ごくたま昨日日記 in June, 2002

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トピック

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Jun.1,2002 (Sat)

蹴球微熱 2002 FIFA World Cup 二日目

 未だ深夜でも早朝でもない時間帯に普通にワールドカップを観ていることに体が慣れない気がするshakaでございます。

 この試合もまたレベル高かった。前半途中まではお互いに堅いサッカーだったが、30分辺りからカメルーンペースになり、FWエトゥがガンガンDFの裏をつき、結果39分のエムボマのゴールに。あのゴール前の一連の攻防だけでも観る価値ありましたよ。前半はアイルランドはやはりロイ・キーンがいないせいか中盤でのタメが作れなかったみたいですね。

 しかし後半は転じてアイルランドペース。得意のガチガチサッカーに持ち込んで、カメルーンに終始プレッシャーを与え続けた結果、DFのクリアをホランドの素晴らしいミドルシュート。日本じゃまずお目にかかれない抑えの利いた見事なゴールでした。
 その後も何度か見せ場をお互い作りました。ギリギリのせめぎあいでしたね。75分を過ぎてからは引き分けでも構わない、というムードになりましたが、それでもいい試合だったと思います。

 しかしやはり残念なのはロイ・キーンの欠場。本来ならば彼のタメからイアン・ハートロビー・キーンがもっと活かされるシーンが見れたはずなのになあ。言っても詮無いことなんですが。
 これでEグループも混戦模様。夜のドイツ対サウジアラビア戦が楽しみです。

 ドイツ大勝!!!!。ドイツファンにとっては何も言うことはない最高の試合でした。笑いがとまりません。前回フランス大会での締め括りのクロアチア戦があまりいいものでなかっただけに、この緒戦での復活劇はスゴイよ!。ドイツファンやっててよかったー。ちょっと調べてみないとわかりませんが8-0というのはワールドカップ史上で最高得点差かもしれませんね(*1)

 ハットトリックだったクローゼの素晴らしさはいうまでもありませんが、光ったのはヤンカー。常にくさびとしてボールをキープ。または囮になって他のプレイヤーを活かす。見事でした。
 全体としても、まるで大人と子供の試合。ひたすらドイツが圧倒し続けました。ツィーゲハマンのイエローカードは勿体無かったですけど、あれも欧州なら敵が吹っ飛んだりしません。サウジの弱さゆえでした。

 サウジはとにかくチェックが甘かった。それも試合前から怖じ気づいていたような感じでしたね。あれでは勝てない。デアイエはキャリア史上最悪の点を獲られたのではないでしょうか。引退したくなったかもしれません。それにしてもアジアではフィジカルが強いといわれるサウジでもあの調子では…日本は大丈夫なんでしょうかね。アジアと世界の距離を感じさせられた、そんな試合でした。

 でもドイツファンの私としては言うこと無し、最高の試合でした。うわーい!!。

daylife

 遂にストッパーを外してしまった。後悔はしてません。それどころか気持ちはスッキリしていい気分。どんとこい。

涅槃の読書模様

 昨日買った『オフィス北極星 -全1〜10-』真刈信二/中山昌亮を読んだ。モーニング連載当時もちょこちょこ読んではいたけど、これやっぱり傑作ですね。どの話も読み応えあるんですが、特に「日本人の孤独」と最後の「パパ(神父)の話」は素晴らしい。是非多くの人に読んでもらいたいものだ。
 女性キャラがどれもこれもエキセントリックでそれでいて非常に魅力的なのもよかった。サムが戻ってこなかったのは残念だったけど。

『バーニーよ銃を取れ』トニー・ケンリック

 私の大好きな作家であり、ユーモアミステリの大家、トニー・ケンリックの作品。この人の本はとにかく面白いので読んでみて欲しい。『リリアンと悪党ども』『スカイジャック』『マイ・フェア・レディーズ』なんかは比較的手に入りやすいと思うので、見つけた方は騙されたと思って是非手に取って見てください。

 多くのアメリカ人がそうであるようにバーニーもまた、負債という重荷に迫られていた。そんなバーニーが思いついた「決して損せず、簡単に大金を手に入れる」方法。彼はその作戦を隣人のロジャーとドリアン、と共に実行する。作戦は見事に成功。彼らは苦もなく2万ドルを手に入れる。
 これに気を良くしたバーニー達は、同じ方法で再び作戦を実行。すると彼らの偽造口座になんと1億5千万ドルもの大金が!。なんと彼らは中南米にある某国から亡命してきたテロリスト達の全財産をパクってしまったのだ。
 言い訳が通用する相手ではないと踏んだ彼らは、とある理由で軍から見捨てられた軍事教官を雇い入れ、山に籠もり、テロリストを迎え撃つ準備をはじめるのだが。

 トニー・ケンリックの作品の中ではかなりミステリ色が薄く、ストーリーも非常にあっさりしている。上記のあらすじにプラスされるのは、バーニー達の教練の苦労と、クライマックスであるテロリストとの死闘だけ。そうはいっても全編ケンリックらしいユーモアに満ちた内容なので決してハラハラドキドキだけではない一品。
 いまどきの読者なら「内容が薄い」と一蹴するかもしれないが、私はこうしたエンタテイメントに殉じたユーモア作品が好きである。とはいえケンリックの作品としては次点クラスなのは認めざるを得ない。前述したオススメ作品を読んでお気に召された方は是非手にとって欲しいと思う。
 それにしても上田公子の訳は時代を経ても軽妙で非常に楽しく読ませてくれる。彼女の訳があってこそのケンリックだなあ。


*1: 最高得点差は9点でした。惜しい、あと1点

Jun.2,2002 (Sun)

蹴球微熱 2002 FIFA World Cup 三日目

 まず前提として断っておくと私は、イングランド、ドイツ、ナイジェリアのファンです。そして今大会の優勝予想はイタリア。嫌いだけど。

 うーん、悔しい。あれだけ上手く対処していたのになあ。セットプレーからですから仕方がない。さすがはバティストゥータ、さすがはアルゼンチンでしょう。それにしてもお互い攻めも守りもハイレベル。一つ一つのプレーが面白い。F組は「死のグループ」と呼ばれていますが、観てる方にとっては天国のグループです。

 アルゼンチンは確かに強いんですが、ファンの贔屓目無しに観てもナイジェリアも強かった。カヌの怪我は痛かったなあ。もっと観たかった。二戦目以降は大丈夫なんかな。これでオリセーがいたら、と思ってもしかたがないんですがね。前半の30分過ぎ、または後半得点を取られてから見せた攻撃は期待感がいっぱい。楽しみにしたいところですが、うーん、イングランドにも頑張って欲しい私としてはフクザツです。今日の結果でアルゼンチンが一歩リードしてしまいましたから、どちらかはグループリーグで敗退になってしまいまいそうだなあ。

 アルゼンチンは強いです。だけどどうしても好きになれないのはシメオネオルテガに代表されるようにとにかくこすいオルテガはシミュレーション(わざと転ぶこと)の名手だし、相手の足ばっかり狙ってます。まあ、それが世界での戦いなわけですが。他の部分でも強くて上手いから何も言えませんけどね。ベロンのパスは見事の一言。ガチンコ勝負ではやはりアルゼンチンが一歩上をいってますね。

 ナイジェリアが負けてしまったのはムッチャ悔しいんですが、GKのショルンムの活躍も見れたし、試合としては満足。あとはイングランドとの戦いでどちらを応援したらいいのか迷ってます。とりあえず今晩のイングランド対スウェーデン戦ではイングランドに勝って欲しい。ただそれだけ。

