ごくたま昨日日記 in July, 2003

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Jul.1,2003 (Tue)

daylife

昼休みに寝汗かくほど熟睡してたら、起きてからクーラーにやられて洟ズルズル。下品ねえ、もう。

なんかまた名古屋で豪雨の被害が出ているようです。三年前の反省が活かされているといいんですが。
忘れもしない三年前のあの豪雨の日に、私は新横浜から名古屋まで新幹線で向かい、名古屋城の横にある国立名古屋病院に入院したのでした。名古屋駅に到着してタクシーで病院まで移動したんですが、側溝からは水が溢れるわ、道路は川みたいになるわ、大変でした。
病院に着いたら着いたで、看護婦さんたちが「今日は帰れそうにない」と困っていたのを思い出します。出発が2時間遅れてたら入院できなかったかと思うとゾッとする。

あれから三年も経ったのかあ。

涅槃の読書模様

『終戦のローレライ(上)』福井晴敏読み中。しばらくはかかりっきりです。

購入物。

『20世紀少年 -13-』浦沢直樹(ビッグコミックス)【→bk1へ】[comic]

コミックスの刊行予定にかなったので、店頭で発見して驚いてしまいました。昨日の時点ではbk1でも買えませんでした。今は買えます。

怒涛の急展開というか、ホントに「ともだち」の正体はアレでいいんかい!。なんだか全然腑に落ちないんですが、そんなことは関係なしとばかりに話は進みます。
そして再び世界中を襲うウィルス。カンナたちは世界を救えるのか。

なんか一気に話を決めにきた感じがしないでもない。やっぱり連載終わってからまとめて読めば良かった。まだ読んでない人は絶対そうした方がいいと思います。

『ダブル・フェイス -2-』細野不二彦(ビッグコミックス)【→bk1へ】[comic]

1巻買って読んだ時点で「うーん」だったのですが、2巻読んで「やっぱダメだ」という評価になりました。

設定がまるっきり活かされてないんですよね。普段はダメ社員を演じる理由とか、なぜ手品なのか(それって手品かよ、と思ってしまうところも多い)とか。手品にしても、毎回の仕置きとその手品が関連する部分がないので、勢いだけで読まされてる感じ。

必然性とまでは言わないけど、関連性というか、各々のギミックやストーリーが絡んでなくて空回りしている感じが否めない。ということで、以降は購入しないことに決めました。

Jul.2,2003 (Wed)

daylife

『マトリックス・リローデッド』を観てきました。感想は明日。っつっても書くほどのこともないかも。前編みたいなもんだし。ま、一応。

昨日が映画の日だったから、レディース・デーとはいえ空いてるかな、と思って観に行ったんですが、それ以前に「多分穴場のはず」というシネコンを思い出し、そこに行ってみた。
予想通りガラガラ。380人収容のスクリーンで観客は10人前後しかいませんでした。本来は指定席のはずなのに、「好きなところに座りゃあいいじゃん」と言わんばかりに自由席。おかげで最高の席で観れました。

土日はこれほどまでに空いてるわけじゃないでしょうが、それでも他のところよりは空いてるはずなので『チャーリーズエンジェル・フルスロットル』もここで観ようと思ってます。いやー、思い出してよかった。

涅槃の読書模様

『終戦のローレライ(上)』福井晴敏やっと読み終わって下巻に入りました。

Jul.3,2003 (Thu)

daylife

ベッカムのレアル・マドリード入団会見を見ていて、前にラウルとロナウド、真ん中にジダン、左にフィーゴ、右にベッカム、の陣容を想像していたら涎が垂れそうになってしまいました。イカンイカン、私はバルサに魂を売った男。
そんなバルサにもようやっと嬉しいニュース。トルコ代表GKのリュシュトゥがバルサに移籍決定。守りの要が決まったことは嬉しいですが、早いところ他のポジションも埋めてくれ。

