■ | 旅 の 風 景 |
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もう7〜8年も前になるでしょうか。ローマを初めとするイタリアの北部を訪れてから、次は是非南イタリアに行きたいと思っていました。今回その機会を得てナポリからソレント、バーリ、そしてシチリアを訪ねることができました。私にとって南イタリアは、輝く太陽、真っ青な海と石造りの街並み、そしてオレンジやレモンがたわわに実る楽園というそんなイメージがありました。その期待を裏切られることなく、素晴らしい景観と古代の歴史に触れることができました。しかしながら、異邦人の私の知らない街の片隅では貧富の差のある人々の生活を、悲しいことに愛すべき「犬たち」に垣間見たのでした。これは単なる旅の感傷なのでしょうか。 |
旅 程 2004年1月27日〜2月3日
関空 → ローマ/ナポリ → ポンペイー → マテーラ
カプリ島・ソレント 遺跡巡り アルベロベッロ散策
→ シチリア/タオルミーナ → パレルモ → アグリジェント
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雨に煙るカプリ島の景観です。ナポリのメルジェッリーナ港から高速船に乗り、約50分で着きました。あいにくの雨と風にたたられましたが、それでも目を見張る絶景です。ここは、レモンの産地でもあり、イタリア料理の最後にいだだく食後酒、「レモンチェッロ」の故郷です。 意気揚々と乗った高速艇、風雨のせいもあったでしょうが、実に乱暴な運転で船は揺れに揺れました。「ぶっ飛ばした」という表現がぴったり。お陰で私は、すっかり船酔いし、ビニール袋に顔を埋めてひたすら我慢の50分なのでした。 |
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これが行くはずだった青の洞窟です。というのも風雨で洞窟には入れませんでした。実はこの洞窟は人間の頭二つ程の高さしかなく、例えお天気でも、少しでも波が立つと入れないのです。カプリの港から手こぎの船に乗り換え、えっちらおっちら行くらしい。しかし青の洞窟という名の通り海底はこの世のものとは思えない程澄んで美しいといいます。4回来ても天候の為入れなかったという人もいる程ですが、私は残念で残念でなりませんでした。 で、この写真は昼食時のレストランにかかっていた写真を撮ったもの。せめてもの現地の思い出です。 |
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古代の都市へタイムスリップです。後方に見えるヴェスビオス火山の噴火で一瞬にして消えた街ポンペイ。2000年以上も前のこの街には驚いたことに、サウナや公衆浴場や居酒屋、売春宿までありました。「へえ〜へえ〜」と興味津々。そして更に目をむいたのは、当時ちゃんとわんこも飼われていて、「番犬あり、注意」という表示まであったのです。 暮れゆく歴史の街、そこを訪れる観光客にどこからともなく寄ってくる犬たちがいました。私は思わず駆け寄って… |
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「サッシ」と呼ばれる岩山をくりぬいた洞窟住宅。マテーラは、この街全体が世界遺産に登録されています。荒々しい大地に、重なり寄り添うような住居跡に先人の厳しい生活が忍ばれました。この日は風もあり空気も冷たくほんとに寒々とした風景でした。 街が世界遺産に登録されたと知るや、元の住人たちが戻って来始めたとか。私は「なんと現金な」とも思いましたが、しかしなぁ買い物はどうすんのかしら、セブンイレブンもないしなぁと思うのは、はい、余りにも俗な感想でした。 |
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「トゥルッリ」というとんがり屋根に白い壁の家々が建ち並ぶアルベロベッロの街。まるで童話の世界にでも迷い込んだようでした。静かで人っ子一人居ない様子でしたが、やはりここにも人が住んでいます。世界遺産に登録され人気スポットの一つです。この先の突き当たりに一軒売り出し中の家がありました。「内見会だー」と勝手に言って中を見せてもらいました。入り口は小さいのに中は意外に奥行きがあってびっくり。金額を聞くと12万ユーロ。ん?幾らだ?なんと日本円で約1700万円。うーん、これなら広島でマンション買うわよねぇとはやはり夢のない感想でした。 |
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うぁーきれいっ!思わず声を上げました。シチリア島を代表する高級リゾード地タオルミーナです。後ろに見える富士山のような山は活火山のエトナ山。雪のエトナは滅多に見られないとか。ここで泊まったホテルは豪華五つ星ホテルで、あーずっと滞在していたかった。映画「グランブルー」の舞台となったこの世界の人々が憧れるリゾート地では、やはりそれを象徴するかのようなわんこが居ました。ポンペイで出会った犬との余りにも違う様子にこの国の貧富の差を見た思いでした。 そうそう、「@」のお店を見つけ、アルの掲示板に書き込みをしたのもこの街なのでした。 |
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シチリア島最大の都市パレルモです。ここは彫刻で囲まれた見事な噴水のあるプレトリア広場。やはりルネッサンスの雰囲気が漂います。シチリア人の現地のガイドさんと記念撮影です。「はい、チーズ」という言葉をこのガイドさんに教えてあげました。 バスが出発するまでのわずかな時間に、この街の商店街にある小さなペットショップを訪ねました。さすがイタリアです。皮でできたショート・リードが置いてありました。アルファと私の大切なわんこつながりの友人へのお土産に買い求めました。 そうそう、シチリアワインも安くておいしくて、持って帰るには重いのだけど、日本では手に入らないというので、2本買ってしまいました。 |
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目の前はもうアフリカ。シチリア南西部の丘にある街、アグリジェントです。ギリシャの植民地だった街だけに神殿がいくつもあり、神様だらけです。でもどうしてギリシャ人はこんな小さな丘に沢山の神殿を造ったのだろう。一つで十分だろうに。2000年間じっと立ち続けてきた柱は見る者を圧倒します。 二月は「アーモンド祭り」があるとか。日本の桜にそっくりなアーモンドの花が、もうちらほら咲いていました。 ここが最後の旅の地。昔々の異国の神様たちに、無事なる帰国を心の中でお願いしたのでした。 ‐完‐ |