ごくたま昨日日記 in June, 2002

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Jun.11,2002 (Tue)

蹴球微熱 FIFA World Cup 十二日目

 フランスが負けました。背水の陣に遂にジダンまで投入したにも関わらず、前回王者がたったの一得点すらも獲れず帰国です。っていうか無事に帰国できるのか。フランス国民は暴徒化していないのか、心配です。
 ま、今大会のフランスについてはまた別の機会でも言及してみたいと思います。
 セネガルとウルグアイの試合も凄かった。前半はセネガルが3点。後半はウルグアイが3点ですか。負けたくなかったんだろうなあ >ウルグアイ。

 この結果、グループAはデンマークが1位、セネガルが2位。デンマーク、やりそうな予感です。久々出るかダニッシュ・ダイナマイト。

 ワールドカップを2002倍楽しんじゃおう更新。さてさて決勝トーナメントの組み合わせは如何に。

 これがゲルマン魂なんだよ!。これでこそ私が愛するドイツです。ピンチの時こそ力を発揮する。うーん、男心をくすぐるぜ。
 正直、バラックが始めのシュートをふかした瞬間に嫌な予感が走ったんです。で、予想通り攻めながらも全然点が入る感じがしません。ヤバイかもな、と思っていると試合は別に意味で段々マズイ展開に。

 私は基本的に審判には寛容な人間ですが、この審判はもう最低でした。笛吹きゃいいと思ってる。カード出せば済むと思ってる。イエローカード16枚って最高記録じゃねえのか。何度、ラインの外で第四審判やってるコリーナさんに(*1)審判代わって欲しいと思ったかわからんよ。

 で、とうとうラメロウが二枚目のイエローカードで退場。普通なら「ありゃりゃこれはヤバイぞ」と思うところですが、私は違います。「これでイケるかもしれん」そう思いましたね。
 冗談ではなく追い込まれたドイツは強いんです。おそらく過去のワールドカップの記録を紐解いても、逆転勝ちした試合が最も多いのはドイツ。過去にはベッケンバウアーが肩を脱臼しながら戦って勝利したこともありました。そして今大会も大会直前に主力選手に怪我怪我怪我。ドイツ国内でも「今年はダメだ」と言われていたんですが、これですよ。窮地に追い込まれたドイツは怖いんだって、ホントに。
 そしてその予想はあたり、前半の残り時間を10人でなんとか耐えた後、後半に入ってフェラー監督はなんとDFではなくFWを投入。この采配が大当たり。クローゼが三人に囲まれ、後ろから小突かれながらもボーデに渾身のラストパス。これをボーデが落ち着いて決めて、なんと一人少ないドイツが先制したのです。

 その後も激しくイエローカードが乱舞しましたが、カメルーンは最後まで調子が上がらず、ドイツの堅い守りに攻めあぐねたまま時間は過ぎていきます。焦りが生んだのはスフォーの退場。これまたイエローカード二枚、それも途中出場の選手だったのに。これで完全にカメルーンの戦意は落ちましたね。とどめは今大会5得点目、その全てをヘディングで決めているクローゼの一撃でした。

 結果的にカメルーンはファウルを貰えることに甘えて、逆に自分達のリズムを作れないまま終わってしまったような気がします。何度倒されても最後に一発、一瞬のスピードで相手を抜き去り致命的な一撃を与えて勝つのがカメルーンの持ち味。それが出せないまま試合は終了しました。
 あまりにも審判に問題があった一戦でしたが、ドイツファンとしては喜ばしい試合。こうやって断崖絶壁から立ち直ってくる姿が私にはたまらないのです。

 この試合のイエローカード乱舞の結果、決勝トーナメント緒戦ではラメロウツィーゲという大事な二人を欠くことになりましたが、またそれもドイツのことです、ピンチを力に変えてくると信じたい。頑張れドイツ!。

 グループBの結果はドイツが1位、アイルランドが2位。アイルランドは得意のしぶとさ全開。当たるチームは嫌でしょうね。ロイ・キーン問題で揺れたのが嘘のようです。凄いぜマッカーシー監督

 明日はいよいよ「死のグループ」グループFの最終戦。当然会社は休んでます <おい。頑張れ!イングランド!。

daylife

 激しく既出なのかもしれないが誰もツッコんでないようにみえるのが逆に気になってしょうがないから書いておく。

 『少林サッカー』の監督、周星馳馳星周には何の関係もないんですか?。

 大阪行きは露と流れた。さすがにイングランド戦のチケットは争奪戦厳しいなあ。

涅槃の読書模様

 『マークスの山』高村薫で少々疲れたので、サクサク読める東野圭吾『昔僕が死んだ家』を読む。これまた巧い。必要最小限のミステリ。レビューは後日。

 フクさん6月11日付の日記を読んで。以前にも書いたことだけど、私自身も謎解きのためだけに存在する「吹雪の山荘」とか「絶海の孤島」とかひいては「密室」とかに、いい加減首を縦に振れない読者になっていた。昔はそれでもよかったんだけど。
 だからこそ東野圭吾の作品とかを読むとやられた、と感じるのである。東野作品には「吹雪の山荘」の必然性が見事に活かされているからだ。『ある閉ざされた雪の山荘で』とか『仮面山荘殺人事件』を読んだときのショックは決してトリックや犯人の意外性だけでなく、設定の妙というものに対しても、もしかしたらそっちの方が大きかったかもしれないくらいだ。
 東野圭吾の作品には様々なジャンルがあり、それぞれに作風も異なるが、一見「本格」だったり「トリック重視」な作品に見えても、その背後関係や設定がしっかりと話の中で活かされたり、なおざりになっていないところが素晴らしいと思う。

以下を購入。


*1: 3年連続世界一の審判に選ばれた人です
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Jun.12,2002 (Wed)

蹴球微熱 FIFA World Cup 十三日目

 アルゼンチン、グループリーグ敗退。なんということでしょう。昨日のフランスに続いてアルゼンチンまで。今大会の優勝を争う2強が早くも姿を消してしまいました。どうなっているんだ2002年ワールドカップ。これはもう全然先が読めません。イタリアもこのままじゃわからんな。