 私はフーリガンではないが、今日のゲームは思わず当たり散らしたくなってしまった。イングランドの選手には全く覇気が感じられんかった。一つ一つの出足が遅い。トラップやパスの精度も悪い。引き分けは運が良かった。後半だけ見たら逆転されてもおかしくなかったよ。不安だなあ。

 ベッカムが出てくれたことは嬉しかったし、そのベッカムのコーナーキックからのキャンベルの得点は戦車の突進を思わせるくらい凄いものだった。だけど見所はそこだけ。オーウェンは存在感なし、スコールズも前線に姿を見せることなく終わってしまった。

 スウェーデンは前半こそ大事に大事に戦い、それゆえ押され気味に見えた。だが、その実イングランドの攻撃をことごとく跳ね返し、後半全体を上がり目にしてからは次々にチャンスを作ってました。ラーションはあまり目立たず、肝心なところでシュートを外していましたが、コンビを組む、アルバックは素晴らしかった。イングランドは幸運とシーマンの好守に助けられました。

 正直このままではイングランドはグループリーグ突破は難しそう。特に気になるのはセービングは素晴らしいが、飛び出しのタイミングが遅くて不安なシーマンと前には強いがスピードと後ろ向きのディフェンスが危なっかしいファーディナンド。あのディフェンスではアルゼンチンに好きなようにやられてしまうでしょう。あとは攻撃陣の奮起に期待するしかありませんが、ベッカムが完調でない、オーウェンにもキレがない、となると…。今回は厳しいかもしれません。
 スウェーデンは、これまた大物食いして番狂わせもあるかもしれませんよ。守備は堅いし、攻撃も今日の後半のような動きが出来れば期待大でしょう。私にとっては最悪な結果が「死のグループ」には待ってるかもしれません。

 前半終了直前まではお互いに今一つな印象で、見所も少なかった。無敵艦隊スペインはこりゃまた緒戦は苦戦伝説を引きずるのか、と思われた前半終了寸前でのラウルの一発。それまで決定的なチャンスも多くはなく、強さを見せるシーンもなかっただけにあの一発は驚き。スロベニアも上手く捌いてたと思うんですけどね。

 しかし後半途中から両チームの交代策が当たって、一転見応えある試合に。特にスロベニアは観客の心を掴んで「こりゃあ、もしかすると」という展開に。逆にスペインは2-0になって喜んだはいいが、スペインにとって2-0というのは鬼門の数字。8年前のアメリカ大会では2-0から韓国に同点にされ、4年前にはナイジェリアに2-0から2-3にされ逆転負け、とそりゃカマーチョ監督も安心できないわけです。そしてその不安が適中したかのようにスロベニアはチミノビッチのゴール。このアシモビッチとのコンビ技は凄かった。

 だけど結果的に勝負を決めてしまったのは審判でした。久し振りに見ました、審判が試合を決めた試合。折角、会場を巻き込んでのいいゲームだっただけにあの判定(スペインにだけPKはどう見ても変)は正直残念。ま、これもサッカーなんですけどね。スロベニアは残念でしたが、これからの二試合、パラグアイと南アフリカ戦で頑張ってもらいたい。きっと韓国の人達はあなた方のサポーターになったことでしょう。私も応援します。

daylife

 ワールドカップ以外なにもなし。

『ロゼアンナ』マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー

 スウェーデンの誇るミステリ作家、マイ・シューヴァルペール・ヴァールー夫妻が10年に渡って書き続けたスウェーデン国家警察の殺人課刑事マルティン・ベックシリーズの第一作。夫妻はこのシリーズをミステリとしてだけでなく、各巻30章、全300章からなるスウェーデンの10年史として社会を描いた。

 一隻の浚渫船が運河で作業中、一人の女性の遺体が見つかった。身元は不明。地元警察のアールベリとストックホルム警察のマルティン・ベックは捜査を始めるが、いきなり暗礁に乗り上げる。彼女の名前も年齢も、国籍までも一切不明。無為な日々を過ごしていたある日、遠く離れたアメリカから思わぬ便りが寄せられる。被害者の名前はロゼアンナ・マグロウ。アメリカ人の観光客だった。彼女はなぜ殺されたのか?。

 十何年ぶりにこのシリーズを読み返してみたが、「飾らない男」というイメージは変わらない。それは主人公であるマルティン・ベックのことだけでなく小説そのもののイメージだ。決して派手ではなく、軽くもなく、だが重いだけでもない、渋みと苦味に満ち溢れている。展開は一見地味で遅々として進まずやきもきする読者もいるかもしれない。しかし、マルティンはそんな事件にも真っ向正面から向かい合うし、彼の部下達も決してそんな彼を見捨てることはない。地味とはいえ、事件事態に異常性や意外性があるので、その捜査も一筋縄ではいかず、そこがマルティン・ベックを称してスウェーデン1の刑事と呼ばせる腕の見せ所にもなっている(本作でも彼の意外な思いつきから思わぬ証言が得られる)。
 またこのシリーズの面白みとして多彩なキャラクターが挙げられる。マルティン・ベックは言うに及ばず、親友でもある皮肉屋コルベリ、一度記憶したものは忘れず、常に飄々としているメランドリ、若さに満ち溢れたステンストルム。彼らだけでなくシリーズが進むにつれてマルティンの周りには変わり者だが優秀な部下達が集まってくる(反対に失いもするのだが)。彼らの活躍を楽しむだけでも一読の価値があるだろう。

 警察シリーズとしてエド・マクベイン87分署シリーズ(*1)と比較されることも多く、どちらも社会の暗部、そして警察という権力の裏表を描いた傑作であるが、日本人にとってアメリカほど馴染みのないスウェーデン、その首都ストックホルムを知ることが出来るという意味でも是非読んでいただきたい作品。出来ればシリーズまとめて。それがこの作品を楽しむ最上の方法である。


*1: 舞台はニューヨーク

Jun.3,2002 (Mon)

蹴球微熱 FIFA World Cup 四日目

 ワールドカップを2002倍楽しんじゃおうを更新。ここまで第一試合を終えたグループの第二試合の展望を記述しました。お暇な方は読んでみて、ご自身の予想なども。

 かってえー。すきがねえー。やっぱりイタリアはイタリアです。後半の試合展開がまさにイタリアの試合。一見エクアドルがボールをキープして(後半だけなら6割近いキープ率だったろう)攻めているように見えます。しかしゴール前まで来るとぼっこーんと跳ね返す。攻めてくる、跳ね返す。この繰り返し。上手い形でボールが奪えれば前線のトッティビエリの二人に放り込んで後はお任せ。単調で面白味がないやね。だからイタリアのサッカーは好きになれんよ。それでも昔よりはマシになったとは思います。昔は二人どころか一人に任せっきりで、あとの10人は自陣から動かない、なんてことがよくありましたから。それでなんとかなっちゃうだけのプレーヤーがいることが凄いんだけどね。守備陣もそりゃ上手いのはわかるし、確かに凄いですよ。でもねえ、チームとして攻めることをしないサッカーはどうしても好きになれんなあ。

