ごくたま昨日日記 in May, 2002

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May.11,2002 (Sat)

daylife

 高校時代からの後輩の結婚式、ではなく披露宴に出席。式はなんとなくパスしてみた。新郎新婦ともども芝居をやっていたということもあり、ステージをふんだんに使って余興が行われ、華やいだ披露宴でした。っていうか新婦がまだ二十歳(!)ということで若い女の子だらけ。「嬉しいでしょ?」と言われるが正直疲れます。ただ、式の余興には勿体無い(失礼)ダンスが見れたのはよかった。
 で、結局今日一番良かったのは自分のテーブルの式場担当の女の子が可愛かった、ということだな <そんなことかよ。

 披露宴が終わり、式に出席した他の後輩とお茶。彼女と会うのも4年ぶりくらいか。しかしお互い高校時代の人間との付き合いがなくなって来ているので話題も続かないね。芝居ばかりにかまけて不義理だな。

 ドラマ『ゴールデンボウル』。やっぱり黒木瞳は可愛いですよね。あの年齢で、キレイなんだけどカワイイっていう表現の方がピッタリ来る。どうでもいいことですが、黒木瞳松浦亜弥は似ている、と思う。っていうか、このドラマ最終回まで地上げ屋とのボウリング試合が続くの?。

 疲れと睡眠不足もあって、珍しく頭がボーッとしてます。で、結婚式のこととかもあってか、ブルーな気分に。本格的に落ち込んでるわけじゃないし、そんな暇もないんですが(台本間に合ってないし)、たまにはこういう気分になりたい時もあるのさ。
 届かない声。無性に声が聞きたい。

K-1 WORLD MAX 2002

 うーん、日本代表を決める予選の時のほうが30倍くらい興奮したなあ。まだまだミドル級ではK-1のやり方というのが浸透してないので、噛み合わない試合が多かった。ベストバウトは一回戦のクラウス(オランダ)とチャップマン(ニュージーランド)戦。パンチ対キックの凄まじい戦い。しかしこんなスゴイ試合をカットして放送してしまうTBSに死を魔裟斗は残念でしたが、3ラウンド制での戦い方を憶えればきっと優勝が狙えると思います。でも魔裟斗の涙にはビックリしたなあ。小比類巻は…出直してこい。準決勝のガオラン戦はもう最低の試合でした。近年見た中でのワーストバウトでしたね。やる気がないんならリングに上がるんじゃねえ。相手が気の毒だ。
 で、注目の決勝戦は世界最強の呼び声高かったムエタイ王者ガオランと若干21歳のクラウス。いやー、まさかクラウスが勝つとは。あれだけダメージ溜まっててあのラッシュが1ラウンドから出せるとは末恐ろしい21歳です。ガオランはフックの連打にあっけなくやられましたが、驚いたのは解説の畑山。「ガオランは顎が弱そうなんで、クラウス選手は期待できますよ」と、たったの2試合で見抜く眼力。そしてその解説の直後、ラッシュからダウン。世界チャンピオンはやっぱり凄い。お見それしました。

 あとは競技としてもっと広まり、認知されれば、噛み合う試合が増えるし、選手同士やりやすくなっていい試合が増えるでしょう。見てる方も選手達を知ることでもっと盛り上がるはずだし、石井館長には期待してます。

May.12,2002 (Sun)

daylife

 寝不足だが良い気分で稽古へ。スッキリ気分のおかげ(?)で、台本の遅れに関してはなんとか了承してもらえた。いや、頑張ってその分いいもの書くからさ <ホントか?。
 大枠のキャスティング決めたり、それにブーブー言われたり(やや誇張)、やっぱり立ち稽古すると気分が乗ってきたり。

 稽古終了後、残ったメンバーで不二家へ。なぜならEちゃんの誕生日(今日じゃないけど)を祝うため。本人は全然気づいておらず、食後、目の前に置かれたバースデーケーキに驚いている。記念写真(店のサービスだが恥ずかしい)を撮り、他のお客さんからも拍手なぞいただき暫し盛り上がる。Eちゃんは皆からのバースデーカードに結構感動していた。端から見たらいい歳して何してるんだ、と思われるかもしれないが、これも彼女の人徳あってのこと。私のような人間が主宰でありながら、劇団が旗揚げから7年経った今でも存続しているのはひとえに彼女の人徳によるところが大きい。っていうかそれが全てかもしれない。皆が彼女を慕い、この劇団と関わっている。その結果だ。
 と、たまには持ち上げてみる(笑)。いやホントいつもお世話になってます。そんなこんなで帰りも長話。歳を取っても変わらないことがあるのはいいことだ。変わらなきゃいけないところもあるけどね。

