若年から成犬への話へ


桑畑さんのページ


二代にわたってアルファをいただいた宮崎の元ブリーダーさん桑畑 力(くわはたちから)さん。昨年、長い間にわたった犬舎を閉じられました。でもその経験は貴重で、今でもお話を伺い、参考にさせていただいています


幼犬の頃の話
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犬の飼い方、躾の本はあふれる程本屋さんに並んでいます。又インターネットでも簡単に検索できます。しかしそこに書いてあることが必ず全ての犬に当てはまるのかどうか、時として“マニュアル”に振り回されそうな気がしてなりません。長年の経験からアドバイスして下さる桑畑さんのおっしゃることは、現実に則していて私にはすとんと腑に落ちるのです。以下はアルファにとって貴重な生育のバイ゛ブルです。青字が桑畑さんからのアドバイスです。


  何年もの間、ゴールデンレトリバーを育てて来られた経験からまず、餌は、H社のS・Dは、どうもアレルギー体質になる可能性があると、今回指定されたのはWのP・Mです。そういえば、初代のアルファはかかりつけのお医者さんから、特異体質だと言われたことがありました。最後は腫瘍の手術になったのですが、なかなか傷が癒えないと言われました。考えてみれば、犬の餌は飼い主にその善し悪しは分かりません。人間の食べ物でさえ怪しげな昨今ペットの餌は何がどう安全なのか、メーカーの良心を信じるしかない。こうした桑畑さんの経験からのアドバイスは貴重です。

 子犬が家に来た日の事 夜は泣いても見に行かない、朝も早くから見に行かない、まして一週間は家の中には入れないで下さい

 シャンプーについて 3日に一度は洗って下さい、汚れたから洗うのではなく、洗うという行為に慣れさせる為です。当方から行った犬は水道水を直接かけられても慣れております。犬は大小にかかわらず平均体温は38℃ですのでお湯で洗う場合は少し熱めのお湯で洗うのがコツです。

 飛びかからない為に 子犬はかわいいからといって両前足を同時に持ち上げてはいけません。まして大型犬に「お手」を教えてはいけません。手を上げたら払って下さい。子犬の両前足を持つということは、飼い主の意志にかわらず、遊んでもらえると思い飛び掛かるようになります。犬にとっては愛情表現なのですが飛び掛かられる側としては、大人であっても、どっと飛びかかられると痛い、服が汚れる、まして子供はひっくりかえる危険性があります。犬は大小に関わらずどんなに嬉しくても、両前足を上げて愛情表現することは絶対いけないのです。

股関節形成不全(モンローウォーク)について レトリバー犬は西欧では中型犬ですが、日本ではシェパードとほぼ同等サイズですから、大きくなる犬に過度なカロリーを摂取させ太り大きくなることは良くありません。特に早く大きくなった犬は骨格形成の方が成長が遅いので体重が掛かり関節に負担がかかるので、形成不全になりやすいのです。股関節形成不全(モンローウォーク)これはシェパード、レトリバーに多い先天的欠損(近親交配等が要因)と言われておりますが、実は過度のカロリー摂取で早く大きくなった若犬、又は生後6カ月以前に過度な運動をさせた犬に多いのです。ですから少し痩せて大きくなり6カ月までは散歩などさせず、庭先で自由に遊ばせて大きくすることが大事です。

 
全身の毛の脱毛と変色について いきなり数日のうちに全身の毛が抜け、背中が茶色く変色しました。当初ブツブツとおできもできていたのでたちの悪い皮膚病だと疑いました。
お医者様もこんな症例見たことがないと、写真まで撮られる始末。が、結局のところ桑畑さんの言葉で納得しました。
夏に生まれた子犬は時として異様なまでの身体の変化を起こします。生まれてまもなくは、いわゆる産毛で覆われているもののしばらく経つと徐々に抜け初め大人の毛に変わります。特に今夏の暑さは格別で、それが顕著に表れたものです。犬の発汗は普通舌で行われ、人間のように肌には汗をかかないと言われていますが、実はそうではない、私の経験からして、背中からも発汗している気がします。これはどの本にも書いてはいませんので信じてもらえないかもしれないが実際背中から出す汗や熱量は予想以上です。背中の茶色い毛も産毛が抜けたのと同時にこの暑さの為に一気に大人の毛になったもの、そして子犬のこの時期特有に起こる痒さから、自分自身が口で毛を抜き取ってしまう、それが合わさってこのようになったのだと思います。心配はありません。それから、これからしぱらくは不細工に育てて下さい。コロコロと丸くかわいく育ててはいけません。股関節の発達のために少し痩せ気味で育てることが大事です。

