ごくたま昨日日記 in May, 2002 [c]

■daylife

　来週の『学校に行こう！』では新たに「どこにいるんですかゲーム」という企画が始まるらしい。これは必見だろう（またやるつもりなのか）。

▼『ブラック・エンジェル』松尾由美【→bk1へ】

　『バルーンタウンの殺人』でハヤカワSF新人賞（殺人なのにSF?）を受賞してデビューした松尾由美の初期の作品。もともとの版元は光風社というところだったらしいが、絶版。この度、創元推理文庫として復刊した。

　キャンパスではなぜか「おかまのコーちゃん」で通っている俺、孝二とキャンパスのマドンナ、岡埜瑛子が中心となって思いつきで作った「マイナーロック研究会」。ある日、俺の愛する「テリブル・スタンダード」の幻のデビューアルバムを手に入れた俺達は、早速メンバー5人で聴くことにした。アルバムの最後の曲、インストゥルメンタル『ブラック・エンジェル』を聴いていた時にまるで黒い天使のような”そいつ”は現れた。”そいつ”はどこからともなく現れたかと思うと岡埜に近づき、彼女が手にしていたナイフを彼女の心臓に突き刺した。そしてそのまま”そいつ”は消えちまった。いったい、あの黒い天使は何者で、どうして岡埜を殺したんだ？。そもそも本当に存在したのか？。俺達は警察に本当のことを言えぬまま、あの黒い天使について調べてみることにした。

　帯に、「ファンタジーでミステリな青春小説」とあるがまさにその通り。とはいっても「黒い天使による殺人」が現実的なロジックで結論づけられるわけではない。タイプとしてはミッシングリンクさがしと言えるだろう。しかし、この作品の面白味の基本は「青春小説」部分にあり、ミッシングリンクもそれとは無縁な解答ではない。堅苦しい言葉で言えば「アイデンティティ探し」と言い換えることも出来る。しかし、そういう理屈は抜きにして楽しんでもらいたい作品である。自由で気侭なキャンパスライフを送りながらもどこか心に虚しさを抱えた登場人物、次から次へと出てくる「マイナーロック」に関する薀蓄、そういった世界を楽しむための小説であり、その点では十分な満足が得られると思う（洋楽に詳しいと尚更楽しめること請け合い）。

　ただし、ミッシングリンクの論拠となる点については納得できかねる部分もある。ロジック的に、ということではない。意識の問題だ。私は決して【アメリカに対する憧れだけで洋楽を聴いてはいないし。また偽りの自分が投影されているとも思わない】からである。ま、たいした問題ではないかもしれないが。
　こうしたことを考えてしまうのも私が歳を取ってしまったからかもしれない。解説で大矢博子がいうように若者であれば爽快なものとして感じられるのかもなあ。それも感性。

May.22,2002 (Wed)

■daylife

　ダメだ。今の煮詰まった頭の自分では面白いものをなにひとつ書けそうにない。てなこと言っても〆切はやってくるし、役者達は理解してくれるわけないんだよなあ。でも、ダメなもんはダメなの。

　財布の残金151円だったところにとりあえず分の交通費（泣きついて出してもらった）が支給された。ああ、生きていける（あくまでも当面）。
　で、馬鹿を極めたものとしては、あるうちに使っとけとばかりにマンガと本を購入。ホンマに馬鹿や。でも、給料日まで持ってくれれば生きていける、ハズ。
　が、しかしPHSの電話料金と回数券買ったら、嗚呼…。

　あー、なんかメチャメチャデカイ声で叫びてえー。

●2002年ワールドカップ　この試合を観ろ！いや、観てみようよ

　つーわけで、こんなもんを作ってみました。2002年ワールドカップの試合日程及び、テレビ放映表です。地上波での放映一覧。と、各試合の注目度。さらにリンクがあるものについては各試合の見所や注目選手まで書いてあります。多分に自己満足なものですが、何かのお役に立てれば幸いです。試合前にご一読していただければ、その日の試合が一層面白くなること請け合いです（ホントか？）。
　まだ、全試合分書けてはいませんが、とりあえず開幕までには第一試合分の全てを書く予定。第二試合以降は第一試合の結果を見て、予選リーグ突破の動向などを含めて見所を。第三試合も第二試合が終わり次第書く予定にしてます。恐ろしく暇人な産物。