今号から『イヴの眠り』吉田秋生が新連載ということで『月刊フラワーズ 8月号』を買ってみた。ええ!?これがルー・メイ?!。嘘だろ。
それはそれとして。設定としては『YASHA』から1?年後という設定らしい。ヒロインは静とルー・メイ(現在はケンと結婚して息子もいる)の間に生まれた娘。ということは、あの遺伝子を受け継いでいるってことだ。そして、多分彼女の運命の相手となるのはシン・スウ・リンの息子。立ち上がりからわかりやすい設定である。

あと西炯子『お手々つないで』がよい。思春期にいわゆる「フツーの恋愛カップル」になれない二人をさっぱりと書いてます。これは単行本出たら買いたいかも。

他はまあ、田村由美は相変わらずだなあ、とか赤石路代は今時ド直球の大河少女マンガ書いてるなあ、とか萩尾望都『バルバラ異界』は連載で一回読んだくらいじゃ全然ついていけないなあ、とか思いながら読んでました。あ、波津彬子の英国ものはさすがに面白そうです、後編待ち。

久々に少女マンガ雑誌買って読んでみましたが、ちょっと疲れてしまった。重いし、それぞれの世界観がかけ離れてるので、思考を調整するのが結構大変だった。少年マンガだとそういうことはあまりないんですが。たまーに、少女マンガ雑誌買って読んでみるのもいいかな、と思いました。めっけもんがあるかもしれないし。ただ、毎号は無理だと思いました。

『マトリックス・リローデッド』(2003 アメリカ)[movie]

監督:ラリー&アンディ・ウォショウスキー、出演:キアヌ・リーヴス、キャリー・アン・モス、ローレンス・フィッシュバーン

頭の中からエージェント・スミスの「みすたぁあんだあそぉん」というセリフが離れない。

1999年に『マトリックス』を観た時の感想は「オタク様式美の祭典」というものだったのだが、基本的にこの『リローデッド』でもそのイメージは変わらない。しかし、4年前に画期的且つ衝撃的だった映像は、もはや様々な形で見慣れたものになり、この4年間で「さらなる様式美の進化」を求めるのはさすがに無理があるというもの。というのは『マトリックス』は、ジャパニメーションや、カンフー映画の長きに渡る歴史のある種総決算であったわけで、それと同じインパクトをたった4年の蓄積で見せろというのは酷である。その意味では、『リローデッド』は、まだ見せていなかった部分の放出といった向きであり、そう思って観れば満足いくものであった。

具体的にはカーチェイスのシーン。2.5キロの高速道路をホントに作ってしまっただけあって、これにはもう、「すげェ!すげェ!」と叫ぶしかなかった。絶対撮影中に50人くらい死んでるはず、と思うほどにムチャクチャな映像だった。ド派手な事故シーンに目が奪われがちではあるが、一番凄かったのはカメラワーク。トリニティが対向車線を疾駆する画面で、次々にすれ違う車とぶつかるように撮影されたあのカメラワークはいったいどうやって撮っているのか。このシーンだけでも金払った価値はあったと思ってます。

ただ、格闘シーンに関してはシビれるようなところはなかったですね。これに関してはまだまだ香港映画の方が上。ワイヤーアクションはまだしも、生身の格闘についてはジャッキー・チェンの映画の方がはるかに興奮できる。百人スミスのシーンにしたって、ジャッキーは普通に7、8人と闘っちゃいますからねえ。前作は生身の格闘よりもガンアクションがメインだったので、もっと楽しめたのになあ、といった印象です。つーか、ジャッキーとウォショウスキー兄弟が組んだら凄いものが作れそうなのになあ。ただ、ファーストシーンのトリニティの格闘場面(バイクから飛び降りるところ含む)はエラくカッコよかったです。

