ごくたま昨日日記 in January, 2003

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トピック

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Jan.11,2003 (Sat)

daylife

毎年恒例終翁邸での新年会。今年も鍋とコンロを持って行ってまいりました。
辛いものが苦手なのでチゲ鍋はこれまで食したことがなかったのだが、この日のチゲ鍋は辛さを抑えてくれたおかげで食べることが出来た。美味い。これが「辛美味しい」という感覚か。初めて知ったかも。また食してみたい。

2003年一発目の天然椰子の実発言。

「このお皿、食べられますよね!」

ええ、あなたなら食べられると思います。

その後はガンダムチェスをやったり麻雀したり。自動的に麻雀面子に組み込まれ、他の人達とあまり話が出来なかったのが残念。よく考えたら麻雀も去年の新年会以来だった。一年ぶり。来年もやるだろうな多分。

なぜか小ネタ邸罵倒観音が泊まりに来ているということだったので、残った方々を送った後寄っていこうかと思ったのだが、全員を送り終わったのは夜中の3時。さすがに眠かったので帰って寝ました。でも寄らなくてよかったかも。だってその頃二人は…ああ、言えない。

とりあえず今年も「やられキャラ」だということは決まったみたいです。

Jan.12,2003 (Sun)

daylife

深作欣二監督が逝去。お悔やみ申し上げます。『蒲田行進曲』はマイ・ベスト・ムービーの一本です。

大喜利面子でJAM FILMを観に行こう、という話が上り、参加する予定だったのだが…連日の睡眠不足のせいで布団から出る気力なし。夜の新年会から参加しようと思って夕方まで寝続ける。

出かけようとすると小ネタ使いから電話が入る。「映画はメチャメチャ混んでて結局観れませんでした。すぐに宴会に移るので即行で来てください」。んなこと言われても1時間半かかります、遠いんだから。

で、渋谷まで出て合流。着くなり「寝坊とか言ってるんじゃねえ」と罵倒される。おまけに「毎度毎度さむいことばかり送ってきやがって、これが証拠だ!」と携帯のメール履歴を見せられ攻められる。さらには「shakaさんに会うのは面倒臭いなあ」とか「バ〜カ(目線斜めで)」とまで言われ。最終的には某作業を今週中にやらねば暴言女王の奴隷になることを約束させられた。とっても楽しい宴会だった。

母さん、今年も大変そうです。

結局、今日見られなくなった映画は明日観ることになったらしい。遠い上に朝早い(早くないです)。果たして私は観ることが出来るのだろうか?。以下次号。

涅槃の読書模様

『法月綸太郎の冒険』法月綸太郎読み中。

Jan.13,2003 (Mon)

daylife

というわけで朝8時に起きて遠路遥々池袋まで『JAM FILMS』を観てきました。この挑戦に集まった勇者は五名。そのうち横浜方面から参加した二名は極度の眠気との戦いながらの鑑賞でした。
ちなみに池袋シネ・リーブルは混雑とは無縁でした。

で、『JAM FILMS』の感想ですが、詳しいことは明日書くとして、一言。7人の監督のうち、誰かの熱烈なファンだ、という方以外にはあまりオススメできません。ぶっちゃけ疲れた&眠かった。わざわざ池袋まで遠出した甲斐があったってもんです。

観覧後、お茶して解散、ということになったのですが、眠気と戦いながらわざわざ遠出してきた私と小ネタ使いさんは「これだけのために池袋まできたなんて納得できん!」とリブロとジュンク堂を巡ってきました。私は晴れてジュンク堂デビューです。
ジュンク堂は一階にしか会計がないので、物凄い混雑。駅前のラーメン屋といい勝負でした。おまけに書架が図書館のようで、客も静か。微妙に居心地が悪いです。座り読みできるようにベンチまであって、ホント図書館みたいでした。リブロには『半落ち』が100冊以上あったと思います

あ、メモ。1月29日から2月9日まで池袋リブロのイルムス館にて江戸川乱歩展、「蔵の中の幻影城」が開催されるようです。興味のある方はどうぞ。私も行くかも。

その後、横浜まで戻って『ぼてぢゅう』で食事。二人になるとさすがにいつものテンションではなくマターリと普通の会話です。いつもいつもボケツッコミしているわけではないのです。ホントです。普段は5、6人以上でいることが多いのですが、たまには一対一で話すのも楽しいものです。