　折角だからワールドカップでも見てみるか、という人が一人でも多く増えてくれると嬉しいです。この際だから、なんか質問とか疑問とかも私で分かる範囲でよければ答えちゃいます。別に真面目なサッカーの話題でなくても結構。「今大会で一押しのルックスの選手は？」なんてやつでも構いませんし、「私は××が優勝候補だと思ってますが、あなたの予想はどこ？」とか「昨日の試合の判定は納得イカンぞ！ゴルア！」なんでもいいです。要するにワールドカップ期間中は出来るだけサッカーの話がしたいってことです。っていうか少なくとも私の頭の中はそれで埋め尽くされてるってことです。よろしくご理解のほどを。
　というわけで質問・疑問・珍問・奇問はこちらか掲示板まで。

■涅槃の読書模様

　『あした、カルメン通りで』森雅裕読了。レビューは後日。

　で、購入物。

『スコッチゲーム』西澤保彦
『バシズム日本橋ヨヲコ短編集』日本橋ヨヲコ
『雪の峠／剣の舞』岩明均

May.25,2002 (Sat)

■daylife

　グチャグチャに煮詰まった脳味噌を無理矢理整理して台本を書く。結果大幅な改稿は断念。やはり一度しっかりと書いてしまった台本を構成から書き直すのは無理があった。とりあえず細部の修正と、変更点を踏まえて書く書く書く。なんとかワールドカップ前には終わらせねば。

　昨日は下北沢本多劇場で大人計画の『春子ブックセンター』を鑑賞。感想はまた後日。ただ、笑いについて深く考えさせられたとだけ書いておこう。

　やや不安定。考えれば考えるほどダメになる気がするのは昔から。

■涅槃の読書模様

　『バーニーよ銃を取れ』トニー・ケンリック読了。レビューは後日。

　下北沢の古本屋で以下を購入。

『マイナスゼロ』広瀬正
『ワン・ゼロ -1～4-』佐藤史生

May.28,2002 (Tue)

■daylife

　台本の方針が一息ついたのでやっと他のことも考えられるようになった。それが余計にヤバイのかも。

『学校へ行こう』の「どこにいるんですか？ゲーム」は正直イマイチ。特に一般人では無理な企画ですな。まだネプチューンが深夜にやってる鬼ごっこの方が可能性がある。

　『春ランマン』のともさかりえは結構好きだったりする。脚本は4話くらいまでが面白かったのになあ。

　『ワールドカップを2002倍楽しんじゃおう』を更新。グループリーグ第一試合で地上波で放送される分については全て記載。テレビで見る際にご参考ににでもしていただけたら幸いです。

■大人計画『春子ブックセンター』[play]

　◆下北沢本多劇場　◆4500円
　作・演出◆宮藤官九郎　
　出演◆松尾スズキ／阿部サダヲ／池津祥子／伊勢志摩／顔田顔彦／宍戸美和公／宮崎吐夢／猫背椿／皆川猿時／村杉蝉之介／田村たがめ／荒川良々／近藤公園／平岩紙／宮藤官九郎／河原雅彦（HIGHLEG JESUS)／三宅弘城(ナイロン１００℃）

　TBSドラマ『池袋ウェストゲートパーク』、『木更津キャッツアイ』そして何といっても映画賞総ナメの『GO』の脚本で一躍有名^(*1)になった宮藤官九郎の作・演出による大人計画の最新公演。今となっては松尾スズキも阿部サダヲも舞台ではすっかり人気役者だし、猫背椿は『恋ノチカラ』にも出演してたしで、すっかり人気劇団。チケット取るのも大変なら当日券の行列も凄かったです。