さて、『リローデッド』では前作以上に物語の根幹に関わる設定や謎解きが為されているわけですが、正直難しい。アーキテクトの喋ってる内容は半分以上チンプンカンプンでした(この辺参照)。メロビンジアンとパーセフォニーの存在とか、彼らの言動とかまったくといっていいほど理解出来ませんでした。
ただ、理解できないんだけど、理解出来なくていいじゃん、というのが私の『マトリックス』世界観に対する考え方であり、なるべく多義的に解釈できるほうが(もしくは解釈できない)面白いのになあ、と思っています。『マトリックス』は現在の神話であり、神話ならではの矛盾やツッコミどころはあればあるほど世界が広がるし、定義を押し付けられるよりも懐深くていいんじゃないかと。

それだけに残念だったのはザイオンの描写があまりにも「人間的」に描かれていたこと。あれはいらないと思うんだけどなあ。モーフィアスとロック司令官の対立構造とか、評議会とか、演説シーンとかは、あまりにも人間臭くて泥臭いし、私が『マトリックス』に求める映像ではなかった。『マトリックス』の面白さというのは、その爆笑を誘うほどの「デフォルメ」であり、それはありとあらゆるテーマを記号化して、大袈裟にしてしまうというところにあると思うんですが(ネオがトリニティを生き返らせてしまうシーンは「愛」というテーマを極大化している)、ザイオンのシーンはどれも「普通の映画」的で、『マトリックス』の世界観からは浮いていて、馴染めなかったです。勿論、ウォショウスキー兄弟としては、「マトリックス」の世界と「現実」世界の対比として作っているとは思うんですが、対比構造としては間違ってはいないものの、その見せ方は「違うんじゃない?」と思うわけです。

まあ、何を言おうと完結編である(はず)『レボリューションズ』を観終わってみないとホントのところはわかりませんけどね。個人的にはちゃぶ台ひっくり返すようなオチが待ってることを祈るけど。それこそが『マトリックス』には相応しいと思うのは私だけでしょうか。

それにしてもモニカ・ベルッチ。あんなに胸を押さえつける衣装は反則技だろう!。

涅槃の読書模様

『終戦のローレライ(下)』福井晴敏読み中。上巻にも増して分厚い。

購入物。

Jul.4,2003 (Fri)

daylife

この世には日記に書くようなことなど何もないのだよ、関口君。

というわけでカラオケしてきました。久々に歌ったので超楽しかった。歌い足りないくらいだ。また行きませう。

涅槃の読書模様

『終戦のローレライ(下)』福井晴敏読み中。上巻にも増して分厚い。

Jul.5,2003 (Sat)

daylife

Jリーグが再開。でも全ての試合が7時からなので一日Jリーグ三昧、というわけにもいかない。まあ、夏だから仕方ないけど。今日はK-1 WORLD MAXもあったので、鹿島VS磐田戦をK-1のCMの合間に見ただけ。磐田がヴァンズワムの退場もあって前半で4-0になった時には「おいおい」と思ってしまいましたが、後半早々に4-2まで追い上げたのはさすが。結局負けたけどね。

鹿島は5点獲ったけど、全てセットプレイ絡み。ある意味凄い。柳沢はゴールも決めて気持ちよくイタリアにいけるのではないでしょうか。個人的にはイタリアでは通用しない(認められない)と思うけどね。FWは点獲ってナンボ。たった一人でも点獲れる選手こそがイタリアでは重宝されますから。

我らがレッズは久々の逆転勝利。先取点獲られた時は「今日もかよ」と諦めかけていたんですが、なんとか逆転。いつもは先取点とっても逆転負けというパターンになるので、逆転勝ちは嬉しい。気がついてみれば首位とも勝ち点差6。優勝は無理だとしてももう少し上位で頑張ってくれたらいうことないんだけどなあ。

K-1 WORLD MAX 2003

ついに魔裟斗優勝!。まさかクラウスに打ち勝つとは思わなかったなあ。クラウスはフック系のパンチに弱いですね。たぶん首の鍛え方が足りないんだな。しかし、背中は凄かった。あの背中から繰り出されるパンチはヘヴィ級ですね。

