ごくたま昨日日記 in December, 2001

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Dec.11,2001 (Tue)

馳星周

 『Sports Yeah! -33-』の欧州征服紀行を読んで不快な気分に包まれる。このコラムは自称サッカーフリークの売れっ子作家、馳星周がヨーロッパに渡った日本人選手の試合を中心に観戦し、その模様を伝えるという内容で今回が第三回となる。彼が『Number』などにサッカー関係のコラムを提供するようになってからずっとそれらを読んできたが、これまで感じてきた嫌な感覚を今回確信した思いだ。

 正確な内容はこのコラムを読んでいただくしかないが、私なりに解説するとすれば、このコラムの中で馳星周は売れっ子作家となり金も名声も手に入れた自分をひたすら自慢することしか頭にないようなことを書いている。曰く私は馬鹿で使えない編集者と違い英語が話せる、曰く首が痛い時は電車になんか乗らずタクシーを使う、曰く自分は美食家である、曰く自分はナカータの友人である。

 これには金と名声は人をここまで変えてしまうのか、そう思ってしまうほどだ。肝心のサッカーに関する記述は微々たるもの。結果的にあなたが一番語りたいのは自分は"あの"中田や川口と友人である、という一点なんですね、と言いたくさえなる。こんな記事を載せてしまう雑誌も雑誌だが、なんというか呆れるというか虚しい思いでいっぱいになる。とはいえ、そこに一抹の嫉妬があることは認めざるを得ないのだけれど。

涅槃の読書模様

 本日の購入物。

Dec.12,2001 (Wed)

相対評価・絶対評価

 いえいえこちらこそ→GAKUくん。やっぱり反応があると嬉しいっていうのが素直な感想ですから。

 で、その話題に関連して最近のランキングや賞関連の話題を読んでて思ったこと。
 基本的に本の評価っていうのは初めて読んだ一冊のみが絶対評価で、それ以降は相対評価になっていくものだと思う。前に読んだ本より面白いとか、つまらない、とか。そして読んだ本の量が多ければ多いほど相対評価の対象も広がるわけです。

 例えば、Aという本の内容に重なり合う部分が多いBという本があったとして、両者を読んだ人は「Aという既出の本がある以上、Bの評価は低くなる」と感じ。しかしAの存在を知らずにBを読んだ人は「スゲー面白い」と思うかもしれません。人間である以上、以前に読んだ本とか知識に影響を受けてしまうのは当然なんですが、ランキングや賞を選ぶ立場に立った方々が、こうした問題についてどう考えているのか、個人的には気になるのです。
 作品を単独のものとして(限りなく絶対評価に近い形)評価するというのは確かに難しい作業ですが、そのランキングをどのような対象に対して向けているのかによっては行うべき作業だという気もします。

 日本SF大賞関連の記事で話題になっている中島梓の問題(電波系云々の問題は無視するとしてここ数年、全く本を読んでいないという点)についても様々な意見が出ていますが、私としては審査員の一人としてこういう視点を持つ人間がいてもいいのではないかというのが率直な感想です。つまり相対評価の影響が他者よりも少ない人間が審査員としていることで、候補に挙がった作品の中からより絶対評価に近い評価ができるという利点があるからです。勿論小説というのはアイデアも含めた全てを評価されるべきですが、必要以上に他の作品との兼ね合いを考慮すべきものでもないと思うのです(*1)

 なぜこうしたことを考えてしまったかというと、やはり私個人がランキングに投票するような方々、賞を審査するような方々に比べて読書量が少ないからなのです。相対評価が行き過ぎると私のような読書量が少ない人間は取り残されたような気になってしまうもので。識者の方々の視点から見るランキングというのは非常に有効ですが、もしランキング自体に「色」や「方向性」があるならそういったものを意識してランキングを行って欲しい、というのも本心です。いやーな言い方をしてしまうと識者の方々のみが楽しめるような自己満足的ランキングにはあまり興味が起きない、ということでしょうか。ま、その辺の線引きは難しいですけどね。
 果たしてマニアを対象にしたランキングなのか、もっと広い読者層に向けたランキングなのか。そしてそれを意識した上での投票結果なのか。しかし多くのランキングや賞が乱立する昨今となってはこうした評価する際の意識というものが大切になってくるような気がします。

