ニューヨーク、DRYCUTの発信サロン「JOHN SAHAG workshop」をサハグと共に築きあげ、マネ−ジメントから教育までを仕切る。彼への予約は世界中から集まり、またカットを学びに世界各国のスタイリスト達がサロンを訪れる。1995年、<新たな志>をもって独立。高級ブランド店が立ち並ぶマジソンAVの中心街に「EIJI」をオ−プン。高プライスを掲げ、厳しいN.Y の中心でオ−プン当初からフルに予約が入るという実績は、アメリカ人社会で高い評価を得ている。

1981年の春、今から25年前に遡る。彼は22才の時、地元の福岡からアメリカに渡った。今ではトレ−ドマ−クになっている長い髪も当時はスポ−ツ刈りだったという。人一倍不器用だったという彼が世界大会で有名なサム・カペルのサロンで一日何十人もカットをするトップスタイリストになっていく。体だけがどんどん忙しくなっていくのとは裏腹に、<心・精神>がどうしても満たされない。「こんなに好きなカットをしているのに何故、幸せじゃないんだろう」との問いかけから、新たな美容師人生の<行き先>を探し始めた。
彼のその渇いた思いが、ジョン・サハグとの出会いにつながる。電話帳から調べあげたサハグのマンションのドアを叩いた………。

世界を相手に仕事をし<結果>を出し続けていくそのエネルギ−は彼の<諦めることを知らない>生き方から生まれるのだろうか………。
ドライカットという精神的なものを重視するカットを通し、彼自らが体感し学び続けながら「一美容師として、また一人間として大切な事はなにか!」を語り続けている。まさに彼の「渇いた生きざま」から生まれる、彼自身の<答え>なのだが………。

現在のカット料金は$300。2005年2月、マジソンAve.に150坪のサロンを新たにオープンした。サロンワークの他、現地TVのビューティー番組やNYコレクションのヘアーデザインも担当。また、年2回帰国し、日本各地でその仕事を伝え続けている。

写真:松田加代子