旅 の 風 景


オランダ&ベルギーの旅へ  南イタリアの旅へ ポルトガルの旅へ ギリシャの旅へ

  


エジプトと言えば、まず思い浮かべるのがピラミッドスフィンクストルコと言えば、古いポップスで恐縮ながら“おいでイスタンブール〜♪”と、この程度の知識しかなく誠に恥ずかしい。しかし現地に立てば、エジプトトルコもそれぞれ波乱に満ちた歴史を展開し、エジプトアジアアフリカトルコアジアヨーロッパを融合する誠に魅力的な国でした。昨年、ギリシャを訪ねた時、トルコなどの近隣諸国の歴史も知らなければと思いましたが、どの国も、自国の立場からすれば、戦略してくる相手は敵国、一体人間って何だろう、歴史が語る真実とは何だろうと考えざるを得ませんでした。

両国イスラムの国、習慣や文化など生活の基盤にもこの宗教が根本にあり、日本とは全てにわたって大きく違うことを目の当たりにしましたが、栄耀栄華を極めた古い歴史は共に圧巻です。42度の気温の中、ハードスケジュールでヘトヘトでしたが、百聞は一見に如かずの言葉通り、有意義な旅が出来ました。


 旅 程 2007年6月24日〜7月1日
    関空  →  エジプト/カイロ  →  トルコ/インスタンブール  →  アンカラ →    
           (飛行機)        (飛行機)           (アンカラエクスプレス)
      →  
カッパドキア → イスタンブール エジプト/カイロ → 関空
              
                (飛行機)             

 カイロ/ギザ・メンフィス・サッカラ・ダハシュール

カイロのギザ地区にある世界遺産の3大ピラミッドのうち、クフ王のピラミッドです。以前は表面が綺麗に化粧岩で覆われていたらしいのですが、今では全部盗まれてゴツゴツした岩肌になっています。又高さも低くなっているらしい。

遂に来ました来ました−!(^^)!やっぱり巨大!教科書に載っていたあのピラミッド、本物の前に居るなんて感激もひとしおです。私が両手を上げて写真を撮ってもらっていると後ろから、現地ガイドのヤーセンさんがイタズラで入ってきました。記念の一枚なのにイヤ−ともいえないし〜まっいっか。
3つのピラミッドとは、クフ王カフラーメンカフラーのピラミッドをいいますが、勿論全部王様の権力の象徴。当時80ほどピラミッドは作られたらしいのですが、その使用目的は謎。王様のお墓では決してない。ファラオ(王)が神と崇められていた時代、天に昇り詰めようとでもしたのだろうか。

そんな思いを抱いて、カフラーのビラミッドに入りました。中はかなり狭く、暗い中を中腰で急勾配を下ります。頭はちょっとでも上げると岩にぶつかる。まるで漫画「巨人の星」の星飛雄馬の特訓状態です。後で足が動かなくなる程の痛さに襲われることも知らずに、満足気(^_^)vに出て来た私…
ヤーセンさんが写真スポットを教えてくれました。これがギザにある世界遺産3大ピラミッドの全景です。左がクフ王、真ん中がカフラー、右がメンカフラーのピラミッド。この日は気温42度。いやぁ暑いっ。

ピラミッドの中に入っても、いらっしゃいませ〜と言ってくれるものは何もない、ホント騙されたみたいなただの空洞です。ただ入ったヨ、という自己満足のみ。しかしその後、太腿からお尻にかけて猛烈な筋肉痛に襲われ、入った者全員歩くことも困難な状態になりました。自己満足の代償は大きかった(-_-;)。
更にヤーセンさんが教えてくれた写真の撮り方、みんなペアを組んで通りゃんせ通りゃんせ〜

エジプトのこの時期は、帽子、サングラス、身体を覆うもの紫外線対策が必至です。雲一つなく燦々と照りつける太陽は半端じゃない。行くご予定のある方は、これらを必ずご持参下さい。

この私と右ピラミッドのずっと後方に広がるのはリピア砂漠。溜息が出るほど広大です。
さて、乗りました乗りました〜ラクダ−☆ツアーなので時間もなく、一頭乗るのに一人でも二人でも、50£E(エジプトポンド、日本円で1000円)だというので、ご一緒した方に誘っていただいて便乗させて貰いました。

