスト版の所蔵品カタログとターナーの絵のマグネットを購入。近くのコンビニ風の店で飲料水とワインを購入して地下鉄に乗り帰宿。すでに午後6時過ぎ。

 一休みしてからちょっと着替えて夕食に出かける。再び地下鉄に乗ってCovent Gardenへ。以前ロンドンにいたことのある友人がお勧めに挙げてくれたベルギー料理"Belgo Centrale"はムール貝が美味しいらしい。ガイドブックにも割とよく紹介されているし、同行者K嬢のJCB本にも載っていた。おかげでJCBサービスに食前酒としてシェリーが出されてラッキー。それからビールとキールを飲み、ムール貝のオーブン焼き、ハーフ・ロブスターのエストラゴン添え、ベルギーソーセージのマッシュポテト添え、野菜サラダを平らげる。いかにも臓物という味のソーセージは癖が強かったけど、食べられないほどじゃなかった。でも「しみじみおいしくない」のとは、ひょっとしてこんな感じなのだろうかと思わされる代物ではあったか。ムール貝はとても美味。ロブスターもまずまず。二人でサービス料15%込み40.45ポンド。

 昼間は通らなかった道を選んで通ってLeichester Squareまで夜の街を楽しみながら歩く。映画館で北野武監督の映画をやっていたり、ライトアップされたショーウィンドーが綺麗だったり。夜の地下鉄も日本の地下鉄と大差ない感じで乗れるといのは、かなり治安が良い方に分類されるだろう。Earl's Court駅からホテルまでは本日最後の歩く行程だが、歩けてしまうのも安全だからこそ、だ。K嬢の万歩計によると今日一日で15024歩をカウントしたそうだから、ほんっとよく歩いたものだ。

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