 そして何といってもパラグアイ。執念、それだけですね。圧倒的不利な状態で迎えたこの最終戦。勝たなければ、そして得失点差を考えても厳しく、しかも南アフリカがスペインに負けなくてはならない。そんな状況下で、おまけに退場者が出て10人になり、さらにスロベニアに1点先行される。ここまで崖っぷ地に立たされていながら、驚くことに3点を入れ逆転。見事、決勝トーナメント進出を決めました。チラベルトに代表される勝負に対する執念が引き寄せた勝利としかいいようがありません。素晴らしい!。

 地上波放送はことごとく面白い試合を外すように出来てるんですな。

 なにはともあれイングランド決勝トーナメント進出!。おめでたい。しかし、試合はというと…親善試合?。
 昨日のドイツ対カメルーン戦に対抗するかのようにイエローカードが一枚も出ないどころか、ファウルも殆どなし。審判には笑顔が。オフサイドが一度しかなかったことからもわかるように両者前のめりで攻めの姿勢を見せることは一切なく、終始スローペース。クリーンといえばクリーンですがワールドカップらしさは全くない試合でしたね。大阪に行けなくてよかったかもしれん。

 というわけで戦評も書くことはなし。ま、ナイジェリアはモチベーションもなく、若手主体のゲームでしたし、イングランドもはなっから引き分け狙いだったようで攻めに対する集中力もありませんでした。
 この辺は、決勝トーナメントで当たる、デンマークとセネガルを比べて、「セネガルは怖い」というエリクソン監督の判断もあったんでしょう。それには私も同感。勢いもあり、スピードもあるセネガルよりはデンマークの方が与しやすいのは事実。ただ、これに勝ってもおそらく次はブラジルになるんですよねえ。まあ、ベスト8まで進んでブラジルに負けるのと、ベスト16で終わってしまうのは大きく違いますし、先のことはわからないからなあ。

 個人的にはイングランドがブラジルに勝って(当然デンマークに勝つ必要がありますが)準決勝まで行って欲しい。反対側からは日本は…無理としてもスウェーデンが上がって来て再度対決、なんてことになったら申し分ないんだけどなあ。
 ただ正直なところ、A組のデンマークとセネガルの方が勢いは上。下手するとこの2チームが上がってこないとも限りませんね。特にデンマークは勢いに乗った時、とことん強い。1996年の欧州大会を思い出します。あの時は、らず国際情勢のおかげで出場を取り消されたユーゴスラビアの代替出場という立場でありながら、当時世界一のGKシュマイケルラウドルップ兄弟の活躍でなんと決勝まで行ってしまったのでした。スウェーデンと共に北欧のチームは守りが堅いので大崩れはしませんし、今回は得点力もある。これはもしかするともしかするかもしれません。

 ということでまとめますと、「死のグループ」F組は、スウェーデンが1位、イングランドが2位。決勝トーナメント一回戦では、スウェーデンはセネガルと、イングランドはデンマークということになりました。ここにフランスもアルゼンチンもウルグアイの名前もないというのは未だに信じられません。過去に優勝を経験したことのある7ヶ国のうち、3ヶ国が既に姿を消してしまうとは。ホントに凄まじい大会だ。

 こちらも途中までは親善試合。しかし、ナイジェリア対イングランド戦とは違ってのびのびした分、得点が入りました。スペインが先制、南アフリカが同点に、しかし前半ロスタイムにスペインが更に突き放し、後半早々に南アフリカがまたも同点。同じ親善試合でもこういう展開なら大歓迎です。

 しかし、この辺りでパラグアイ逆転の報がおそらく南アフリカベンチに入ったのでしょう。南アフリカは急激に本気モードに入りました。ところがこれが逆に南アフリカのサッカーに焦りを生みます。今まで繋がっていたはずのボールが繋がらなくなる。スペインの余裕ぶりがさらに焦りに拍車をかける。そんな中、止めを刺すようにラウルの一撃で逆転される。おまけにパラグアイは3点目を獲り、このままでは自分達がグループリーグで敗退が決まる。ますます焦る南アフリカ。ロングボール攻撃に頼りますが、スペインはことごとく弾き返します。やはり自分達が有利だと思いながら始めてしまった試合の途中で、いきなり必死になれと言われても難しいのか。結局、試合開始当初から比べると逆に悪くなる一方の内容のまま、試合は終了。初の決勝トーナメント進出はなりませんでした。

 対するスペインですが2点は獲られたものの、スペインらしいサッカーが出来ていました。具体的には早いパス回しと落ちついた守備ですね。特に早いパス回しはメンディエタが入ったことで、中盤でゲームを作ってラストパスが出せることにより際立っていました。ゴール前の狭い空間でもこれでもかと言わんばかりにパスを回しチャンスを作る。これがスペインサッカーです。余裕がある状態で試合をすればこれだけいい試合が出来る。あとは、緊迫した状態でも今日と同じような内容のゲームが出来れば上位進出は堅いのではないでしょうか。しかし、そうした精神状態で試合をすると期待できなかったのがこれまでのスペインです。果たしてどうなるのか。
 そんな中でもラウルの調子は良さそうです。飛び出しのタイミング、切り返しの速さ、問題なし。今日も二得点獲りましたが、今後の試合でも着実に点が獲れる気配。ドイツのクローゼと共に得点王の筆頭候補ではないでしょうか。

 これでグループBはスペインが1位。パラグアイが2位。パラグアイはホントに凄いよ。前回大会もギリギリでトーナメントに進出でしたが、今回はそれ以上にギリギリでした。
 これでスペインはアイルランドと。パラグアイはドイツと戦うことになりました。ドイツファンの私としてはスペインは避けたかったが、パラグアイも嫌な相手ですね。前回大会では、優勝したフランスを最も苦しめたといってもいいパラグアイ(延長後半ロスタイムでゴールデンゴール負け)ですからドイツは油断は出来ません。
 スペインもしぶとさ満開のアイルランドが相手です。スペインが上位に進出するかしないのか、この試合が大一番になりそうな気がしますね。