涅槃の読書模様

『法月綸太郎の冒険』法月綸太郎読了。

購入物。

『ファーイースト』魔夜峰央(MBコミックス)【→bk1へ】[comic]

魔夜峰央のコミックを買って読むのはかなり久しぶり。『パタリロ』を読まなくなってから何年経つだろう。
本作は「アスタロトシリーズ」と併記されている通り、魔界の四大実力者の一人であるアスタロトが、人間界と関わって基本的には「問題解決」をする一話完結型の短編集。+巻末に二話の別口短編を掲載。
内容的にはまったくいつもの魔夜峰央節でそつなく読ませます。通常よりもホモネタが少ない(殆どない)のも私としては読みやすかった。つーか概ね女性がメインでハッピーエンドを迎えますし、女性がそれぞれコケティッシュで可愛いのもマル。
もともとアスタロトというキャラは作者がデビュー前に使っていたキャラだったということで思い入れがあったらしい。造型的にバンコランに似ているのはアスタロトが原型なのだろう。
このシリーズが続くんだったら読み続けてもいいな、という一冊でした(*1)


*1: 別に『パタリロ』が嫌いなわけではない

Jan.14,2003 (Tue)

daylife

仕事ではなく私事で色々と忙しい。やることを整理しておかねば、なにか忘れてないかな。

だがしかし今日は眠いのでさっさと寝るのだった。連休ハードに遊びすぎた…。

涅槃の読書模様

『深追い』横山秀夫【→bk1へ】読了。レビューは後日。

今年は年明け早々いいペースで本が読めてるのだけれどレビューが追いつかない。なんとかせねば。

『JAM FILMS』[movie]

7人の「実力派監督」(*1)のショートフィルムによる競作。

一本15分以内、という制限があったみたいなのだが、全員が「15分」という時間に縛られすぎ。思い切って3分とか、下手すりゃ一発ネタで攻めてくれるような作品があれば変化に富んで楽しかったかもしれない。15分もいらねえだろ、という作品が目立った。ショートフィルムっていうのは感性とシャープさが全てだから、たった15分だからこそ観客に「飽きた」と思わせたら負けなわけで。

元々がショートフィルムというのは予算がない監督が自分を売り込むために作るモノで、だからといって金かけずに作れ、とまでは言わないが「15分の映画にこれだけの金とスタッフ使ってこの程度かよ」というのが正直な感想。

まあ、まだショートフィルムという感覚が日本に根付いてないし、実験段階だから、というエクスキューズはあるにしろ、これだけ旬な監督が集まってこのレベルでは今後、日本にショートフィルムムーブメントが訪れるとはあまり思えない。興行を無視して作り続けるだけの熱意があるかどうかですね。個人的には期待したいが。
このままでは別所哲也が浮かばれません(*2)

『摩天楼 -1-』工藤かずや/廿里祥一郎(アクションコミックス)【→bk1へ】[comic]

冒険アクション、傭兵ものが好きとしては工藤かずやが原作の作品はとりあえず手に取ることにしている。遂に日本でも本格的な自爆テロや狙撃による暗殺が起こり始めた。警視庁は元デルタフォースの隊員だったコードネーム「シグマ」に協力を仰ぎ、テロリストに対抗しようとする。という設定。
漫画アクションに連載中ということもあり、ひたすら劇画調。もう少しギミックにマニア度が欲しいところではあるが個人的には面白く読んだ。
それにしても日本の警察っていうのはテロや暗殺に対してはホントに無力ですな。これが現実にならないことを切に祈ります。


*1: 誰が決めたのか知りません
*2: ハムの人。日本にショートフィルムを根付かせようと尽力している

Jan.15,2003 (Wed)

daylife

MYSCON4の受付は1月31日21:00から!。皆様奮ってご参加ください。私も頑張らなくっちゃ。

久々本編の『HR』。うーん突き抜け方がイマイチ。シチュエーションコメディとしての面白さが希薄になっているような気がしますが、役者の使い方は見事。人数的にも今日くらいの人数が一番使いやすいのかな。
先週のメイキングを見る限り、ギリギリまで追い込まれてやっているみたいだから少しずつネタもきつくなってくるのは仕方がない。しばらくはゲストとハプニングで間を持たす傾向が続きそう。ま、面白ければなんでもいいですが。

