7月14日(日)
 小諸の友人宅に遊びに行った帰りに、かねてより懸案の懐古園へ足を伸ばした。
 「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ」
 私が懐古園を訪れたかったのは、単にこの一節が記憶の、どこか底の方に刻まれていたからである。恐らくは中学の教科書で出会ったのだと思うけれど、その頃に出会った他の美しい日本語達とともに大事に大事にしまい込まれているようだ。これが、小諸に行く度ごとに思い出されるものだから、行かなくてはいけない!という、半ば強迫観念のようなものに変わっていたのだ。
 で、やっと行った懐古園であるが、午前中の早い時間だったためもあり、のんびりと散策するには良かったようだ。城址なので高台にあるが、藤村が眺めた千曲川はすでに流れも変わり、情緒は残っていない。それでもひっそりと建つ神社や記念館を一つずつゆっくりと廻っていると、外界とは違った時間の流れがあるような気がした。
 時間があるので、と、布引き観音も目指したのだが、とにかく体力の衰えを痛感させられる結果となった。目的地には辿り着けたから、まあ、よしとしよう。

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