ごくたま昨日日記 in March, 2002

- second 10 days of month -

上旬 / 中旬 / 下旬

最新のごくたま昨日日記へ

2002/03
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

トピック

Generated by nDiary version 0.9.2

Mar.13,2002 (Wed)

daylife

 ともさんMystery Best???、通称「みすべす」が50万アクセスを突破。ちなみに500500アクセスは私でした。凄いことだ。私も4年程前、ネットで検索して辿り着いたのはここだった。思えば私が現在のようなネットの活字中毒者&ミステリ好きと御交流させていただいているのは、ともさん、ひろえさん、そして御大のページに出会ったのが始まりだったなあ。50万アクセスなんて私にとっては夢の夢ですが、ともさんのページをご存知の方ならそれも納得だと思います。これからも多くのミステリ好きを楽しませて下さい。

 『ドラゴンボール』がハリウッドで実写化。マジかよ。シリーズ化も検討されているらしい。シリーズ化ってどこまで…。

 ドラマ『ロング・ラブレター/漂流教室』第十話。いよいよ来週が最終回ですか。もはや乱れた環はまとまることを知らずの様相を呈してますな。結局は何がなんだかわからないままラストを迎えることになりそうです。それにしても人物設定がなってないよなあ、このドラマ。と改めて思わせる回でした。ま、ここまで来たからには最後までお付き合いしますけど。
 個人的に脚本家(エセですが)として思うのは、私が『漂流教室』という作品にインスパイアされるとしたら、彼らが元の世界に戻って来てからを描きたい。慰霊碑まで建てられ、家族の気持ちも落ち着いたところでもとの世界に戻って来てしまった人達。元の世界に戻れた喜びも束の間、その世界に居ながらその世界と隔たりを感じずにはいられない彼らの姿。そして生ぬるい世界に生きる人達に対するやるせない思い。こっちの方がより、現代の問題とか、人間の未来といったテーマを浮き彫りに出来る気がするんだけど。とここまで書いて、これは結構面白そうな話しな気がしてきた。ちょっとプロットだけでも書いてみようか。

 一日の医療費だけで6千円も財布から出ていく日っていうのは憂鬱だ。

涅槃の読書模様

 花粉症のせいでちっとも進まない読書ですが、読書欲減退期には東野圭吾というわけで『ある閉ざされた雪の山荘で』【→bk1へ】を読み始める。東野圭吾作品には舞台化してみたいと思う作品が山のようにあるのだが、この作品はまさにそのもの。一度真剣に東野作品の舞台化っていうのは考えてみたい。ミステリ好きの方々の意見も聞いてみたいし。やってみたい、という人も募集中(笑)。

 近所の書店にはつい最近文庫化され刊行されている筈の西澤保彦『ナイフが町に降ってくる』『ストレート・チェイサー』が見当たらない。【bk1】でもなぜか表示されてませんが。首都圏では既に配本されているようなので私の勘違いということはないだろう。
 この書店の配本にはいつも頭を悩まされるのだが、祥伝社文庫はともかく、光文社文庫くらい新刊きっちり揃えとけよ。これで郊外型大型書店なんだから笑っちまう。今時、恩田陸の新刊を5冊しか仕入れないような大型書店ってどういうことよ。本を読む店員はいないのだろうか。
 仕方なく500メートルほど足を延ばして駅前のビル内書店を覗く。ここにもない。どうなってるんだか。と思ったら、先の書店とここの書店、配本が同じかもしれないと気づく。何故かというと「今月の掘り出し本」なるコーナーが両者に設けられているのだが、その中身が全く同じなのだ。いくら近所の書店とはいえ、こんなのってアリ?。むしろ近所だからこそ、互いに独自色を出そうという気はないのだろうか。これも談合の一つの形態?。使えない書店ばかりが身近にある、というのはとっても不幸なことだと思う。

『刑事たちの夏』[video]

