世の中、過渡期ということで、

 世の中、過渡期ということで、どうにも落ち着かないわけであります。まわりを見ても、すっかり疲れ切ってしまったヤツとか、どんどんダメになっていくヤツとか、見ているこっちまで、凹んでしまいます。

 まあ、自分が「これから悪くなりますよ」と言って、その通りに悪くなってるわけで、それで凹んでいても仕方ありません。一昨年の暮れあたりだと、来年はどうなるんだろう、という不安があったわけですが、もう今年になれば悪いに決ってるわけで、果たして次のクライシスは、何時、どんな形で来るか、というだけの事です。スタートレック風に言うと「全艦非常体制、衝撃に備えろ」と言ったところでしょうか。まあ、過渡期ということで、どうかみなさん、なんとか生き延びていただきたいものだと。

kokontei
 さて、そんな年末年始でしたが、今年はこれがありました。「古今亭志ん朝・全集」志ん朝さんの落語がDVDになりました。なんで落語なのか、よく解りませんが。かつて、志ん朝さんは売れっ子のテレビタレントでした。アルファロメオでテレビ局を渡り歩いていたそうです。だから子供のころから志ん朝さんの語りを聞いてます。もちろん落語も聞いてますが、そんなに詳しくないので、志ん朝さんはおもしろい、くらいにしか思ってませんでした。ただやってると好きだから見る。くらいのものです。

 年末年始のテレビは酷いもので、もう「紅白歌合戦」なんて、ほとんど化け物大会ですし、今年は志ん朝さんで年越ししようと決めてました。

 晦日には「富久」そして、大晦日には「芝浜」で年越しですよ。なんて豪華なんでしょう。

 「芝浜」なんて、良く知られた噺なんで、うだうだやられたら、弛れちゃうんですが、そこはもう上手く摘んであって、弛れないし、しかも細部はキチンと作り込んであって、絶対に手を抜かない。有名な下げも、さらりと決めて、へんに余韻を残したりしない。いや、もう絶品ですね。そんなわけで、よい年越しをさせてもらって、二日からは、平常運転で、今日まで至っております。

 ほんの二十年くらい前には、テレビでも普通にこんなものを放送してたんですね。昔は良かったとは、言うつもりはありませんが、やはり、かなり痩せ細ってしまっているんじゃないかな、テレビ。まあ、去年でテレビは終わったかな。