魔裟斗はローキックでペースをつかんでいたので、そのまま行けば、と思っていたのだけれど打ち合いに応じた。その勇気が凄い。クラウスの豪腕の凄さは一回戦、二回戦を見ただけでもわかるし、自分自身も味わったことがあるはずなのに。まあ、今日の8選手の中でダントツのスピードを魔裟斗は見せていたし、ショートのパンチが今日は良く決まっていた。その結果でしたね。
ただ、クラウスはカウント内に立っただけに、レフェリーのストップは早すぎたと思う。VTR見ても、カウントが結構早い。わざとというよりはレフェリーも興奮しちゃったんではないだろうか。K-1は基本的に日本人がレフェリーなんだけど、今後はこの辺りも考えていかないといけないと思う。

クラウスは負けたけど、正直今日一番「強い」というイメージは残した。クラウスをはじめ、サワー、ラドウィック、ザンビディスと20代前半の若い選手ばかり。彼らに経験がプラスされたら相当恐いね。
個人的にはザンビディスももっと見たかった。魔裟斗は救われた部分もあったと思うが、それをキッチリ勝ちにつなげてくるのが魔裟斗の強さではある。ただ、一番観たい試合は、と聞かれたらクラウス対ザンビディスの再戦だなあ。凄いパンチの打ち合いになりますよ、これは。

総じて、昨年の第一回大会よりも、選手達がK-1の闘い方に慣れたこともあって素晴らしい試合ばかりだった。スピードがあるからある意味ではヘヴィ級よりも面白い。パワーでKOできなくてもスピードでの一発KOがあるからね。個人的にはこっちの方が好きだ。あとは、もっとキックで戦える選手が出てくれると面白くなると思う。

武田は残念だったけど、ムエタイと違って、K-1やキックボクシングでは「待ち」の戦いはなかなか通用しない。パンチの回転が速いし、巧さもある。カウンターでの一撃だけに賭ける戦い方は無理があると思う。

さて、問題はムエタイだ。これで2年連続優勝なし。おまけに負け方が悪い。完膚なきまでのKO負け。確かにルールの違いはあって、ムエタイでの強さをそのまま活かせないのは不利だと思うが、このままではムエタイの権威に関わる。K-1向きの選手をK-1での戦いに活かせるように鍛えてくるということも考えるべきなのではないだろうか。ムエタイがこのままで終わって欲しくないね。

Jul.7,2003 (Mon)

daylife

ネット上では永遠の27歳のなので歳はとっていないはず、多分。もしくは5度目の27歳の誕生日か。
私の織姫はいったいどこに。あー寂し。
さっさと寝よ。

涅槃の読書模様

『終戦のローレライ(下)』福井晴敏読み中。もうちょいで終わる。

購入物。

気になる一冊。

Jul.8,2003 (Tue)

daylife

ウィンブルドンが終わり、ツール・ド・フランスが始まった。
私は生涯に是非とも観客、または関係者(*1)として参加してみたいイベントが3つある。ひとつはサッカーのワールドカップ、もうひとつは冬季オリンピック、そして三つめはツール・ド・フランスだ(*2)
このうち、ワールドカップは昨年の日韓大会で、冬季オリンピックは長野オリンピックで一応経験している。ただし、実際のところ海外での大会に参加しないと気がすまないが。

日本ではサイクルレースは殆ど人気がない。それでも競輪には人が集まるが、それはギャンブルだからというのが大きな理由だ。かくいう私もサイクルレースに興味があったわけではなかった。ガキの頃は人並みにチャリンコを乗り回し、レースじみた遊びもしたが、今では自転車に乗ることすら稀である。