 声が届き、驚く。その声に力を貰う。ありがとう。こんな言葉では伝えきれないのだけれど。自分の声で伝えねば。

May.13,2002 (Mon)

daylife

 無理矢理に清貧生活を送って節制しているにもかかわらず、バカ高い医療費と忘れた頃にやってくる(By中橋さん)自動車税のおかげで顔面蒼白になる。おまけに今年は車検もある。やっとれんわ。
 この調子じゃ、給料が入っても淡路島行きは難しいかもしれないなあ…。ベッカムオーウェン、嗚呼。

 なんだか洟が出る。風邪か?。それよりもいい加減治らない左肩周辺の痛み。うーん、認めたくはないがもしかして軽い脱臼?。

 ストッパーを外すべきか否か。そもそも外すタイミングも外し方もわかっちゃいないんだけど。

涅槃の読書模様 『椿姫を見ませんか』森雅裕

 一部に熱狂的なファンを持つ、森雅裕の音楽シリーズで、音彦と尋深の二人を主人公とするシリーズの第一作。
 これまで読んだ『さよならは2Bの鉛筆』『ビタミンCブルース』は面白く読んだものの、会話部分に思わず唸ってしまった私だが、この作品はどうだろうか。

 私立の芸術大学「新芸」に通う、守泉音彦と鮎村尋深は高校時代からの腐れ縁。言葉を交わせば皮肉なやりとりばかりだが、周りからはいいコンビだと思われている。
 声楽科で近く上演される「椿姫」の練習中、尋深とダブルキャストで椿姫を演じることになっていた若尾謡子が毒物を飲んで死んだ。その前日、謡子から電話で「相談したことがある」と求められたが、突っぱねてしまった音彦は責任を感じ、事件を追いはじめた。
 事件の背後には印象派の大家マネによる「椿姫」、マレー・デュプレシの贋作が関わっていることが判明。しかし、事件の鍵を握る美術教授は音彦と尋深の目の前でまたも毒物によって殺されてしまう。
 事件の真相が見えぬまま「椿姫」の上演日が近づき、やがて初日を迎える。そして、第四幕の途中、第二の椿姫、真由美までが殺された。尋深の身を案じた音彦は彼女を守るために真相に辿り着くことが出来るのか。

 これまで読んだ森雅裕の作品ではアメリカ製ハードボイルドですら甘ったるく思えるような苦く、洒落た会話が鼻につきすぎ、人物造型やストーリーが面白いにも関わらず、どこか楽しめない部分が自分には多かった。それは時にB級の匂いすら感じさせた程である。
 だが、本作では斜に構えた主人公と、蓮っ葉なヒロインに代表されるそれらの会話が決して鼻につきすぎることなく、味わいになっている。その理由の一つには「芸術」というある種特殊な世界の住人達を描いていることで、そうした日常的でない会話に違和感を持たずに済むこと。そして二つ目にそれぞれのキャラクターに「素直になれない」だけのバックボーンがあるからだろう。もちろん、作者自身の熟達もあるのかもしれないが。でもね、絵都夫少年のセリフはやっぱりちょっとやりすぎだと思います。こんな小学生いねえって。
 主人公二人の会話やセリフに関しては、「こんな会話が出来る相手がいたらいいな」と思う反面、「こんな相手とは付き合いたくないな」という相反する気持ちになる。とはいえ、自分自身にこうした会話の能力がないのは言うまでもないことだが。

 ミステリとしての味付けは薄いが、そんなことに関係なく、登場人物、ストーリー、そして会話の全てが楽しめる作品である。特に主人公二人の関係性は絶妙で、もどかしくも思わず感情移入しながら読んでしまう。
 多くの読者が森雅裕を好きな作家に挙げるのも、今回十二分に理解できた。納得、オススメの一冊です。古本で300円は決して高くない出費でした。続編である『あした、カルメン通りで』『蝶々夫人と赤い靴』も意地でもゲットしなければ。

