ごくたま昨日日記 in September, 2002

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トピック

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Sep.21,2002 (Sat)

daylife

 徹夜明けで新宿へ。
 LEDの公演『麦酒の家の冒険』を観る。感想は↓。

 その後は『がくしゅの家の冒険』ならぬオガワショウ2002。猛烈に楽しむ。このメンツでのイベントは普通に日記で書けん。そういう面白さである。

『麦酒の家の冒険』LED[play]

 言わずと知れた西澤保彦原作、タックシリーズのうちの一冊を舞台化。現在の本格ミステリが舞台化されたものは初めて観た。

 原作がまさに忠実に舞台化されていて、自分が本で読んだものを視覚化された、というのが印象。「あー、わかるわかる」とか「まさにまさに」という単純な感想以外はあまり浮かばない。俳優陣までが原作に忠実でそれはそれで素晴らしいのだが、舞台化した意味がそれ以外に見当たらないのが少々残念。

 演出にも特に目を見張るようなところはなく、何度も言うが「原作の忠実な舞台化」であるので酩酊推理のシーンなどは少々飽きが来たのも事実。喋りだけで芝居を見せるのは不可能ではないが、それは役者に相当の実力があってこそ。やはり演出で何らかの刺激を与えないと難しいだろう。

 少々辛い感想としては、実際にビールを飲みつつの芝居のせいなのか、会話のテンポが今一つだったのが気になる。喋りだけで進める芝居なので、会話のテンポが命だとおもうのだが、時たまもどかしく感じることがあった。
 それとこれは私が芝居を観る上での一番のポイントだから気になったのだが、「転換」に余りに工夫がない。無音で暗転してドタバタと雑音が聞こえたりするのは「芝居」を総合芸術として捉えてない悪い例だと思う。照明に当たって役者が舞台に立っている時だけが芝居ではない。そこは手を抜いて欲しくない重要なポイントである。
 また、役者陣がこぞって舞台の後方で芝居をするのも気になった。お客さんが嫌いなのであろうか。役者なんぞ前に出てなんぼ、目立ってなんぼである。主要な四人以外の二人の芝居を見せるためだけにあの配置にしたのだとしたら本末転倒な気がするのだが。

 個々の役者陣の演技はなかなかのもので、それぞれに「ここがいいなあ」という持ち味があって良かった。結局はそれが芝居を飽きさせない一番の要因だったと思う。

 「ミステリを舞台化したらどうなるか?」というある種の疑問に対して、良い面も悪い面も見せてくれたことが私にとっては一番の収穫だった(*1)

涅槃の読書模様

 『パイド・パイパー』ネビル・シュート【→bk1へ】読み中。


*1: かくしてそれも無駄になったのは皮肉なことである

Sep.22,2002 (Sun)

daylife

 あまりに楽しすぎた罰なのか、昨晩の帰宅途中の電話に絶望する。
 生涯で最大の恥辱。あまりのことに目の前のホームに飛び込みたくなったが、生来の臆病さと計算高さのおかげで踏みとどまることができた。

 正直混乱してる部分もあるのだが、衝撃が大きすぎただけにこれ以上考えるべきこともない。要するに見切られたということであり、これが10年間の自分の生き方にピリオドを打つ最後通牒になったということであろう。自分では決められないことを外圧によって決定されるのは、ある意味で楽なことなのか。それが肩の荷であるかどうかは現時点ではわからない。

 今後の生き方を考えなければならなくなったことだけは確かだ。選択は閉ざされたのだから。

Sep.23,2002 (Mon)

daylife

 いきなり暇になり時間を持て余す。読書もせず、部屋の整理も出来ず。とりあえず来週辺り衣類と本とマンガを整理しよう。まずは計画から。

 スタイルシートを色々と弄くり中。見え方がおかしかったり、読みにくいという場合はご一報を。近々、移転もします。

 「失って初めてその価値がわかる」とはよく言ったものだが、自らのアイデンティティを失った場合は、その価値がわかったところでどうしようもない。
 言いたいことは山程あるが「大義名分」の前には何も言えなくなるだけ。