 今日のパラグアイを見てると、日本も決してチュニジアに対して有利な気持ちで戦ってはいけないと強く思います。チュニジアは日本に2点差以上で勝てば決勝トーナメント進出のチャンスがある相手です。死にもの狂いでくるでしょう。気持ちをしっかり持って戦おう。

daylife

 昨日の周星馳馳星周の関係については掲示板で凄まじい投稿があり、私の無知を曝け出す結果となりました。でも、反応があったので逆に嬉しい限りなんですけどね。これからも反応が欲しい時は無知を曝け出すことにしましょう。

 急激に気温が下がったせいか(気圧も変わった?)ちょっと頭痛がするなり。

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Jun.13,2002 (Thu)

蹴球微熱 FIFA World Cup 十四日目

 ブラジル、5点ですか。容赦ありませんね。ただ失点が2点というのは気になる。強いんだかなんなんだか。こんな感じでのらりくらりと優勝しちまいそうだなあ。ということでC組1位は三連勝でブラジルとなりました。
 で、C組2位はというと、トルコが中国相手に3点とって、ブラジルが大差で勝ってくれたおかげでコスタリカを振り切り、初の決勝トーナメント進出を決めました。
 日本は明日のチュニジア戦に勝って1位で抜ければトルコと、もし引き分けか負けで2位で抜ければブラジルです。どう考えても明日は勝って1位で抜けたいですね。そしたらベスト8もあるかもよ。

ワールドカップを2002倍楽しんじゃおう更新。遂に決勝トーナメントですか。いやー、この大会の予想ほど難しいものはない。っていうかもう既に世界中の誰の予想も当たってないんじゃないだろうか。

 全くヒヤヒヤさせてくれる。イタリア崖っぷちの決勝トーナメント進出。嫌いなはずなのに、これ以上優勝候補がいなくなるのは見るに忍びない。ああ、アンビバレンツ。
 最後はもうなりふり構わぬ試合。ロスタイム4分はパス練習ですか。でもこんな試合が見れるのもワールドカップならではなんです。ホント、ここまで体裁を無視したイタリアなんて初めて見たなあ。

 前半のイタリアは決して悪くなかったです。決定的なシーンもありましたし、今大会何度目かの微妙な判定もありました。運が無いといえば無いですが、別にイタリアだと同情も湧きません(笑)。ほぼ、自分達のプラン通りゲームは進んでいたんですが、こういう時に点が獲れないとえてしてこういうことが起こるんです。そうですメキシコ、ボルゲッティの一発。ブランコからのセンタリング、殆ど角度も無く、カンナバーロもついていたんですが、ボルゲッティを誉めるしかないヘディングでした。
 これで1対0。イタリア顔面蒼白。伊達男達が一斉におかしくなります。相変わらず早い展開で前線にボールを繋ぎますが、一つ一つのプレーが雑になり、フィニッシュが決まらない。そうこうするうちに前半終了。

 後半になってもイタリアの狂った歯車は元に戻りません。むしろ点を獲らねばと前がかりになった分、メキシコのチャンスも増えてしまいます。決定的な2点目があわや、という場面も。トラパットーニ監督インザーギに代えてモンテッラを投入しますがこれが誤算。モンテッラがことごとくチャンスを潰してしまいます。過ぎる時間。とうとう残りは15分になり、トラパットーニ監督は最後の決断に出ます。トッティに代えてデル・ピエロ。果てさてこの起用がどう転ぶのか。そして残り5分、やってくれましたデル・ピエロモンテッラがキック一閃、メキシコDFが見せた一瞬の隙を突いてそのボールめがけてデル・ピエロが飛び込んでヘディングシュート。イタリア史上に残る一点が決まったのです。

 そしてベンチからは「攻めるな、行くな」の指示。同時刻横浜で行われていたエクアドル対クロアチアの戦いで、エクアドルが1点先制して勝っているという情報が入ったからです。このまま引き分けになれば決勝トーナメント進出が決まるイタリアは、プライドも何もかも捨てて引き分けをメキシコに申し込みます。引き分けでも1位通過が決まるメキシコもそれに同意。かくして大分のサポーターが巻き起こすブーイングの中、時間は刻々と過ぎていき、業を煮やした審判が試合終了の笛を吹いたのでした。

 おいおいそれでもお前は優勝候補をイタリアにするのかい、って?。まあまあ、イタリアばかりはわからないんですよ、トーナメントに入ってみるまでは。ブラジルの方が優勢かな、とかスペイン強いよな、とも思いますけどね。イタリア嫌いの私としては負けることを期待しての優勝候補なんです。

 メキシコ、いいですよー。韓国側のトーナメントは堅そうなメンツが揃ってくるから掻き回して欲しいですね。期待大。

daylife

 「今日中に」といきなり言われた仕事をやっつけで終わらせ帰宅。ワールドカップ期間中にちんたら残業なんかしてられるかっつーの。今日一日で粘っても出来ることは高が知れてるのでさっさと諦めました。仕事には諦めも大切だ。

 明日は会社を休んで日本戦をテレビ観戦。こういう時、バイトで良かったと思うの。

涅槃の読書模様

 ワールドカップ期間中ということで、『Number』『Sports Yeah!』も毎週増刊されている。お金がかかって仕方が無い。

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Jun.14,2002 (Fri)

蹴球微熱 FIFA World Cup 十五日目


 勝ったぞ!!!