 最後に、ヒロイン・尋深のセリフを。

 「恋愛を維持していくには、お金が必要よ。そんなこともわからない男に女を愛する資格はないわ」

 アイタタタタ…。

May.14,2002 (Tue)

daylife

 私にしてはぬぼーっと過ごした一日。仕事もリーダーが不在なのでヒマ持て余す。居なくても出来るんだけど、急ぐこともないし。

 てなわけで、仕事中はもっぱらWeb巡回(おい)。関心空間でメガネ特集をしていたのでフラフラと見て回る。サイトのタイトルロゴにサングラスをあしらっていることからもお分かりのように、私は普段からメガネがないと何も見えないし、メガネが好き。オシャレとは縁がない私だが、せめてメガネくらいはこだわりたいと思っている。
 んで、目に付いたお店は、Zofffxgかな。999.9PokerFaceも気になったのだが、現在の経済状況では手が出ない。999.9には一度行ってみたことがあるのだが、確かにセンスもよく店員の対応もよかったんだけどね。高いのよ(笑)。
 まあ安いとはいってもレンズまで含めば結構なお値段のするもので、今の私にはとてもじゃないがそんな余裕はないのだけれども、月末に下北沢に芝居を見に行く予定もあるのでついでに寄って来ようと思っている。個人的には出来れば普段用のメガネ2着、サングラス2、3着が常備できるようになりたい。今はそんな金とてもじゃないけどありませんけどね。

 関心空間はなんだか面白そうだとは思ってるんだけど、こういうのってアクティブな人でないと登録して紹介するような内容がなかなかないよね。っていうか根本的に何事にもオシャレでない自分では他人の興味をひくような関心空間を作れそうにないので、見るだけにとどめておく。っていうか、重いよね、サーバ。

 やっぱり頭は一度冷やしてみて良かったかも。なんて、後になってみないとわからないけど。
 今晩は睡眠不足を覚悟で日本代表VSノルウェー代表を見るつもり。

涅槃の読書模様

 珍しく6時前に退社できたので神保町をブラブラと。目的はやはり森雅裕。しかしながらそうそう都合よく見つかるもんじゃありません。結局一冊もみつかりませんでした。ま、これからも探す楽しみが増えたということでよしとしよう。
 『明治断頭台』山田風太郎を見つけたのだが、300円でかなり汚れが目立っていたので迷った末、購入回避。初版だったけど、それよりももう少しキレイなのが欲しい。

 古書街を歩いていると一時間なんてあっという間に過ぎてしまう。結局残業したのとかわりない時間。なにも買わないで帰るのは癪なので、無け無しのお金で『11文字の殺人』東野圭吾【→bk1へ】を購入。できれば今年中に東野圭吾を読破したいものだ。で、帰りの電車で読みはじめてみたがやっぱりサクサク読める。相性いいなあ。

May.15,2002 (Wed)

daylife

 ネタがない時はこういうもので誤魔化すに限る。
 というわけで、INOさんのところで知った好きナ人診断プログラムとかやってみる。
 がーん。INOさんと同様、4人の女性全ての欄に以下の文字が。

     ふつうの会話が、うまくかみあいません

 人を笑わば穴二つ。が、ポジティブシンキングすれば、

     ふつうじゃない会話は、うまくかみあいます

 ってことだ。日頃からふつうじゃない会話を心がけるとしよう <おい。

 で、も一つ。えびすさん日記で知った、CinemaScape -映画批評空間-もやってみたかったんだけど思ったより時間がかかりそうなので、また今度。

国際Aマッチ 日本代表VSノルウェー代表[football]

 まず断っておくとノルウェー代表は強い。前回のフランス大会ではリーグ戦でブラジル代表を破っているほどだ。もちろん、当時とメンバーは入れ替わっているが、基本となる戦術は変わらず、むしろ熟成されている感がある。今回のワールドカップの出場権を獲れていないとはいえ、欧州の強豪であることには間違いないのだ。