翻訳SFファン度調査

 不純粋科学研究所翻訳SFファン度調査。私の結果は8冊。あまりにも少ないので投票は遠慮させていただきました。私の既読は以下の通り。

 ハードSFは殆どないですな。P・K・ディックも‘85年以降は読んでなかったか。この調査も結果が出たら今後の読書の指針にさせていただこう。

Sep.24,2002 (Tue)

daylife

 TSUTAYAオンラインのクーポンでレンタルビデオが半額ということなので会社帰りにTSUTAYAへ。しかし借りようと思っていた映画が軒並み誰かの手によって借りられている。さすがに半額サービス中はライバルが多い。しかし、私以外に『野生の証明』のDVDを借りようと思っている人がいたとは。

 結局、借りたのは『東京マリーゴールド』だけ。キャンペーンは29日までだからまた借りに行こう。『シュレック』『モンスターズ・インク』『千と千尋の神隠し』借りてアニメ三昧というのもありかもしれん。
 それにしても170円は嬉しい値段だ。TSUTAYAオンラインはかなり便利ですよ。地元のTSUTAYAの在庫情報も(最新ではないが)調べることが出来たりします。って、私も今日知ったんだけど。

田中麗奈

 というわけで、明日は『東京マリーゴールド』を見る予定なんだけど、唐突に田中麗奈の出演作品は今年中に全部観ようと決心した。理由は特に無い。あ、いや田中麗奈が好きっていうのはあるけど。なんかパッケージとかストーリーだけ見てても彼女は作品に恵まれているような感じが漠然とだけどする。あれだけ出演作がありながら一作もロードショーがないっていうのもなんかイイ感じ。今じゃ「映画女優」って呼べる女優は他にいないんじゃないかな。かなり贔屓目ですが。

 田中麗奈出演作一覧。

 ちなみに『がんばっていきまっしょい』しか観てません。『GTO』はあんまり気がすすまないけど観ると決めたからには観よう。

涅槃の読書模様

 『パイド・パイパー』ネビル・シュート【→bk1へ】読み中。

Sep.25,2002 (Wed)

daylife

 というわけで『東京マリーゴールド』を観る。感想は↓。

 本格ミステリファン度調査に端を発して各所で××ファン度調査が流行していますが、こうした意義のある調査とは他に、何方か「自分の読んだ作品ファン度調査」とかやったらそれはそれで面白いかも。自分の読んだ作品の中からランダムに(好きな作品とかでも)小説を300冊リストにしてチェックしてもらう。これやると自分の読んでる本がどの程度皆に読まれてるかとか自分の読書傾向が見えて来て面白いかもしれません。
 思いついたんなら自分がやれって感じですが、弱小でおまけに本読みとしても薄いサイトでやっても沈没企画になるのは目に見えているのでパスします。面倒、というのもありますけど。なんにせよ、こうしてネットが盛り上がるのは楽しいことです。

『東京マリーゴールド』[movie][video]

 林真理子が原作(【一年ののち】『東京小説』書中)なんですね、ちょっと読んでみたくなりました。

 短大を卒業して見習いOLとなったものの、なんとなく中途半端な気持ちで毎日を過ごしているエリコ。たまたま合コンで知り合った田村をデートに誘うが彼にはサンフランシスコに留学している恋人がいた。しかし、エリコは「彼女が戻ってくるまでの一年間、私と付き合って」と田村に持ち掛ける。そして二人は一年間の限定で恋人になった。

