ごくたま昨日日記 in March, 2002

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Mar.5,2002 (Tue)

daylife

 MYSCON3。まだそこそこの参加枠があるようです。お悩みの方はまだ間に合うぞ!。

 知り合いの公演のお手伝い疲れも手伝って、無気力な日々。本も読まなけりゃ、能動的に動くようなことは何もしてませんでした。テレビもそんなに見てないし、何してたんじゃ。ま、眠れないけど布団に入ってひたすら横になってたんだけど。

 つーことでこんな生活はイカン、ということでゲームでも。友人に借りた『ico』を始めてみる。ゲーム買う金はない。このゲームなかなか斬新かも。まず静か。キャラクターの歩く足音とか風の音とかそういうのだけで音楽はまったくありません。ちょっとコントローラーが扱いにくい(*1)のがアレですが、今のところはそれなりに楽しんでます。要は館ものだけど、演出が違うだけでかなり違う雰囲気になるもんですな。
 ゲームっつーのはその他の娯楽と違ってリアクションを必要とするので無気力な体を動かすにはいいかもしんない。

涅槃の読書模様

購入物。


*1: やたらとRボタンを押し続けたりしなければならない

Mar.6,2002 (Wed)

daylife

 昨日、日記をUPした時に先日の日記のデータを上書きしてしまった様子。ま、大したこと書いてなかったんで構いませんけど。
 眠れないなりに少しずつ体調は上向き、だと自分に暗示をかける。

 ドラマ『ロング・ラブレター/漂流教室』第9話。掲示版でも言ってしまったからもう言ってしまおう。このドラマは失敗作ですね。面白くない、とか面白い、とかの評価は余りしたくない。なぜならこういうドラマを作ろう、という意気込み自体は買いたいから。しかし全てが中途半端です。端から例を挙げていってもキリがありませんが、製作と脚本、そういった人達の間でコンセンサスが取れてなかったんじゃないかなあ。いきあたりばったりな展開を感じずにはいられません。脚本的に一番気になるのは時間軸。未来に飛ばされてからの出来事の時系列が無茶苦茶な気がする。学校内で起こっているイベントがとても同時進行とは思えないところとか、いつまでそのイベントは続いてたんだよ、とか。私も以前、色んなイベントが同時進行する脚本を書いたことがありますが、こういう話を書く時はまず時系列に沿った表とかキッチリ作ること。面倒でも、それぞれのエピソードに対して部分だけでなく前後の話題、他のイベントとの関わりを考えて実際に書いてみること。これをしないと話しが狂ってしまう。実は私もその点を指摘されたので凄く気になるんです。
 当たり前の日常を描いた人情系ドラマが多い中、こうしたドラマを作ろうとしたことにはとても共感をもっているので失敗は失敗として次に繋げて欲しいけど、一度転んだらなかなかテレビっていうのは手を出さなくなるからなあ。でも、ま、確かに「そりゃねえだろ」ってことが多すぎたもんなあ。

 ゲーム『ICO』。城内で見つけた謎の少女を連れて逃げる、っていうゲームなんですが、この少女を足手まといだと感じてしまう私は冷たい人間でしょうか。

Mar.8,2002 (Fri)

daylife

 本人もすっかり忘れてましたが、先月の27日でこのサイトも3周年を迎えました。昨年、一昨年と一時期更新が滞っていた時期もありましたが、なんだかんだで三年も続いているというのは不思議なこと。これからも訪れて下さる方がいらっしゃる限り、頑張って(ちょっと嘘)続けていこうと思っておりますので、どうかお付き合い下さいませ。

 眠剤飲んでも全然効かないくせに翌日とても眠くなる。役立たず。調子は悪くないのだが、花粉症のせいか目がシパシパして焦点が合いにくい。そのせいで本も読みにくいし、やたらと疲れる。おかげで今月は全然本が読めていない。ゲームもあんまり進まず。というより同じパターンの繰り返しなのでちょっと飽きてきたよ >『ICO』。金はないけど『サカつく2002』買っちゃおうかなあ。

 ウルトラキャッツの『バレム』の日本語バージョンが13日に発売。間違いなく買うけど、どうせなら韓国語バージョンも売って欲しいものだ。ブラックビスケッツ(懐かしい)の『タイミング』の広東語バージョンも欲しかったんだけどなあ。輸入CDショップとかで売ってるんだろうか。

Mar.10,2002 (Sun)

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 昨日は、お昼から赤坂ACTシアターで『天保12年のシェイクスピア』を観劇(感想は↓)。夕方からMYSCON3のスタッフ会議に合流する予定だったが、芝居の公演時間がなんと4時間!(休憩含む)。一緒に観に行ったメンバーへの挨拶もそこそこに新宿に移動し、スタッフ会議に合流。
 当日のタイムテーブルを中心にミーティング。色々悩ましい。どうにかこうにか叩き台を作り上げることに成功。タイムテーブルさえ決まればあとは結構すんなり行くはず。
 その後、 ひろがサイト閉鎖記念打ち上げをやっていたのでそれに合流。いつもの顔ぶれにまったく見知らぬ方々に、かなりお久しぶりの方々と賑やかな席。飲み会への合流は終わり間近だったのであまり話も出来なかったが、超お久しぶりのmutさんに会えたのが嬉しかった。
 終電で帰宅したが、家までの25分の徒歩は今の右膝ではかなり辛いのであった。