 もう一つ相対評価という点に関して言えば、シリーズ物に対する評価っていうのも今一つ曖昧な気がしますね。ランキングに入ったその一冊を単独で評価しているのか、シリーズ物全体として評価しているのか、そこは結構重要な問題だと思います。仮にシリーズ8作目の作品がランキング上位に入ったからといって、1作目から読むのは結構なハードルだと思いますしね。商売的には有効かもしれませんが。


*1: だからと言って電波系の人間を審査員に置くのは確かにどうかと思うけど

Dec.13,2001 (Thu)

初めてのデート

 昨日のドラマ『水曜日の情事』(CX)を見て思い出そうとしてみるが、なにせ一番最近のものまで溯ってもかなり昔の話になるので記憶はかなり曖昧。印象的だったこととかは憶えててもそれがホントに初めてのデートだったかと聞かれると心許ないよなー。
 ま、あのドラマのモックン(ていう歳でもないだろ)はそういうことまできっちり憶えてるマメな男だからこそモテるんでしょうが。
 アニバーサリー関係っていうのは大概女性の方がしっかりと憶えてるものだと世間様では言われている。そういう点では天海祐希の役柄は男っぽい性格だとうことなのだろう。
 これからはちゃんと憶えておこう、と思った(これからがあるのなら、の話)。

 それにしてもこのドラマの石田ひかりはホンマにコワイわー。

『このミス』と『本格ミステリ・ベスト10』

 本日立ち読みしてきました(←買えよ)。『本格〜』の方は知人の方々の名前が沢山でなんだかこっちまで嬉しいですな(なんでだよ)。読んでみての感想は思った通り自分が新刊を如何に読んでいないかということと、確かにミステリは好きだが「本格」の括りに拘るタイプでもないなあということ。勿論キライではないですけど。

 両者のランキングを見て「おや?」と思ったのは今年の横溝正史賞を受賞した『長い腕』川崎草志【→bk1へ】の評価が低いこと。両者ともにランキングに入ってませんでした。確かに色々と粗のある作品なんだけど、基盤になっているアイデアが私は凄く気にいったんだけどなあ。キャラ造型にはもっと気を配って欲しいけど。皆さんそんなにダメでしたか、うーん。

 何冊かに関しては「読んでみたいなあ」と思ったんですけど果たしてその暇があるか。もっと根本的な問題は買う金がないことだよな。だから文庫派なんだから。

燃え上がれん

 『機動戦士ガンダム 連邦VSジオンDX』を購入。二時間やったら指が痛い。しかし下手すぎるな私。このままではし○のんにボコボコにされる。アーケード対戦モードではまるっきり勝てない(最初のステージすらクリアできない)のでミッションモードで練習。しかし戦闘の最中に懐かしい台詞が流れたりするとそっちに気を取られてしまうのは私だけなんだろうか。個人的にはズゴックが好きなのだが陸戦ではドムのが使えるなあ。アッガイは使えなさすぎ。
 イカンイカンとは思いながらも暫くはやりこんでしまうことになりそうだ。

 ところで『メタルギアソリッド2』って面白いですか?。お店でデモ見てかなり気になったんだけど。

Dec.14,2001 (Fri)