 というストーリーはあるものの、ストーリーを追う映画というよりは、20歳くらいで恋愛に迷いのある女性の心の動きを追った映像になってます。ハッキリとした物語や結末はないし。
 なんというか誉め言葉としての「自主映画」みたい。岩井俊二『四月物語』を観た時にも感じましたが、こういうまったりとした「たゆたう」様な雰囲気の映画が最近の若手映画監督の間では流行ってるんでしょうか?。『ココニイルコト』とかもそうだし。決してキライじゃないですが。

 真剣にテレビ(スクリーン)に向かって観るというよりもソファに寝転がって、または膝を抱えてボーッと観るのが向いている映画です。でも、こういう映画をスクリーンでも観るのもそれはそれで贅沢かな。

 田中麗奈ファンとしては当然観る価値はあるんですが、なんというか演技を見るというよりも彼女の自然体を見るのに近い感じです。普段もああいうファッションなんだろうな、とか思います。
 二人が別れを決める日に、田中麗奈が見せる表情は可愛い女が恐い女に変化する一瞬垣間見えて良かったです。
 多分、多くの人はこの映画を観た時、男としても女としても非常にもどかしい気分を味わうと思います。寂しさを紛らわすために身を寄せ合う二人、というシチュエーションもそうですが、なによりそれを踏み込んだ形で追わないカメラ(というか演出)にもそう感じるでしょう。その一枚オブラートを包んだような作り故に単純に主人公に共感するだけでなく、冷めた目で自分を見るような感じが味わえるのがいいかも。

 しかしこの映画、一見それだけの話に見えて、最後にちょっとしたオチが待っています。その後味がまた奇妙。原作を読んでみたいな、と思ったのはこのせい。
 それと、主人公のエリコがなにかに迷っている、その理由というか下地をあえてわからせないようにしている(ファーストシーンにそれらしきものがあるけど)のは演出なんだと思うんですが、スッキリしないのも確かです。ま、そこが「今時」っぽいという気もしますけど。

 タイトルの『東京マリーゴールド』は、マリーゴールドという花が菊科の一年草であるところから取られています。これを知るエピソードに寺尾聰が叔父役で出演しているんですが、ちょっとエピソードが唐突かな、という気がします。名優寺尾聰をもってしてもちょっと違和感を感じさせるほど。小説だとああいうエピソードの挟み込みは自然に流せるんだけど、映像だと難しいんですね。

 ちなみにこの作品、「ほんだし」30周年記念作品だそうで、田中麗奈の母親役として樹木希林が共演しております。ちゃんとお味噌汁を飲むシーンも出てきます。あのCMもそうですが、結構親子に見えるもので不思議です。

Sep.26,2002 (Thu)

daylife

 おめでたいニュースと残念なニュースが飛び込んでくる。
 そうですか鮎川哲也氏が死去ですか。ご冥福をお祈りします。
 おめでたいニュースの方はいずれわかる人にはわかるでしょう。心より祝福を。

 私は酒を飲まないが今夜は酒でも飲みたい気分だ。
 この世界のどこかにいるあなたに(*1)

国内探偵小説ファン度調査

 というわけで、まだまだ××ファン度調査は続く。
 あなたと夜と音楽と(Luckさん)で行われています。直リンクはできないようなのでトップからお入り下さい。

 で、私の既読数はというと…50冊。笑って誤魔化せ
 既読本の殆どは『東西ミステリーベスト100』(文春文庫)から拾ったものと、以前は映画にハマっていたので、映画化された原作、というのが多い。主に角川映画『ミステリー映画館』石沢英太郎(*2)で紹介されていた作品ですな。
 ですから私が既読の下位作品としては、『飢餓海峡』水上勉『スターリン暗殺計画』檜山良昭『皇帝のいない八月』小林久三ら。
 赤本(*3)で既読の作品は殆ど今でも所有してますが、こっちのリストになると所有している作品は7、8割といったところでしょうか。時代を感じます。