それにしても白井晃戸田恵子『オケピ!』の稽古と並行だろうし、3月は公演と重なる。頭が下がりますな。

涅槃の読書模様

『事件当夜は雨』ヒラリー・ウォー読み中。

購入物。

『そして扉が閉ざされた』岡嶋二人(講談社文庫)

岡嶋二人の後期名作三作品(*1)のうちの一冊。巻末の解説が島田荘司で自著の『本格ミステリー宣言』の内容を引き合いに出しているように、著者自らが「ガチガチの本格を目指した」作品。

目が覚めると雄一は核シェルターに閉じ込められていた。雄一の他にも鮎美、正志、千鶴の三人が同じように閉じ込められていた。なぜこの四人が?。シェルターの壁には「おまえ達が殺した」の文字。彼らを閉じ込めたのは一ヶ月前に死んだ三田咲子の母親だった。彼女は娘の死が事故ではなく、一緒に旅行にいった四人の誰かによる殺人だと思い、彼らを閉じ込め真実を吐かせようとしたのだった。
いったい、咲子を殺したのは誰なのか?。そして四人は無事にここから出られるのか?。

完全なる限定状況下での純粋推理。シェルター内での四人の焦燥、一ヶ月前の旅行がカットバックで描かれる。「このままでは一生ここから出られないかもしれない」という強迫観念に苛まれながら互いに疑心暗鬼になる四人。確かに本格ミステリーであるが、作者一流のサスペンスも手抜きなく、むしろ「自分の命を助けるため」という条件での推理は迫真に迫るものがある。

「誰かが犯人のはずなのに…」しかし誰も犯人ではありえないと思われる状況。この閉塞状況にどんな決着をつけるのかグイグイ読まされた、のだが。
ラストの驚きは「うーん微妙」。驚かなかったといったら嘘になるが、ちょっとだけ釈然としないものが残るのも事実である。

また、最後に四人がシェルターから抜け出せるのかどうか、というサスペンスについてもオチが安易な気がする。流れとしては至極真っ当なのだが岡嶋二人だったら、最後の最後までなにかあるんじゃないか、と期待し過ぎたのかもしれない。
最終ページの雄一のセリフも気持ちはわかるのだが、それまでの展開からいって、言うべきタイミングがチグハグな印象を受けた。そのセリフでしめたいならば、最後の流れはもう少し考慮する必要があったのではないだろうか。唐突な印象は拭えないなあ。

とはいえ、不満はそこだけで、この作家の本領であるリーダビリティも含めて読んで損はない作品である。限定空間で四人だけで展開する話(カットバックはあるが)なので芝居にしやすいだろうな、と思っていたらやっぱり舞台化されていた。
自分だったらどう演出するかなあ。って思いっきり余談ですね。


*1: 他の二作は『99%の誘拐』(既読)と『クラインの壷』(未読)

Jan.16,2003 (Thu)

daylife

今クールのドラマ『高校教師』『僕の生きる道』は両者共に「余命僅かな高校教師」が主人公であるらしい。両方とも見てませんが。ま、それはそれとして「余命僅か」というシチュエーションは古来からある由緒正しい設定で、これまでに数知れぬほどのドラマや映画、小説などで描かれてきている。

誰しも一度は「自分の命があと半年だったら…」とか考えたことはあるに違いない。かくいう私も当然あるわけで。この問いに対する答えは各人で千差万別だろうし、その時々で変わったりするのかもしれない。年齢にも左右されるだろう。「やり残したことがないようにしよう」とか「精一杯楽しもう」とか「もはやどうでもいい」とか。

この決断には、その人の「美学」のようなものが反映されるような気がする。漠然とした「生き方」ではない、残り僅かな未来の生き方。人生の凝縮された形。その人を理解する上で大きなファクターとなるかもしれない。

いまの自分だったらどうだろうなあ。残りの歳月がどれくらいかにもよるけど。できれば今と変わらない毎日を過ごせたら、というのが理想かもしれない。残したいものは色々あるけど、残りの時間をそれだけのために費やすよりも、日常の流れのままで最期を迎えるというのもクールに見える気がして。

