ごくたま昨日日記 in March, 2003

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Mar.11,2003 (Tue)

daylife

約半年ぶりにシングルCDをレンタルしに行った。20年近くレンタル一本やりで、CDを買うことは殆どない私としては、CCCDに対して何か言えるほど音楽業界に貢献しているとはいえない。とはいえ、CCCDを借りるのは初めてだったので「うちのCDプレイヤーで聞けなかったらどうしよう」という不安は嫌なもんだなあ、と思った。

『僕の生きる道』。来週は最終回か。看取るとしましょう。

新婚旅行から帰ってきた妹が我が家で飯食ってる。嫁に出した気がしません。「旦那くんの晩御飯はどうすんの?」と聞いたら、「適当に食べて、って言っといた」って、オイ。旦那くんに激しく同情します。
お祝いの品は結局オーディオコンポになりそうだ。ま、それもいいか。

涅槃の読書模様

『妖異金瓶梅』山田風太郎読み中。

Mar.12,2003 (Wed)

daylife

最近、実生活で感動したこととかありますか?。私はありません。オチなし。

消費者金融のCMが改善を求められているそうです。前々からユースケと加藤晴彦には「そんな女とは別れちまえ!」と言いたくてたまりませんでした。借金してまで女性に固執するという感覚は自分にはわかりません。

それはそれとして最近のCMを見てるとJAROはテレビCMに関してはお咎めなしなのかなあ、と思ってしまいます。もはや何でもありに近い状況でしょう。個人的には「面白ければいいじゃん」的な考えですが。でも不快感をもたらすCMは勘弁な。

『最後の弁護人』。弁護士のアンビバレンツというのはテーマとして凄く魅力的(不謹慎?)なんですが、それを真相は別にあった、という形で締め括ってはなあ。まあ、でも来週の最終回はそこに正面から切り込むみたいなので楽しみです。実は自分でもいつか書いてみたいと思っている題材なので。

『HR』。困った時の生徒の家族シリーズ。最近このドラマに関しては厳しいことばかり言ってるけど、「日本発の本格シチュエーションコメディ」に期待しているが故なんだよねえ。とはいえ、今回もなあ。キャラクターで笑わせるのがシチュエーションコメディとは思いません。ま、久々に宮地雅子が出たのは嬉しかったけどね。頑張ってくれよ三谷幸喜。

そういや昨日、4月からの新ドラマ『顔』の番宣をちらっと見たんだけど……どうやら横山秀夫色は、かなーり薄められている模様。仲間由紀恵はまあ、まだわかるとしても(ホントか?)、オダギリジョーって?。そんなキャラいた?、つーか横山秀夫の真骨頂とも言えるべき男クサさは取り除かれてしまったのでしょうか。ま、原作とドラマは別物だからね。

実生活で最後に感動したのはいつだったかなあ。もう思い出せません。

涅槃の読書模様

『妖異金瓶梅』山田風太郎読了。レビューは後日。

購入物。

『ブックオフの真実』坂本孝/村野まさよし編著(日経BP社)【→bk1へ】

出版不況が嘆かれる昨今、問題の捌け口を求めて新古書店や図書館が槍玉に挙がっている。その新古書店の代名詞ともいえる巨人・ブックオフの坂本孝社長がブックオフの創設から、現在、そして未来像までを語った一冊。「マツキヨ」ことマツモトキヨシの松本和那社長との対談も掲載されている。

私自身がブックオフを巡る出版界の状況に興味津々ということもあって、とても面白く読めました。ビジネス書を殆ど読んだことがない私がいうのも何ですが、ビジネス書として読む価値がある一冊だと思います。特にこの不況の中、店舗を拡大し続ける、ブックオフ、マツモトキヨシの両社長の対談は小売業界の方は必読なのではないでしょうか。お二人の話を聞けば聞くほど、「へえ」「ほほう」と思わず感心してしまいました。

ブックオフと出版界を巡る私個人の意見は、また別に書くとして、ここではこの本に何が書かれているのかを示すことにします。
この本の内容は大きく分けて3つ。

このうち、上記の二つは完全にビジネス書的な話。これに関してはかなり詳しく書かれていますし、その内容も非常に読み応えがありました。マツモトキヨシに重ね併せて書かれているのも読者の興味をそそります。
中でもブックオフのビジネスモデルについてはかなり詳細に書かれており、インタビュアーならずとも「ここまで公開しちゃっていいのか」と思ってしまうほど。このビジネスモデルが小売業全てに通用するとは思いませんが、目から鱗な人も多いのではないでしょうか。