 エクアドルは初出場の緊張と、なぜかウォーミングアップをしなかったせいなのか序盤動きが堅く、そこをまさに突かれてのいきなりの失点。こういうところを見逃さないのはさすがイタリアです。で、イタリアが一点先行したら試合はもう決まりです。あとは守りに集中。点取るのはFWにお任せです。なんてったってイタリアには「ウノ・ゼロ」という言葉があるくらいで、1対0で勝つことがこれ以上ない美学なのです。で、あとは攻めさせて跳ね返す、の繰り返しです。魔のループ。これにはまったら簡単なことでは抜け出せません。そして結果的にビエリの個人技で追加点。名将トラパットーニの作戦というよりもイタリアに流れる血のようなものなんでしょうか。

 そういうわけでエクアドルの力は今一つ計りきれません。一見攻めているようでもそれがイタリアの作戦なので、これが他のチームとの戦いでも出せるのか。いかにも南米という戦い方でサイドの選手が空いていてもわざわざ狭い地域でボールを回したり、短いパスで繋ぎたがるのは今となっては懐かしさすら感じます。一人一人の技術は高いし、スピードもまあまあありましたから南米2位の肩書きは伊達じゃないと思いますが、もっと効率的なボール回しをしないと厳しい気がします。

 イタリアを破るにはとにかく先取点を取らせないこと。それからある程度攻めさせて受け身になるのでどうしてもコーナーキックのチャンスが増えます。ここでのセットプレーでキッチリと点が獲れればイタリアに勝つチャンスはあるでしょうね。ただし、それすらも守り切れるだけの自信がネスタカンナバーロの両センターバック、GKのブッフォンにはあるんだと思いますけどね。

 前日も書いたように私の優勝予想はイタリア。予想が外れることを願ってのことです。

daylife

 夢にまで出てきたよ >ワールドカップ。自分の脳味噌が不安になる今日この頃です。

 右膝の状態がもはや笑えない状態になってきた。今までも笑っちゃいられなかったんだけど。うーん、やっぱ医者行くか。

涅槃の読書模様

 『マークスの山』高村薫読み中。これはさすがに通勤時間だけの一日二日じゃ読めそうにない。久々に読む硬骨な文章。ちょっとだけ『永遠の仔』天童荒太を思い出しました。いや、なんとなく。
 それにしても満員電車でハードカバー持ちながら読むのはやっぱりキツイ。

 以下、購入物。

Jun.4,2002 (Tue)

蹴球微熱 FIFA World Cup 五日目

 NHKの視聴率がどれくらいだったのか知りたいところです。ちなみに試合開始が6時からだったのは、おそらく韓国側の試合時間に合わせたからだと思われます。

 いやー興奮しました。日本代表にはあまり気持ちが入らない、とか言っていてもやはり日本人であることは否定できない。おまけに試合としても見応えあるいい試合でした。先制、同点、逆転、再び同点、サッカーが一番面白いパターンです。いくらでも書きたいことはあるんですがキリがないので、なるべく簡単に。

 まず、鈴木のゴール。素晴らしかった。これぞ鈴木。諦めの悪さ、しつこさ、それが彼の持ち味。中山の後を継ぐのは彼しかいない気がします。あのゴールで一旦沈みかけた気持ちが一気に盛り上がりました。
 そして稲本のゴール。ビューティフル!。試合開始から彼はずっと素晴らしいパフォーマンスを見せていて、期待感は充分でした。あのゴールも、まず自分が相手のパスをカット、そしてボールをはたいて自分が飛び込み、一対一でひるまず勝負、そして言うこと無しのゴール。もう最高です。VIVA!INAMOTO!

 それに対し残念というかなんじゃそりゃ、というプレーだったのが柳沢中田(英)柳沢は前半は全くなにも見せ場無し。後半も楔として働くどころか、相手に倒されてばかりで機能せず。倒されるのは体格の問題もあって仕方ないと思います。が、すぐに審判の笛を期待してそのまま倒れっぱなしというのはどういうことなのか。まだボールは生きていて、味方がボールを繋いでいるのに寝っ転がってるんじゃねえ。トゥルシエ森島を交代させるなら鈴木ではなく柳沢にして欲しかった。
 中田(英)はとにかくマークされてて大変だったのはわかります。マークを振り切るために体力を使ったのでしょう。後半はバテバテ。立ってばかりでした。贅沢なのはわかってますが、彼にはもっともっと頑張ってもらわないといけません。もちろん、いい場面も何度かありましたけどね。あんなもんじゃ満足できんのだ、ヒデには。
 二人とも味方がボールを取ってからの動き出しや、ルーズボールに対しての動き出しがとにかく遅いのが気になりました。

 あとはボランチ二人がイエローカードという状態と、なんといっても森岡の負傷はどうなのか。これが不安要素です。宮本も鼻骨骨折している状態ですからねえ。ここは思い切って秋田を中央に起用するというのでどうでしょう(*1)戸田は正直ファウルトラブルが怖いので次の試合は明神で行ってみては。個人的には川口ではなく楢崎というのだけが「うーん」という感じ。楢崎も素晴らしいGKですが、緒戦だし経験のある川口を選ぶ方が無難だと思うし、セービングは良くても前への飛び出しが遅いですからねえ。結果的にはそこを突かれて点を獲られてるわけだし、ロシア戦はどうなるんでしょうか。

 稲本の幻の三点目のゴール、柳沢へのファウルが取られなかったことについて訝しく憤りを感じているサポーターも多いと思いますが、個人的には楢崎の最後のセービングは確実にPK取られてるところなのでおあいこだと思いましょう。柳沢はあれだけ倒れてばっかりいたら肝心なところでファウル貰えなくても仕方ないと思いますよ。

 最後にベルギーについてですが、強かったです。特に前半は日本を完全に押え込んでたし。おそらく暑さと湿度のせいなのでしょうが、後半はダメダメでした。けれどロシアが相手ならお互い様だと思いますし、チュニジアが相手なら前半で試合を決めることも可能でしょう。
 というわけで日本の予選突破はまだまだ難しいと言わざるを得ませんね。

 韓国おめでとう!。ワールドカップ6度目にしての初勝利!。その中でも特にホン・ミョンボおめでとう!。ワールドカップ四度目にしての初勝利!。我がことのように嬉しいのはなぜだろう。

 試合も完全に韓国が支配。ポーランドに何もさせませんでした。素晴らしい試合。どっちがヨーロッパのチームかわかりませんでしたよ。これがヒディング効果か。
 おまけに得点者がファン・ソンホンユ・サンチョル。Jリーグで活躍する二人のゴールですから日本人にもたまらん試合でしたね。

 この試合を見ていて、日本の試合との違いが歴然としていたのが残念でした。見ていた方ならわかると思いますが、韓国はチームとしての意志、選手一人一人のモチベーションが非常に高かった。倒されてもすぐに立ちあがりボールを追いかける。簡単に当たり負けしない。ゴール前までボールを運んだらとにかくシュートまで持って行く。これこそが今日の勝利を呼び込んだのではないでしょうか。それに対して日本はいつからあんなにスマートなサッカーをできるだけの国になったのでしょう。ワールドカップで勝つことの大変さを知っている国とそうでない国の違いなんでしょうかね。残念です。今日ばかりは韓国サポーターを羨ましく思いました。あの応援も凄かった。あれだけのサポートがあればレフェリーがホームタウンディシジョンしてしまうのもわかる気がします。日本のサポーターはなにがなんでも日本に勝ってもらいたいなら見習うべきです。サポーターもスマートでいたいなら仕方ありませんけど。