　地方の温泉街にある寂れたストリップ劇場を舞台に、かつてはお笑いトリオを組んでいた三人の男達の今後を巡る話。みたいなもんだけどそれはあくまでも設定であとはひたすらエログロとギャグ。さすがは大人計画。

　面白かったことは面白かったんだけど、芝居の中に様々な笑いが混在していて、それぞれを考察しながら見てしまった。この芝居ではお笑いトリオが絡んでくるので、特に「芝居の笑い」と「お笑いの笑い」の違いに注目してみていた。結果、当然のことだが「芝居の笑い」と「お笑いの笑い」というのは質の異なるものであると再認識した。
　で、その部分についてだけ違和感があった芝居でした。まあ、そこまで深読みしながら笑ってる観客はいないと思いますが。うーん、でもこれを関西でやったら関東とはかなり反応が返ってくると思うな。っていうか実は私自身が一番気になったのは舞台の上ではなく、どんな笑いに対しても同じように笑う観客に対してだったりする。

　どこまでが台本でどこまでがアドリブかわからせないのは流石。けど上手いとは思うんだけど「あざとさ」みたいのがたまに見え隠れしてしまうのはなぜなんでしょうね。それがあるからダメだ、ってことじゃないんですが。

■涅槃の読書模様

　『マイナス・ゼロ』広瀬正読了。レビューは後日。これが名作として長く語り告がれている理由がわかる。面白い。素晴らしい。古い作品と馬鹿にせず、皆様も是非。

　最近は通勤時間もあるので結構いいペースで本が読めてる。でもこれって現実逃避が進んでる証拠でもあるし、アウトプットとインプットとの比率がインプットに傾いている証拠でもある。
　こういう状態の時はなかなか台本書いてもいいものが出てこない。いずれはこれが逆転する時期が来るんだけどね。本を読んでも全然頭に入ってこないような時期が。自分なりにこのペースを操作できたらなあ。

*1: 私はキムタクの『Tv's High』が好きだった

May.30,2002 (Thu)

○蹴球微熱　開幕前夜

　誰でも「ああいう風になりたい」という思いはあるだろう。それが歳を取るに連れ「ああいう風になりたかった」と過去形になることもあるだろう。

　1982年のあの日以来、私は四年毎にその想いに駆られる。あの日、スペインの芝生の上に立つ、一人の男を見た時、私は猛烈に「こうなりたい」と思った。ミシェル・プラティニ、将軍と呼ばれた男。

　あれから20年が経ち、四年の周期が巡る度、私は歓喜と、どこか切ない気持ちでいっぱいになる。ジーコ、マラドーナ、ファンバステン、ブレーメ、ハジ、イエキニ、オーウェン、etc…。そしてその想いを抱えたまま私はこれからもワールドカップを見続けるだろう。

　私にとっての6度目のワールドカップがやってきた。今回もまた「こうなりたかった」と思わせてくれる選手に出会えるだろうか。

■daylife

　かなりの痛手。だからダメなときはダメなんだよ。悔しいけど。

がくしから『超短編マッチ箱』のミニコミ誌が届く。先日、某ヤラレの女王を日記を読んでいただけに何かあるだろうと予想はしていた。そしてその予想通り、住所欄には、

　　　株式会社YRR

の文字が。つーか、YRRだけで済ませんなよっ。おまけに女王様はYR2に社名変更してるし。おまけにその続きがありまして、

　　　代表取締役風　←それも小っせえ字で

って。風ってなんやねん！。ちょっと期待とは違っていたが、まあ、こんなもんだろう（何を期待していたのだ）。

　肝心のミニコミ誌の中身は、これまで様々なところで目にしてきた超短編の中のの選りすぐり（？）なのか？。正直申しましてこの分野の評価は難しいです。「なんやねん、これ」と思うものも中にはあったりなかったり。気になるのは全部が全部「幻想」的なのは致し方ないところなのか、それとも選者がそうしたものなのか。ストレートな超短編（ってなんやねん、と言われたら返答に詰まるが）があっても面白いのではないかと。なんて私にいう資格はありませんが。
　これホントにがくしがデザインしたの？^(*1)。いーねー。作るのにいくらくらい掛かったんだろう。興味津々。