んなこと言っても実際にその立場になったら愚かしいほどに狼狽して、とてもじゃないけど自然に振舞えはしないと思いますけどね。
一番怖いのは、死期が近づいたその時に大切な物を手に入れてしまうことですね。

先週、初回を見逃したドラマ『美女か野獣』。ドラマ自体はどうでもいいのだが、白石美帆ちゃん(と佐々木蔵之介)を見たいがためだけに視聴。思ったとおりドラマ自体は特に面白くもなく、日テレでやってた『ストレートニュース』の方がはるかに面白かった。
それでも美帆ちゃんは大事にされてるみたいで結構映ってた。サッカーファンというキャラ丸出しの役だし、っていうか肝心のお天気お姉さんのシーンはあれだけかよ。皆が拍手しているシーンで美帆ちゃんだけ抜かれたりと特別扱いされているのは嬉しい。今後も見続けよう。佐々木蔵之介の方は完全に端役だけど、来週の予告を見る限り脇役それぞれにメインの回が来るみたいだから、その回に期待。

さーて、がくしの賞金で何食べようかな <オイ(*1)

人のことはともかく。…書けぬ。スランプだ(*2)

涅槃の読書模様

『事件当夜は雨』ヒラリー・ウォー【→bk1へ】読了。レビューは後日。

購入物。

『NANASE -1〜3-』筒井康隆/山崎さやか(ヤンマガKC)【→bk1へ】[comic]

言わずと知れた筒井康隆の名作『七瀬ふたたび』のマンガ化。原作があまりにも名作であるがゆえに読むのを躊躇していたが 蔓葉さんが「原作よりも面白いかも」と、とんでもない発言をしたため買ってみました。
最初の話はイマイチでしたが、これは確か原作でもあまり印象が残ってないのでマンガのせいだけではないかも。そして話が動き出す二つ目のストーリーからは俄然面白くなります。作画者はコマ割のテンポが凄く巧い。電車からの脱出シーンでの緊迫感はさすがに小説では味わえないですね。これ、確かにイイわ。
作画者が女性(だよね?)というのも面白さに一役買っている気がしますね。主人公の七瀬は女性であるが故の苦しみをずっと抱いているわけですからその辺りの心情が巧く描けていると思います。『ヘニーデ姫』の話なんかは原作とは違う部分に心惹かれました。
絵柄が高橋ツトム板垣恵介を混ぜて二で割ったような感じなのがちょっと気になりますが、決して下手ではないので原作崇拝者が読んでも腹が立たないのではないでしょうか。
かくいう私は結構満足していますが、結末を知っているだけに、ちょっと読み進めるのが辛いですね。実際、小説読み終わったとはかなりブルーになったからなあ。


*1: まだ獲ったわけじゃない上に自分の金じゃないだろ
*2: そんな大層なものではない

Jan.17,2003 (Fri)

daylife

「ドラマ視聴率の低迷を探る」なんていう記事を読んだ。
そういえば、いつから日本のドラマは横一線で1クール(約13話)と相場が決まってしまったのだろう。『JAMFILMS』を観ても思ったことだが、画一的に時間を決められた中でバラエティに富んだ作品を作り上げるのは結構大変だ。特に、1クール制になってから既に20年近くが経っており、その間様々なドラマが産み出された中で、いま新たに同じような時間枠で、同じような俳優陣で目新しいモノを作れといわれても、そりゃあ難しいだろう。

いまの日本のテレビ界(民放)では、この1クール制か2時間ドラマ以外は殆ど作られていないのが現状で、例外は『渡る世間は鬼ばかり』くらいのものである。昼メロにしても時間にすると1クールドラマと基本は変わらないのだ。なぜ、こうまでして1クール制に拘るのか?。最大の理由は視聴率とそれに伴うスポンサーとの関係だろう。なにしろ昨今では1クール満たない期間でも打ち切りが決まることもある。1クールにこだわらず、気長にドラマを作っている余裕などないし、逆にスポンサーの枠を獲るためには3話や4話で終わってしまうドラマでもダメ。

しかし、こうしたテレビ局の都合が自らの首を絞めているのは上記のアンケートでも明白だ。そろそろ「ドラマの1クール制」を見直す時期が来ているのではないだろうか。個人的には昔のように長く続くドラマがあってもいいと思うし、脚本家やプロデューサーのアイデアに基づいた時間に縛られないドラマがあっても全然構わないと思う。
むしろ映画と違って時間に融通が利くのがドラマの良さであるはずだ。そこを活かしきれていない現在の民放ドラマは何か間違っているように思う。