 だがしかし、それを踏まえても今日の試合は悲惨な内容だった。結果的に0-3というスコアだが、前半だけでこのスコアでも仕方がないと思うほどだった。今日の試合を一言で表すならば何も出来なかった、というしかないだろう。攻撃は殆ど形が作れず、守備は相手に崩されっぱなしだった。解説の風間八宏は「本大会ではこういった時間帯(相手がガチガチに守る)がきっときます。今日はいいシミュレーションになる」と言っていましたが、個人的にはリーグ戦で当たる相手国に致命的な情報を与えてしまった、そう思います。引いて守れば、早目早目に前線にボールを送れば日本は敵ではない、そう思われたことでしょう。ある意味で絶望を見せられた試合でした。
 個人レベルでも見るべきところはあまりなかったと思います。ヒデは殆ど何も出来なかったし、小野が目立ってはいましたがFWとの連携という意味ではやはり何も出来ていなかった。久保は私が監督だったら代表メンバーには選びませんね。稲本はプレミアで試合に出ていなかったとはいえ、アーセナルでレベルアップしたことを見せてくれた、日本にとっての希望は彼くらいだったのではないでしょうか。とはいえ、ミスも多く、本来の守備力は発揮できていませんでしたが。上手くなったなあ、と個人的には彼の将来が楽しみです。
 DF陣は、ハッキリ言って森岡が戻って来てくれることを祈るしかありません。宮本も頑張ってはいますが、高さとフィジカルで勝負してくる相手には手も足も出ないことを露呈してしまった。中沢が高さでの勝負には充分対抗できる、ということは分かりましたが、やはり右は松田のが上だな。
 別に選手を責めているわけではありません。トゥルシエの戦術が間違っている、というわけでもありませんが、ああして4バックでしっかり守る相手にはやはり森島のような二列目から飛び込んでくる選手を起用するべきだったのではないでしょうか。日本が唯一(二回くらい?)チャンスを作った場面にしても、稲本が前線に飛び込んだり、バックラインから中田浩二が飛び出してきたりしたことで生まれたものです。FWにことごとくボールが入らないあの状態では、いかにDFにマークされてない選手がチャンスを作るか、それが勝敗の分かれ目だった様な気がします。

 最後に、ノルウェー代表のチェックの速さ、厳しさに落ち着きを無くし、ミスを連発したことに対して選手はどう思っているのか、それが心配です。本来ならばこれが国際試合の厳しさなのです。しかし、予選を戦わなかったことによって日本はこういう厳しさを味わわずに来てしまった。そのツケがここに来て見えてしまった、そんな気がします。その意味ではノルウェー代表には感謝せねばなりません。しかしあと15日で、この問題を解決できるのかといえば、正直心許ない。真剣勝負をせずにここまで来てしまったことに対しては誰に責任があるわけでもないですが、個人的にはかなりお先真っ暗な日本代表を予言するような試合だったと思わざるを得ませんでした。

May.17,2002 (Fri)

daylife

 あ、えびすさんからリンク返しが(笑)。これまでやりとりしたことのない方のページにリンクするのはドキドキします(*1)が、実はえびすさんのサイトのファンなので思い切ってしてみました。掲示板に書き込む勇気がなかったから、とも言える。
 うーん、だけど映画批評空間 -Cinema Scape-で遊んでいる暇がない。自分にどんな映画をオススメしてくれるのか興味津々なのだが。

 書評系のサイトを色々巡っていると、「あ、この人とは読む本の趣味が合いそうだな」ってことが段々わかるようになってくる。特にその人が何をオススメしているか、というのが重要だったりする。オススメが自分と重なり合う人は、かなりの割合で面白いと感じる本が重なったりするものだ。そういうサイトで「これが面白かった」と謳われている本はどうしても気になるし、余裕(いろんな意味で)があれば、買って読んでみたりする。こうした経験は多くの人がしているもだと思う。かくいう私も当然その一人だし、私のサイトでそう思ってくれる人がいたらそれはそれで幸いなことである。
 だが私はこれまで、マンガについてはあまり上記のような行動をとっていなかった。というのはただでさえ読むマンガが多かったりして、それだけで手一杯金一杯。おまけにWeb上で見かけるマンガ系のサイトは正直マイナー系を扱ったところが多く、それはそれで否定はしないが、やはり読む人を選ぶ作品を紹介していることが多い(*2)。そうでない場合は同人系が多いか。まあ、一般的に売れてるマンガをどうこう述べても仕方ないっていうのもあるのかもしれませんが、やはり基準はそこでしか私の場合は計れないのだった。ピンポイントだけでは判断しかねる、とでも言い換えればよいだろうか。
 ということだったのに、ふとしたことで自分と好みが通じるマンガ系サイトを発見してしまったのである。お勧めが似ていることは言うまでもなく、互いが読んだマンガに関する感想も似ている。そして、このサイトの管理者の方は私なんかよりも遥かにマンガを読んでいる。そして当然多くのマンガがオススメされているわけだ。おかげで読みたいマンガが一気に増えてしまった。そしてどうやらその欲望には耐えられそうにない。これは幸福なのか、それとも不幸なのか。少なくとも明日からの私の昼食が抜きになることだけは確定事項になった。
 というわけでフラフラと神保町を彷徨い、マンガを買ってしまいましたさ(T_T)。