そんな私がツール・ド・フランスを知ったのは1985年のことである。この年のツールの模様をダイジェストにした特別番組を見てしまったのだ。その年までツールの存在すら知らない私にとって、「フランス国内を自転車で三週間かけて走破する」というスポーツの存在は強烈なインパクトを与えたのだった。そしてこの年、フランスの英雄ベルナール・イノーが5度目の優勝(結果的にこれが最後の優勝になった)を果たした。だから、私にとってツールのヒーローといえば今でもイノーである。

その後、スペインの怪物・ミゲール・インデュラインが前人未到の5連覇を果たし、そして今年、アメリカのランス・アームストロングがその5連覇に挑戦する。彼は癌という難病を克服しツールを征した鉄人である。彼の5連覇は果たしてなるのか。今年のゴールは7月27日。その日を楽しみに待つとしよう。

TSUTAYAがオンラインクーポン期間中でレンタル半額なので、帰宅してからDVDで『チェンジング・レーン』を見ました。感想は明日。

あ、明日は『チャーリーズエンジェル・フルスロットル』観に行くつもり。

涅槃の読書模様

『終戦のローレライ(下)』福井晴敏読み中。もうちょいで終わる。

『花よりも花の如く -1-』成田美名子(花とゆめコミックス)【→bk1へ】

『NATURAL』でも登場した西門のお兄さん・憲人が主人公の能のお話。当然、西門も普通に登場している。ミゲールは出てきません。

いかにも成田美名子が好きそうな世界をマンガにしているんだなあ、というくらいの感想だけで良くも悪くもないんですが、成田美名子ファンには安心して読めるかと。
多分「能」の世界を少しでも広めたい、というのがこのマンガの主たる目的で、マンガとしての面白さとかはあまり求めてはいけない気がする。私は好きですが。

とはいえ、いつにもまして女性キャラが少ない!(能の世界なんだからしょうがないだろ)。それだけは許せん。

『マリオガン -1-』木場功一(ビッグスピリッツコミックス)【→bk1へ】[comic]

『キリコ』で強烈なインパクトを残した木場功一の新連載もの。期待は大きいけど、一発屋にもなりかねない。

…なんじゃこりゃ全然わからん。と思ったら一巻まるまる××オチで、二巻から本編、なのか?。
とりあえず二巻も読んでみないとなんともいえません。それくらい意味不明。

以前にも増して絵が雑になった気がするのは私だけだろうか。


*1: ボランティアなど
*2: ウィンブルドンもいつかは行ってみたい

Jul.9,2003 (Wed)

daylife

てなわけで『チャーリーズエンジェル・フルスロットル』を観て来ました。

その後、古本屋を巡って西炯子のマンガを探す。なぜ古本屋なのかといえば新刊書店ではまったくお目にかかれなかったから(『STAY』は見かけるが)。だがしかし、古本屋でもなかなかないなあ。『三番町萩原屋の美人』は、何巻かは見つかるんだけど。1巻が見つからないので買えない。一番読みたいのは『ぼくは鳥になりたい』なんだけどなあ。

んで結局見つからなかったので、代わりに『西洋骨董洋菓子店 -全4巻-』よしながふみを購入。やっと読めた。こりゃー確かに面白いわ。

そんなこんなでマンガを読み耽っていたので映画の感想は明日以降に。『西洋骨董洋菓子店』の感想もね。

Jul.10,2003 (Thu)

daylife

泉穂さんの日記(7/10)を読んで大いに考えさせられてしまう。いや、MAXコーヒーのことじゃありませんよ。

私も「相手が望んでいる返答」というのを(見抜いているかどうかは別として)返してしまうタイプです。それが自分の考えている答えとは別だったとしても。なんというか、そこで自分の意見を述べることよりも、潤滑な人間関係を保つことの方が、自分にとっては比重が大きいと無意識に考えているからかもしれません。でも、それがあまりにも無意識な行動だったため、泉穂さんの文章を読むまでは、それが「普通の会話」だとすら思っていたような気がします。