■涅槃の読書模様

　『ロゼアンナ』マイ・シューヴァル＆ペール・ヴァールー読了。言わずと知れたスウェーデン警察のマルティン・ベックシリーズの第一作。実はこのシリーズ、飛び飛びに読んでて、これを機に一作目から読み直そうと思った次第。お金がなくて本が買えないときにはこういう楽しみ方もありでしょう。レビューは後日。

　でも今日は『スコッチ・ゲーム』西澤保彦【→bk1】を読んでます。というのも私の方針として同じ作家の小説を続けて読まない、例えそれがシリーズものでも、というのがあるからです。特に深い意味はないのですが、シリーズにどっぷり使って読んじゃうと、単品での評価がしにくいからかな。別に評価するために読んでるわけじゃないんですけど。ま、なんとなく。

　購入物。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN -1-』安彦良和【→bk1】
　6月1日発売のはずなのに手に入ってしまうところが神保町。ちなみに書泉ブックセンターで5月29日に買いました。これはまさに「ORIGIN」という名に相応しい。微妙に設定がアニメと違うのも安彦良和のこだわりなのか。ブライトがアニメよりもいけずだったり、シャアは池田秀一の声がないと逆にキザぶりが浮いたり。今更だけどアムロってオタクなんだよね。ある意味ではオタクの希望の星だったのか。だけどこれ、いつ終わるんでしょう（笑）。

『ブレーメンⅡ -3-』川原泉【→bk1】
　川原泉コンプリートのためだけに買ってるといっても過言ではない。正直、面白いと思うほどの作品ではありません。それでも川原泉特有の間とか哲学的思考は多少は楽しめます。だが如何せん過去の名作の数々と比べてしまうとなあ…。絵柄もずいぶん変わっちゃったりなんかしてるんですが、それも個人的にはマイナス。神話とか寓話とか童話とか、色んな含みを持たせてるんですが、それが活かされてないと思うのは私だけなんでしょうか。

▼『あした、カルメン通りで』森雅裕

　筆を折ったのか折らされたのかわからないが、新作が出なくなってから結構な時間が経つ森雅裕のオペラシリーズの第二弾。主人公二人は相変わらず憎まれ口叩きあっております。

　『椿姫を見ませんか』から三年以上の月日が経ち、守泉音彦は北海道大学で美術講師をしていた。その札幌にオペラ『カルメン』の公演で鮎村尋深が三年ぶりに帰国し、やってきた。この度の『カルメン』の公演は、1974年11月11日、札幌厚生年金会館での公演を最後に引退したマリア・カラスを記念してのものであり、またカラスの名を継ぐ歌手として招かれたタルガ・パルフェッタを迎えての公演でもあった。
　しかし、公演初日、指揮者は病に倒れ、マリア・カラスの遺品である十字架が奪われた。誰が何のために十字架を盗んだのか？。

　今回もまた前作同様、音彦が探偵役であり、尋深が鍵を握る存在である。そして本来ならば二人が力をあわせて解決すれば済む話なのだが、これがまた二人の仲だからこそこじれて、事件も深みにはまっていく。ミステリの純度は限りなく薄く、その点では前作よりも不満も残る。本作では実在のオペラ歌手、マリア・カラスの謎の死と、彼女を巡っての愛の物語が、音彦と尋深の関係とダブらせている。
　個人的にはこのシリーズの楽しみを、くっつきそうでくっつかない、互いが互いを求めているのに素直になれないというまさしくラブコメの王道を行く二人の関係に求めているので、その点では非常に満足。そして洒落たというよりは痴話喧嘩にも似た二人の会話を楽しめればいいのである。
　結果的に、今回もまた二人の思いはやせ我慢の結果空回り。次回以降へと持ち越しとなってしまった。早いところ次作の『蝶々婦人に赤い靴（エナメル）』も読みたいところだが、いつになったら探し出せるだろう…。