 ポーランドは、見通し暗いですね。オリサデベをあそこまでタイトにマークされると攻撃の形が作れない。これは三敗もあるかも。
 韓国はまだまだ油断は出来ませんが、ポルトガルは無理だとしてもアメリカには充分対抗できそうです(アメリカも強いけどね)。大会前は日本がベスト16に進出して韓国は無理、という風潮が韓国国内でも多かったようですが完全に立場は逆転しました。とにかくアジアの出場枠を増やすためにはどちらでもいいから頑張らないといけない。私は韓国に期待しようかな。

daylife

 日本VSベルギーを見た後、しなのんから電話が。

   「稲本の三点目はなんでファウルやねん」

 確かに。間接フリーキックだったから、おそらくは足の裏を見せてボールを取りに行った、とかそういうことじゃないかと。
 その後も韓国VSポーランド戦を見ながら互いにああでもないこうでもない、韓国すげえな、などと話しながら観戦。普段なら試合中の電話はすべて無視だが、サッカーの話ならOKなのだ。
 っていうか日本VSロシアとか一緒に観ようか?(笑)。


*1: 追加情報で森岡の怪我は問題なさそうですね

Jun.5,2002 (Wed)

蹴球微熱 FIFA World Cup 六日目

 ポルトガルがアメリカに負けましたね。ビックリ。いや、アメリカも強いと思ってはいましたが。昨日の勝利で歓喜した韓国は冷や水浴びさせられた気分になったのではないでしょうか。
 そんなことより。

 なんでじゃー!。ぐわー!。イッヒリーベディッヒ!(意味不明)。昨日、日本が同点にされた時よりもショックな出来事でした。

 私にとってアイルランドといえば、テロであり、つまりはIRAであり、つまりはリーアム・デヴリンであり、つまりはジャック・ヒギンズであり。要するに普段は軽口を叩いているが、忍耐強く、なによりどんなことがあっても任務を遂行する男達なわけです。そして今日のアイルランドの選手達はまさにその通りでした。(*1)
 一見愚鈍とも見えるかのように、ひたすらサイドから、もしくはロングからゴール前にボールを供給。他にやり方を知らないのか、とツッコミ入れたくなるほどのしつこさ。頑固親父も真っ青。しかし、それが最後の最後で実を結ぶんだなあ。完全にドイツの粘り負け。そして高さでは絶対に負けないという油断もあったんでしょう。おそるべしアイルランド。私がドイツファンでなければ拍手を贈りたいよ。でも、なぜだー!。
 ロスタイムで失点、引き分け、といえばドーハの悲劇ですが、もしドイツが決勝トーナメントに進めないことになったらカシマの悲劇とか呼ばれるようになるんだろうか。

 冷静に考えればドイツは得点してから守りに入ってしまったのが結果的には敗因。先制するまでの間もサウジ戦同様ヤンカーを灯台にクローゼバラックが飛び込むことで、アイルランドの出足を止め、簡単にボールを出させませんでした。あれを続けるべきだった。
 しかしフェラー監督の指示はクローゼまでを守備に専念させ、守備固め。確かに一度守りに集中したドイツはそう簡単には破れません。後ろにはカーンまで控えてる。そして予想通りアイルランドに攻め手を与えず、ピンチにはカーンが対応。してやったり、のはずでした。これが他の国が相手ならば。
 書いていても思うことですが、これは本当にアイルランドを誉めるしかない。あの執念、忍耐。サッカーがメンタルでやるスポーツだと改めて感じさせられました。

 ドイツの誤算はもう一つあって、サウジ戦で殆ど試せなかった守備の形をこの試合で色々試そう、という考えがあったことです。そしてそれがある程度上手いこと行ってしまったことです。やはりサッカーは攻めてなんぼのスポーツということをドイツは改めて思い知ったのではないでしょうか。

 出来ればアイルランド戦で決勝トーナメント行きを決めて欲しかったというのが本音。カメルーンのスピードに、ドイツの守備陣がどこまで対応出来るかという不安。うーん、おそらく引き分けでも決勝トーナメント進出は間違いないと思うので、なんとか頑張って欲しい。そうでなきゃ8点獲ったことは全くの無意味になってしまいます。ああもう、ホントにショック。

daylife

 さすがに昨日の日本代表VSベルギー代表はかなりの日本人が視聴したようだ。NHKの視聴率も60%近くに達したらしい。私の良く訪れるサイト(*2)の日記でも多くの方が言及していた。ということは観ていた、もしくは無関心ではいられない、ということだ。
 とはいえ中には「サッカーなんて興味ないもん」という人もいらっしゃる。それはそれで構わないと思う。私は何方が見てもお分かりのようにサッカーバカだが、別に興味ないという人を「なんでやねん!」と言う気にはなれない。「あんなに楽しいのになあ」とは思ってるけど。食べ物の好き嫌いと同じようなものじゃないのかな。サッカーはカレーみたいなもので多くの人が好きだというけれど、中にはそうでもない人もいる。なのに無理やり食べさせても好きになるわけがない。こちらとしては機会があればカレーの美味しさを語ることはしてみたりするけど。

 なんだけど、気になるのは「サッカーなんてどこが面白いの?バカみたい」と言うようなことを言う人もいる。別にサッカーを嫌いだということは否定しないけど、こっちが好きなことを否定されてもなあ。せめて思っていても言葉にして欲しくないと思う。ま、私も他人の嗜好に対して常に寛容かと聞かれると正直心許ない部分はあるので、一概に批難は出来ないけど。この喧騒が逆に嫌いな人をそういう気分にさせてしまうのだろうか。 それと、私自身は凄く喜ばしいと思っているんだけど、いわゆる「にわかサポーター(*3)」が増加して、色んなサイトでも、それこそ会社や街中でもサッカー談義する人が増えている。だけどこれまた気に入らない人がいるようで「普段Jリーグも見ないやつがワールドカップや日本代表を語るな」みたいに言う人がいる。別にいいじゃん。これが始まりでサッカー全体を好きになる人もいるかもしれないし、私は語れる人が増えてくれることには諸手を挙げて歓迎です。あと「Jリーグも見ないくせに」というけど昔っからワールドカップとか世界のサッカーを好きで見てる人ならJリーグ見てようが見てまいが関係ないと思います。っていうかJリーグ見てたって日本代表のことは語れても、ワールドカップ語れないでしょう。この発言が、サッカー識者のにわかサポーターに対する選民意識から出たものなのか、サッカー興味ない派の人がミーハー意識で盛り上がる(私はこれも歓迎だと思う)人を揶揄しての発言なのかわからないが、人が楽しんでいる姿を評して、なんらかの揚げ足を取り馬鹿にする、というのは正直どうなのかと思ってしまいます。

 でもこれまた自分が絶対にやっていないとは言い切れないので多分に自省の意味もこめて書いてみました。特定の誰かを指してのことだったりはしないのであんまり気にしないでください(含みなし)。っていうかこの行為そのものが当て嵌まっちゃう?。うーむ…。
 とにかく「バカみたいに騒いじゃって」と思いつつも温かい目で見ててほしいなあ、というのが私の気持ちです。

 ワールドカップがあってよかった。と思うのはその他の気分がどん底だったりするから。サッカー見てる間だけは忘れられるからね。

『スコッチ・ゲーム』西澤保彦【→bk1】

 タックこと匠千暁シリーズですね(光原百合曰くボアンこと辺見祐輔シリーズだが)。もともとその気配はあったものの前作『仔羊達の聖夜(イブ)』辺りから主人公達の内面を抉り取って傷口に塩を塗りこむような展開になってきたんですが、本作の生贄はタカチこと高瀬千帆でした。