乗る距離はその辺ぐるりと20メートルくらいのものか、記念写真を撮る為に乗ったというのが正しいかもしれない。アラビアのロレンスは、こんなにして砂漠を駆け回ったのね。あの時代に居たら、私も乗せてもらって一緒に闘ってあげました(^_^)v
ラクダの背中から、ラクダに声を掛けました。「重くてゴメンよ、仕事が終わったら、おいしい草をいっぱい貰うんよ〜ありがとねー」、ラクダは「グルルゥ」と返事をしてくれたけれど通じたのかしらん。動物にこうして乗るのはいつもちょっと気が引ける。

私達はツア−客なので、予め旅行会社がこのラクダの代金は話がちゃんと付けてあるらしいのだけど、個人旅行ではボッタクリされるケースも多いらしい。値段交渉は慎重に、とヤーセンさんから説明がありました。
ピラミッドと並んで余りにも有名なスフィンクス。カフラー王のピラミッドの参道に王墓を守るように伏せている。頭はカフラー王だという説があるらしいのですが、あのぉお顔はちょっと不細工…。

でも話を聞いてみると、アラブ人の侵入後に、が削られ、イギリス兵にはヒゲを取られたということで可哀想です。エジプト政府は、ツタンカーメンの顔にあるのと同じ長−いこのヒゲを英国に返還要求をしているらしい。不細工だなんて悪口言ってゴメン
スフィンクスを見て、アルファを思い出すように〜と言ってくれたここ母さん、ここでちょっとしんみりしましたよ。今頃アルファどうしてるかな〜。

このスフィンクスの視線にはケンタッキーフライドチキンがあります。テレビの「トリビア」ですっかり有名になりました。私たちは行くことはなかったけれど、確かにKFCはある。2階はピザハット。年中無休らしい。
スフィンクスの足元(左)をトコトコ歩くワンコが居ました。この国で見かけたわんこは毛の色が違うだけで、皆同じような顔をしている。

イスラムの世界では、は余り好まれない。どちらかというと不浄のものとして扱われているようなので、この犬がどこか哀れに見える。この暑さで、をくれる人は居るのだろうか、食べ物はどうしているのだろう。
ふーっ又ピラミッド。どうしてこんなにあちこちにピラミッドが造られたのかは益々謎になってくるけれど、これは赤っぽい石が使われているので赤のピラミッドと呼ばれています。

真ん中に見える入り口までかなりの高度を登る上、今度は急勾配の階段を下りて行く。中はやはり何もない。奥に進めばアンモニアのような何か息苦しい匂いがしていて早々に退散した。太腿の筋肉痛はこれでダメ押し。翌日はみんなゾンビのような歩き方になって階段をカクンカクンと下りている…。中に入るのはお勧めしない。まじ辛かった。
サッカーラ・メンフィスへ行く途中、パピルスのお店に立ち寄りました。パピルスを造る工程を実演してくれるこの女性が持っているのがパピルスの

パピルスには本物偽物があって、街の中を「ヤマモトヤマァ(山本山〜)」「しゃんまいでしぇんえん(三枚で千円)」としつこく売りつける人が持ってくるのは勿論偽物。いろいろ見比べてみると、書かれている絵も上手下手があるのがよく分かる。
このお店では、買った絵に日本円で400円ほどで額の後ろに名前を入れてくれます。象形文字(ヒエログリフ)で書いてくれるのですが、これも上手下手があって、ガイドさんの説明によると、この人はとても書き慣れていると感心していました。

成る程見ていると、素早い勢いで、次々にスラスラと文字入れをしている。あとでガイドブックに載ってる象形文字を一つ一つ確認すると、間違いなく指定通りの名前を入れてくれていた。
ギザから南へ、サッカーラ階段ピラミッド。これがエジプト最古のピラミッドだと聞いて、やはりピラミッドを造ったのは宇宙人でもなんでもない、人間だとつくづく思いました。失敗したり反省したりしながら段を重ねていき、叡智を集めながら当時の人々は天を目指したのでしょうね。

