話題の映画「御法度」を見るための長く遥かな道(その1)

 わけあって最近あまり映画を見ないようになりました。でも、やっぱりどうしても映画館の大きなスクリーンで見たい作品というのもあります。大島渚監督13年ぶりの新作「御法度」はそんな気持ちにさせる作品です。ぼくはむかし、ちょっと映画の勉強してたことがあるんですが、その頃、大島さんの作品をいくつも見てブッ飛んじゃいました。いまでも自分のベスト映画として、大島さんの「絞死刑」をあげるんです。まあこの映画、かなりクセが強くて、間違ってもテレビなんかで放映されないような映画だから、ひとによって好き嫌いはあると思うんですが、ぼくはすごい映画だと思ってます。

 そんな大島さんの新作は、ぜひ映画館で見たいと思いました。ぼくの住んでるのは神奈川県大和市というところですが、この近辺には電車で30分弱で行ける「ワーナー・マイカル・シネマズ・海老名」というのがあります。ここは最近増えて来た、大型スーパーの中にやや小さめの劇場が複数集まっている、というもので、上映、音響設備は最新のものだし、席もゆったりしていてとても心地良い映画館です。しかし、なぜかここでは「御法度」を上映しないのです。もう少し待っていればそのうちやるかも、と様子を見ていたんですが、そうしているうちに二月四日(金)が最終日、となってしまいました。

 このさい仕方ない、とにかく近い所を捜して行こう。と情報誌で調べてみると藤沢でやっているらしい。そこで金曜日の午後、出掛けて行きました。藤沢は初めてで映画館の場所も知らなかったけど、ほどなく見つけて、そのビルの地下にある劇場に降りてみると・・・「な、なんじゃこりゃ」思わず松田龍平くんのおとうさんのセリフが出てしまいました。ここでは「御法度」ともう一本テレビドラマを映画化したやつとの二本立てなんですが、なんと「御法度」は午前中に二回つづけて上映し、午後からはそのなんとか言う映画をやるらしい。しばし呆然としていると、奥から映画館の人がひょっこり現れました。「御法度、もう終わりですか? 」「あっ、はい、すみません」どういうプログラムなんだろう? いったいだれが朝から「御法度」見たいと思う? どちらかってえと、そのテレビドラマが昼間で、午後から「御法度」じゃないか?

 さて地上に戻ってどうしようかと考えました。あきらめるか、いや、ここまで来たらほかを捜してみよう、とにかくきょうが最終日なんだから。藤沢駅前に出てコンビニを捜し、飛び込んで情報誌を調べはじめました。

 ちょっと長くなってしまったので、このつづきは次回に・・・・。