 ずっと読もう読もうと思ってこれまで読まずに後悔しているのは高木彬光。かろうじて『刺青殺人事件』だけは読んでますが、『人形はなぜ殺される』とか他の神津恭介シリーズは全然読んでない。土屋隆夫もしかり。『危険な童話』とか読みたいんだけどなあ。
 それから白状すると鮎川哲也『黒い白鳥』『王を探せ』以外読んでません。ダメダメですな。

 もっとさあ、こう『名探偵が多すぎる』西村京太郎シリーズとか、『翔んでる警視』胡桃沢耕史シリーズとか…毎度、言い訳がましい。

 赤川次郎作品ファン度調査ってのがあれば150冊以上読んでるのに… <自慢にならん。
 でも赤川次郎の著作ってホントに300冊ありそうだな。

涅槃の読書模様

 『パイド・パイパー』ネビル・シュート【→bk1へ】読了。レビューは↓。

 『どこまでも殺されて』連城三紀彦読み中。
 別に赤本に急かされたわけではない。

『パイド・パイパー』ネビル・シュート【→bk1へ】

 日本では核戦争後の世界の週末を独特のタッチで描いた、『渚にて』の作者として知られるネビル・シュートのこれまた一風変わった冒険(?)小説。
 主人公が老人と子供で、帯では宮部みゆきが絶賛。そりゃ期待するでしょう。

 第二次世界大戦中、ドイツの不穏な動きが心配される中、イギリス人の老紳士・ハワードは失意の自分を慰めるためフランスの田舎町に旅行に出かけた。しかし、折悪しく戦局が悪化し、イギリスへと帰還することを余儀なくされた。単身イギリスへと帰国しようとするハワードだったが、フランスで知り合った知人から二人の子供をイギリスへと連れて帰って欲しいと懇願される。戦争で混乱する中、老体の身で子供を連れたままの帰国は容易いことではなかったがハワードは仕方なく了承する。こうして一人の老人と二人の子供の冒険譚が始まった。

 冒険譚とはいっても派手なアクションがあるわけでもなく、それなりにピンチは迎えてもドキドキハラハラする展開ではありません。なんというか本来ならばもっと緊迫した情勢であるはずなのに、どこかほのぼのとしているのは老人と子供が作る雰囲気のせいなのでしょう。一種のロードムービー(じゃなくて物語)で、行く先々で様々な人達との交流があり、しかも連れが増えていきます。そうした人と人との触れ合いや、老人と子供の微妙な交流が本作の読みどころです。

 ただ、正直に言って盛り上がりには欠けます。この雰囲気がいいんだ、という人の気持ちもわからなくはないのですが、根が狭量な私としては「あー、このガキどもイライラする!」というのが本音でした。ハワードのような老人ならではの忍耐というものが私には全く以って欠けているようです。そんなわけで私はあまり楽しんで読んだ、という作品ではありません。
 巻末の解説ではそれぞれの子供の描写が書き分けられている、と書かれていましたが、私にはそうは思えませんでした。確かに最初から同行する二人に関しては、ちょっとした個性がないわけではないんですが、その他の子供達についてはある箇所で説明的に書かれた以上の書き分けは感じられません。もっと子供達に目を向け、彼らの個性が感じられるエピソードが挿入されてでもいれば、彼らに感情移入できたんですが。所詮は「お荷物」でしかなかったような。そういった子供達の様子に心動かされる主人公、みたいな描写が欲しかったところです。
 ぶっちゃけ、宮部みゆきが書いたらもっと泣けそうなものになった気がする。

 タイトルの『パイド・パイパー』とはかの有名なハメルンの笛吹き男のことですが、あの陰惨なフォークロアとは違ってこちらはどちらかといえば聖者の行進とかブレーメンの音楽隊を思わせます。オチがそれならそれでホラーになったんでしょうけどね。

 「夕焼けを下品に言うことはできます。でも夕焼けの美しさは変わりません。」
 (P.295)

