Last modified 10/30/98

交響詩「ローマの噴水」


Fontane di Rome


吹奏楽
ローマ3部作もこの曲になると相当影が薄くなるような気がします。オリジナルが弦主体ということも一つの原因だと思います。金管楽器は半分以上暇になってしまいます。 (コルネットは除く)それ以上に弦主体の曲はバランスを取るのが難しい上に、木管楽器が要求される技術に追いつかないという大きな難問がありますが。 楽譜に関してはただ今調査中ですが、木村吉宏編曲のものが大変優れていると思われます。
音源に関しましてはローマの松のものに収録されています。(KOCD-3570)

オーケストラ
ローマ3部作の中ではこの曲がもっとも早期に書き上げられますが、その初演に失敗、二年後の1918年の再演で日の目を見ることになります。 モチーフになるそれぞれの噴水が周囲の風景とよくマッチする時刻に注目し、その時の感情と幻想を表現するという手法でこの曲は仕上げられています。

第1部 夜明けのジュリアの谷の噴水
ジュリアの谷はボルゲーゼ荘の丘とそのやや北方のパリオリの丘に挟まれたあたり。
その谷のフィルドゥーシ広場にシャンパングラスのような形の噴水が2対ある。
第2部 朝のトリトンの噴水
この噴水はローマのバルベリーニ広場にあるジョバンニ・ロレンツォ・ベルニーニの作品。
ギリシャ神話の海神トリトンが空に向かってほら貝を吹き上げる姿をしている。
第3部 昼のトレヴィの噴水
あの有名なトレヴィの泉のこと。ポーリ宮の壁面に刻まれた勝利のアーチを背に、
ネプチューンがたち、左右ニ頭の海馬とそれを御すトリトンの彫刻のある噴水。
第4部 黄昏のメディチ荘の噴水
メディチ荘はボルゲーゼ公園の馬術競技場にすぐ南西にある。円形に広がった形の噴水。

これらの噴水がそれぞれに美しく表現されています。中には金管楽器を主体とした
ダイナミックな表現も存在し、聴く人をまったく飽きさせない曲だと思います。
音源に関してはローマの松で紹介したものに収録されています。(FOOL-23083)

[前のページへ] [トップページへ] [作曲家一覧へ]