この場所のはまるで小麦粉のようなとても細かい粒子で、お土産に持って帰るには最適。ということでペットボトルに詰めて帰る人が多かったです。しかし砂嵐の時にはこの粒子がデジカメを壊す原因にもなるのだとか。それ程微細な砂質でした。
さて、昼食はこんな感じ〜。上、アエーシというエジプトのパン。焼き上がったばかりでおいしかった。お皿の料理をパンに付けたり挟んだりして食べました。

このあと、肉料理が出てきます。これが観光客用の定番メニューらしい。どこへ行ってもこのパターンは続きました。最初は珍しかったのだけど、だんだんと飽きてくるし食べられなくなってくる。最後は、持参した醤油を掛けまくり日本調にアレンジした。さすが醤油は素晴らしい!私は世界一の調味料だと思っている。

レストランでは飲み物はステラというビールがよく出てきました。冷えていておいしかった。が、しかし、コップ2杯ほどの量目で、これが8USドル(日本円で900円)とは、聞き間違えたかと思うほどびっくりしました。ワインも同じくとても高い。

イスラムの国では、元々はお酒は飲まないから町の中でヨーロッパの様に気軽に飲める場所はない。観光客用の値段だと思うけれど、思わず「ボッタクリ…や」と声が出た、あっ小さな声です…
エジプトの道路信号が全くない、横断歩道も全然見あたらない。猛スピードで走る車の間を、人々はタイミングを計って上手に渡っているのです。これで事故が起こらないと言うから不思議でなりません。

ガイドのヤーセンさんが日本に来た時、信号の多さにイライラとした話をしてくれました。これではさもありなん。カイロ市内では、時折交差点でお巡りさんが交通整理をしていたけれど、さすが石油王国、車は走り放題のよう。ちなみにガソリン価格は1g20円!だとか(*_*)
冷房のよく効いたバスの中から外を見ると、人々の暮らしが垣間見えます。世界遺産のあるこのギザの町の人達の暮らしは決して裕福とは言えない。

人々の乗り物は、まだ馬車であったりロバであったりラクダであったりする。子供達もこの昼間、学校には行かないのだろうか。あちこちで作業を手伝ったり、ロバを洗っていたりする姿を見かけました。


ギザの町を一本流れている“”があります。これが目を背けたくなるほど汚い。生ゴミはじめ、日常生活から出る全ての廃棄物が浮いています。中にはロバの死体もありました。

ガイドさんに聞くと、40年前は運河だったが道路が出来て運河として使われなくなり今は「ゴミを捨てていい場所」になっているとのことでした。

これがそのままナイル川に流れ込むと聞くに至ってはもう言葉を失いました。
そんな町を抜け、メンフィスに行きました。古代には首都として栄えていたそうですが、この博物館以外廃墟になっています。

当時はきっとにぎやかな町だっただろうに、今は、遺跡と先ほど見たラメセス2世の巨大像、そしてギザより男前の小さなスフィンクスがあるのみ。

ピラミッドの洞窟に中腰で降りた時の筋肉痛が効いてきて、カクンカクンと階段を下りる私。涙が出そうに足が痛い〜(T_T)
さて、宿泊はリゾート型でまずまずのホテルでした。カイロのギザにあるホテル「オアシス」。広い中庭が点在し、プールやテニスコートもあります。

しかし、ここで注意を受けたのが、決して生水を飲まないこと。歯ブラシまでミネラルウォーターを使って欲しい、又レストランで出る生野菜も口にしないで欲しいと言われました。

成る程あのゴミが流れ着くナイル川の水を使っているので〜と妙に納得。
ホテルでシャワーを浴びて、これからナイル川ディナークルーズに出かけます。後ろの船に乗るのですが、もう夜8時も近いというのに外の明るさは昼間のよう。日本の時間は只今午前2時〜。

足の筋肉痛は絶頂にあり、船を乗り込む姿を見れば、誰がピラミッドに入ったか入らなかったかがよく分かる。私は、すました顔して乗船したけれど、イタっーイタっー
カクンカクン#¢£%*∂∇∽∝(>_<)

                         次へ