 久間十義の原作本を読もうかと思っていたのだが(ちょっと必要に迫られて)、確かドラマ化され、その年('99年)の民放放送大賞かなにか獲っていたという記憶があり、もしかしたらビデオ化されてるような気がしてレンタルビデオ屋で探してみたら見事発見。
 よみうりテレビ制作となっているのでおそらくは火曜サスペンス劇場で放映された模様。エンディングテーマがZARDだったし。

 あらすじは割愛させていただくが、重みのあるいいドラマだった。重過ぎて堅すぎて、おそらくは視聴率は殆ど取れなかったんじゃないかと思うほどだ。それでも制作しようという心意気があったのだろう。役者陣も、役所広司大竹しのぶ真田広之(特別出演)と豪華だ。あれだけの原作を95分という時間で見せているのも上手い。当初の目的も達したし、このビデオは当たりでした。民間放送大賞も納得。
 それにしても物語の舞台の時期は冬なのに、なぜ『刑事たちの夏』というタイトルなのか気になっていのだが、エンディングまで見て納得。こういうタイトルの付け方は好きだし、巧いと思う。こういう風に思ったのは藤原伊織『テロリストのパラソル』以来かも。

Mar.14,2002 (Thu)

daylife

 うわ、今年もホワイトデーにお返しするの忘れてたよ。どうしようもない幼馴染でごめんなさい。

 ドラマ『恋ノチカラ』第十話。細かいところで笑えるシーンが多くて良く笑った。あれは演出なのか役者陣のアドリブなのか非常に気になるところだ。いよいよ来週が最終回で、予想通りの展開に落ち着いて来ているが、このドラマの場合はそういう流れに文句はないのであった。とにかくラストまで爽やかに軽やかに決して泥臭くなることなく見せきって欲しいと願うだけである。
 技術的なことを言えば、このドラマの素晴らしさは以前にも書いたように女優を美しく撮っているということだが、その一番大きな要因はライティングにあると思う。これほどライティングに色々気を遣っているドラマを見るのは珍しい。これまでドラマ制作でライティングが一歩抜きんでているのはTBS系列のドラマが多かったのだが、フジテレビもここまで来たか、という感じ。少なくとも日テレはこういうところを見習いなさい。日テレのライティングはホントに最低で、火曜サスペンスでたまに気を遣ってるライティングが見受けられる程度なんだよなあ。二時間ドラマと連続ドラマのスタッフは交流がないのだろうか。テレビ朝日系列は全体的にライティングが暗いことが多いよね。明るい時は平版になることが多いし。照明を馬鹿にしてはいけません。

 桐野夏生『OUT』が映画化されるとのこと。以前ドラマ化はされてますけどね。キャスティングは原田美枝子倍賞美津子室井滋西田尚美だそうだ。実力的には全く問題のないメンバーだが、もう少し庶民的主婦という空気を持った女優さんがいても良かったのではないか、という気もする。ま、そういう人達ばっかりだったら華がなくなってしまうので映画として成り立たなくなるのかもしれないが。しかし『模倣犯』の映画かといい、ブラックな小説が映画化されるのが目立ちますな。ま、センセーショナルであればあるほど映画向きというのはわかる気がするんだけれど。

涅槃の読書模様

 というわけであっという間に『ある閉ざされた雪の山荘で』東野圭吾【→bk1へ】を読了。やはり東野圭吾作品は相性がいいとしか言いようがない。これには様々な理由が考えられるが、何を描き、何を省略すべきか、どんな展開が好ましいかという思考が私と非常に似ているからだと思う。読んでいて詰まるところがないのがその証拠。
 最近、「好きな作家は?」と聞かれると東野圭吾と答えることにしているし、刊行されているうち8割ほどを読み終えたということもあって、もう少し東野圭吾に対する重きをおいて色々語ったり考えてみたりしたくなった。いずれはこのサイト自体のメインコンテンツとして持って行くくらいの勢いで。
 これには下心丸出しの理由があって、いずれは何らかの形で東野圭吾氏御本人と関わりあえるくらいにまでなりたいと思っているからだ。私自身はあまり作者というものに興味を持つことが少ないのだが、東野圭吾だけはちょと別。もし実際にお会いできる機会があれば色々と話したりお願いしてみたいことがある。そういう下心。