 日本代表メンバーが発表。詳しくは明日、の予定。

 親しさと馴れ馴れしさの境界線は判別しにくい。私は通り過ぎてしまってはいないだろうか。

涅槃の読書模様

 というわけで買っちまいました。以下、購入物。

 ・『白夜行』東野圭吾【→bk1へ】
  分厚い!。しかも文庫なのに千円!。だったらハードカバー買っときゃよかった。しかし、読むのが楽しみです。

 ・『ブラック・エンジェル』松尾由美【→bk1へ】
  書店で見て気にはなっていたのだが貧乏なせいもあって躊躇していた。だがしかし中橋さんの日記を読んで購入を決意。中橋さんがそこまで言うなら「買い」でしょう。今、読み中ですが、確かに面白いです。これがどういう結末を迎えるのか楽しみ。

 で、マンガ。以下の四冊は定期購読物。

 ・『はじめの一歩 -61-』森川ジョージ【→bk1へ】
  もう61巻ですか、早いもんだ。っていうかいつまで続くんだ。この巻は鷹村がニ階級制覇するかの決着です。やっぱりスゲエよ。

 ・『モンキーターン -20-』河合克俊【→bk1へ】
  いよいよ憲二が怪我から本格的に復帰。洞口も絶好調。この二人の対戦は次巻のオーシャンカップで見られそう。そういや直接対決も久しぶりだな。この巻ではまた新たに魅力的なキャラが登場しています。澄も可愛くなってきたぞ。

 ・『ホイッスル -21-』樋口大輔【→bk1へ】
  知らぬ間にアニメ化していたようだ。こんなに地味なマンガをアニメ化してどうするんだという気もしますがワールドカップもあることだし仕方がないのかもしれません。しかし正直キャラが増えすぎ。個人的には代表云々よりも早いところ中学戻ってサッカーしてもらいたいところです。ていうかシゲの出番少なすぎ。

 ・『勇午 -18-』真刈信二/赤名修【→bk1へ】
  えー、正直17巻読んだかどうか記憶が曖昧です。単行本が出るまでに時間がかかりすぎなのでいつもそうなるんだよなあ。今回もまた勇午は危機に瀕していますが珍しく拷問はありません(笑)。相変わらずアップ多用なコマ割りはそろそろ考えて欲しい。

 で、以下の二冊がWebで面白そうだと思って買ったもの。

 ・『G戦場ヘヴンズドア -1-』日本橋ヨヲコ【→bk1へ】
  これは傑作です!。久々に十数ページ読んだだけで震えの来るマンガに出会いました。とにかく読んでみて欲しい。特にマンガ好きを自称する人なら絶対読むべし。それだけ。

 ・『LAMPO -1-』上山徹郎
  4巻まで刊行していたがお金がないので買えず、冒険も怖いので1巻だけ買って読んでみた。これも当たりですね。近未来が舞台だと思うんですが、やたらと説明しないのがいい。というわけで設定に関してはまだまだわからないことが山積みなのですが、それでも期待感は充分です。お金が入ったら早速続きを買うつもり。

 ここらでやめておかないとホントに生活がやばくなるなあ。でもまだまだ読んでみたいと思ったマンガはあるんだよなあ…。

『11文字の殺人』東野圭吾【→bk1へ】

 光文社文庫では『美しき凶器』【→bk1へ】に続いて二冊目に読んだ作品。巻末の解説が宮部みゆきということで買ってみたがこれはどうか。

 「誰かに狙われている」恋人の川津がそう話した翌日殺された。恋人を殺されたあたしは友人の編集者・冬子と共に真相を追いかける。事件の裏には一年前に起こった海難事故が関わっているらしい。しかし、関係者は堅く口を閉ざし、あたしには「事件を追うな」という警告が。果たして一年前の事故で何があったのか?。