 「恵はあたしにとって唯一無二の存在でした」
 タカチこと高瀬千帆が安槻大学に入学する少し前、高校を卒業した直後、彼女のルームメイトであり、「恋人」でもあった鞆呂木恵が何者かに殺された。失意のまま犯人を捜すタカチだったが、今度は隣の部屋の住人が殺される。更に続く殺人。しかし結局犯人は捕まることがないまま、タカチは故郷を離れることになる。

 本作はタカチの高校時代(卒業した直後ですが)が舞台になっているため、御馴染みの面子は後半にホンのちょこっとだけ登場する程度です。ですからいつもの皆がワイワイやりながらの推理談義も軽いお喋り程度でしかありません。タックシリーズの面白さの一つに勝手な推理談義から少しずつ事件の糸が解けていく、というのがあると思うのですが、その意味ではやはり消化不良。結果的にタックの推理もいつもよりもあまりに直接的に事件の真相に迫っていきます。そして必然的に「ちょっとそれは推理というより妄想が行き過ぎてやしないか」という感じが否めないものになっている点は残念です。まあ、相変わらず「本格」としての興趣は及第以上ですし、本シリーズの焦点が「ミステリ」だけでなく登場人物の心の内側を覗き込む趣向になってきていますから、それはそれでいいのかな、という気もします。ただ、解決に、というよりは事件そのものに偶然性が多すぎるのに、それを推理で埋めていくのはあまりに無理があるんじゃないかというのが本音ですが。
 事件を通して自己のトラウマと相対し、それを乗り越えることで成長していくというビルグンドゥスロマンなんでしょう。そういう意味においても過去のタカチは、ハッキリ言って嫌な女で、自意識過剰、選民意識丸出し。しかしそれがこの事件、ひいてはタック達と出会い、変化していった姿がよくわかります。

 西澤保彦は人間の暗黒面というか「そこまで言わんでもええやん」というような深層心理を平気で表に曝け出してきます。それが人によってはかなり「痛い」ものであることは周知の事実。私個人も決してそれを楽しんでいるわけではなく、辛いなと思いつつ読んでいる部分が大きい。しかし、「殺人事件」という日常の感覚では捉えきれないものを描くときに、そういう部分を切り捨てる方が本来おかしいのかもしれないという思いを持ってしまうことも事実です。納得できるかどうかは別として、こうした「心の裏画面」をしっかりと事件の背景として盛り込んでいるところが私は好きです。

 最後に、ちょっと事件の真相でどうしても納得できない部分、というか整合が取れていない部分を発見してしまったので、以下に記述しておきます。当然ネタバレなので、未読の方はご注意。既読の方は出来れば、私の勘違いなのかどうか指摘して下さるとありがたいです。
【ネタバレ→犯人である木戸は、タカチの本名を知らなかったために、住所録から鞆呂木恵の実家を探し出し、その結果、恵の実家を訪れた鳥羽田冴子をタカチと勘違いして殺してしまった。ということになっていますが、木戸は恵の実家を訪れる前に、書店に訪れたタカチから彼女の名前が「タカセチホ」であることを直接聞いています。なのになぜ、彼の狙っている女性の名前を「鞆呂木恵」と勘違いしたまま行動を起こしてしまったのでしょう?。どうしてもわかりませんでした。ネタバレ終わり】


*1: そういえば『鷲は舞い降りた』では、ドイツ軍とリーアム・デヴリンが共同で作戦を遂行するんだったよなあ
*2: 更新時刻がうまく取れん&まだまだ増やす予定
*3: 私も毛が生えた程度ですけど

Jun.6,2002 (Thu)

蹴球微熱 FIFA World Cup 七日目

 ワールドカップ日韓共催の神様はかなりドラマチックな展開がお好みらしい。しかし釜山のファンというのは熱いですな。先日の韓国戦といい、応援の声や熱気が凄いよ。日本も負けたくないですなあ。
 ワールドカップを2002倍楽しんじゃおうは相変わらず微妙に更新。明日には第二戦の全ての試合の見所を書き終わる予定。

 今後、FIFAはフランスは10人で戦うという特別ルールを採用することを提案する。
 とまあ、それくらい言いたくなるほどフランスが凄かった。10人対11人の試合で10人のチームが勝つこと自体は珍しくない(この場合は引き分けでしたが)。しかし、大概は少ない人数で守って、少ないチャンスで勝負を決める、そういう流れだ。しかし、今日のフランスは違う。10人になろうととことん攻めまくる、最後の最後で枚数が足りないがためにゴールはならなかったが、あの敢闘精神には敬意を表するしかないだろう。
 結果的に考えれば、ここで勝っても、引き分けとなってしまってもデンマークには勝つしかないわけで(条件として得失点差、総得点の問題がある)、少しでも多くの点を獲り、勝つ。目標が単純になったわけだから開き直るしかないんだろう。

 しかし以前のフランスならアンリが退場になった時点で集中力が切れてもおかしくなかったと思う。それがどうだ、これが王者のメンタリティなのか、GKのバルデスの闘志溢れるプレーに代表されるように、誰一人諦めることなくゴールを目指した。もうホント、拍手拍手である。ただ、ジダンの代わりとして出場したミクーの出来は悪かった。いや、正確に言えば、アンリ退場の前までは非常に良かった。しかし、その後は…プレッシャーに負けたのかなあ。これは決してジダンと比べて、という意味ではなく、彼本来の出来が悪かった。ルメール監督トレゼゲを代えるくらいならミクーを代えるべきだったろう。どうせ、細かいパス回しから点を獲るなんていうマネはあの時点では出来ないんだから、スピードと得点力のある三人を残した方がまだ望みがあった気がする。
 もう一つ、ルブーフの怪我によるカンデラとの交代は仕方ないが、そのためにトゥラムがセンターバックに入る布陣になってしまったのが残念だった。見所にも書いたが、トゥラムはこれまでフランスがピンチになった時に、後ろからスルスルっと上がって来て、ロングシュート、または見事なセンタリングを上げることで救ってきた選手。今日も何度「ああ、トゥラムが上がってこれればなあ」と思ったことか。

 ウルグアイはレコバがすべてだったろう。彼がいくつもあったチャンスを全て潰してしまった。本人もそれを意識していたのか、最後のフリーキックは自ら辞退したほどだ。こんな彼は見たことない。チームとしても、一人多い状況の中であそこまで消極的に戦う必要があったのだろうか。と言いたくなるが、今日のフランスの気迫に直面したらそう思ってしまうのかもしれない。前半を含め、ファウルや南米らしいマリーシアで試合を掻き回すことには成功したが、結果的にはそれが逆に仇となり、鬼を起こしてしまったのかもしれない。
 ダリオ・シルバは完全に悪者扱いで、ブーイングの嵐でしたが、ちょっと可哀相な気もします。ファウル自体は悪いことですが、彼だけのせいじゃないよなあ。
 ウルグアイ自身も次のセネガル戦に得点差をつけて勝ちさえすれば、まだ決勝トーナメント進出のチャンスは残る。グループAはまったくもってぐちゃぐちゃの混戦。一体誰が予想したのか。デンマークもセネガルも最後まで全く気が抜けない、最後までガチンコの好勝負が楽しめそうです。