Mar.17,2002 (Sun)

daylife

 金曜日は京急上大岡の駅ビルデパートまで足を延ばし、八重洲ブックセンターと新星堂を訪れるが、どちらにも目的としたものはなかった。なんて使えないのだ。書店の方では何人もの店員に「今月の新刊はホントにこれだけですか?」と詰め寄ってしまう。嫌な客だ。
 その後、ヨドバシカメラで『サカつく2002』を買うかどうしようか延々30分くらいウロウロしながら悩む。店員にはさぞかし怪しい客に映っただろう。でもやっぱり金がないしなあ、と自分に言い聞かせてとりあえず必要だったビデオテープを購入する。店員にいくらくらいポイントが溜まっているか聞いたところ、「一万円くらいですね」と言われる。この一言が決定的だった。というわけで買っちまいましたよ『サカつく2002』。まだやってないけど。
 その後、みなとみらいのワーナーのレイトショーで『ロード・オブ・ザ・リング』を鑑賞(感想は↓)。さすがにレイトショーの時間帯で3時間、しかも座席が少し前の方だっただけに疲れました。見終わった時は12時過ぎてたからね。
 帰宅してからすぐ寝ればいいのに、『虎の門』で井筒監督の戯言に笑い、蛭子能収のビデオ評に笑ってから寝る。

 土曜日はお昼から渋谷でとある会合。BOOK1stでやっとこさ目的の本を購入。本一冊買うのにここまで苦労したのは久し振りだ。会合は結構順調に進み、メンツのせいもあって楽しい一時。前日、新星堂で買えなかった目的のブツをHMVで購入。ウルトラキャッツ『バレム(願い)』。そうです。日テレの番組『ウリナリ』で番組企画で結成されたユニットです。ジニーを応援する身としては買わずにはいられない。ちょっと恥ずかしかったぜ。そういやこれの前に買ったシングルCDもやはり『ウリナリ』の企画ユニットブラックビスケッツ『タイミング』で、この時は70万枚以上CDが売れなかったらビビアン・スーが脱退しなければならないという条件だったので彼女を救う意味で購入したのを憶えている。曲自体も今でも好きだけど。結果的に『タイミング』はオリコン初登場7位(だったと記憶している)で、総計100万枚以上を売るミリオンセラーとなった。これに対して『バレム』は全然話題にもなってない。『ウリナリ』が番組終了というのもちょっとわかる気がした。あの頃よりも確実に影響力はなくなってるってことだね。

 渋谷での会合後、横浜まで戻り劇団連中と会合。台本の改稿やキャスティング、制作面の話など。台本が早目に上がっているせいか(まだ直しは入るけど)私も劇団員もいつもより余裕がある会議。余裕というよりも気持ちが楽なせいでギスギスしないというか。なんにせよいいことだ。
 帰宅したのは結局深夜1時近くで、猛烈に眠かったが、読み途中だった『私が彼を殺した』東野圭吾がどうしても気になって結局2時過ぎまで読書。これについてはまた明日詳しく感想を。風呂入って寝たのは3時過ぎ。明日は一日寝てるでしょう。

 というわけで夕方までひたすら横になってました。久々にダラダラと日常を書いてみましたがやっぱり長い割に内容がないな。ま、普段もないけど。

涅槃の読書模様

 購入物。

 ・『私が彼を殺した』東野圭吾【→bk1へ】
 ・『ナイフが町に降ってくる』西澤保彦【→bk1へ】
 ・『コータローまかりとおる!L -3-』蛭田達也
 ・『海皇記 -14-』川原正敏

『ロード・オブ・ザ・リング』[movie]