 いやー、決勝トーナメント進出ですよ。信じられない。いいのか。しかもグループ1位。無敗。いいのか。いや、もうここまで来たら行けるところまで行ってくれ。そのチャンスはある。

 森島のゴールが決まった瞬間、半狂乱状態になってしまったので、それまでの試合展開のレビューは吹き飛びました。まあ、前半はあまり見るところが無かった。抑えていたといえば表現はいいですが、というよりも体が動いていない、という感じでしたね。

 今日の殊勲者は誰か。森島?、確かに素晴らしいシュートだった。ありがとうモリシ、と言いたい。中田(英)?。いい時間に追加点とってくれた。しかし、そうではない、この試合のMVPはトゥルシエである。
 後半早々、稲本に代えて市川柳沢に代えて森島。これまでにない早い交代だっただけでなく、絶好調の稲本を代える勇気。そして前半、日本の右サイドのスペースが空いていることをキッチリ考えた上での市川投入。そしてその二人が見事に仕事をした。これまでベンチワークに不安があると言われ続けたトゥルシエでしたが、能ある鷹は爪隠す、なのか偶然なのか。とにかく素晴らしい交代策でした。小笠原も出してくれたしね。

 とにかくこれで決勝トーナメント進出です。相手はトルコ。強い相手ですが、ブラジルよりは遥かにマシ。勝てない相手でもありません。決して今日の結果に満足せず、上を狙って欲しい。トーナメントのこの山は比較的そのチャンスが高い山です。次にこんなチャンスが来るのがいつかわかりません。頑張れ、ニッポン。

 H組の2位はロシアを3-2で破ったベルギー。やっぱりベルギーは強かった。私の目に狂いはなかった <おい。ただ、今のブラジルはキツイですね。守備は問題あるブラジルですが、攻撃は凄すぎ。ベルギーは得点を取られるのを覚悟で打ち合いを演じて欲しい。この大会は何が起こるかわかりませんからね。ホントに。

 最後の最後で再び番狂わせが待っていました。ビッグ7に次ぐ実力国で、優勝候補と言われていたポルトガルが、グループリーグで敗退。もう、この大会で何が起こっても驚きません。ポルトガルは緒戦のアメリカ戦が全てでした。ここで、いきなり3点を獲られてしまって歯車が狂った。今日の敗北も緒戦の時点で決まっていたような気がします。

 この試合に限っては韓国は決して大物食いではなかった。ポルトガルが可哀想になるくらい激しいプレッシャー。ただでさえフィジカルの強い韓国が、サポーターの力を得て、今までで最高の気迫を相手に見せ付けていました。こんなチームとはやりたくない、世界中の誰もがそう思うようなチームでした。

 ホームということもあり、審判が韓国よりだったのは認めますが、ポルトガルは韓国の気合に負けていました。フィーゴは自分のキャリアの中でも記憶に無いであろうほど激しくマークされ何も出来ない。自分達のボールが中盤から先に全く進まない。シュートの一本も打てない。そうした思いが段々と苛立ちに変わり、遂にジョアン・ピントがやってしまいます。後ろからの悪質なファール。一発レッドカードで退場。ま、やるなら彼しかいないとは思っていましたが。10人になったポルトガルはなんとか前半を0-0で終えますが、ハーフタイム、おそらく彼らが得た情報が彼らの首を絞める結果になりました。

 アメリカ 0-2 ポーランド。勝ち点で上を行かれ、当面のライバルであったアメリカがまさかの失点を喫しています。このまま向こうの試合が終われば、自分達は引き分けでも決勝トーナメントに上がれる。そう思うのは仕方が無いかもしれません。しかし、サッカーの神様というのは厳しい。勝つ気の無いものに対しては容赦の無い天罰を与えるのです。

 そして後半、守りに入ったポルトガルを待っていたのはバトの二枚目のイエローカード、そして退場。これでポルトガルは9人になってしまいました。ルイ・コスタを途中から入れようと思っていたポルトガルベンチは混乱。しかし、まだ天罰は終わりません。耐えに耐えてきた守備陣が遂に崩れパク・チソンによる一撃が彼らを打ち砕きます。沸き上がる韓国。自分達の勝利が宿敵アメリカを助けることになるなんて考えてもいなかったでしょうが、それでいいんです。もし、アメリカを決勝トーナメントに進ませないために引き分けなんか狙ったら幻滅するところでしたから。

 ポルトガルはフィーゴのFKもパウレタのヘディングも後一歩のところで阻まれます。運が無い、といえば言えますが、これが前述した通りサッカーの神様に選ばれなかったものの運命なのです。一度でも勝つことを放棄したら、待っているのはこのような結果であることはこれまでのワールドカップが示しています。その最たる代表はイタリアだと思いますが。

 結局、最後はポルトガルが猛攻を仕掛けますが、タイムアップ。韓国、そしてアメリカが決勝トーナメント進出を決めました。今日は何といってもフィーゴを完全に封じ込めたイ・ジョングクに拍手を贈りたい。それとソル・ギヒョンが素晴らしかった。日本に欲しいくらいだ。
 これで開催国ベスト16伝説は守られました。共催国として互いにホッとする結果です。しかし、韓国はイタリアが次の相手です。厳しい相手ですが、相手も今一つ調子に乗りきれていませんし、今日のような試合をすれば勝てない相手ではないと思います。ホームで戦う今の韓国はホントに嫌なチームです。イタリアも簡単にはいかないでしょう。

 アメリカはメキシコと対戦。今日は結果的に1-3でポーランドに敗退。あのポーランドに負けますか?。アメリカ、強いのか弱いのか。得失点差がマイナスでも決勝トーナメントに進んだ運の良さを見せる事が出来るか。しかし、今年のメキシコは強いですからね。北中米地区同士の対決。楽しみです。

 グループリーグが終わって思うことは、アフリカ勢がセネガル以外全て敗退したことが驚き。残ったのが初出場のセネガルというのもだけど。イタリア大会以来、「これからはアフリカの時代」と言われてきましたが、今回はこの結果。出場枠を争うアジアとしては喜んでいいのかもしれませんが。
 そして南米で残ったのがブラジルとパラグアイの二ヶ国だけというのも意外。ワールドカップに出てきた南米のチームは決勝トーナメントに進んで当たり前、みたいなところがありましたからね。結果的にヨーロッパ勢が幅を利かせた大会に見えますが、デンマーク、ベルギー、トルコ、といった二線級と言われていた国が勝ちあがり、フランスやポルトガルといった優勝候補、ロシア、クロアチアという一線級が敗れ去った、というのは見逃せませんね。