 正直盛り上がりに欠ける作品でした。タイトルの「11文字」も効果としてあまりなかったです。人間の善悪の根源に動機や事件の真相を求める東野圭吾らしいといえばらしい作品なのですが、いかんせんドラマとして退屈。主人公が推理小説家だったり、目の見えない少女が出てきたりするのですが、その使い方も標準的で、「らしさ」がない。勿論、及第点は取っているんですが、今となってはこのレベルの作品で満足できないのが東野圭吾ファンの偽らざる気持ちです。ギミック自体には色々な面白みがあるように思うのですが、活かしきれてないのはこの当時、忙しくて体力が落ちていたのではないかと思わずいぶかしんでしまいます。ファン以外は手を伸ばす必要ないかも。


*1: リンクに対する感覚も人それぞれだし
*2: これは偏見が入ってることを認めた上での言及

May.18,2002 (Sat)

daylife

 昼過ぎまで寝っぱなし。サラリーマン(バイトだろ)は疲れるねえ。起きてからも何もする気になれず、サッカー関連の話題を追っかけたり。

 気持ちがハッキリしないと、動くに動けないなあ。台本も思うように進まず。自分がどうしたいのか、何をしたいのか。わかれば苦労はしないのだが。ま、わかったから動けるということでもないのだけれど。

 ウダウダ書くのはそろそろ止めにしよう。何の言い訳にもならん。

蹴球微熱

 2002年ワールドカップの日本代表23名が発表された。リストを見て最初に感じたことは「トゥルシエは理性を保ったな」ということ。個人的には全く妥当だと思われるメンバーであり、無論、予想とは異なる部分もあったが不満はない。
 特に秋田のメンバー入りについては、ノルウェー戦を観戦後、「高さ、フィジカルで外国勢に勝てる選手が欲しい」と思っていただけに英断だと思われる。トゥルシエ自身も「秋田は日本でナンバーワンのストッパー」と何度も言っていたし、戦術的な面での問題はこの際置いておくことにして(2週間の合宿期間もあるし)、経験値という点からも彼を抜擢したことに異論を挟む余地はないだろう。
 ゴン中山に関しては、高原の離脱が大きいと思う。ましてや西澤も病み上がり、柳沢も右手に怪我というFW緊急事態である。こんな時に頼れる人間は一人しかいない。久保に関してはノルウェー戦での感想にも書いた通り、代表で何も出来なかったし致し方ない。山下も同様。となればFWのメンツ4人に関してはこれが当然の結果だ。

 マスコミや一部の人間にとっては中村俊輔が選ばれなかったことに対し、色々な意見もあるようだが、私自身は納得している。というのもここ2年ほどの彼の言動はあまりに一人よがりなものであり、そしてその言葉を裏付けるだけの活躍を彼がしていなかったという理由による。なによりも日本代表の武器を戦術、チームのまとまりに拠り所にしていたトゥルシエにしてみれば、彼を選ぶことは躊躇して当然。さらに左サイドでの活躍という点からしても小野と三都主から一歩も二歩も遅れていたと言わざるを得ない。確かにフリーキックは魅力的だが、そのためだけに貴重な23人枠を使うことはない。日本にはナカタも小野も三都主も小笠原もいるのだ。

 残念だったと感じる部分があるとすれば名波である。しかしこれはトゥルシエの責任ではないし、彼自身も本来ならば選びたかったところだろう。しかしいかんせん右膝の怪我から完全に復調したといえるわけでもなく、特にこの2年の間代表から離れていたブランクは大きい。出来ることなら4年後に、という思いもあるが、年齢的には厳しいか。

 このリストの結果から私が思うことは、日本は1トップ戦術で行くべきなのではないか、ということである。そして1,5列目に森島、その後ろにナカタ、というのが一番いいような気がしてならない。FWのメンツ的にも怪我人と病み上がりが二人いるわけで、守り重視ならば鈴木が先発、攻撃重視なら柳沢、という方向でいってみたらいいのでは。

