Concert Snap




パシフィック・ミュージック・フェスティバル96

1996年7月13日、札幌芸術の森野外ステージ



 クリストフ・エッシェンバッハ指揮PMFオーケストラで《ノヴェンバー・ステップス》を演奏。私にとって、この曲の初演となりました。オーケストラとの共演も初めてでした。尺八は横山勝也氏です。  野外コンサートでしたので当然PAを使用しました。結果、琵琶の消え入るような細かい余韻まで良く聴こえたそうです。  琵琶は大変音量の小さな楽器です。例えるなら、バイオリンのピアノが琵琶のフォルテに相当するといってもいいくらいです。これは大げさではありません。 私は、ノヴェンバーの演奏には、ソロパートはマイクを使用したほうが、曲の魅力を大きく引き出せるものと確信しています。  その後、NHKホールとか、サントリーホールで演奏した時は、客席の場所によっては、琵琶はほとんど聴こえなかったと知人から聞きました。オーケストラ と琵琶というのは、もとより、かなり無理な組み合わせです。その辺で、クラシック関係者も「マイクなんて!」とかたくなに拒まず、邦楽器の性質をもっと理 解してもらいたいと願っています。もちろん、マイクなしでも琵琶も十分聴こえるるホールもあり、その場合はやはりマイクなしがベストです。