 あまり気の利いた感想は書けそうにない。多くの映画評や本作のパンフレットにあるような大袈裟にも感じられるような賛美は決して大袈裟なものではなく、かといって全面的に肯定はしないものの、この映画がファンタジー映画の一つの金字塔であり、『指輪物語』という壮大な世界を描いた原作の映画化ということに関してもまさしくその通りだと思う。そういった意味では少なくとも私がWebや雑誌で見かけた多くの映画評と違った感想が書けるとも思わないし、そちらを参考にされることの方が望ましいかもしれない。それくらいこの映画のスケールや出来というものは飛びぬけている。そしてそれはすなわちR・R・トールキンが40年以上前に書き上げた『指輪物語』という作品が如何に完成度が高く、そして傑作であったのかということを表しているということだ。

 本作ほど読者の思い入れ、というのが左右する映画はもしかしたらないのかもしれない。というわけで私が『指輪物語』を読んだことがあり、それは約14、5年前のことだった、ということ。それが私のファンタジー初体験だったということ。それをまず前提として語るべきだと思う。
 私が『指輪物語』を読んで想像した世界がそのまま映画によって映像化されたとは思わない、しかしその映像が不満だったとも思わない。ホビットやエルフ、ドワーフやトロル、そして魔法使いという不思議な言葉の響きに魅了され、また彼らがもつキャラクターに惚れ込み、彼が住む世界、そして物語に一喜一憂したその体験を映画によって追体験した、それは必ずしも自分の頭の中にあった世界やキャラクターと一致はしていなかったが、ある意味ではそれ以上、より確かな存在として目の前に現れたのである。これは決して監督であるピーター・ジャクソンだけの力では到底為し得ないことだ。セットとなる建物だけでなく、岩の一つ一つ、木々の一本一本、衣装や小道具に到る細部にわたる全てにおいて『指輪物語』を愛し、各々の思い入れを注ぎ込んだからこそ出来ることだ。だからこそ、自分の思い描いた世界と異なっていてさえ、この映画の映像に心を打たれ感動するのである。ニュージーランドを主なロケ地としたということだが、現実に存在するのかもしれない山々や川、森、そういったものがなぜか普通に存在しない別世界のものとして目には映る。勿論各所でCG等が使われているのかもしれないが、スクリーンの端から端までがファンタジーという世界で覆われているかのようだ。それはおそらく原作を読んでいない人でもそう感じるのではないだろうか。そしてファンタジーが持つ力に圧倒され、感動するのではないだろうか。

 『指輪物語』の映画化は不可能。長いことずっと言われてきた。そして全ての読者の頭の中にある『指輪物語』を完全に映像化することは今もって不可能だと思う。自分の思い描いたものと食い違って首を傾げる人もいるかもしれない、おぼろげにしか想像できていなかったものを見事に目の前に出現させられて驚く人もいるだろう。だが、そこにこそこの映画の醍醐味があるのではないだろうか。これはあくまでもピーター・ジャクソンを始めとするこの映画に関わった全ての人達の頭の中にある『指輪物語』の映像化である。しかしこの映画で描かれている世界はまさしく『指輪物語』であり、それがこの映画の全てだと思う。そしてそれは素晴らしい世界と物語を描いた素晴らしい映画、という陳腐な言い方しか出来ないが、諸手を挙げて歓迎すべき作品なのだ。

 少々堅苦しい文章になってしまったのでここからは普通に。主役のフロドを演じるイライジャ・ウッドはホビットとして、そして運命の指輪に翻弄される若き青年を上手く演じていると思う。エルフとの絡みがあるので主役にいわゆる普通の美少年を置くことはなかなか難しいと思うのだが、彼は何純な美少年ではなく、どこか普通でどこか弱ささえ感じさせる、だが意志の強いフロドという役を見事演じていた。この映画が『指輪物語』という原作から遠く離れずにいられたのは彼に負うところが大きい。イアン・マッケランのガンダルフもよかった。年老いた名優というのはそれだけで魔法使いのような雰囲気を醸し出すものだが、彼はまさしくその意味でも魔法使いクラスの名優なのだろう。レゴラス役のオーランド・ブルームは美しき種族エルフと呼ぶに相応しい美少年だったし、アルゴラン役のヴィゴ・モーテンセンは人間的ヒーローとして単純にカッコ良かった。個人的にはちょっと間抜けなホビット(というかホビットとは本来そういうものだ)のピピンを演じたビリー・ボイドが一番好きなキャラクターだった。