ただ、気付いたからといって、この先の自分が会話の中で「自分が本当に思っていること」を話すようになるかというと、多分そう簡単にはいかない。無意識だと思うほどにそれが身体に染み付いているから、ということもありますが、泉穂さんのおっしゃる通り、こういう会話テクニック(?)というのは人間関係を良好に保つには必需品のようなものです。だから、自分がもし、これまでと違い「自分が本当に思っていること」をそのまま会話の中で発するようになったとき、現在の人間関係が保たれるかどうかというのはわからず、それは私にとってものすごく不安なのです。

こういうことを考え出すと、どちらか本当の自分か、というのがわからなくなってきます。先程「自分が本当に思っていること」と書きました。それはそれで嘘ではないのですが、同時に「円滑な人間関係を保ちたい」という自分も存在するので、それも嘘とはいえないのです。

一番いいのは「ありのままの自分」で、それでいて「人間関係も円滑」なことだとは思うんですが、現在の自分が形成された理由が、「ありのままの自分」を否定されたことから発している限り、きっとそれは無理なことなんだよなあ。そのために自己暗示かけてまで人格改造したわけだし。そして、それはある程度成功したわけだし。

ただ、やっぱり時々苦しくはなるんだな。二人の自分の乖離に。

『チェンジング・レーン』(2002 アメリカ)[movie][dvd]

監督:ロジャー・ミッチェル、出演:サミュエル・L・ジャクソン、ベン・アフレック

昨年、劇場公開されたときに観にいこうと思いつつ行けなかった(そんなんばっかり)のだが、漸く観ることができた。

若手敏腕弁護士のギャビン(ベン・アフレック)は、担当している財団に関する裁判に出廷するため、ハイウェイを飛ばしていた。一方、妻子と別居中のギプソン(サミュエル・L・ジャクソン)は、子供の親権をめぐる裁判に遅れないよう、同じく車を走らせていた。それぞれの人生にとって重大な案件を抱え、しかもその時間が刻一刻と迫っていた2人だが、焦ったギャビンが強引な車線変更をしたため、接触事故を起こしてしまう。ところがギャビンは、先を急ぐあまり、一方的に白紙の小切手を渡してその場を走り去ってしまう。置き去りにされたギプソンは、ギャビンが落としたファイルを拾い、ひとり怒りに震えていた。

こんな仕事が出来れば脚本家として本望だろう。というくらい脚本が素晴らしい。「チェンジング・レーン」、つまり車線変更がもたらした二人の男のたった一日のドラマ。しかし、そのたった一度の偶然から、これだけの物語を引き出せるというのは感服です。

互いへの怒りから次第にエスカレートする報復合戦。ともすればホラーになりかねない顛末を、しっかりと地に足着いた物語として描き、二人の男が自分の半生を省みるという展開は映画としては地味だ。見せ場もあまりない。それこそエンタテイメントとして作るならホラーかサイコに話を持って行った方がいくらか面白いだろう。しかし、あえてそれをせず、私たちと同じように生きる平凡な人間が、「一時の激情」に駆られて愚かしい行為を働き、本来なら相手を陥れるための行為が自分を貶めることに気付いていく。

主演の二人も素晴らしい。どちらかが「キレた」人間を演じてしまったら、上にも書いたように、この物語はただのホラー映画か、サイコを描いたありふれた話になってしまう。しかし、二人はあくまでも「一時の激情」に流された人間を演じきっている。互いへの報復が最高潮に達したその時でさえ、彼らは狂いはしない。だからこそ、説得力を持って物語りが観客に伝わってくる。怒りからは何も生み出されないことを我々に伝えてくれるのである。また、この偶然が二人のこれまでの半生を振り返るきっかけになり、そこから生まれた苦悩に思い悩む部分も脚本、演技、ともに素晴らしかった。