 なんてことはダラダラと書き連ねてみたが、ワールドカップも直前に迫った。一人のサッカー好きとしてより多くの人にこの大会を楽しんで貰えるよう、何らかの形で行動していきたいと思う。
 てなわけで、来週当たりからワールドカップ関連の話題を書いていくつもり。なんて、ただ単に自分が黙っちゃいられないからってだけなんですけどね。

May.19,2002 (Sun)

daylife

 清貧生活を送っていると日記に書くネタも乏しくなるらしい。代わりに長いというより、伸びてしまったラーメンのように冗長なレビューでも置いておくとする。通信料を気にしない広い心の持ち主だけ読んでくれればいい。

『白夜行』東野圭吾【→bk1へ】

 '99年に刊行され、一躍話題になり、その年の直木賞候補にも挙がった文庫にして850ページ強の意欲作。待望の文庫化だったがはてさてどうか。

 1973年の大阪。廃ビルで一人の男が殺された。容疑者と目された女性は事故とも自殺ともつかぬ状態で死亡。やがて事件は迷宮入りとなる。
 この事件を発端に、被害者の息子、桐原亮司と容疑者の娘、唐沢雪穂の人生は大きく動き始める。そして20年の月日が流れ…。

 先ずはじめに断っておくと、本作を未読の方はなるべく以下の書評部分を読まれないほうが良いと思います。ネタバレというわけじゃありませんが(ちょっとあるけど)、本作は先入観なしに読んだ方がいろんな感想をもてると思うし、楽しめると思います。

 刊行当時、「後味が悪い」とか「暗い」「重い」といった感想が多かったように見受けられる。また、同時期に「根源的な悪」をテーマにした作品が多く刊行されたこともあり、その辺りでの論評も多かった記憶がある。特に天童新太『永遠の仔』とは比較されることが多いが、小説としての面白みは遥かにこちらの方が大きかった。「重さ」では間違いなくあちらの方が上だと思うが。
 しかし、私がこの作品を読んでいる最中に感じていたのは、「これは時事回顧小説?」というものだった。1973年から始まる足掛け19年の物語だが、そのエピソードの全て、そして端々に時事ネタが盛り込まれている(多少無理やり感があるものまで含めて)。大袈裟に言えば、桐原亮司と唐沢雪穂の物語は、あくまでもこれらの時事ネタを振り返るためのサイドストーリーなのではないか、というまるっきり逆の発想すら出来てしまうほど作者は徹底して昭和の終わりと平成の始めを振り返っている。それは単純にひとつの物語の厚みを増すためのものだけとはいい難い。この小説が連載で書かれ、著者本人も「連作短編のようになってしまった」と述べていることからも、過去を振り返る、という土台が先にあり、13章で19年を描くために二人の物語を作り上げたのではないかと思わせるほどだ。

 閑話休題。そんな読者の勝手な想像はひとまずおいておくとして、本編の感想だが、あらすじからもわかるようにこの作品は、二人の男女を描いた、しかしあくまでも二人の心情描写は一切なく、周りの人間の視点から描いた作品である。それを踏まえた上でも、この物語を「根源的な悪」とか「負」の話という一面で捉えることは出来ない。また亮司と雪穂の関係を「光と影」と考える向きもあるようだが、これにも私は賛成できない。これはあくまでも二つの話であり、その二つは全く別の要素やテーマを描いていると思う(勿論重なりあう部分もある)。
 そういう意味において、私は亮司の部分(それも前半)をピカレスク小説、ある種の成り上がりヒーロー群像を描いた作品として読んでいたし、またこの作品で一番楽しめたのもここである。特に「友彦」の視点から語られた亮司の物語は重いどころか軽やかさすら感じられた。パソコン黎明期やキャッシュカード黎明期の技術の先取りを利用した悪漢ぶりは、真保裕一『奪取』を思い出させるほどに痛快である。
 対して唐沢雪穂の物語は、ある種のホラーである。謎の美女の裏に隠された真実。それは決して明確に語られることがないだけに不気味で、背筋が冷たくなる。ただ、こちらは正直単調で、パターン化された感が否めなかった。単にホラーとして描くだけなら人間像を掘り下げる必要はなかったのだが、小説の性質上そうもいかず、かといってこの物語の見せ所は解説で馳星周が指摘している通り、「他社の視点からのみ語られる」点であるため、肝心な部分で雪穂の内面を覗き込むことが出来ない、というジレンマかもしれない。
 さらには後半になるにつれ、そうした二人のエピソードはなりを潜め、二人を怪しいとにらみ始める人間たちのエピソードが主となっていく。これが最も残念だった。あえて、二人の心の奥底に踏み入れることをしないのにもかかわらず、周りの人間に彼らを語らせる必要が果たしてあったのだろうか。そして、事件を集約される必要があったのだろうか。個人的には徹頭徹尾、二人が破滅的でありながらも白夜の光の中を突き進んでいく、まだ見ぬ夜明けに向かって進んでいく姿を読みたかったというのが本音であり、結果的に「悪」が追い詰められていく展開は決して目新しくも刺激的でもなかった。
 また、「悪」の起源にトラウマという理解しやすいが安易な論拠を持ち出してしまったのも、東野圭吾ファンとしては残念でならない。そんなものなくてもいいじゃないか。トラウマなんてなくても「悪」に走るからこそ「根源的な悪」なのだと思うのだが。って、この作品が「根源的な悪」を描いたものではないと否定したのは他ならぬ自分自身なのだが。