*1: 「乾杯」とは恥ずかしくて書けなかった
*2: 今回、石沢英太郎がミステリ作家だと初めて知りました
*3: 『本格ミステリクロニクル300』

Sep.27,2002 (Fri)

daylife

 靴がヘタってきた、としばらく前に書いたが(まだ買ってません)、今度は鞄がダメになってきた。肩にかける紐の付け根が切れそうになっているのである。ものがダメになる時期は重なるというがまさにその通り。他にもなんかダメになりそうだなあ。こいうのもシンクロニシティ(*1)。買いに行かねば。

 TSUTAYAに行く。ビデオとDVD合わせて三本借りる。〆て510円也。半額キャンペーン最高。で、帰宅してから『シュレック』を観た。感想は↓。あとの二本はまた観た時に。

 あ、そうそう。昨日、石沢英太郎で検索かけてたら、『つるばあ』なる著作を発見しました。いや、それだけなんですけどね。

 さっさと寝たほうが良さそうです。

涅槃の読書模様

 『どこまでも殺されて』連城三紀彦読み中。
 と、いいながら電車では座ると爆睡。まだ半分しか読めてません。今月は読了本が少ないなあ。

『シュレック』[movie][video]

 DVDを借りたかったのだが新作扱いで半額にはならなかったのでビデオを。ちなみに日本語吹き替え版。結構評判よかったので。

 ドリームワークス社がディズニーの鼻をあかすために総力を結集した作品(え?違う?)。

 いやー、面白かったですわ。これぞ、御伽噺。これぞアニメっていう作品ではないでしょうか。難しいこと考えんとヘラヘラ笑って観ればええねん。ごっつシンプルな話ですが、こういう話を描くことにアニメの真骨頂ってのはあるんやなあ、とアニメの原点回帰を感じました。技術がどれだけ進歩しても根っこの部分ではアニメっていうのは変わらんなあ。いや技術が進歩したからこそ余計にそう感じるのか。ドリームワークスのスタッフはそれをよくわかって作ってます。

 随所に盛り込まれる皮肉で下品なネタもアニメだから許されること。それがイヤミでない笑いに消化されるのは快感です。特にラストの落ちはディズニーだったら全く逆に持ってくるところでしょう。それをああいう形で落としたところにドリームワークスの気概が見えました。それで全然変じゃないし、感動(っていうほどのものでもないが)も少しも薄れないしね。描きどころさえしっかりしてればええ話はええ話ってことですわ。
 もし、このラストが気に食わない、って人がいるとしたらちょっと自分を見詰め直してみませんか?
 ストレートではなく変化球、と思わせておいて、実はチェンジアップ、そんな映画ですね。まだ観てないけど『モンスターズ・インク』はストレートなんだろうな。

 それにしても山寺宏一は天才ですね。それを楽しむためだけでもいいから日本語吹き替え版を観て(聞いて)欲しい。濱田雅功も結構頑張ってるとは思いました。始めこそ「シュレックの体つきには似合わないなあ」と思いましたが徐々に慣れてきたし。英語版もマイク・マイヤーズだったことを考えればそれでいいのか。藤原紀香も意外に健闘。キャメロン・ディアズファンとしてはフクザツですが。伊武雅刀はもう言うまでもなく素晴らしかったです。さすがはモンティ・パイソン

 ただ、こういう映画を観ちゃうと英語が出来ない自分が悲しくなりますなあ。コメディほど原語で楽しみたいと思う作品はありませんね。一度でいいからエディ・マーフィのマシンガントークを理解して聞いて爆笑してみたい。


*1: 単なるマーフィの法則

Sep.28,2002 (Sat)

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 久々に渋谷に出るので、ちょいとお買い物でもしようかとうろつくが蹴ったのは結局ジーパンだけ。それもユニクロ。なんだかなあ。
 ただ、色々と見て回ることができたので参考にはなった。お金をかけることはしたくないが、それでも着るものに多少は気を遣おうと思った次第である。脳内を刺激することから始めないとね。
 付き合ってもらってありがとう >T。