『天保12年のシェイクスピア』[play]

 ◆赤坂ACTシアター ◆7500円
 脚本◆井上ひさし 演出◆いのうえひでのり 企画監修◆鴻上尚史
 出演◆上川隆也/沢口靖子/古田新太/池田成志/阿部サダヲ/橋本じゅん/西牟田恵/村木よし子/高橋礼恵/粟根まこと/山本亨/小林勝也/森塚敏/熊谷真実/他沢山(笑)

 初演が1974年。天保12年の宿場町を舞台にシェイクスピアの全37作品の台詞や設定を取り入れ、なんと4時間半もの舞台になったという伝説の作品。
 それを28年ぶりに、この度2002年東京都民芸術フェスティバルというイベントの一環として上記のような絢爛豪華なスタッフ、キャストで再演された。よくもまあチケットが取れたと思う。Uに感謝。

 事前の情報(上記Web参照)では4時間半の舞台が2時間半に短縮されたようなことが書いてあったのだが、開演時間が1時半、という時点で正直ヤバイ感じはしていた。そしてその予想は見事的中。始まって1時間半したところで休憩のアナウンスが告げられ(しかも25分だ)、結局公演が終了したのは5時20分。休憩込みで約4時間の公演。ハッキリ言って疲れた。それがまず第一の感想。
 また、いのうえひでのりが演出で時代劇、といわれた時点で分かることだが結果的には劇団☆新感線いのうえ歌舞伎の形をモロに踏襲した作品となっている。当然井上ひさしの脚本であるから普段の劇団☆新感線よりも格式高い内容になってはいる。しかし、それがまた普段よりもテンポや勢いを殺しているのもまた事実。特に前半は展開的にも非常にまだるっこしい気がした。これは脚本の問題ではあるが、この芝居とにかく役が多い。主要な出演者でさえ、二役三役は当たり前の芝居になっているため、どの役に注目して良いのか、誰を追っかければいいのか非常にわかりにくい。おまけに転換が早いため、じっくり楽しめるシーンが少ない。休憩の入る頃には芝居を観る、という気分では既になく、イベントを楽しむ、という気分になっていた。これは決して否定的な意味ではない。むしろ芝居として観に来た自分の方が間違っていたような気がするのである。いのうえ歌舞伎というからにはやはり本家の歌舞伎と同様、ストーリーを追っかけたりすることがメインの楽しみではなく、芝居空間の雰囲気を楽しむことがメインなのだ。その証拠に上記のWebにはあらすじが事細かに書いてあり、ラストまでご丁寧に書いてあるのだ。

 そういう視点からこの公演を見た場合、先日の日記でも劇団☆新感線について言及したように、いのうえ歌舞伎という様式美をこれまで以上に広く、そして高いレベル(*1)で認知させたことに大きな意義があったと思う。様式美の世界というのは、それを担う人間を如何に発掘、育成するか、そしてその世界を如何にして認知してもらうかが重要なことであり、その点で観客だけでなく、多くの実力ある役者陣に対してもこの世界を体験してもらったことは多いに意味があると思う。これまでいのうえ歌舞伎未体験の観客も多かったことと思うが、これを機会にこういう世界がある、ということが理解されたことは大きい。
 正直、公演としては劇団☆新感線と比較した場合、様式慣れしていない役者が中心になっていたために、テンポも勢いも悪かった。それは脚本自体がそれを意図して書かれていないのだから仕方ない。役者としては当たり前なのだろうが、いのうえ歌舞伎において演技というものは二の次(言い過ぎな気もするが)であり、如何に見栄を切れるか、どこまでハジケられるかが大切な要素である。まあ、古田新太池田成志橋本じゅん粟根まことといった勝手知ったるメンバーがその辺りをフォローしていたので救われてはいたのだが。しかし、くどいようだが今回の公演の意義は芝居の内容ではなく、様式美を認知させることだと思うし、その意味では多いに成功であると思う。
 それでも苦言を呈するなら、いくらなんでもやはり長尺だったと思うし、これまでの劇団☆新感線に対しても感じていた不満(主に音楽に関して)に関しては処理されていないなあ、と思った。

 まあとにかく7500円という値段はちょっとアレだが、見方によっては貴重な公演を観れたことだし、多いに不満ということはない。公演自体の内容よりもこの公演の意義に納得している。とかなんとかいっているが、座席が余りに後過ぎたというのが一番の不満であり(*2)、隣の席のおねえさんのようにオペラグラスでも用意しておくべきだった。
 しかし顔の判別もやっとな座席から観ても「美しい」と感じられる沢口靖子にはビックリしたのであった。間近で見たら卒倒するかも(大袈裟)。熊谷真美の怪しい演技と発声にも驚かされたけどね。


*1: ここでいう高いレベルとは芝居の質ではない
*2: チケットを獲ってくれたUには感謝しているけど贅沢言えばの話

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