 最後に、誰もが小一時間問い詰めたいであろう審判問題(笑)。まあ、ジャッジとしては最悪でしたね。当事国の人達は真剣にブラックリストに載せたかもしれません。しかし、当事国でない私としてはこんなに最高に楽しい試合にしてくれてありがとうと御礼を言いたい。彼の威厳のないジャッジのおかげでここまで試合が荒れて面白くなったわけですからね。これでフランスが負けでもしていたら私も文句を言ったかもしれませんが、前述した通りフランスにとっては勝っても引き分けてもあまり変わらなかったわけだし、試合とグループリーグを盛り上げてくれた功労者として私は表彰したい。ただし、フランスが第三戦に勝利して決勝トーナメント進出することが条件ですが。

 しかしですな、もし、もしですよ、フランスがデンマークに(得点差をつけて)勝って、決勝トーナメントに進出して、もし優勝でもしてごらんなさい。これはまたワールドカップ史上に残る新たな伝説ですよ。ジダンが復活して連覇の立役者となったら彼はペレマラドーナを超えるヒーローになるかもしれません。私達は歴史の生き証人、歴史に残る大会の開催国になるかもしれないのです。いやー、ワクワクするね。
 とかいいつつフランスがグループリーグで敗退したらどうしよう。ま、それはそれで前回優勝国がグループリーグ敗退というこれまた珍事に出会えるわけでそれはそれで面白いのかもしれない(少なくとも私の記憶にはないぞ)。
 出来ればこの苦難を乗り越えての優勝という「事実は小説より奇なり」を地で行くような、誰かが脚本を書いたかのような結末が待っていることを希望しちゃいますけどね。今日の気迫を見たらそれも不可能じゃない気がするし。断言しちゃうけど、日本は10人のフランスには勝てないね、絶対。

daylife

 朝五時過ぎ、物凄い雷の音で目覚める。その後も断続的に地響きを立てて雷鳴が鳴り響く。地面も揺れるほどだ。雷でここまで恐怖を感じたことはなかった。爆発みたいな音を布団の中に隠れて行き過ぎるのをひたすら願う。怖かったー。

Jun.7,2002 (Fri)

蹴球微熱 FIFA World Cup 八日目

 おいおいよくよく考えてみればデンマークVSフランスの世紀の一戦は地上波中継されないのかよ。この一戦のためだけにスカパーと契約したい気持ちに駆られるぜ。
 っていうかナイジェリア早々にグループリーグ敗退決定かよ。トホホ…。注目の決勝トーナメント一番乗りはスペインでした。スペインは四年前の借りをパラグアイに返しましたね。
 ワールドカップを2002倍楽しんじゃおうは、ひとまず第二試合全てを記述。第三試合も徐々に更新予定。見所というよりも段々と希望的観測に近いものになってきたかもしれない。

 自分が自由に出来る時間と金があったら何をするか。この質問に今だったら即答できる。ベッカムの追っかけ

 勝った!勝ったよ!。マジ?!。残り20分は心臓に悪すぎるよ。あんなにガチガチに守って、ひたすら攻められてるのを見てると一昨日のドイツの悪夢が頭をよぎったよ。でも勝ったよ!。わーい!!。というわけでかなり興奮してます。

 残り20分の攻防は別として、今日のイングランドは非常に良かった。特にスコールズニッキー・バットの両ボランチにはMVPをあげてもいいくらいだ。ヘスキーも前線でよく競った。そしてオーウェン、ゴールは決まらなかったけど本領を発揮しました。あの一瞬のスピードこそが彼の持ち味。いいよいいよ、調子乗ってきたよ。そしてそのスピードで奪ったPKを、愛しのベッカム様がドカンと蹴り込んで遂に先制だ!。ハーグリーヴスの突然の怪我でいきなり起用されたシンクレアも左サイドでアルゼンチンを掻き回した。そして仕事人シェリンガム、渋い。地味だけどキッチリ仕事してくれます。DF陣もよく頑張った。アシュリー・コールオルテガを封じ込めたし、ミルズも右サイドをよく締めた。ちょっと心配だったファーディナンドキャンベルのセンターバックコンビもよく耐えた。シーマン、年寄りなんて言ってゴメンよ(38歳)。まだまだ頑張ってくれ。
 今日みたいな試合が出来れば、イングランドは結構いいところまで行くんじゃないか。相手がアルゼンチンというのもあったとは思うけど、形が見えました。あとは今日のようなゲームをどの試合でも出来れば先が楽しみです。

 アルゼンチンは攻撃の布陣が失敗だったのではないでしょうか。デカさと強さを誇るイングランドセンターバックにバティストゥータをまともにぶつけるだけでは手が少ない。見所にも書いたようにファーディナンドはスピードに不安があっただけにオルテガはサイドでばかりドリブルせず、中央に切り込んで得意のPK奪取を狙うべきだっただろう。前半、サネッティキリー・ゴンザレスが両サイドから何度もいい形作ってたと思うんですけどねえ。それもベロンの捌きがあったからこそなのに交代ですか。ちょっとわかりません。アイマールクレスポもいい選手ですが、やや中央に攻撃が偏りすぎました。だからこそエリクソン監督も守備の枚数を増やして徹底的に守りに入れたと思うんですけどね。何度かクラウディオ・ロペスが左サイドをついていい形が作れていただけに、アルゼンチンがサイド攻撃を中心に攻めていかなかったのが不思議です。しかし、それがアルゼンチン流のサッカーだと言われてしまえばその通りだし、そういう意味では彼らはアルゼンチンらしい短いパスを繋ぐサッカーをやりとおしました。あれで負けたのなら仕方ない、とは思えないでしょうが、自らのやり方を捨てて負けるよりはなんぼかマシだったでしょう。
 あと気になったのはシメオネ。今日は全く目立たなかった。二度も憎まれ役になるのが相当嫌だったのか。しかしアルゼンチンは彼が目立ってなんぼ。スコールズを押さえ切れなかったためにペースをイングランドに持って行かれてしまったということでしょう。

 残り20分の攻防は、アルゼンチンはよく攻め、イングランドはよく守った。それだけでしょう。あんな心臓がドキドキしたのは久し振りだよ。

 これで「死のグループ」も混戦。アルゼンチンが勝ち点3のままで一気に三位に転落。スウェーデンとイングランドが勝ち点4で並びました。もしスウェーデンがアルゼンチンに勝てばイングランドはナイジェリアに負けても決勝トーナメント進出が決まります。既にグループリーグ突破の可能性がなくなったナイジェリアはいつもの悪い癖が出ておそらく集中力が切れてしまっているでしょう。引き分け以上は容易いのではないでしょうか。反対に優勝候補アルゼンチンは窮地に追い込まれました。スウェーデンと引き分けても突破は難しい。勝つしかない。やはりこのグループの鍵を握るのはスウェーデンでした。

 しかし今大会、フランスとアルゼンチンは優勝候補の筆頭として挙げられていた両国。その両者がグループリーグでここまで苦しめられ、下手するとグループリーグで敗退の危機に追い込まれるとは。今回のワールドカップ、面白すぎて死にそうです。

daylife

 そんな浮かれサッカー気分の裏にはどんより気分が。はあ、明日が辛いな。

涅槃の読書模様

  先日の『スコッチ・ゲーム』西澤保彦【→bk1】の謎解きに対する疑問に、ご親切な方(*1)からメールフォームに投稿が。フムフム、確かに。もう一度本を取り上げ、該当部分を精読。
 おお、確かに書いてある。まさにおっしゃる通りのことが。というわけで、私の疑問はスッキリ解決。ありがとうございまするm(__)m。でもまあ、この疑問にも関わる問題だけど、やっぱり【ネタバレ→この犯人はあまりに杜撰すぎるよなあ。いくらなんでも。そして、その杜撰で偶然性の固まりのような事件を推理で解決するのはあまりに無理があると思うのはわたしだけなんでしょうか。ネタバレ終わり】


*1: お名前を公開してよろしいでしょうか?

