Poem & Essay





やさしい心




きよらな蓮の 花の台(うてな)に、
はらはらとこぼれ落ちる露の玉。
のぼる朝日にうっとりとして、
うれし泪を流しているのでしょう。

すがしい夜明けの 東のみそらに、
銀の霞を織りなして鳴きわたる小鳥たち。
今日のめぐみの感謝のうたを、
きっと捧げているのでしょう。
   
うらぶれた廃園の その片すみに、
ひっそりと咲く白
(しら)ゆり一輪。
どんなところにも幸せがあるのだよと、
ゆかしくも輝きましているのでしょう。

神さまそのままの、
そんな心で、
ありますように。