 トーナメントはパッと見、韓国側の山が厳しそうに見え、日本側の山はブラジルが順当に上がりそうに見えます。しかししつこいようですが今回のワールドカップだけはなにが起こるかわかりません。ビッグネーム同士の試合でなくとも面白くなることは請け合い。あと半月、楽しみましょう。

daylife

 近所の皆さま、ごめんなさいでした。

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Jun.15,2002 (Sat)

蹴球微熱 FIFA World Cup 十六日目

 グループリーグと決勝トーナメントの間に一日でも休みを挟めばいいのに。ああ、もうあと16試合しか残ってないなんて寂しいなあ。

 ハッピーバースデー、オリバー・カーンシュナイダーのセンタリングは見事だった。ヌビルのシュートも見事だった。後半43分、もはや延長戦を覚悟した時間帯での一点。それまでどちらかといえば攻撃に関してはパラグアイがペースを握り、ドイツとしてはいつも通りの堅い守りで我慢するしかないように思えた。そんな時間に入った得点だった。

 名将、マルディーニ監督ですら読み切れなかった最後の一点。延長を見越して取っておいた切り札クエバスを投入したのは試合終了寸前になってしまった。対してフェラー監督が手を打ったDF陣の入替は、当たったのかどうか、しかし結果はフェラー監督の読みが勝ったと言えるだろう。これまでスタメンで起用していたヤンカーに代えてヌビルを起用、そのヌビルが決勝点を獲ったのだから。

 互いに堅い守りを売りにするだけに静かな試合展開になることは目に見えていた。しかし、ハマンツィーゲラメロウという守りの主軸三人を警告で欠いているドイツの守備は不安定だった。それに対するフェラー監督の対応は素早く、厳しかった。ワールドカップという舞台でこの厳しさを遂行できる凄さがドイツなのかもしれない。

 パラグアイはサンタクルスに代わったカンポスが何度もいいシーンを作ったが、最後はカーンに阻まれた。チラベルトも何度も好セーブを見せたが、最後の一本を止められなかった。

 ちょっとだけカーンチラベルトのPK対決を見たい気にもなるような展開。しかし、前回のフランス大会同様、パラグアイは最後の最後で一点を守り切れず、負けた。
 ドイツは次戦、出場停止だった三人が戻ってくる。もしかしたら久し振りに決勝まで?。そんな予感すら感じさせるほど、このドイツには運がある。

 「カテナチオ」、イタリアの堅い守備を表すこの代名詞を、この大会に限りイングランドに冠したいと思う。それほどまでに堅い守備だった。あのフランスから2点を獲ったデンマーク、ここまで毎試合の得点を獲っているトマソンを完璧に抑え込んだ。デンマークは得意のサイドからの攻撃の形をまったくと言っていいほど作れなかった。関係ないがトフティングは今大会の選手一怖い顔だと思う。

 それにしても3得点とは。驚きを通り越して呆れてしまう。チャンスは殆どなかった。だが、その少ないチャンスをことごとく得点に結びつけた。しかもベッカムオーウェンヘスキーという攻撃陣が活躍しての得点。面白くないわけが無い。

 デンマークは7割近くの時間、ボールを支配した。しかし、最後のゴール前ではすべてキャンベルファーディナンドに跳ね返され、サイドはアシュリー・コールミルズが壁となった。解説の武田も言っていたが、ここまで固く守られるとデンマークとしては為す術がなく、ボールを貰ってから次のアイデアを考えてしまい、その一瞬の隙にDFが迫ってくる。ひたすらこの繰り返し。「困ってるな」というのが画面を通しても感じられる程だった。

 それにしてもイングランドには運がある。ドイツ以上に運が来ている。まるで前回大会厳しい目に遭わせたベッカムに神様が御褒美をくれているかのようだ。サッカーの神様に愛されまくっている。
 次の相手は余程の事が無い限りブラジルだろう。しかし、この運の強さならブラジル相手でももしかしたら、と思ってしまうほどだ。いや、下手するとベルギーがブラジルを破って勝ち上がってくるかもしれない。それくらい、この大会はイングランドにツキがある。日本なのに、まるでイングランドのホームで試合をやっているかのような雰囲気も含めて。
 ワールドカップは開催国、つまりはホームが圧倒的に強い。イングランドは、その恩恵を受けている。奇跡が起こるかも。

daylife

 ドイツも勝って、イングランドも勝って、嬉しい一日。

 あら、思いもかけぬ人からメールが。

涅槃の読書模様

 『新宿鮫6 氷舞』大沢在昌読了。いやー、面白かった。新宿鮫はやはり新宿鮫なんですな。新宿の街に降り立つと思わず鮫島を探したくなるのは私だけはないはずだ。レビューは後日。

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Jun.16,2002 (Sun)

蹴球微熱 FIFA World Cup 十七日目

 これこそ決勝トーナメント、という試合が二試合。こんなに面白い大会を開催国として楽しめるなんて。
ワールドカップを2002倍楽しんじゃおう更新。

 今大会初の延長戦に突入。そしてゴールデンゴール。何度見てもゴールデンゴールが決まった瞬間というのは物凄い歓喜と虚脱感に同時に襲われる。スウェーデンの選手達のショックは言葉では表現できないだろう。

 試合としては北欧の堅い守備とアフリカの個人能力による攻撃、というまさに事前の予想通りの展開。これはこれで面白かったのだが、両チーム(特にスウェーデン)にミスが多く、判断スピードも遅かったのは中三日、中二日での対戦、しかもこの暑さ、という影響だったのかもしれない。もう少しレベルの高い試合を楽しみにしていた私としてはちょっと不満。