 夕方からはオフ会。雫くんの帰還オフだったはずなのだが始まってみればDEKくんの結婚前祝いの会となっていた。若者が結婚するのはメデタイことだが、おかげで槍玉に上がる。出来るもんならしてえよ(たまにはやさぐれてみた)。

 終電にて帰宅、の筈だったが家に辿りついたのは朝の4時半。なぜ?。

涅槃の読書模様

 『どこまでも殺されて』連城三紀彦読了。レビューは後日。

Sep.29,2002 (Sun)

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 夕方までひたすら寝て、起きてから『野生の証明』のDVDを観る。この名作がDVDで観れるとはいい時代になったものだ。感想は↓。

 私は昭和51年から昭和62年までの角川映画をこれ以上ないほど賛美する者の一人である(*1)。以下の感想はそれを踏まえたうえで呼んで欲しい。ただ、間違いなくこの頃の角川映画は日本映画界の革命児的存在であり、唯一世界を相手取って映画を作ろうとしていた存在だと思う。
 角川映画について語りはじめると長くなってしまうのでこの辺で止めておくが、この時代の角川映画を観たことの無い人は騙されたと思って一度観て欲しい。ホントに。

『野生の証明』[movie][DVD]

 原作:森村誠一、監督:佐藤純弥
 出演:高倉健、薬師丸ひろ子、中野良子、夏木勲、三國連太郎

 1978年(昭和53年)に製作された角川映画の第三弾。森村誠一の原作は150万部を突破するベストセラーとなった。総製作費は12億円。そのうちの5億円がクライマックスの戦闘シーンのためだった。全てにおいて破格の作品。
 脂の乗った時期である日本映画のエース高倉健が主演。薬師丸ひろ子のデビュー作としても知られている。その他の役者も、まだこの当時生きていた「映画人」という言葉が相応しい名優陣の豪華な顔触れ。
 映画は原作とラストシーンが変わっています。

 お父さん、こわいよ!
 なにか来るよ
 大勢でお父さんを殺しに来るよ!

 私はこの作品が24年も前に日本で製作されたという事実を誇りに思う。間違いなく日本映画屈指の名作であり、それ以上に大作という言葉が相応しい作品である。そして冒険アクション映画としては日本一の作品といっても過言ではないと思う。

 このあと、色々と書いたが、いくら私の稚拙な言葉を弄してもこの作品の良さを語り尽くせないので、削除。
 この作品をスクリーンで観れなかったことが心から残念である。

 これだけではなんなので、最後に『野生の証明』という映画を通して、「野生」というものについて感じたことを健さんが語っているので、それを引用して終わりにしよう。

 男がみんな持ってるものだし、必要なものだと思う。僕は「野生」って言葉から猛々しく、荒々しく、暴力的で、といったイメージを持っていたのですが、この映画に出演してそういったこととは、まるで反対のことだというふうな気がしてるんですよね。
 むしろ自分がいとおしいと感じるものを保護する本能のような、そんな気がするんです。だから、そのためには、自分の血がいくら流れても、痛みも感じないで守ろうとする本能みたいな……。なんか。僕はそういう風に解釈しましたね。

 さすがは健さんである。この映画を観て、この言葉を感じて欲しい。


*1: 他にいるのか知らないが

Sep.30,2002 (Mon)

daylife

 振込みをしようと思い、銀行へ。入り口で傘を畳んで入ろうとすると、一人の女性が出てきた。彼女はおもむろに私の方に傘を向け、開いた。ビチャッ。傘についていた水滴が私に向かって飛んできたのだった。思わず「うわっ」と声を上げたが、その女性は何も言わず立ち去った。
 死ね(物騒な日記でスミマセン)。