 とにかく映画を見て感じたことは『指輪物語』という作品の持つ壮大且つ意趣に溢れたストーリーと、その第一部である『旅の仲間』というテーマが如何に普遍的に人の心を打つテーマなのかということを再確認させられた。もし、この映画を見て、「早く第二部が観たい」と思ったらそれは『指輪物語』という世界にあなたもすっかり虜になったということであり、それはおそらく素敵なことだと思うのである。

Mar.18,2002 (Mon)

daylife

 離党ってそもそもなんのためにするんでしょうか?。世間を良くない噂で賑わしている自分がいると所属する党にまで迷惑が波及するからとりあえず、ってこと?。それって社会的になにか責任を取ったわけじゃなく、むしろ道義的に自分は責任を取るべき身ではない、といっているように見えるのは私だけなのだろうか。よくわからんなあ、これだから政治は。

 池袋まで友人の芝居を観に行く。脚本や設定にこれといって面白い点はなかったのだが、観終わった時の感想は「面白い」となっている。これには様々な要素があると思うのだが、自分がいつも感じている面白さと何かが違うのに面白い、という現象にちょっとだけ困惑。自分が思う「面白さ」というものに自信がなくなったというか、定義の再確認を求められたというか。とにかくそんな感じ(どないやねん)。個別に面白いと感じた部分を挙げていけば挙げていけるのだけど、自分は本来そういうものだけでは面白いと感じないハズだったのに、みたいな。ますますわかりませんね。
 ま、とにかく役者がしっかりと仕事をしていて、その上キャラクターも面白ければ、出来上がるものもやはり面白いのだな、という点は納得した。ある意味脚本家にとっては幸福であり不幸であるのかもしれないが。
 それにしても池袋はやっぱり遠いなあ。

涅槃の読書模様

 購入物。

 ・『レイクサイド』東野圭吾【→bk1へ】
 ・『ストレート・チェイサー』西澤保彦【→bk1へ】

 『ナイフが町に降ってくる』西澤保彦【→bk1へ】読了。うーん、この作品についてはあまり語るべきこともない、というかINOさんの感想と全く同じことしか思いつかない。この感想に過不足なし。手抜きですか?。でもホントこれ以上言いようがないよ。

 帰りが遅くなりすぎたので『私が彼を殺した』東野圭吾【→bk1へ】の感想は、また後日ってことで。

Mar.19,2002 (Tue)

daylife

 ビデオ観て『サカつく2002』やって過ごした一日。このゲームやはり危険だ。止まらん。

 どこかいい整形外科ないかなあ。

涅槃の読書模様

 購入物。

 ・『ARMS -21-』皆川亮二【→bk1へ】
 ・『ES -1-』惣領冬美【→bk1へ】

 『ARMS』の展開はこれまでで最も痛々しいというか感情移入すればするほど辛さに耐えられなくなる。しかし、まさに進退極まったその時、感動の展開が。あの見開き6ページには涙したよ。
 『ES』はこれまでの惣領冬美の作品からはちょっと想像つかないダーク且つサイコなサイスリラー。吉田秋生的といえるかも。物凄く取材したことが窺える内容的にも重厚なマンガです。これまでの惣領ファンが果たしてついていけるのだろうか。私は気に入ってます。

『秘密』[movie][video]