しかし、私を含めた多くの人が一番気になるのは3つ目の「ブックオフと既存の出版業界との関係について」でしょう。これに関しては残念ながら少々ツッコミが甘いかな、というのが率直な感想です。ただ、それもむべなるかな、と思うのは冒頭の編者の言葉にもあるように、実は既存の出版業界自体がこの話題を避けて通っている、という大きな問題があるようです。
最近になってやっと出版業界も重い腰を上げ始めたようですが、坂本社長にしてみれば、この時点では「所感」程度のことしか喋れなくて当然かな、と思ってしまいます。

私自身がブックオフ擁護派ということもありますが、坂本社長の話す内容には一々もっともだ、と感じる部分が多く、中でも「既存の形態を打ち破るためには誰かが泥をかぶるしかない」という考え方には全く同意。責任の盥回しではなにも話が進まず、ブックオフがそこに一石を投じたという意味では充分に存在意義があると思います。

ダラダラ長くなってしまいそうなので、以下は話題を「再販制度」と「著作権」の二点に絞って。

まず、「再販制度」に関して。坂本社長は「再販制度は、何十年にわたってそれなりに貢献してきた面があるのは否定しません」と認めながらも、

かつて、本は文化であるという考え方がありましたが、時代が変化するなかで、文化の要素からエンタテイメントの中の一つのメディアであるというように、いろいろな役割が変わってきたわけです。その中で、再販制はいま誰を保護しているのかという疑問があります。

と、続け。さらに再販制の最大の問題点として、

「出版社の人たちがつけた定価がそのまままかりとおって、大きな書店でも小さな書店でも、同じ値段で売られていること、売れなければ返品する」という再販制度のもとでは、多くの書店は販売努力をしなくなってしまうということです。

と、語っています。再販制度に守られ、価格競争が存在しない状況は、お金と歴史のある大手書店を守り、中小書店を圧迫している、という指摘はまさに正しいと思います。
一日に100冊近い本が出版される現在、とてもじゃないが中小の書店にそれら全てを置くスペースはない。欲しい本が手に入らない書店よりも、その可能性が少しでも高い大規模書店に人が集まるのは必然でしょう。

しかし坂本社長はまた、再販制度が崩れたら崩れたで、価格競争に入った場合でも結果的に中小書店は生き残っていけないだろう、そのことを家電の量販店が勝ち組になったことを引き合いに出して語っています。
また同時に、価格競争に入った場合、これまで再販制度のもとでマーケティングや価格設定能力をないがしろにしてきた書店よりも、小売業のプロであり大手、それこそ家電業界やマツモトキヨシが参入してくることも考えられ、そちらの方がブックオフとしては恐い、とも語っています。

また、著作権に関しては、「ブックオフでは単品管理をしていないので払うべき相手が定まらない」ということを理由に、「物理的に出版社別、作者別に印税を払うことができない」と述べています。これはまあ、単品管理すると採算が合わない、という手前勝手な理由にも聞こえますが、「今後の話し合い」は前向きに考えているようですし、実際に坂本社長主導で動いているみたいです。
そのよりも面白かったのは、単品管理して印税を払う代わりに「ファンド」のようなものを作って、次世代の創作者を保護・育成しようという考え方ですね。実際、アメリカではこういう制度があるらしいです。私個人は印税よりもこっちの案を支持します。

まあ、結局は出版業界自体が「再販制度は見直すべきだ」と言っておきながら「じゃあ、実際にどうする」という議論がなされていない、というのが根本的な問題であり、この体質が現在の出版業界を侵食しているという坂本社長の考え方は、私には真っ当なものに感じられました。

読みものとして非常に面白い一冊ですが、露骨な重複によるページ稼ぎが目立つのは残念です。キチンとまとめれば半分とは言いませんが、この3分の2の厚さで済むでしょう。あまりに露骨なのでその部分にかかると読む気が削がれるのは少々残念。これは編者の責任でしょう。正直、内容的にも新書で充分だったと思います。1500円は高すぎる。

Mar.13,2003 (Thu)

daylife

MYSCONまであと二日。っていうか明後日。ひえー。緊張してきた。

帰りがけ三省堂書店に寄り、4階でレジに並んだ。何気に前を見たらなんとそこには埴輪のぬいぐるみが!。ご丁寧に、犬、馬、踊る人1、2と四体もあるではないか。しかも、これがまたカワイイ!。カメラを持ってないことを後悔。記憶によると犬と馬はどちらかが1500円で、もう一方が1800円。踊る人は3000円だったと思う。ぬいぐるみ好きは一度見に行くべし。惚れます。