 前述したように、この物語はあくまでも亮司と雪穂という二人の別々の物語として捉える方が個人的にはしっくり来る。そうした点から見るに、雪穂の物語は社会や世間という一度は自分を見向きもしなかった者たちに対する復讐譚であり、亮司の物語は一人の女性に全てを捧げ、そして身を破滅させていった(だが幸せだったに違いない)男の物語である。その二つが一つの世界で語られ、また二つの交わっているかのようで決して重ならない部分が余計に哀しい。
 余談ではあるが、亮司のそこはかならぬ想いを、友彦と弘恵の二人に祝福として少年と少女が手を繋いだ切り絵を贈る姿や、射精が出来ないエピソードとして描く巧さはやはり東野圭吾ならではと唸らされた。

 私個人はこの物語を「悪」の物語としてはぜんぜん読めず(特に亮司に対しては同情的に読んでしまった)、これもまた東野圭吾の描く一つの愛の物語だと感じた。それは、確かに二人の行った行為は社会の常識から考えればおぞましいものに違いないが、誰しもが(少なくとも私は)心の中で思い描き、実際にやっていることの延長線上にあるものだと感じたからである。亮司と雪穂の二人は、その極北にある姿なのではないだろうか(それこそが悪なのだ、と言われてしまえばそれまでだが)。
 小説技巧的な話からすれば、他社からの視点のみで語られ、浮き彫りにするという点で『火車』宮部みゆきと同様な趣向と感ずる向きも多いかと思う。確かにそうだとは思うんだが、そこから描き出そうとする人間像はかなり違うと思う。それから馳星周に抗うわけではないけど、私はノワールだとは思いませんでした。あと、ミステリとも思いませんでした。基本的にジャンル考えずに読んでるからからかもしれない。ま、人それぞれだと思うけど。

 色々と書いてはみたが、つまるところ、捩れに捩れた二人の男女の愛の物語、として私は読み、その見方から読んだ限りでは傑作には及ばないものの、充分に読み応えがある作品だったといえる。少なくとも「小説」という枠組みの中で、ここまで様々な要素を取り入れ、また挑戦している作品はそうない。そうした意味でも読むに値する小説であると思う。
 しかし、ここにあるのは決して「シリアルキラー」的な犯罪小説ではないし、その点では『模倣犯』宮部みゆきの方に分があると思う。その犯罪の「裏」いや「奥」にある、二人の魂にどうにかして触れてみたい、心の奥底にある深淵な穴を覗き込んでみたい、そういう思いを起こさせる作品である。それだけにラストの結論付けは…必要なかったと思うんだけどなあ。
 ああ、なんて多くを書き連ねてしまったのだろう。しかし、読み返してみればどうでもいいことばかりで無駄でした。とにかく小説として面白かったし、凄かったからいいじゃん、そゆこと <おい。

 最後に、なによりも『白夜行』というタイトルの素晴らしさに感嘆せずにはいられない私でありました。これだけでこの小説は勝ちだよ。


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