Poem & Essay






遠い呼び声の彼方







静かなところにいきたい。
こずえの、
葉ずれの音だけが、
さわさわと聴こえるようなところ。

風が魂をさらっていって、
ゆくえしれずに漂う木の葉のように、
神さまのみ心にうれしと涙をながす。

そんな
静かなところにいきたい。

そうすれば、
心の声が、
はっきりと、
聴こえるに違いない。

遠い呼び声の彼方の、
静かなところ。

すべてのものを映して、
自らは乱れることない鏡。
ダヴィンチのような永遠なる孤独の鏡。
「孤独であることは救われることである」
彼はそう語った。

静かなところに、
いきたい。
こずえの、
葉ずれの音だけが、
さわさわと聴こえるようなところ。