 なかなか読み応えのあるサイトを発見したのでメモ。maehara on-line。世の中にはまだまだ面白いサイトがあるものである。
 このサイトのコンテンツに「女の名言」というものがある。その中でオスカーを受賞したときのメリル・ストリープの言葉に泣きそうになった。あやうく会社で(仕事中に何してるんだ貴様は)。気になった方は探してみて下さい。

bk1リニューアル

 bk1がリニューアルした。といってもサイトの外見からはわからない(どうせなら変えればいいのに)
。変更点は以下の二点。

 上の送料無料ラインはぶっちゃけAmazonと同額になったってこと。下の変更点はかなり嬉しい。これで、自分のアカウントで遠慮なく買い物ができる。で、その度にポイントがつくわけだから、要するに値引きされた状態で本が買えるってこと。いやー、僥倖僥倖。ところでAmazonのアソシエイトプログラムでは自分のサイトから購入してもポイントつくんでしょうか?。サイトの説明ではわからなかったのだが。
 これでbk1はAmazonとがっぷり四つの構えになった。CDやゲームソフトも買えるようになれば言うこと無しなんだが。逆にAmazonはクレジットカードと代引き以外の支払方法があればなあ。どちらも帯に短し襷に長し、である。

 ちなみにご存知の方も多いとは思うが、数多あるオンライン書店についての詳しい比較をしてくれているサイトが本の道しるべである。なにかと役に立つのでブックマークしておくと吉。

涅槃の読書模様

 『流れよ我が涙、と警官は言った』フィリップ・K・ディック読み中。
 実はこの本、3年前に一度買ったのだが、いつしか部屋の何処へと行方不明に。結局、先日BOOKOFFでもう一度買いました。ダブりです。

 昨日の角川映画に対する私の愛MAQさんからメールが届いた。どうやらあの頃の角川映画好きなら必読の書があるという。その名も『幻影城の殺人』篠田秀幸【→bk1へ】ぐぶらんでも取り上げられたらしいのだが気付いていなかった(*1)
 MAQさん曰く、

 あの頃の角川映画への“愛”と過剰なゴマスリに満ちた現代の奇書ともいうべき1冊です。

 だそうである。これは楽しみではないか。ぐぶらんを読んだ限りでは、(評価はけちょんけちょんであったが)むしろシンパシーすら感じる。是非読んでみることにしよう。

『GO』金城一紀【→bk1へ】

 読み終わってまず思うことは圧倒的な憧れである。この濃密で厳しく辛く、だが生き延びる価値ある青春。主人公が「在日」として生まれたからこそ経験できるカッコいい生き様。無論、楽しい面ばかりではない、目を背けたくなるような現実もある。それでも私は主人公・杉原に圧倒的に憧れ、嫉妬する。「自分も『在日』に生まれてきたら彼のような青春を送れたかもしれないのに」間違ってるとはわかっていても、そう思わざるを得ない。それがこの小説の持つパワーだ。

 それはきっと「在日」であるとかないとか、自分が誰で、どんな人間であろうと関係なく力強く生きることの証だ。自分が自分であろうとする戦いを続ける者はやはり「カッコいい」のだ。

 ただし、映画の方から先に見てしまったので、そちらの印象の方が強い。そして映画はこの原作を更にブラッシュアップして作られている。特に構成的にバスケの試合での乱闘シーンと、スーパーグレートチキンレースを冒頭部分に持ってきたのは巧い。小説では、ラストの桜井の語りでバスケの乱闘シーンが語られて、桜井の心の決め手となった裏づけとなっているが、基本的にミステリ読みの私としては「新たな新事実」というのがラストにくるのはちょっとだけ気になった。人物の書き込みも映画は(もちろん視覚情報も含まれるので)小説より深みがあったように思う。
 ちなみに私の映画の感想は→コチラ

 個人的にはタワケ先輩の物語が読んでみたいと思った。書いてくれないかなあ。


*1: 入院していた時期の記事だった

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