 
綱(リード)と散歩について そろそろ公園デビュー、散歩の準備を考えなくてはいけません。前の犬の時は、全くといっていい程そんなことは考えませんでした。ごくごく普通に革製のありふれた首輪と綱で、「散歩に行こうよ」と声をかけ(犬はその声を聞くと大喜びです)、できるだけ決まった同じ時間(夜10時過ぎ)に散歩に出ていました。首輪は先ず、すべりのいいステンレス製のチェーン(私は18−8と呼んでいます・成長記録参照)を用意して下さい。そのチェーン首輪は犬が引っ張ると首が絞まるようになっています。綱(リード)を引っ張れば首が絞まり犬自身が苦しくなり、自由にしてはダメなのだと思い知らせるのです。飼い主は綱(リード)を左手で持ち、最初に犬にスタンディングポーズ(きっちりと立って首は上げている状態)をさせて下さい。そして綱(リード)は少し短めに垂直に持ちます。その時ほんの少し犬の首もとに余裕を持たせます。歩き始める時は静かにワンクッションおいて歩き始めます。止まる時も軽くチェーンを引いて止まります。次の動作に移る時には、こうして合図を送ることがコツです。大型犬ですので、飼い主が引っ張られないよう、初めの散歩が肝心です。又散歩の時間は決して決めない事、犬は習慣性の動物ですので、時間を決めて散歩に行く習慣をつけると、その時間が来ると喜んで興奮し、勢いがついてどうしても引っ張る行動を起こします。前述の通りの訓練を重ねて行くと、最終的には綱(リード)なしの散歩も可能です。大型犬の綱(リード)は太いのは格好が悪い、いわゆるダサイ。犬を散歩させる時、大きい犬程細い綱(リード)で歩く姿が格好が良いのです。何もかも、正反対のことをしていた前の犬の散歩…恥ずかしいことながら引っ張られることが多かった。後半は犬も落ち着いてきてゆったりと歩いてくれたものの、やはりあの散歩はダサかったのですね。今回はアドバイス通りちょっと訓練してみようと思います。格好の良さはともかくも私自身の身の安全の為に、そして犬にもストレスをかけない様。その様子又ご報告いたしましょう。
 
 
はじめての散歩について アルファの場合、実に理想的です。余り早い時点から散歩には連れ出さなかったこと。5〜6カ月くらいまでは、自宅の庭で拘束させることなく自由に遊ばせておいたこと。これが実は、外の散歩に出る時に大事な条件となります。早い段階でリードにつないで散歩に出すと飼い主はどうしてもコロコロかわいく歩く子犬の方へ行ってしまう。これがよくない。これを繰り返していると犬は自分が先頭をたって歩く者だと思ってしまう。ところがアルファのように家の庭で普段自由にしていると、首輪をされた時点でこれは、もう自由にはにならないんだ、と一種の犬の覚悟ができてしまう。歩き始めは、興奮せないよに、ゆっくりと、さりげな状態で外へ出て行きます。犬が先へ進みそうになったら、左周りに回って犬の行く先を変えてしまう。少しでも引っ張ろうとすれば首がしまり、犬にとっては嫌な感触が首に残る、この繰り返しをしながら、静かなゆったりとした歩調であるくことが肝要です。犬の首輪につけたリードには、わずかな余裕をもったたるみが必要です。犬は引っ張れば、その力に反応して、引っ張りますので、飼い主がリードをぴーんと張って引っ張ることは厳禁です。