主演の二人以外にも、曲者揃いの出演者だが、特によかったのはギャビンの妻。カフェ(?)でギャビンに決断を迫りシーンでの表情はハッキリ言ってコワイ。それはヒステリックだとかエキセントリックな怖さではなく、「得体の知れないもの」を見てしまった怖さ。妻、という名の女性の中から、別の見知らぬものが生まれてきた、そんな感じ。
その他にも映画監督のシドニー・ポラックがギャビンの義父で事務所の所長として出演したりと、役者陣にも欠点は見られない映画だ。

地味なことは致し方ないとして、唯一といってもいい弱点を挙げれば、それはユーモアがほとんどないことだ。この映画には喜怒哀楽の「喜怒哀」までは完璧に盛り込まれているが、「楽」だけがない。物語の性質上、明るめの演出はしにくいものだが、それでもユーモアが少しでもあればこの映画は完璧だっただろう。完璧ではないにしても佳作以上名作未満という充分に観るに値する作品であることは間違いない。

ラスト直前にギャビンがギブソンの妻に言う台詞は、個人的に凄く気に入ってます。

「チェンジング・レーン」というタイトルは車線変更という意味の他に、ギャビンとギブソンの二人が「人生の車線変更」を強いられる意味でも使われている。タイトルの秀逸さも含めて脚本の勝利。オススメです。

『Number 580 雌伏 JAPAN WILL SURVIVE』

日本代表総力特集の第三弾。

「これでいいのか日本代表」。
リティことリトバルスキーがジーコジャパンをコンフェデを中心に採点。自分でもビックリするくらいリティと殆ど同意見だったので驚く。特に三都主については「サイドバックとしてはダメ」とバッサリ。しかも自分(リティ)なら左サイドバックには中田浩二を使う、とまで。自分以外にこの意見の人初めて見たよ。その他もほぼ同意見でした。
フランスのオゼールの監督・ギー・ルーの感想も載ってるけどあんまり参考にはならない。
西野朗と反町康治の短いコメントは両者ともジーコに批判的。西野は「守備にルールがないというのはありえない」と言い、反町は「戦術が見えないというよりも戦略が見えない」と批判。これに関しては頷くしかできないなあ。
高木琢也と風間八宏の選手に対するコメントは、なんかチームのガイドブックに載ってるような感じで評価という感じではなかった。

金子達仁、後藤健生、杉山茂樹による日本代表クロスレビュー。
やっぱりこの三人を以ってしても「神様ジーコに対してどうして批判が出来るのか」という迷いはあるみたい。代表に対する思いいれは三者三様というよりも、度合いの違い、なのかな。しかし、どうにもこの代表に対してはスッキリしない感覚でいるのは三人とも同じみたい。まだ結論には早すぎるとはいえ、もう少し歯切れのよい意見を期待したのだが。

遠藤保仁インタビュー。
どんなシステムでも誰とでも出来る、というのが彼の長所だというのはわかったけど、それでは多分この先の代表では生き残れないだろう。少なくともスタメンでは。オンリーワンの選手でベストのチームを作ることが代表の原理であり、彼のような選手は「オールマイティ」としてベンチに残るのが精一杯だ。まあ、将来的に彼がどう成長していくかが鍵かな。個人的にコンフェデで評価を上げた選手なので頑張って欲しいとは思います。

高原直泰インタビュー。
凹んでます、かなり。まあ、それも致し方ないだろう。コンディションが悪かったというのはわかる。高原を責めるのは可哀相な気もするけど、それならジーコと話し合うべきだった。こういったところにもジーコの戦略のなさを感じる。まあFW三人しか連れていかなかったという理由もあるけどね。とにかく結果。それだけ。本人も自覚してますが。

