じゅげむ?


2009年 1期




詩心


(日課の散歩の途中で)

詩心とは何でしょうか。
日常の何でもないことの中に美を発見し創造する心です。
美にあこがれ、美を求める心です。

美を求める心は、神を求める心です。
それは神に至るもっとも直感的で素直な方法です。
私は神に憧れますが、
神を求めて芸術に没頭するのではありません。
美を求めて芸術に没頭するのです。
しかしそれ故にこそ神におのず至るのだと信じています。

真の極致は美であり、
善の極致は美であり、
愛の極致は美です。
美は神の証なのです。

ですから、
美を創造せんとする詩心は、
神の心なのです。

(2009/03/29)
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嵐のまえぶれ





ここ一ヶ月半、寝ても覚めても行者様のことばかり考え続けてきた。
今年のリサイタルで発表する《役行者琵琶伝》、今その創作まっただ中である。
作詞はほぼできあがってきた。
一日だけ緑に憩うことにした。
久しぶりの新宿御苑。
じつは毎年楽しみにしている白木蓮の大木が目当てであった。
日本庭園の近くにある白木蓮は関東一の大木。
しかし、残念ながらまだ蕾が堅い。
あと一週間くらいで貴婦人が花ひらきそうだ。
帰り際、新宿門の近くからふと南の空を仰いだ。
するとどうだろう、高く天に伸びた枝木の林の上に、
黒雲、そしてそこから姿を顕した太陽。
おもわず手に持っていたカメラのシャッターを押した。
嵐のまえぶれである。
峻烈なる役行者さまの姿であったか。
その日の夜中、一晩中、東京は雨風が吹き荒れた。

(2009/03/14)