Concert & Event


schedule 2010

10月8/10/12日
中村鶴城 イタリア ツアー
2004、2005年の2年にわたってリサイタルで《アッシジの聖フランチェスコ・全五段》を発表いたしました。この創作曲をいつかはイタリアの地で演奏してみたいと祈念しておりましたが、このたび、カノン工房さま、現地に留学されておられるソプラノ歌手・原知恵子さん、現地NPO法人の方々のご尽力により、念願のイタリアツーが実現できる運びとなりました。心より感謝申し上げます。



10/8() パドヴァ
     《壇の浦》
      《アッシジの聖フランチェスコ》より
       1段「スポレトの啓示」部分 
       5段「ラ・ヴェルナの聖痕」部分 
     会場/ Fronte del porto 
     共同主催/ Associazione Italia-Giappone OCHACAFFE’ (イタリア・日本文化協会OCHACAFFE’) 
           Accademia di musica antica di Padova (パドヴァ古典音楽学校)

     コンサートの一部がYouTubeにアップロードされています。
    
 http://www.youtube.com/watch?v=j4H-grhBFE4

10/10() フィレンツェ
     ■琵琶:中村鶴城
      《壇の浦》
      《アッシジの聖フランチェスコ》より
       1段「スポレトの啓示」部分 
       5段「ラ・ヴェルナの聖痕」部分  
      リュート:Gianluca lastraioli
       Suite italiana,G.Barbetta
       Suite in sol minore,J.Dowlan 
     ■会場/近代美術館内「音楽のサロン」コンサートサロン(ピッティ宮殿の最上階)     
     ■主催/NPO日伊文化交流協会  フィレンツエ・マニフィコ・クラブ

10/12() ローマ
     レクチャーコンサート
     《壇の浦》
      《アッシジの聖フランチェスコ》より
       1段「スポレトの啓示」部分 
       5段「ラ・ヴェルナの聖痕」部分       
      楽器紹介、琵琶曲に関するお話と質疑応答    
     
会場/ローマ日本文化会館ホール     
     ■主催/ローマ日本文化会館

     マネージメント:カノン工房 
http://www.atelier-canon.jp/nakamura-kakujyou/
8月8日
《一遍上人琵琶伝》を聴く会
7月25日のリサイタルで初演発表する《一遍上人琵琶伝》の再演です。

■2010年8月8日(日)午後5時開演(4時30分開場)
 *公演時間は休憩を含めて約2時間30分です
■東京都/豊島区/目白庭園・赤鳥庵(和室)


■演目:《一遍上人琵琶伝》作・語り・琵琶 中村鶴城
■会費:4,000円(要予約)
30人限定
■予約:ピパルス工房03-3380-5130 
電話のみの受付です。
■企画・制作・主催:ピパルス工房

7月25日
中村鶴城 琵琶リサイタル2010
《一遍上人琵琶伝》
十六年間にわたる回国遊行。信不信を選ばず、浄不浄を嫌わず、南無阿弥陀仏の名号を称えながらひたすら札を配り続けた「捨て聖」、稀代の生涯を語る。口語体の語りと文語体の琵琶歌を組み合わせた新しい琵琶語り「琵琶伝」4作目。

■2010年7月25日(日)午後2時開演
■東京都/トッパンホール
■演目:《一遍上人琵琶伝》(創作初演)作・語り・琵琶 中村鶴城
■チケット:前売4,000円 当日4,500円(全席自由)
■チケット発売日:5月10日(月)
■チケット申し込み:ピパルス工房03-3380-5130 トッパンホールチケットセンター 03-5840-2222
■企画・制作・主催:ピパルス工房
■コメント
南無阿弥陀仏を究めた人
 国宝『一遍聖絵』。一遍上人の生涯を詞書きと絵で綴った全十二巻、四十八段からなる大絵巻です。こんなにすばらしい絵巻が残っている一遍さんですが、実は戦前の日本仏教史には、その名前さえ出てこない場合があったというから驚きです。
 その理由は何となく想像できます。一遍さんは「私の教えは一代限りである」として、示寂する直前、一つだけを除いて、所持していた書籍の全てを焼き捨てました。また「屍は野に捨てよ」と遺戒したくらいですから後世に名を残すことなど微塵も願っていなかったのです。門徒は沢山いましたが、教祖になるつもりも、教団を創るつもりも全くありませんでした。寺も造りませんでした。もちろん家もなく、持ち物といえば旅に最低必要な僅かの物のほか何もありません。自らは一切何も遺さなかったのです。遺したのは、念仏を称え尽くしたその生涯のみです。思想的にも現実生活の上でも、もうこれ以上削ぎ落とすことができない極限の生き方を全うしたのです。
 その師への敬慕の情が募るあまり、上人の末弟で門徒の一人でもあった聖戒が中心になって、師の示寂後ちょうど十年後に、その行状絵巻『一遍聖絵』を完成させました。そのお陰で、私たちは一遍さんの生涯を詳しく知ることができるのです。
 ではその生涯とは何であったか。一切を捨てて南無阿弥陀仏に成り果てた生涯です。「念仏が念仏を申す」という位にまで、徹底的に南無阿弥陀仏を究めた生涯です。十六年間、一所不住の遊行の旅。ひたすら日本国中を巡って念仏を称え札を配り続けたのです。その札数、終生二百五十万枚に達しました。当時の人口の約半分に当たるそうです。
 ところで、南無阿弥陀仏という称名は「阿弥陀仏に帰依します」という意味ですが、ふつう浄土門では阿弥陀さまにお縋りする意味合いが強いように思います。しかし、一遍さんの場合は異なります。三十五歳のとき一遍さんは「衆生と阿弥陀仏は本来一体である」という悟りの境地を開きました。その境地から発せられる称名は「我と阿弥陀仏は一体なり」という力強い宣言に他ならないのです。
 従って一遍一流の念仏勧進は、「我は仏なり。汝も仏なり」と人の仏性を拝む「礼拝行」であるといえます。また一遍さんは、山河草木にも手を合わせ感謝の念仏を捧げました。これはすなわち、天地への「報恩行」です。さらには、阿弥陀仏ともはや一体なる一遍さんが大地を歩くことそのものが既に、弥陀の光をもって祓い浄める「祓い浄めの行」であったともいえるでしょう。
 こうして拝み、感謝し、浄めながら日本国中を歩いたのです。きっと私たちの祖先はどこかで一遍さんからお札を頂いているに違いありません。そう思うと一遍さんに「南無阿弥陀仏」と手を合わさずにはおられません。こんな偉い人がおられたからこそ今の日本があるのです。一遍さんのことを、もっとしっかりと後世に伝えなければいけません。
 一遍さんもまた、決して忘れてはならない、日本の大恩人の一人なのであります。
6月6日
城音会 温習会
■2010年6月6日(日) 午後1時から *演奏会ではありません。
■参加:城音会会員(中村鶴城の弟子)
■指導:中村鶴城
■東京都新宿区/新宿文化センター和室
■主催:城音会
■コメント:城音会は中村鶴城が主宰する会で弟子が会員です。鶴城が実地の稽古指導を行っています。温習会では、参加者は原則として実際の演奏会と同じように着物を着て、普段の稽古では学べない出入りの所作を含めた実践を学びます。演奏会ではありません。
入門希望の方は見学することができます。会員には初心者が含まれていますので入門希望の方の参考になるかと思います。
見学をご希望の方は、必ず前もってお電話でご連絡ください。
*ご予約なしでご来場いただいても見学できませんのでご了承ください。

■連絡先:03-3380-5130(中村)