今後はBSデジタル放送がメイン化し、様々な形態のドラマが生まれてくるかもしれないが(*1)、メインとなるアナログ放送でどこまで勝負に出られるのか、そこに注目したい。マンネリを打破するのはいったいどこの局なのだろうか。
ちなみにNHKに関しては特に言うこともございません。

だーかーら、こんなこと書いてる場合じゃないんだってば。

涅槃の読書模様

『東京魔界案内』三善里沙子【→bk1へ】読み中。

『深追い』横山秀夫(実業之日本社)【→bk1へ】

『半落ち』が『このミス 2002』の第一位を獲得し、直木賞の候補にも挙がるなど一躍ブレイクの観がある横山秀夫。個人的には昨年最もはまった作家だけに嬉しい限り。
本書は、著者が最も得意とする「警察の舞台裏」を描いた短編集。

交通事故で死んだ被害者のポケベルに送られてくるメッセージ。「コンヤハ カレー デス」。被害者の妻は夫の死後もポケベルにメッセージを送り続ける。【深追い】
その他、地方都市の警察署である三ツ鐘署を舞台に描かれる全7編。

乙一を称して「切なさの達人」と呼ぶ人がいるが、彼が思春期や青年期のいわゆる青春時代の「切なさ」の第一級の描き手であるとすれば、横山秀夫は青春をとっくに過ぎた「中年以上」の「切なさの達人」、いや「哀切」の達人(この人のスタイルからいえば「職人」か)と言えると思う。

この短編集でもそれぞれの主人公は警察官という職業に関係なく、胸のうちに秘めた想いを抱えている。その想いが事件やとある出来事を通して浮き彫りになっていく。そこには必ずと言っていいほど「哀切」が付いてまわる。「警察官」という職業故の苦しみだけでなく、人としての苦しみ、哀しみを非常に巧く絡めて描いている。

一番いいのはやはり表題作の【深追い】だろうか。どこか東野圭吾にも通じる胸苦しいラストがたまらない。ミステリ的にも良。

このまま引き出しの続く限りこの人にはこの手の話を書き続けて欲しい。

『焼きたて!!ジャぱん -5-』橋口たかし(サンデーコミックス)【→bk1へ】[comic]

パンタジア新人戦準決勝。コアラの模湖山と東の動物パン対決に決着。一方、河内とカツオの対決は相変わらずどうでもいい扱い。
5巻にして初の本格的な悪役・雪乃が登場。このオバサン壊れてます、コワイです。しかしまあ、パンも科学の時代に入ったんじゃねえ。でもやっぱりこのマンガのテンションは黒ちゃんが支えてるよなあ。
巻末の『炊きたて!!ゴはん』は…とんでもなく面白くないのでもういらないと思います。


*1: 既に実験的なドラマはいくつか制作されているし

Jan.18,2003 (Sat)

daylife

そういえば東京堂書店が新装開店したんだよな、と思い出し仕事帰りに寄ってみた、という昨日の話。一番驚いたのはエスカレーターがなくなったこと。エレベーターと階段しかないよ。ちなみに店舗は三階まで。以前に比べて規模が縮小されたのね。コミックも新刊を扱ってるだけ。正直、仮店舗と大差なし。あまり魅力的でない書店になってしまった。
なんてことを考えながら店内を歩いているとなにやら店員と話しながらハードカバーを大量買いしているオッサンが。どこかで聞き覚えのある声だな、と思って見てみると立花隆だった。
と、それだけの話。

箪笥についている金属製の飾り板に尖っている部分があり、箪笥を開けようとした際に爪の隙間を思い切り突っ込んでしまった。出血。激痛。あまりの痛みにのたうちまわる。今でもズキズキしています。
さすがは旧日本軍が拷問として使っただけのことはある(*1)

涅槃の読書模様

色んなマンガをひたすら読み直す。私がこういう行動をとる時は大抵逃避行動です。…間に合うのか?。


*1: 爪の間を針で刺していたらしい。傷跡も見えないので重宝された拷問手段

Jan.19,2003 (Sun)

daylife

久々に外出もせずダラダラした週末(*1)