映画の話題いくつか
蹴球微熱

 今後はサッカー関連の話題はこのタイトルで統一することにしました。で、最近のサッカー事情に関していくつか。

 横浜マリノスの中村俊輔がかなり強い意志で海外移籍を希望しているそうだ。マリノスも移籍辞退は了承しているが時期と金額の点で合意に達しないらしい。マリノス側はW杯後の移籍を希望しているのだが中村俊輔は今すぐにでも移籍したい、そういうことらしい。中村俊輔のいうことも理解は出来る。同僚である川口がイングランドに移ったことも影響しているのであろう。しかし、気になるのは降格争いにまで落ち込んだマリノスの状況について中村俊輔自体はどう思っているのだろうか。
 二年前浦和レッズが二部に降格した時、小野伸二も同じような状況に陥った。海外からのオファーと浦和レッズの状態、悩んだ末の結論が浦和レッズに残ってJ2を戦うことだった。
 当時の日記で私は小野伸二はレッズに残るべきだと主張した。確かに小野自身の将来を考えたら海外移籍というのは断るには勿体無さ過ぎる話だ。しかし小野は自分を育ててくれたチームと日本一のサポーター達を選んだ。このチームをJ1に返り咲かせることを使命にしたのだ。
 中村俊輔の焦りは良く分かる。チームが落ち目になるのと共に自分の日本代表でのポジションも無くなった。2002年のW杯に出場するためにはこのままではいけない、そう思う気持ちが彼の中で渦巻いているのだろう。そしてまたマリノスのサポーターの多くは中村俊輔の海外移籍を温かく見送るかもしれない。自分達の愛したプレイヤーの成長を望まないサポーターはいない。

 だが果たしてそれで良いのか?。日本という国はJリーグのチームよりも日本代表の方が遥かに人気があるという不思議な国だ。それはまだサッカー文化が根づいていないことに起因するものである。そしてそれゆえに自らの応援するチームよりも日本代表の選手達を偏愛するという構図を生み出している。今回の場合、マリノスの現在よりも中村俊輔の将来を取る、ということだ。もしかしたらサポーターの多くは中村俊輔の申し出に合意しないマリノスを悪役に祭り上げるかもしれない。しかし本当にそれが正しいことなのだろうか。無論のこと私も一人の選手としての中村の成長は望むところである。しかし日本という国のサッカーの将来を考えた時、それでいいのか、とも思うのである。チームと選手の関係はキレイごとではない。そこには商売、金勘定が存在する。手塩にかけて育ててきた選手、チームの核となってもらうために大事にしてきた選手がチームにとって一番必要な時に自らのワガママでチームを飛び出すことを許すのが出来ないのはむしろ当然だ。しかも中村獲得を表明しているどの海外のチームもマリノスが提示する移籍金では合意できないとしているのだから。

 中村俊輔には自分のことだけでなく、マリノスのこと、サポーターのこと、ひいてはJリーグのこと、日本サッカー界のことを考えて決断を出して欲しい。その決断についてはどうこういうまい。しかし、横浜に住むものとして日産時代から築き上げてきたマリノスの地位を貶め、その現状から逃げ出ししたとしたら私は納得しない。それがサッカーに熱狂するものとして当然だと私は思っているから。ルイス・フィーゴはバルセロナからレアル・マドリーに移籍した時、バルセロナ中から裏切り者と呼ばれた。しかし彼自身はそのことを覚悟して移籍したはずだ。そこで甘えはなかったはずだ。中村俊輔にはそこまで考えて行動して欲しい。その上で成長し日本代表として帰って来て活躍することを厭うものではない。

 今週の『Number -538-』の森島晃寛(セレッソ大阪)の記事を読んで上記のようなことを考えた次第である。


*1: 不思議の海のナディア

Dec.16,2001 (Sun)

一息

 この10日間(実質7日間)ひたすら書いていた台本の第一稿をひとまず書き上げる。これでやっとこさ一息つけると思ったが、劇団のメンバーに滅多切りにされたので、ほぼ全面改稿となる。まあ、元のアイデアが残っただけでもよしとせねば。もっとボロクソ言われるかと思ってたからホッとしたというのが素直な心境。

 これまでは「こんな話を考えたんだけど、どう?」という前振りを必ずしていて、それを面白いと思ってくれたものを台本として書いていたので、よっぽどボロボロなものを書かない限りは受け入れてもらえるという安心感があった。しかし、今回はまったく前知識を入れずに書き上げて読んでもらったので、ファミレスで横の三人が無言で読んでいる間中嫌な汗をかいていた。久々に締め付けられるような心地を味わったなあ。
 それにしてもこのメンバーからはホントに色々な触発をさせられる。ちょっと感心すらするね。そういう他者からいただいたアイデアをまとめてるのが私って感じ。いつもいつも皆のおかげで台本が書けています。