 また、今日のセネガルはあまり好意を持てないサッカーをしていた。というのも高さで劣るヘディングの際に、必ずといっていいほど肘を出していたからだ。ああいうクリーンでないプレーを見ると幻滅してしまう。
 とはいえ、このチーム、決してフロックでここまで上がった来たわけではない。特に攻撃力は恐ろしい。ディウフアンリ・カマラの二人はスピード、ドリブル、そして特攻精神、どれをとっても一級品。スウェーデンのDFでなければもっと得点を獲られていてもおかしくない。ディウフは自分でなんでもやろうとしすぎるだけ助かっているが、彼が周りにボールを配ったりすることを憶えたらとんでもないことになるだろう。しかも中盤の選手だけでなくコリーのようなDFの選手までがドンドン攻撃に上がってくる。この攻撃力をまともに受けても守り切ることは不可能だろう。セネガルと当たるチームは完封で抑える、最小失点で抑える、ということは諦めて、点の取り合いを選ぶべきだ。攻撃力に対して守備力は低い。スウェーデンは彼らにしては普段よりもチャンスが多く作れた。しかし、ミスも不運もあり、それを活かすことが出来なかった。ウルグアイ戦のように点の取り合いしか、セネガルに勝つ方法は無いと思う。守り切ろうと思っても確実にやられる。始めから守り切ることを諦めていれば、得点された時のショックは少なくて済む。もし、日本がトルコに勝ってセネガルに当たるとしたら、そういう考えで望むことをオススメする。

 スウェーデンは暑さもあったのだろう。ミスも多く、コンディションも決していいとは言えなかった。ラーションは得意のスピードが全然活かせなかった。リュングベリが怪我でいないせいもあって中盤でボールを溜めることも出来ず、余計に疲労が重なったのもあるだろう。しかし、驚異の攻撃力を誇るセネガルをあそこまで守ったのはさすがだ。延長に入ってからのアンデシュ・スヴェンソンのシュートは見事だったが惜しかった。交代で入ったアンドレアス・スヴェンソンが正直、足を引っ張っていたなあ、と思う。しかし、視聴者に決勝トーナメントの怖さというものを存分に思い知らせてくれた。これがワールドカップ。アンデシュ・スヴェンソンの呆然とした顔が忘れられない。

 これで、日本とトルコの試合の勝者がセネガルと当たり、さらに勝ち上がったものが準決勝まで進むことになる。どのチームが勝っても初めてのベスト4(ベスト8ですら初めてなのだが)。今大会一の番狂わせがここにあった。

 しびれた。実を言うと劇団のミーティングのため、延長戦からしか見れなかった。それでもしびれた。今、アイルランドの選手達を抱きしめたい気分だ。

 今大会初のPK戦までもつれこんだ一戦。それも後半45分、ドイツ戦に続き、またも試合終了直前に追いついたアイルランド。なんとしぶといのか。「諦めてたまるか」。アイルランドのサッカーからはその言葉が聞こえてきそうである。しかし、最後の最後、本当の最後で力尽きた。そしてスペインは苦しみに苦しんで勝ち抜いた。この結果はスペインに何をもたらすのか。精神的な弱さがこれまでのスペインの代名詞だったとしたら、彼らはこの激戦、接戦で何かを掴んだかもしれない。

 今日はもうカシージャスを誉めるしかないだろう。試合中のPKも止め(一本は決められたが)、そしてPK戦でも3つを止めた(一本は外れたのだが)。この21歳のGKは所属するレアル・マドリーという世界一のチームで弱冠19歳でレギュラーを勝ち取った天才。しかし、今シーズンは不調で、サブに落ちたりもしていた。さらにスペインの正ゴールキーパーは本来カニサレスという選手がいた。彼が、オーデコロンの瓶を割った破片で足を負傷というマヌケな理由で戦線離脱を受けてのスタメンだ。PK戦が決まった時、スペインの誰もが不安に思ったに違いない。しかし、その不安を打ち消すような見事なセービング。スペインだけでなく彼自身もこの試合で大きく成長したことだろう。余程のことが無い限り、この大会のベストゴールキーパーには彼が選ばれるに違いない。

 それにしても本当にいい試合だった。私的にはこの大会の殊勲賞はアイルランドに贈りたい。素晴らしいサッカーをありがとう。アイルランド万歳。ロイ・キーンも納得してると思うぞ。

daylife

 うう、世紀のこの一戦を全て見られなかったのは残念至極。しばらくひきずりそうなほど悲しい。ま、自分にとっては劇団は仕事みたいなもんだから仕方が無いけどさ。うう。

 水泳の全日本選手権でハギトモこと萩原智子が4種目制覇。おめでとう。完全復活だね。パン・パシも頑張って!。

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Jun.17,2002 (Mon)

蹴球微熱 FIFA World Cup 十八日目

 まったくなんて傍迷惑なんだアメリカ。セネガルの躍進は拍手でもって迎えられる驚きだが、アメリカのそれはブーイングでもって迎えられる驚きだな。ったくもう。まあ、一つしかない武器でここまで勝ち上がってきたことだけは称賛に値するんだけど。でも、つまらないんだよ!

 明日はいよいよ日本対トルコ。ワクワクしますね(淀川長治調で)。勿論会社は休みますよ。

ワールドカップを2002倍楽しんじゃおう更新。

 ベルギー大善戦。今日の試合を端的に表せばこうなる。決してベルギーを舐めた言い方ではない。攻撃力では32ヶ国中ナンバーワンと誰もが認めるブラジルに対し、ベルギーのとった戦術が素晴らしかった。

     引いて守るってはダメだ。前から攻めていこう。

 一見簡単なようだが、ただでさえ堅守を誇るチームが、それも尋常じゃない攻撃力、特に突破力を誇るチームにこの戦術で立ち向かうのは余程の勇気と度胸が要る。ベルギーは、それを見事敢行した。そして確かに王国を苦しめた。その戦い方が善戦、ということだ。

 しかし、その頑張りもやはりブラジルの誇る至宝、二人に破られた。リバウドにあの位置で、ゴールに対して背中向きで、浮き球、彼がもっとも得意とするシュート、それが炸裂。普通の選手だったらゴール前で後ろ向きにボールを貰ってもまともなシュートなぞ打てないのだが、彼は違う。浮いたボールを一瞬の足技で操り、正面へ振り向きつつ左足一閃。リーガ・エスパニョーラで何度見たことか。それでも、キッチリとコースに飛んでいるデブリーゲルも凄いキーパーだけどね。ディフェンダーの足に当たらなければ止めてたかも知れんよ。
 そして出ましたロナウド。あのスピードはなんとかならんのか。もう言うことはありません。二人揃って四試合連続得点。ロナウドはこれでドイツのクローゼと並んで五得点の得点王も圏内に。こりゃあ、あるかもよ。