『Witch Hunter ROBIN』をやっと見終わった。終わり方は物足りなかったし、膨らみそうな設定を膨らませきれずに終わったという感じはするけど基本的には好きだった。やっぱ自分の年齢が30越えたこともあるけど、こういったアニメをもっと見たい。特に日本ではハリウッドのような大作映画を作ることはしばらくは無理だと思うので、その代わりと言っちゃあ何だがこうしたリアルアニメで対抗することも出来るはずだ。押井守にしか出来ないわけじゃないだろう。
それにしてもやはりアニメという題材だからなのかもしれないが、キャラクターの年齢設定には正直萎えさせられた。まあ、Webサイトでしか書かれてないし、アニメを見ている限りでは気づかないことなんだけど。どうしてそんなに低年齢の設定にしなくちゃいけないのか?。アニメを見てその年齢設定に納得する人がどれだけいるのか?。いい加減に「アニメは子供のためのモノ」という認識を排除した方がいいと思うのだが。

椰子の実通信を読んで知った『被告人』の公演。まだ当日券あるんだろうか。来週末にチャレンジしてみようかな。同行者求ム。
ちなみに三谷幸喜の公演チケットはそう簡単に取れるもんじゃありません、なめてはいけません。


*1: ダラダラしている場合でもないんだが

Jan.20,2003 (Mon)

daylife

電車の中での女子高生(*1)二人の会話。

「ねーねーオンエア見た?。アンジャッシュよかったわー」
「あー見た見た」
「あのネタは何回も見てるけど何度見ても笑えるー。アンジャッシュ様はカッコイイからそれだけでもいいわー」
「テツトモ(*2)もよかったよねえ」
「うちのお父さんテツトモと一緒に踊るんだよねー
「それ最高、今度やってもらおー」
「エー、ヤダよ」

日本の未来は安泰です。

就業時間間近に「今から資料持って来てくれる?」といきなり出先から呼ばれる。おまけに接待まで連れて行かれた。おかげで予定がまるっきり潰れる。本屋にも寄れんかった。
というわけで一部の方々への言い訳です。明日は休みにしたのでこれから頑張ります。

涅槃の読書模様

『東京魔界案内』三善里沙子【→bk1へ】読了。

『ファンタズム』西澤保彦(講談社ノベルズ)【→bk1へ】

著者自らが「本格でもミステリでもない」と言ってのけ、様々な物議を醸し出した(?)作品。この作品についての喧々諤々はみすらぼブログを参照のこと(ネタバレあり)。

有銘継哉はある夜、突然の啓示を受け、連続殺人に手を染める。一見、繋がりのない被害者たちであったが、彼にとっては大きな意味を持っているのだった。
一方、警察は現場に指紋を残すなど大胆な犯行を重ねる犯人を特定することができない。被害者たちを繋ぐミッシングリンクは一体なんなのか?。

既にみすらぼブログで多くの識者の方々が議論をぶつけておりますで私ごときが言うべきことはあまりありませんが。

まず、この小説を「是か非か」で論ずるならば「是」と答えましょう。ただし、「是」ではあるものの不満なところもある。それはラストに関する一連の部分です。この意味がよくわからない。正直、余計だと感じました。これがなければ、この物語自体が作り上げる「幻想性」に満足できたと思う。適切な表現ではないけれども「トンビに油揚げを掻っ攫われた」に近い感覚が残ってしまった。

ある種、「技巧のマジック」を見せ付ける作品だと思うので、そういうのもアリかと。西澤作品には「SFな設定で本格ロジックを駆使する」という系譜がありますが、この作品はそれを真っ向から逆転させたと思えば西澤保彦らしい、というか、まさしく西澤保彦ならではの作品だと思うのです
ちなみに、作者が仕掛けた大仕掛けには全然気付きませんでした。ただ、それがイコール作品の巧さには繋がってないとも思いますが。

本作はある種の免罪符であると同時に十字架とも言えると思います。今後、西澤保彦が作品を発表するたびに読者にはこの作品が頭をよぎるでしょう。それは果たして「是」なのか「非」なのか。この作品自体の持つ重さよりも、そちらの方が個人的には気になるところです


*1: 茶髪でもなくごくフツーの女子高生でした
*2: テツ&トモのこと

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