じゅげむ?


2009年 2期





忌むところの者は慾なり




本文は都合により削除いたしました(09.5.25
(2009/05/23)
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夕庭の光



所用で宮崎の実家に二日ほど帰った。
まだ五月というに真夏のような強い日差し。
気温も昼間は三十度くらいはあったろうか。
枝葉を吹き分けるほどに風が強い。
これも地球温暖化の結果であろう。
季節の穏やかな移ろいの様が失われ、なにかさびしい。

夕方、庭先に出た。
樹齢五十年以上の桜の大樹がある。
繁った青葉を風が揺らす。
葉陰から西日が漏れて、
ゆれるように降りさす。
光は、
樹下の喬木に照り映えて、
濃い緑があざやかに輝き増す。
さらに漏れおちた日差しは、
落葉の朽色をあぶり出し黄金色に染める。

庭の手入れに余念がなかった父が病に伏してはや一年半以上が経つ。
深くふり積もった落葉を払うかのように、
つがいの鳩が音を立てながら虫をついばんでいた。

ふと良寛の歌を思い出した。
良寛三十九の時、
一度は捨てた故郷にひそかに戻る。
久しぶりに尋ねた実家は落ちぶれ、
庭は荒れ果てていた。

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来てみればわが故郷は荒れにけり
     庭も籬
(まがき)も落葉のみして(良寛)

(2009/05/16)

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(我が家の居間に飾られたカンパニュラ)

カンパニュラ


鈴が鈴なり風鈴草。
鐘が釣られて釣鐘草。
小さな鐘のカンパニュラ。
楽しげに笑っているよ。
口をすぼめておどけているよ。
わいわいがやがや、
おしゃべりおしゃべり、
カンパニュラ。
陽気で明るいカンパニュラ。
何を語らん、
花の心の花言葉。
「親交」
「友情」
カンパニュラ。
今日に乾杯!
いのちに乾杯!
ああ、
カンパニュラ。


*「カンパニュラ」はラテン語で「小さな鐘」の意味だそうです。
和名が「風鈴草」「釣鐘草」

(2009/04/27)

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夕日影




7月のリサイタルに向けての創作もようやく目処が立ってきたところで、

昨日と今日と、まる二日間、一日中、ひたすら家の掃除に没頭した。
やらなければならないことはまだまだ沢山ある。
こんなことをしている場合ではないと思いつつ掃除を始める。
なぜ掃除かというと、それは自分でもよく分からない。
おそらく、部屋をかたづけるとは心を整理することであり、
部屋を清浄にすることは、心を清らかにすることなのだと思う。
掃除というのは中々奥が深い。
まあ、そんな考察は置いたとして、
兎にも角にも清潔になった部屋は気持ちが良いし、
何かしら次の過程にむけての新たな準備ができたような気持ちになれる。

昨日の夕方のことであった。
掃除が終わって一息、ふと目をやると、
居間の、小物を置いてあるカウンターに夕日が差していた。
白い壁に映し出されたブラインドの淡い影模様と燃え立つような夕日の赤。
そして置物のくっきりとした黒い影。
日が沈む前の一瞬の時間であった。
影の表情はみるみる変化してゆく。
ああ美しい!
ほんの数分のことであった。
日はあっという間に山陰に沈んで影は消えた。

今日という生活
(たつき)の、
今という瞬間の美。
今日もまた美に出会えた。

(2009/04/24)

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タンポポ


2009.04.20撮影)

20日の散歩の話の続き。

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フリージアに心を奪われて、
しばらく愛でたあと、
ふと片隅に目をやるとタンポポの綿毛が、
ふっくらと佇んでいるのに気づいた。

どこにでもあるセイヨウタンポポの綿毛。
花にもまして美しい姿ではないか。
線香花火のようにも、
宇宙の星の光のようにも。
悦びがひそかに顫えている。
いのちの飛翔の瞬間を夢見ているにちがいない。
わたしもつられて、
風の音にじっと耳を澄ませる。

生命よ、
あはれなれ。
どんなところにも
あなたは美しく息づいている。

(2009/04/24)
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フリージア



(フリージアの花)

またまた散歩の途中の話。

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ある病院の病棟の前庭。
桜の大木を中心にツツジなどの喬木で囲われた一郭。
いろんな草花も楽しめるようになっています。
最近見つけた楽しみな場所です。
きょう久しぶりに立ち寄ってみると
ひときわ麗しく可憐な姿が目に飛び込んできました。
花の名前は何だろう?
と・・・ちょうど年配の庭師の方が手入れに来られました。
フリージアの一種とのこと。
ここに大きな木を植えたとき、
根っこに球根が一緒に付いてきたらしく、
そのまま根づいて繁殖したのだそうです。
しばらく話をしていたら、
「持って行かれますか?」と言うがはやいか、
腰にさしていた剪定ばさみでチョキン・・

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お金はなくても散歩はできる。
一歩二歩散歩
ありがたや。

(2009/04/20)