 言わずと知れた東野圭吾原作、広末涼子主演による映画。原作への思い入れが強いためにこれまで観るのを避けてきたが、やはり観ておこうと思いレンタルしてきた。

 冒頭の事故のシーンから涙の洪水。原作をどうしても思い浮かべながらなので仕方がないことだが、ここまで泣くか、というくらい全編にわたって泣いていた。エンディングロールですら涙なしには見られなかった。
 結論から言えばこれは成功した作品だと思う。私が広末涼子にかなり肯定的な人間だということを差し引いても、原作の良さを保ちつつ、映画ならではの演出を織り交ぜたりと、原作崇拝者の私でも納得いく作品だった。なにより、広末涼子がいい。演技は正直上手いとは思えないが、表情が素晴らしい。この映画の藻奈美(直子)という役はホントに難しい役であることは原作を読んだことがあればわかるはず。それを演技でカバーするのではなく、表情というおそらくこの時点での彼女の最大の武器をいかんなく発揮している。瞳に涙を溜めた彼女の姿だけでもうこっちの涙はボロボロ。そして脇を固めるのが小林薫岸本加世子という実力派だ。特に岸本加世子の存在感と、時折彼女と広末涼子がダブりながら映し出されるシーンは映画ならではだろう。
 原作にあった人間的に汚い部分とか醜い部分はやや省かれているが、映画ではこれも致し方ないと思う。なにより切なく哀しい物語に一片の喜びが見出せるのは良いことだ。
 ラストの演出は個人的にはもうちょっと曖昧でも良かったのではないか、と思ったが、これは原作を読んでいるからかもしれない。始めて映画を観た人にはあれくらいが丁度よいのかも。

 監督は少女から女へと脱皮しつつある女優を撮らせたら右に出るものはいない、といわれた滝田洋二郎。かつては薬師丸ひろ子を『Wの悲劇』で原田知世を『愛情物語』で変身させた名監督だ。その手腕に偽りなし。広末涼子の出世作と呼ばれるのも無理はない。彼女自身の持っている魅力と物語の持つ魅力が上手く結合したなかなかの秀作だったと思う。

Mar.20,2002 (Wed)

daylife

 右眼にゴワゴワ感。ものが霞がかって見える。ということで本も読めず。PC画面もちょっと辛い。てなわけでテレビくらいしか見られず。テレビも見にくいんだけどね。

 ドラマ『ロング・ラブレター/漂流教室』最終回。ようやっと終わってくれたか、というのが率直な印象。最終回も意味不明な見所満載でした。ただ、〆としてはまあまあ好きかな。ドラマ全体の導入とラストという意味では私は結構好きです。要するに未来に転送されてから、つまりは肝心の「漂流教室」的な部分が全然ダメだったということですね。それじゃ駄目なのか。
 とにかく終わってしまったので、苦労して毎回レビューを書く必要もなくなった。無理してまで書くな。
 窪塚洋介常磐貴子のフツーのドラマは見てみたいかもね。今度こそ大森美香脚本で。
それにしてもいくら同じ局のドラマだからって『恋ノチカラ』の映像(*1)が出てきたのにはビックリしたぞ。

涅槃の読書模様

 『レイクサイド』東野圭吾【→bk1へ】読み中。
 東野圭吾の作品にはいわゆる「吹雪の山荘もの」的(*2)な作品が多いんですが、この人の凄さを感じるのは、ただ単に吹雪の山荘を設定するのではなく、そうならざるを得ない環境を作り出すことですね。実際「吹雪の山荘」というシチュエーションは簡単に起こり得る状況ではないわけだし、パズラーでもなければその時点で萎えてしまう可能性もありますし。「これは本格ミステリだから、そういうものだと思って」的な作者側の甘えはないにこしたことはないと私は思います。これはアラとは違う話か。


*1: オープニングタイトル映像のラストに出てくる靄がかった高層ビル群の映像
*2: あくまでもチックね

上旬 / 中旬 / 下旬

shaka / shaka@diana.dti.ne.jp