 しばらくはゆっくりしつつ改稿を始めようと思う。貰ったアイデアをまとめるだけでも大変だ。というのもあるがゲームがしたいというのが本音かも。

総合芸術

 「舞台とは総合芸術だ」なんて言われることがある。まあ、芸術っていうのはあんまり好きな言葉じゃないんだけど、総合的に楽しめるものでなくてはならない、というのはまさしくその通りだと思う。どれだけ役者の演技が上手かろうと、脚本が面白かろうと、舞台が豪華だろうと、トータルな意味で面白いとは限らない。観客が一度芝居小屋に足を踏み入れたら、そこから一時間半なり二時間なりの時間は全てにおいて製作者側は楽しんでもらえるよう努力すべきだ。出来るだけ、観客が「素」に戻るような要素というのは排除すべきだと私は思っている。

 なんてことを昨日観に行った公演で考えたのであった。というよりこの劇団の公演を観るたびに感じている。観客の立場に立ったらそれはないだろう、という部分が目立ってしまうのだ。作り手側の都合で行う演出っていうのは観客にそれがバレるし、そいう部分で熱が冷めてしまうのは当然。演技をどれだけ頑張っても基本的な部分でミスしてたら観客が乗り切れないのも当然。そういうところまで目が行き届いてないことが本当に残念だ。ま、だからこそこの劇団を辞めたのかもしれないが。しかし、もう何年もの間言い続けていることが少しも改善されていないのを見てしまうと虚しくなる。もう言うまい。

 ディズニーランドが楽しいのは、細部にわたってまで作り込まれている世界観だあるがゆえだ、と言っていたのは君自身ではなかったのか >Kよ。
 今の君の劇団はミッキーのパフォーマンスは素晴らしくても同じ時間、同じ場所にミッキーが存在する、というような基本的なミスをしているディズニーランドだよ。

Dec.17,2001 (Mon)

追っかけ?ストーカー?

 これってどうなのかなあ。要はス○ーカ○が出した写真集ってなんじゃないのか…。追っかけとストーカーの線引きって難しいよなあ。それにしてもこんな奥さんだけは貰いたくないというのが本音だ。追っかけ自体は否定しないけどどんなものにも限度というものがあると思う。

総合芸術・追記

 昨日は大分手厳しいことを書いてしまったが、これも期待するがゆえ。その辺のアマチュア劇団にはそこまで期待するだけ酷な部分があるのはわかってるしね。ただ、その道で上まで昇っていこうという気概があるならそういう部分での手抜きはして欲しくないし、致命的だと思う。そゆこと。

蹴球微熱

 ジュビロ磐田が鈴木監督を始めとした現在の体制を見直すと発表した。確かにJリーグ、ナビスコカップ、天皇杯、全て手中に収めることは出来ずに無冠に終わってしまった。昨年の鹿島アントラーズの三冠に比べると物寂しい結果になったことは否めない。だがしかし、Jリーグではダントツの勝率を上げてほぼ無敵の存在であることを知らしめたし、ナビスコカップも決勝で横浜マリノスに敗れたものの準優勝したわけだ。鈴木監督はその功績が認められ、Jリーグアワードでは最優秀監督に選ばれた。一つの栄冠も手にする事が出来なかったことに対するフロントの無念は分からないでもないが、これだけ安定した強さを誇っているチームを敢えて立て直す必要があるのだろうか。
 あまりにも贅沢な望みは時に己を滅ぼすこともある。今のジュビロに必要なのはチームを根底から立て直すことではなく、大勝負に強いハートを作る、それだけでいいのではないかと思うのだが。

Dec.18,2001 (Tue)

『JSA』[video]

 今年映画館で観れなかったことを一番後悔していた映画。やっとビデオでだが観ることが出来た。

 朝鮮半島を南北に分断する38度線上に存在する共同警備区域(JSA:Joint Security Aria)。ここで南側の兵士が北側の兵士を殺害するという事件が起こった。この事件の真相を調べるため(というより穏便にことを運ぶため)に中立国審査委員会から捜査員が派遣される。しかし、当事者の兵士達は皆、何かを隠し、全てを語ろうとしない。一体、JSAで何があったのか。

