じゅげむ?
2008年 2期
富士幻想
台風の嵐が去ったあと、
西の山並みの向こうに富士の姿が現れた。
流れる黒雲の間隙に真白に輝く富士。
大気の塵が払われて、
いつにもまして鮮やかな光をまとっている。
雪が降ったのであろうか。
柔らかな白が香り立つかのよう。
陽に照らされてまばゆいばかり。
その夜
澄みきった東の空に
月が光る。
満月。
それは幻想のひびき。
日なかに見た富士の姿と月がかさなる。
まるで残(のこ)んの月のように、
その満月は、
富士の高嶺にしずかに浮かんでいた。
(2008/05/22)
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居座る流氷?
今日のNHKの7時のニュースで、
オホーツク海の流氷のことを、
「居座る流氷」と報じていた。
例年であれば3月下旬には北に去っている流氷。
今年は今もなお接岸したまま。
漁師が漁に出られないで困っていると云う。
しかし、「居座る」とは、
何と感謝の心のない、さみしい言葉だろう。
流氷は自然の法則に従っているだけ。
流氷が来るのが遅ければ、
それが運んでくるプランクトン目当ての魚が集まらず、
漁獲にひびくと不平を言い、
去るのが遅ければ、
こんどは漁に出られないと文句を言う。
自然の恵みをうけながら、それに気づかない人間。
海を司る神々様、
そんな人間の我が儘をどうぞお許しください!
流氷さんありがとうございます!
海さんありがとうございます!
ありがとうございます!
ありがとうございます!
・・・・・・・
(2008/04/09)