クローズアップ、大久保嘉人。
戸塚啓によるコラム。まあ、これからが楽しみな選手だよね、ということを書いている記事だ。それ以外に特にコメントしようがない。

同じくクローズアップ、宮本恒靖。
熊崎敬によるコラム。何が言いたいのか全然わからん。いわゆる自己満足コラム。『Number』には時々こういうのがあって困る。

「サイドバックによる一考察」。都並聡史と堀池巧によるサイドバック談義。
「承前」と書いてあるが続きはあるのか。基本的に三都主の起用は是か非か、という点について語られている。二人とも「是」というのが結論なのだが、私は反対だなあ。っていうかこの問題を語るときに「不慣れなポジションにしては」という評価はなしだろう。代表というのはクラブチームと違って多くの選手の中から選択できるわけで、他に選手がいないからサイドバック、というのとは違う。本職として戦えるのか、ということをもっと突き詰めて考えて欲しい。その場合、日本には彼よりも高いレベルのサイドバックはいないのか。私はそんなことはないと思うんだけどなあ。大体において、本来サイドバックではない三都主と服部を比較対照にして話しても始まらんよ。

そして一番興味深く読んだ「トゥルシエが斬る」。
相変わらずプライドが高く、自分を上に見せたい気持ちが目立つものの、戦術家としての彼の目は鋭い。私は人間・トゥルシエには否定的だが、監督・トゥルシエは認めているので、この記事でも彼の言っていることは間違っていないと感じた。よく、トゥルシエとジーコの比較で、トゥルシエは「日本人は子供だから決まりごとを作ってやらないとできない」、ジーコは「選手を大人として扱って自由にさせている」と言われるんだが、本当にそうなのか?。本当の大人なら「決まりごとを作っても、その中で更に自分たちの発想を加えてプレーできる」のではないだろうか。ジーコの方法論というのは、一見日本人を認めているようで実はそうではなく、トゥルシエとは違う立場から見下している
と感じるのは私だけだろうか。
ワールドカップのロシア戦において、フラット3がトゥルシエの言いなりではなく、自分たちの判断を下したとき、どれだけの輝きを見せたのか思い出して欲しい。あれは、「自由」だったから生まれたものではない。ディシプリンがあってこその発展だったはず。

「神様の免罪符」。
神様ジーコは果たして解任すべきかどうか?という西部謙二による自問自答。言いたいことはわからんでもないんだが、山本コーチが就任するからディフェンスは良くなるだろう、とか、攻撃に関してはせめてカウンターの形だけでも決めるべきだ、という意見はあまり意味がない。それをやってくれてないから解任という話が出るんだろう。「〜してくれたら」という仮定にどんな意味があるのか。

「代表恐怖新聞」。
『Number』が時々やらかすブラックユーモア記事。今回のはつまらなかったです。

藤田俊哉インタビュー。
日本で一番不遇なサッカー選手の一人。これだけの実力を持っていながらなぜか代表に殆ど呼ばれない。実績で言えば入って当然の選手なんだけどね。オランダのユトレヒトへの移籍が決まりそうだとか、噂に過ぎないとか。いや、なんとしても行って活躍して今迄の代表監督を見返して欲しい。ホントに。私は大好きな選手です。

『Number』は未だに小倉隆史の亡霊を追いかけているのか。しばらく見ないと思ったのに何年かに一度は絶対に出てくるんだよなあ。もう忘れろよ。

その他の記事。
「これでいいのかラグビー日本代表」。
ラグビーにはあまり興味がないので読み飛ばしました。私はメジャースポーツの中でラグビーとバレーボールには興味がほとんどない。多分、自分がしない(体格的に排除される)スポーツだからかな。

なんだか段々楽しみになっている仁志敏久の「プロフェッショナルの証明」。
今回はそれなりにわかりやすい話。守備の際の角度について。とはいえ、やはりある種の哲学に近い。ここまで考えて守備してる選手ってどれくらいいるんですかね。

今回はそんなところ。

涅槃の読書模様

『終戦のローレライ(下)』福井晴敏やっとこさ読了。長かったー。

購入物。


上旬 / 中旬 / 下旬

shaka / shaka@diana.dti.ne.jp