 いい映画でした。ホント。それに尽きます。事件の結論は見ているうちに予想がつくものですが、それがこの映画の見せ場ではありません。逆に、結末が分かっているからこそ、途中に描かれる南北の兵士達の行動がとても胸を打ちます。悲しい結末の前の一時の安らぎ、友情。これはホントに良かった。
 個人的にはラストはああでなくてもいいのではないか、という気持ちがしなくはないです。ちょっと悲劇にしすぎたか、しかし韓国の人達にとってはあれがまた訴えるものがあるんだろうと思います。私のような世の中の動きに鈍く無関心な人間でも38度線、徴兵といった問題について考えさせてしまうだけのメッセージ性(決して説教臭くはないです)がありました。
 これは特に男向けの映画だと思うのですが、女性の感想はどうなんでしょうね。男の理由なき友情というのは果たして女性に理解されるものなのでしょうか。この映画の後、韓国で「兄貴」と呼ぶことが流行ったというのもなるほど頷けます。日本でやったら勘違いされそうですけどね。

 私がこれまで観た韓国映画は概してヒロインは美しく、主人公の男性は決して美男子とは言えないパターンが多いのですが、それがまたいいですね。一見してカッコイイわけではない男達が、映画の中の役柄や想いによってカッコ良く見えるというのが理想的だと思います。ヒロインが美しいのは言うまでもありませんが、「美しい」ということだけが先行しないのも好ましいです。この映画のヒロインであるイ・ヨンエもメチャクチャ美しいですが、そういう意味合いで語られるエピソードとか、絡みはまったくありません。ほぼ唯一の女性キャスト(もう一人ちょっとだけ出番がありますが)というのも、意味深いです。男の友情という背景がある事件を女性が追及する、もしかしたら一人くらいは女性キャストが欲しい、という理由だったのかもしれませんが、このキャスティングは非常に大きな意味があると思いますね。

 イ・ヨンエの美しさは軍関係の人間という役どころで抑えた感じになっていたのですが、次回は是非彼女の美しさを満喫できるような映画を観たいですね。ビデオとか出てるのかなあ。

地域格差?

 というわけでTSUTAYAでビデオを借りたのだが、『JSA』は新作ということでなんと一泊二日で360円もするのだ。深夜番組の『虎の穴』で蛭子能収が同じTSUTAYAでビデオを借りているのだが信じられないくらい安い。これって地域格差?。皆さんの近所TSUTAYAはいくらですか?。なんか自分の住んでるところがますます田舎に思えてきたよ。

蹴球微熱

 イタリア、セリエAで中田英寿が所属するパルマは成績不振でダニエル・パサレラ監督を解雇すると発表。まあ、仕方のない結果でしょう。昨年4位だったチームが降格争いの位置にいて、5連敗中ときたらオーナーもそりゃご立腹です。私は中田信奉者ではありませんが、オーナー自らが欲しいと願って手に入れた中田をスタメンから外してこの成績じゃ言い訳できないよ。パサレラは確かに優秀な監督なんだけど選手の好き嫌いが激しいことでも有名。アルゼンチン代表監督時代はバティストゥータとも犬猿の仲でしたしね。今回もそれが災いしたということでしょう。さてさてパルマはどうなるのか。中田もこのままではワールドカップに向けて危険信号だぞ。

Dec.19,2001 (Wed)