Jun.8,2002 (Sat)

蹴球微熱 FIFA World Cup 九日目

 本日は劇団の稽古だったため断腸の思いで試合観戦を諦める。休むに休めない事情もあり。

 と、そしたらイタリアがクロアチアに逆転負けしている!。これじゃ「ウノ・ゼロ」の美学もくそもあったもんじゃない。これで、「今年のイタリアはどうか?」と思う向きもあるかもしれないが、グループリーグでイタリアがヘマするのはするのはいつものこと。前回もチリに、あわやってところもありましたし。グループリーグでもたついてこそ、イタリアです。というわけで私の優勝候補は依然イタリア。

 ブラジルは中国が相手ということもあり順当に勝利したようですな。優勝候補の中ではスペインと共に波乱無し。大会前は色々言われてましたが、やはり王国の力は健在ですね。結局いいところまで行きそうだな。

 ただいま、メキシコ対エクアドル観戦中。メキシコは相変わらずいいサッカーをする。昔から日本はメキシコをお手本にするべきだ、という意見があります。フィジカルに強くなく、高さもない、しかし技とスピードはある、そんな戦い方ですね。80、90年代に比べて弱くなったといわれるメキシコですが、相変わらず自分たちのサッカーというものを熟知し、自信を持っているように見えます。日本もこうなって欲しい。
 エクアドルは悪質なファウルとシミュレーションが目立つ。初出場でこの度胸は見上げたもんだけど、虚勢を張っているようにも見えるし、私は嫌いになりました。メキシコ頑張れ。最終戦がイタリア、というのが辛いなあ。

 注目の日本対ロシアは友人の家で一緒に観ることにしました。レビューはいつもより遅い時間になりそうです。
 あまり大きな声を出して隣近所にご迷惑かけないように注意しないと。声デカイ三人だからな。

daylife

 これまでないほど凹んでいた状態を皆を巻き込んで引き上げてもらう。あいや、申し訳ない。完全ではないですが切り替えられそうです。もうやるしかないんでやらせていただきます。しかし12年付き合っててKのあんな優しい姿を見たのは始めてだったよ。それが逆に怖い。

涅槃の読書模様

  『スコッチ・ゲーム』西澤保彦【→bk1】の私の疑問にお答えして下さったご親切な方はkamaさんでした。ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします(なにをだ?)。kamaさんも、タックがあれだけの材料から推理することについては無理がある、とお思いになったということで安心。でもまあ、このシリーズの面白さはそこだけじゃないですからね。

 『マークスの山』高村薫はもうちょっとで読み終わりそう。期待していたのとちと違う感じだ。つーか日本の警察って本当に検挙率ナンバーワンなんですか?。信じられん。

Jun.9,2002 (Sun)

蹴球微熱 FIFA World Cup 十日目

 まずは一言。勝った!勝ったよ!。未だに実感が湧きません。こんなに簡単に(簡単じゃないけど)勝っちゃっていいのか?!。なんにせよ、再び日本人であることを認識させられた試合でした。

 というわけで歴史的勝利を挙げた日本。今日のロシア戦を現場で見れた人達が羨ましい。うちの親父とか。
 私は私で興奮や悔しさを分かち合うためにひろえさんしなのんと共に見ることに。試合前から気持ちはヒートアップ。

 スタメンを見て、「おや?」と思うことしきり。森岡が怪我のため宮本というのはまあわかります。明神を右サイドですか。守りを固めるべきはカルピンサイドの左サイドでは?。てっきり服部が起用されると思っていたので意表を突かれました。試合開始まで「まさか小野を右に、左に明神なんてことも思いましたが、それはさすがになかった。
 結果的にこの起用は正解で、トゥルシエ松田のカバー役として明神を活かしたかったのでしょう。右サイドでの攻撃はなくなってしまいましたが、同時に相手の左サイドの攻撃も殆どありませんでした。さらに戸田稲本が中央の守備に集中できるようになったため、ロシア得意の中盤での細かいパス回しも全然見られませんでした。トゥルシエ見事なり。これでロシア側で恐れるのはカルピンを擁する右サイド(日本の左サイド)のみ。ここでは小野が何度かやられてしまいましたが、中田(浩)が適切にカバー。ロシアが両サイドからセンタリングを上げるシーンというのは殆ど記憶にもないです。一番怖かった高さを活かされる攻撃を防いだのがこの試合の一番の勝因でしょう。カルピンが中央に切り込んできた時は宮本がケアする、という約束事もしっかりと守られていたと思います。ロシアはひたすらペナルティエリア外からミドルシュートを打つだけ。これは日本には思うつぼでした。

 攻撃に関しては明神を起用し、小野カルピンが相手ということでベルギー戦に比べるといいシーンは少なかった。特に中盤からビルドアップしてゴール前まで、というシーンはあまりなかったですね。これは両チームが中盤でいかに激しくやりあっていたか、というのを表していると思います。
 しかし日本にとって幸運だったのはロシアのDF陣がベルギーのそれよりタイトでなかったということでしょう。鈴木柳沢も前の試合より楔となってボールをキープできていた。勝負を決めた稲本のゴールも中田(浩)がクロスで上げたボールを柳沢が楔になってゴール前に流し、そこに稲本の見事なゴール。オフサイドくさかったですが、これがホームのメリット。ベルギー戦の幻のゴールも報われた。

 それにしても稲本の2得点は見事というほかない。完璧なシュートです。ハッキリいって日本のFWは稲本にシュートを教わりなさい。柳沢は、またこの試合でも得点に絡んでしまいましたので、チュニジア戦でも起用されると思いますが、あのシーン以外ではまったくいいところなし。期待感ゼロです。ベルギー戦同様動き出しが遅く、フォローも出来てない。まあ、決定的なシーンに絡むんだからそれでいいのかもしれませんが、鈴木の頑張りが素晴らしい分、彼の動きには不満が残ります。鈴木が交代されるのは出来が悪いからじゃなく君の倍近く走って体力を消耗しているからだということを分かっているのでしょうか。

 そうは言っても、とにかく今日の日本は良かった。特に中盤から後ろの守備は万全でしたね。心臓に悪かったのは前半のイズマイロフのシュートとカルピンがゴールラインギリギリからセンタリング上げたシーン、後半のベスチャツニフのシュートくらいで、あとは安心して見れました。こういう戦いを出来ればチュニジア戦、決勝トーナメントでもいい試合が出来るでしょう。あとは稲本に頼らずに如何に攻撃できるか、ということですかね。中田(英)もまだまだでしょう。シュートがバーに当たったところは良かったけど、決めてなんぼだし。コンディションがあまり良くなさそうなのは気になります。チュニジア戦では休ませてもいいかもね。

 ひとつ気になるのはベルギー戦、ロシア戦ともにセットプレーが全く駄目なこと。FKも惜しくも何ともないし、コーナーキックからもチャンスが作れません。相手のDFが高いことは始めからわかっていることなのでもっと工夫が必要だし、精度を高めて欲しい。日本の武器なはずでしょ。

 まあなんだかんだいっても勝ったんだからいいか。しばらくは喜びに浸りましょう。ただ、この勝利が無駄にならないことだけは祈りたい。
 それと、人と喜びを分かち合いながら観れるのは本当にいいですね。一人で観てる方には、二人でも三人でもいいから一緒に観ることをオススメします。楽しみが倍増しますよ。ただし、騒ぎすぎに注意(笑)。

