Poem & Essay




星よ教えておくれ



どうして人は

夜空を見上げるのだろう
褐色(かちいろ)に凍()てつく冬空に
煌めく星
流れる
銀河
おまえの奏でるひかりは
どんな音楽よりも美しい
ふと手を差し伸べれば
触れそうなくらいに
きらり きらり
ちらり ちらと
滲み輝くせつなさ
胸の奥に聴こえる
遠い呼び声
あゝゆかしい
あゝなつかしい
私は
どの星から来たのだろう
星よ
教えておくれ
私の瞳は
こんなに泪しているのだから


詩集『永遠の光』中村鶴城著、2006刊より