*1: もう一方お名前が載っていましたが

May.31,2002 (Fri)

○蹴球微熱　開幕戦

フランス０－１セネガル

　これがワールドカップである。これだから興奮するのである。セネガルはほぼ完璧に自分達のサッカーをし、フランスには勝とうという気持ちが足りなかった。フランスは当然セネガルに劣っていたわけではない。実際に試合を押していたのはフランスだった。しかし、その「押し」がもう一つ足りなかったのも事実だ。先制点を奪われ、シュートがことごとく外れても、彼らはどこか余裕を持ったまま試合をしていた。それは油断と言い換えてもいいし、チャンピオンが陥ってしまった横綱相撲だったのかもしれない。しかし現代のワールドカップはそれで勝てるほど甘くはなかったということだ。初出場で、チャンピオンチーム相手の開幕戦、それでもセネガルは勝った。これがワールドカップなのだ。

　敗北の要因をジダンがいない、という短絡的なものに結び付けることにあまり意味はない。フランスの選手は誰を取っても一流であり、セネガルには悪いが顔触れだけ見たら勝敗は明らかなはずだからである。確かにジダンはフランスの核であり、世界最高選手の一人である。だが、彼抜きでも本来勝てるはずだった試合を落とした。これは大きい。緒戦にして後がなくなったフランスは、当然二戦目でジダンを起用せざるを得ない。しかし、彼を投入したことで全ての問題が解決すると思ったら、大間違いだ。足元を救われることにもなりかねない。

　セネガルは素晴らしいサッカーをしたと思う。力ではフランスが上であることを認識した上で、自分達が試合前にシミュレーションしたサッカーをそのまました。それをワールドカップの緒戦、王者との試合でも実行できたということが素晴らしい。フランスにはそれだけのメンタルが準備されていなかったということだろう。
　前回は開催国としていけるところまでいく、という意識だったのが今回は優勝候補としてのプレッシャーを背負って戦わねばならない。本来ならばそのメンタルも含めて彼らは王者であるはずなのだが、その王者のメンタルも今回のプレッシャーには勝てなかったということだろう。プレッシャーと、油断とに。

　しかしこれでグループAは面白くなった。ウルグアイ、デンマークにも大きなチャンスが生まれたということで、混戦は必至。セネガルは大きなチャンスを掴んだ。やはりワールドカップは何が起こるかわからない。そこが面白くてたまらないんだなあ。

■daylife

　世界禁煙デーだからといって節煙したりは、しないのだった。
　
　そんなことよりワールドカップなんだよ。

　『超短編マッチ箱』の冊子デザインはがくしではないそうです。それはそれとしてもいいデザインだと思います。
　私が一番好きだったのは『弧を描く』かな。

　そんなことよりワールドカップなんだよ。

■涅槃の読書模様

　『スコッチ・ゲーム』西澤保彦【→bk1】読了。これ、痛すぎませんか？。人と関わり持つのが辛くなりそうだよ。レビューは後日。
　古本屋で以下を購入。

『マークスの山』高村薫
　遂に我慢できずに買ってしまった。100円だったし。途端に文庫化されたら嫌だなあ。

『十字屋敷のピエロ』東野圭吾
『昔僕が死んだ家』東野圭吾
『探偵倶楽部』東野圭吾
　三冊目は祥伝社ノンポシェット文庫なんですが、存在を知らなかった。これで暫くは東野圭吾とマルティン・ベックシリーズで間が繋げそう。