 ベルギーは前半のウィルモッツのゴールが認められていれば、もしや、という展開だっただけに残念でしょう。普段は判定の文句を言わない私ですが、あれには言わせてもらいます。どの辺がファール?。っていうかさ、ブラジルは1点ビハインドくらいで丁度いいハンデなんだよ <おい。

 今回のワールドカップは、堅守、とはいっても決して単に引いて守るだけのつまらないサッカーをするでなく、守りに掛かれば強い、というチームがいいゲームを見せてくれることが多いような気がします。今日のベルギーしかり、スウェーデンしかり、アイルランドしかり。やはり耐えるべき時に耐えて、戦う時に戦う、という姿は見ていて美しいものです。

 しかしまあ、これで次はブラジル対イングランドですか。今から胸のトキメキ、じゃなくてドキドキがとまりません。30試合分くらい頭の中でシミュレーションしながら毎日を過ごしたいと思います。え?イエローカード?。

daylife

 会社が今までの場所から徒歩一分の場所に移転。今日は一日引越作業。配線仕事のために地べたを這いずり回っていました。疲れた。つーか、スーツじゃなくてもいいって誰か教えてくれよ。それから、もっと潤滑に作業を進めようよ。無駄が多すぎ。

涅槃の読書模様

 『蒸発した男』マイ・シーヴァル&ペール・ヴァールー読了。最近、警察小説ばっかり読んでるな。好きだからいいんだけど。レビューは後日。

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Jun.18,2002 (Tue)

蹴球微熱 FIFA World Cup 十九日目

 明日、明後日は久々に試合のない日。ということで残業時間も気にせず仕事が出来る。とかなんとか言っておきながら手抜き仕事しかしないんだけど。

 4年前を思い出した。そして誤解や批難を恐れずに言えば、私が会社を休んでまで観たかったのはこんな試合じゃなかった。新聞やテレビでは「いい試合だった」「善戦した」という文字が躍るだろう。しかし私が観たかったのは「勝つサッカー」だった。ロスタイムにバックラインでボールを回すようなサッカーではない。ワールドカップのベスト8を狙う試合で、しょーもないパスミス、全員が突っ立って誰一人ジャンプせず決まってしまったコーナーからのゴール。そんなもんを観たかったわけじゃないのだ。

 確かに何度もいい形を作ったよ。惜しいシーンもあったよ。でも、それ以上に4年前のラモスの言葉を借りれば「闘志の感じられない」プレーの方が多かった。それがとにかく残念だった。フリーキックのチャンスで、稲本が集中力のないところを露呈したり(交代は当然、トゥルシエは正しい)、中田(英)の異常に低いパス成功率。今日の彼はシンプルだったのではない、淡白だった。サッカー選手にとって後ろからボールを取られるというのはある種の屈辱である。しかし、それを二度も三度もやられるなんて。そしてやっぱり解決できなかったセットプレー。32ヶ国中ダントツに期待感がないセットプレーだった。残念だ。

 選手は頑張ったと思う。グループリーグ突破、ベスト16、その結果には拍手を贈りたい。今日だって勝ちたい、と思って戦っていたのかもしれない。でも、これが現実。サッカーとは点を獲ってなんぼのスポーツであり、それがすべてだ。いいサッカー、いいプレー、そんなものは何の意味も成さないのだ。4年前、フランスの地で、それを散々思い知らされたじゃないか。
 そして、この大会で、日本は成長した証を見せてくれた。ベルギーに先制されても同点に追いつき、逆転までいった。日本は変わったんだ、そう思った。でも、そうじゃなかった。それが残念なのだ。

 「勝てたゲームだった」「支配していたのは日本だった」だったら尚のこと勝ってくれ。勝つためになんでもしてくれ。ファウルでもいい。細かいパス回しなんていらない。とにかくゴールへボールを運んで欲しい。シュートを打って欲しい。大声出してボールを貰って欲しい。闘志溢れるプレーを見せて欲しい。それだけだったのに。

 それでもやはり、ベスト16は素晴らしいことである。4年前、勝ち点1すら取れなかった国が、グループ1位でここまで来たんだ。素直に喜びたいし、ここまで興奮させてくれた選手、監督には感謝している。今日の私の悔しさは4年後にまた晴らしてくれると信じたい。4年前、私が確かに感じた無念さは、確かに晴らされたのだから。

 ごめんなさい。皆さんは今日の試合に満足していたかもしれないのに、こんあレビュー書いて。おそらく、新聞でも専門紙でもこんなこと書いてあるところはないと思います。この試合に関しては私のレビューをまったく信用しない方がいいです。ま、こりゃレビューっていうより単なる感想になっちゃったけど。それと、戸田には泣く資格があると思います。よく頑張った。

 こういうサッカーが観たかったんだよ!。韓国、素晴らしいです。本当に感動しました。凄いです。それも相手はあのイタリアです。韓国国民は代表選手達を誇りに思うべきです。あのイタリアから、それも守りに専念したイタリアから試合終了直前に同点。ソル・ギヒョン、素晴らしいゴールでした。そしてイタリアがトッティの退場で10人になり、さらに守り一辺倒になった。そんな「守りの天才」達から奪い取った値千金、いや万金のゴール。アン・ジョンファン、彼はそういう星の下に生まれてるね。開始8分のPKを失敗した時はどうしちゃったの、と思ったけど。ある意味自作自演、彼はスーパースターですが、今日の活躍でスーパースーパースターになりました。