2001年私的ベスト本

 今日は書くこともないし、年の瀬も迫ってきたということで。こういうことでもしないと読書系のサイトだということを忘れられてしまう。

 私にしては思いもかけず新刊が多い。ま、目新しさは全くないどこでもお目にかかるラインナップになってしまいました。まあ、昨年から今年にかけては諸事情で思うように読書も出来なかったのでこんな感じでご勘弁。
 順位は特にありませんが『模倣犯』がダントツのベストです。久し振りにこれだけのボリュームでこれだけ楽しめる作品を読んだ気がします。宮部みゆきファンとしては昨年あまり著作が刊行されなったので今年は非常に満腹でした。
 東野圭吾が二冊入ってますが、これはどちらも外せなかった。『片想い』は『秘密』に通じる東野圭吾の小説家としての腕が存分に発揮されている作品で、『悪意』は東野圭吾のミステリ作家としての手腕が存分に発揮されています。技巧の極致といっても良いのではないだろうか。この二冊は東野圭吾の作品でもベスト5に入る作品ですね。
 『ドミノ』はとにかく楽しめた。ここ最近日本映画界で流行っているスピーディーなごちゃ混ぜストーリーという感じ。映画化したいと思っている監督とかもいるんじゃないかな。ラスト(エンディング?)が正直蛇足というかスッキリしてないのが個人的には残念ですが、小説というより読み物として評価したい。
 『夜のフロスト』は、もう言うことなし。プロフェッショナルな仕事振りです >ウィングフィールド。とにかくこれからもフロスト警部の活躍(?)を楽しませていただきたい。フロスト警部シリーズを読んだことのない方はとにかく面白いですから読んでみて欲しいです。『クリスマスのフロスト』【→bk1へ】、『フロスト日和』【→bk1へ】と刊行されています。面白さは保証付きです。

 明日は今年の涅槃の読書録の総括でもしますか。

Dec.20,2001 (Thu)

2001年・涅槃の読書録総括

 冊数的には50冊読めたか読めないかという感じだった今年。入院中だったこともあり、見舞い代わりにハードカバーを文庫派の私にしては読んだ年だ。またネットの情報とかを得られなかったので、賞関連の帯付きの本が多かったかも。

 江戸川乱歩賞受賞作で『このミス』や本日発売の『2001年文春ミステリベスト10』でも評価が高かった『13階段』高野和明【→bk1へ】も読みましたが、正直そんなに面白かったという記憶はない。特にラストが後味悪かった。全然スッキリしない、というのが私の感想。あれじゃ殺人の輪廻から逃れられんよ。作品の肝になっている部分については「これって本当に可能なの?」という疑問はありつつも、「んー」という以上のモノは得られなかったなあ。それよりは先日も挙げた『長い腕』川崎草志【→bk1へ】の方が面白かったんですけど、両者を読んだ方のその差は一体なんだったのであろうか。

 あとはサントリーミステリ大賞(だったよな?)の『時の渚』笹本稜平【→bk1へ】ですが、文章自体は凄くよかったんです。さすがに長いこと文章で飯食ってた人の作品という感じ。しかし如何せんそこまで御都合主義というか全てが絡み合いすぎてもなあ、というのが率直な印象。まあ、この賞はドラマかが前提になっているのでその辺も考慮して、ということなんでしょう。確かに二時間ドラマとしては悪くない、そんな作品でした。

 昨日挙げた作品以外に印象に残ったのは『悪徳の都』スティーブン・ハンター【→bk1へ】と出版時期が昨年末だったので今年のランキング対象になっている『螺旋階段のアリス』加納朋子【→bk1へ】ですかね。前者は同著者のボブ・リー・スワガーシリーズの外伝ともいえる作品。ボブ・リーの親父であるアールが主人公の話です。ボブ・リーが狙撃の名手ならアールは接近戦の名手。この比較が上手いですね。ま、このシリーズはハズレがないので是非まとめてお読み下さい。
 後者は加納朋子ならではの日常ミステリ。相変わらず事件自体はたいしたことないんですが、心にジーンとくる秀作です。様々な夫婦の愛を色々な角度から見せてくれます。同著者の今年の作品『ささらさや』【→bk1へ】よりも二段くらいいいですね。来年には続編が出版される予定だそうです。講談社文庫から出版されている『「ABC」殺人事件』(アンソロジー)【→bk1へ】にもこのシリーズの一編が収録されています。

 と急ぎ足でしたが今年を総括してみました。まだ今年は何日かあるのですが、現在読んでいる『頭蓋骨のマントラ』エリオット・バティスン【→bk1へ】はなかなか面白いです。それとまだ買ってませんが最近出たばかりの『花の下にて春死なむ』北森鴻【→bk1へ】恩田陸『黒と茶の幻想』【→bk1へ】には結構期待しています。

 来年はもっと読めるといいなあ。来年の読書傾向をどうしようかちょっと考え中。なんかこのままではいけない気がする。


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