『レベルE -全1～3-』富樫義博
　ずっと欲しいとは思っていたんで。

『オフィス北極星 -全1～10-』真刈信二／中山昌亮
　一冊100円だったもんでつい。いや、欲しかったんですけどね。

▼『マイナス・ゼロ』広瀬正

　夭逝したSF作家、広瀬正の名作の誉れ高い作品。巻末の星新一の解説を読むと、他にも読んでみたいと思わせる作品が沢山ある。

　昭和20年5月25日東京大空襲の夜、14歳だった浜田俊夫は隣家が火事で燃えているのを発見。住人であるはずの井沢先生とその娘・啓子を探すが、啓子の姿は見つからず、井沢先生は庭にあるドームの前で、俊夫に遺言を残し死んでしまう。その遺言とは「18年後の同じ日、同じ時刻にこのドームにある人を迎えに来て欲しい」というものだった。
　それから18年。32歳になった俊夫は先生の遺言どおりドームまでやってきた。しかしドームの扉が開き現れた人物は俊夫の想像を越えた人物だった。

　タイムトリップを題材にした作品というのはなぜか人の心を惹きつける。この作品も例外ではない。そしてこの『マイナス・ゼロ』は数多あるタイムトリップものの中でも間違いなく傑作の部類に入る。タイムトリップものの醍醐味は一つはドラマ性（設定時期含む）、そして旅情性（これまた設定時期に左右されることが多い）、そして論理性だと思う。『マイナス・ゼロ』にはこの三本柱がしっかりと立っていて、しかもおまけにタイムパラドックスによるオチまでついてくる。見事という他ない。
　タイムトリップによって生み出されるいくつかのドラマの行く先は読者の殆どが予想がつくだろう。鋭い読者（作品の登場人物であるレイ子のように）なら全てを見通してしまうかもしれない。しかし、それが見破れてしまうからといって、決してこの作品の面白さが失われるわけではないと思う。

　数あるタイムトリップものの中でもかなり上位に来る作品であり、タイムマシンものに限定すればベストに挙げてもかまわないくらいの傑作だと思う。ただ一つだけツッコミを入れておくべきだと思うのは駐在さんはあのままにしておくんかいってことくらいでしょうか。

　『マイナス・ゼロ』をご一読の方はここのサイトの年表なんかが凄く興味深く、楽しいと思われます。

ごくたま昨日日記 in May, 2002

- last 10 days of month -

トピック

May.21,2002 (Tue)

■daylife

▼『ブラック・エンジェル』松尾由美【→bk1へ】

May.22,2002 (Wed)

■daylife

●2002年ワールドカップ　この試合を観ろ！いや、観てみようよ

■涅槃の読書模様

May.25,2002 (Sat)

■daylife

■涅槃の読書模様

May.28,2002 (Tue)

■daylife

■大人計画『春子ブックセンター』[play]

■涅槃の読書模様

May.30,2002 (Thu)

○蹴球微熱　開幕前夜

■daylife

■涅槃の読書模様

▼『あした、カルメン通りで』森雅裕

May.31,2002 (Fri)

○蹴球微熱　開幕戦

■daylife

■涅槃の読書模様

▼『マイナス・ゼロ』広瀬正

ごくたま昨日日記 in May, 2002

- last 10 days of month -

トピック

May.21,2002 (Tue)

■daylife

▼『ブラック・エンジェル』松尾由美【→bk1へ】

May.22,2002 (Wed)

■daylife

●2002年 ワールドカップ この試合を観ろ！いや、観てみようよ

■涅槃の読書模様

May.25,2002 (Sat)

■daylife

■涅槃の読書模様

May.28,2002 (Tue)

■daylife

■大人計画『春子ブックセンター』[play]

■涅槃の読書模様

May.30,2002 (Thu)

○蹴球微熱 開幕前夜

■daylife

■涅槃の読書模様

▼『あした、カルメン通りで』森雅裕

May.31,2002 (Fri)

○蹴球微熱 開幕戦

■daylife

■涅槃の読書模様

▼『マイナス・ゼロ』広瀬正

●2002年ワールドカップ　この試合を観ろ！いや、観てみようよ

○蹴球微熱　開幕前夜

○蹴球微熱　開幕戦