 昨日付けの日記を読んで下さい(笑)。後半のメキシコは素晴らしかったです。ああいうボール回しや、落ち着いた捌きが日本も出来るようになれば一流だと思いますね。

daylife

 つーわけでひろえさん、晩御飯ご馳走様でした。今度お邪魔する時は手土産持参します。それと、近所の方から苦情が出たらごめんなさい(笑)。

 帰り(11時過ぎ)に横浜国際競技場の周辺を通ったら、凄い人並。歌声も聞こえてきました。車の中から「ニッポン!」と叫ぶひとも。いやー、勝ったんだなあ。ホントに。

 帰宅してテレビをハシゴ。おお白石美帆ちゃんが国際競技場をバックに映ってる。あれはどのへんだ?。ああ、そうとわかってたら彼女の姿を探したのに…。

涅槃の読書模様

 そういや昨日BOOKOFFで、以下を購入。

Jun.10,2002 (Mon)

蹴球微熱 FIFA World Cup 十一日目

 韓国はさすが気迫の国。意地で同点ですか。今回のワールドカップはどのグループも混戦です。こんなに面白くていいのか。
 ワールドカップを2002倍楽しんじゃおう更新。いよいよ明日から各グループの最終戦。第三試合は勝ち点などの関係で互いに駆け引きが出来ないようにグループ毎に同時刻に行われます。地上波ではどちらか一方しか放映されませんが、スカパーが観れる方はどちらを観ればいいか迷いそうですね。テレビ局も「あっちの試合の放映権とっときゃよかった」とか思ってるんだろうな。
 それにしてもこんなに面白いワールドカップは滅多にありません。今回からワールドカップに接した人達は本当に幸せものです。是非最後まで楽しんで記念すべき大会を楽しみましょう。

 日本戦に対してはあれだけ研究をしてきて見事な戦いを演じたベルギー。しかし今日は「あれ?どうしちゃったの?」という感じ。後半などは攻めに攻めてるんですが、それが全てワンパターン。高さを活かしたいのはわかりますが、早いタイミングでのクロスボールオンリーではチュニジアだって防ぐ方法考えます。他にアイデアはなかったのかワセイジュ監督
 というのも、先制点はまさにチュニジアの弱点を見事についての得点だったんです。サイドを深く抉ってのセンタリング、それを更に折り返して相手DFを揺さぶってフリーの選手がヘディングシュート。これ、まさにチュニジアが苦手とするところなんです。私はチュニジアとガンバ大阪の親善試合も観たんですが、このパターンにチュニジアは完全にやられていました。マークはずれるし、高さもないので対応できない。ベルギーは、まさにこの形で点を獲った。だから始めは「やはり研究してるなあ」と思ったんですけどね。同点にされたショックで冷静さを失ってしまったのでしょうか。

 チュニジアは、さすがに大分トリニータやガンバ大阪に負けたチームそのままではありませんでした。特に前半は見せ場も作ったし、ジャジリトラベルシはスピードがあったし、ゴドバンベンアシュールはテクニックもありました。
 しか後半はベルギーに完全にゲームを掌握されました。その原因は、相手のプレッシャーが激しくなると、落ち着いてボールを回せないことだと思います。焦って前へ前へとボールを送るんですが、全て中途半端でベルギーにカットされる。日本は、とりあえずプレッシングは激しくするべきでしょう。そうすればきっとボロを出す相手です。その代わり多少でも余裕を与えると、キチンとした攻撃をしてきます。そうなった時のチュニジアは侮る相手ではありません。サイドを深く抉っての攻撃、そして激しいプレッシング、この二つが勝つためのキーワードになると思います。

 ベルギーは勝てる試合を落としてしまいました。失点はフリーキックからでしたから致し方ないとしても、あれだけ攻めていながら追加点を取れなかったのは猛省すべきでしょう。あれではロシアに勝てるのかわかりませんね。日本戦を観る限りではベルギーの方が強いと思ったのですが、今日のような単調な試合ではロシアには通用しないでしょう。これまた混戦となったH組。決勝トーナメントに進出するのは一体どの二ヶ国になるのでしょうか。楽しみです。

 うーん、勝つには勝ったが。ポルトガルはイマイチですね。4点とってそれかよ、という方もいらっしゃるかと思いますが、あとの2点はポーランドが返り討ち覚悟で前掛かりに勝負に行って、その結果のカウンターです。これが1試合目ならポーランドもそこまで無理はしなかったはずですからね。

 ただ、得点シーンは全て素晴らしかったです。パウレタはさすがですね。特に2点目はルイ・コスタが入ったことで、前線に上がれるようになったフィーゴからダイレクトでパウレタへ。ああいうプレーはいかにもポルトガルでしたが、試合全体ではポーランドにペースを握られる時間帯が多く、怖さはありませんでした。大雨というコンディションのせいもあったとは思いますが、特とするはずのボール回しもあまり見られませんでした。DF陣も決していいとは言えません。もちろん3点取られたアメリカ戦よりは遥かにいい出来でしたが、ポーランドの拙攻に助けられたといった方が正解ではないでしょうか。ポルトガルのようなチームは中盤を支配してこそ、強さを発揮するチーム。それがあまり上手く行ってないところを見ると、この先も苦労しそうです。

 ポーランドは韓国戦よりは良かった。気候に多少でも慣れたせいもあったのでしょう。しかし、如何せんフィニッシュがダメ。クリシャオビッチが凄く頑張ってゴール前でチャンスを作るのですが、その他の選手にいい動き出しがなかった。フェルナンド・コウトとGKのバイーアの活躍に阻まれたせいもあったとは思いますが、これは単純に選手の力量の問題だったと思います。クリシャオビッチ以外に記憶に残るようなプレーをした選手もいなかったし、実力差がありました。最後の最後であれだけ攻めていて決めきれないのではどうしようもないでしょう。

 最終戦は韓国とポルトガルですが、韓国は名前負けさえしなければまともに勝負できる範囲の相手だと思います。特にポルトガルが「体力」勝負に弱いことはアメリカ戦で証明済み。そうした戦い方は本来韓国の得意とするところ。真っ向勝負でいって欲しいし、まず間違いなくいくでしょう。
 ポルトガルの選手は話には聞いていましたが本当に接触を嫌いすぎと言うか、柳沢以上に倒れ過ぎ。ジョアン・ピントなんかは下手すると韓国戦ではシミュレーション取られかねないと思います。韓国はそこに漬け込むのも作戦の一つではないでしょうか。
 D組はアメリカが一歩リード。韓国とポルトガルは直接対決で決着、ということになりそうです。韓国は引き分け以上で決勝トーナメント進出ですが、はてさてどうなることでしょう。これまた楽しみです。

daylife

 ワールドカップで頭はいっぱいですが、一応他のスポーツもチェックはしています。
 そんな最近のスポーツの話題で一番気になったのはタイソンKOのニュースでしょうか。あのマイク・タイソンレノックス・ルイスとのタイトルマッチに敗れたというニュースです。ボクシング界も一つの時代が終わったということでしょう。

涅槃の読書模様

 『マークスの山』高村薫読了。重い話だったなあ。レビューは後日。いや、大作だし、評価はしますけど、この作品が文春ミステリ編の傑作ミステリベスト10 20世紀編で3位というのはちょっと違う気が。するのは私だけだろうか。


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