 ご覧になった方ならご理解いただけると思うんですが、ホントに今日の韓国の気迫、闘志は凄かった。延長に入ってもまったく落ちない体力。走る、当たる。イタリアですよ、イタリア。ワールドカップ優勝3回ですよ。そのチームに対して真っ向勝負。少しも怖じ気づくところもなし、気負いもなし。イタリアはそんなチームに対しても躱し方を充分知ってる筈でした。誤算は、相手が韓国だった、それにつきるでしょう。

 それにしてもヒディング監督の采配の凄さ。結果的にDFラインの3人のうち2人をなんとFWと交代。さらに怪我で退場したボランチのキム・ナミルの代わりに更に攻撃的な選手。最後は2バック、4人の攻撃的ミッドフィルダー、4人のFW。負けたらおそらくボロクソ言われるであろう無茶な交代。まさしくオランダ的発想。そして、それに答える選手達。ユ・サンチョルは最終ラインに入り、他の選手も攻撃だけでなく、守備の際には自陣まで戻ってボールを奪う。一体どこにそんな体力があるのか。あのゴールはある意味、必然であり、奇跡でもあった。ヒディング・マジック。

 相手がイタリアであったからこそ生まれた名勝負。イタリア、今大会最後の試合で素晴らしい試合を見せてくれた。トッティは本当に上手かった。ビエリは強かった。トンマージはよく走った。ココは額を切りながら良く頑張った。今日のイタリアはまさにイタリアだった。最後は10人だったものの、韓国の同点劇は11人の時のもの。韓国の実力が世界レベルだったという証だ。イタリアの失敗はやはりデル・ピエロを代えてしまったことだろう。彼は攻撃だけでなく、守備でも今日は素晴らしかった。いいプレーばかりだった。その彼を、単に安全策のためだけに下げてしまったトラパットーニ。名将勝負はヒディングに旗が揚がった。

 夕方の試合を観て、正直ブルーになっていたが、このゲームを観たことで、大満足、と同時になぜ日本がこういうサッカーを出来なかったのか、そう思うと余計ブルーになる。
 しかし、共催国として、アジアの一員として誇りたい。だって、ポルトガルにも勝って、そしてイタリアにも勝ってのベスト8ですよ。これはもう、誰にも文句は言われないでしょう。アジアは強くなった。そしてアジアの盟主は間違いなく韓国だ。日本はまた韓国を目指し、追いつき追い越せばいい。これまでがそうだったように。

 次はスペインですか。韓国は強豪相手ばかりだけど、他では得られない、世界のトップとのワールドカップという場での真剣勝負を体験できている。それが羨ましい。

daylife

 サッカーひとつでここまで浮き沈めるものなのね。

涅槃の読書模様

 『私という名の変奏曲』連城三紀彦読み中。やはり巧い。そして、不思議なミステリ。

 購入物。

 以下マンガ。

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Jun.19,2002 (Wed)

蹴球微熱 FIFA World Cup 二十日目

 といっても試合はない日。うーん、二十日間連続日記を書き続けたのは新記録かもしれん。でもこれ、日記じゃないよな。

 そろそろ今大会のベストイレブンを考え始めてもいいころだな。毎回、迷うんだけど、今回は特に悩むなあ。なんといっても強豪が軒並み敗退しちゃったからねえ。純粋にこの大会中の活躍に限ってます。皆さんはどんなメンツがお好み?。

ワールドカップを2002倍楽しんじゃおう更新。もう準々決勝ですか。あと7試合、早いもんだ。

daylife

 昨晩の『ワンダフル』で、NIKEのCM(あの世界中のスーパーフットボーラーが出演しているやつです)の特集がやっていた。これ、実は凄い。実際にCMで流れてるのは一部分だけで、かなりの量撮ってるみたいですね。最新の「ケージはいらない」編の前にやっていた「ケージ編」は、サッカーの3 on 3の大会を私が崇め奉るエリック・カントナが怪しいオーナーとなって主催する、という設定になっている。なんとこの大会に、世界中から集められた精鋭(ただしNIKEと契約を結んでいる選手)24名が8チームに別れ、トーナメントを行っているのだ。
 で、日本で放映されてるのは中田のチームの試合編だけで、しかも15秒から30秒のものだけ。でも実は一試合につき1分以上しっかり編集したバージョンが存在しているのです。ちなみにこの大会、中田トッティアンリが組んだチーム(ちなみにチーム名は「トリプル・エスプレッソ」)が優勝する、というストーリー。『ワンダフル』ではこのチームの一回戦からの模様を流してくれた。いやー、貴重なものを見せてもらった。っていうか、このCM、DVDとかにならないのかなあ。こんなに凄いCM、そのまま捨てておくのは勿体無いよ。NIKEは是非DVD化して欲しい。絶対買います。

 ちなみに現在の「船上の戦い編」は、この「ケージ編」の決勝で中田チームと戦ったフィーゴロベルト・カルロスロナウド(すげえチームだな、しかし)の間で因縁が残っており、その因縁の対決を再び、という続き物になっている。相変わらずカントナが変なオッサンなのが気になるけど。とにかく全部観たーい。

 今日は今日で、ここまでのワールドカップを振り返る番組がやってますね。さすがにNHKはまともだったが、明石家さんまの番組は最悪。何が最悪って、さんまが芸能人風吹かせて無理矢理キムタクのためにデル・ピエロのサインを欲しがり、ジローラモが折角取ってきたサイン入りユニフォームに難癖つける始末。全国ネットで芸能人のワガママを聞かされて、さらにそれに文句を言うとは。ユニフォームどころかメモ帳にすらサインを貰うことが出来ないサッカーファンのことは全く考えてないんだな。要するに芸能人が羨ましいか?、一般人。という番組でした。胸くそ悪い。

 試合がなくてもサッカーの話題しかないのかよ。

涅槃の読書模様

 『私という名の変奏曲』連城三紀彦読了。やはり連城三紀彦はスゴイよ。レビューは後日ですが、一つだけ。この薄さで倍以上あるミステリの3倍は色んなものを語ってますね。ダラダラと文字を書き連ねることが如何に不毛かということ。私もなにかと文章(話)が長い人間なので自省の意味もこめて。凡百の作家は見習った方がいいと思います。

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