で、2階の文庫売り場に降りたら、台車に『ドゥームズデイ・ブック』コニー・ウィリスが平積みされていた。台車だったということもあるし、上下巻でこれまた分厚いということもあり、購入は踏み止まる。『航路』レビューはこちら)のこともあるからなあ。MYSCONで大森さんに直接聞いてみるかな。

あ、それから書泉グランデの早川文庫コーナーでディック・フランシスの競馬シリーズがどどーんと平置きされていたのもビックリだった。なぜ今フランシス?。いや、嬉しいけど。眺めてみたら、まだ20冊近く読んでないのが残ってるなあ。楽しみはとっておこう。

『美女か野獣』。そーきたか。当初思っていたのとは違って恋愛色は殆どなかったね。スパイス程度。今更、松嶋菜々子と福山雅治の恋愛ものってのもね、と思っていたから個人的には良し。来週は大団円を迎えることでしょう。そういう予定調和でOKなドラマだと思います。意外なほど面白かった。

読まれたくないの?

リンクのできないWebに魅力を感じますか?。

朝から一部のWebサイトでは大騒ぎでしたが、私もご多分に漏れず大いに気になった産経新聞の警告(参照元:遥かな道しるべ)。

詳しい状況は上記のサイト等を参照していただくとして、つまりは「記事の見出し転載してリンク張るな」ということらしいです。見出しの問題は微妙ですが、メールの文脈からは「リンクは著作権侵害」と取れます。「見出しは削除しろ」ではなく「リンクの許可は取ったのか?」と書いてますからね。だとしたら、ナンセンスにもほどがある。Webの理念からも外れてるし。「郷に入れば郷に従え」ではないけれども、そもそもインターネットという世界の住人であるなら、その理念は尊重すべきでしょう。それが受け入れられないなら自分から出て行けばいい。誰も止めません。自分たちで新たなインターネットに変わるものでも作ればいいだけの話。出来るのなら。誰も見向きもしないとは思いますが。

そもそも、なぜ「リンクされることを嫌う」のか?。罵倒や中傷、批難などの晒しにあっている、というのなら別ですが、殆どの場合は「こんなニュースがあるよ」という紹介をするためにリンクしているはず。それはすなわち「多くの人々に記事を読んでもらう」ということになるはずで、むしろ報道の理念から考えても喜ばしいはずなのでは?。リンクされているということは結果として、その記事が読まれるわけで、そのことに不満を憶える理由がどうにもわからない。自らが書いた記事を紹介してもらって喜びこそすれ、批難する気持ちがわかりません。少なくとも私だったら「紹介ありがとう」と言いたくなります。

広告収入云々、という話もあるとは思いますが、「記事に直接リンクするな」と言われて、わざわざトップページにリンクを張り直す人が入るとも思えません。第一、トップページにリンクするのであれば、「見出しの転載」は必然になってしまいます。なぜならば、そうしないと該当記事にまで読者が行きつけないからです。「このWebサイト上のどこかにあるから自分で探してください」なんていう不親切なリンクをわざわざ張る必要はまったくありません。結果、そのWebサイトへのリンクは減り、記事が読まれる機会も減る、ということです。読んでもらうために書いた記事が読まれなくなる、それをマスコミは求めているのでしょうか?。わけがわかりません。

涅槃の読書模様

『手紙』東野圭吾【→bk1へ】読了。レビューは後日。

購入物。

Mar.14,2003 (Fri)

daylife

MYSCON4のことで頭が一杯でホワイトデーのことをすっかり忘れていました。もう、バカバカ!。ホントにもう、お前ってヤツは!。かなり自己嫌悪。サイテー男と呼んでやってくれ。

みすらぼ「若竹七海アンケート」は今日が締め切り。まだ投票していない方は急いだ急いだ。ハーイ。というわけで投票してきました。私が投票したのは『製造迷夢』。2票かよ。

いよいよ明日はMYSCON4。当然更新はありません。時間があればPHSからはてなの方にはなんか書くかも。
それにしても他に何か忘れてないか?大丈夫か?。自問自答。最後は「なんとかなるさ」でやるしかないね。

「MYSCON前夜祭チャット」にも参加したかったのですが、明日は徹夜になりそうなので今日はさっさと寝ます。

涅槃の読書模様

『夏と花火と私の死体』乙一読了。レビューは後日。

『手紙』東野圭吾(毎日新聞社)【→bk1へ】

毎日新聞日曜版で連載され、評判になった(らしい)、東野圭吾最新作。系列的には『秘密』『片想い』『トキオ』などの人間物語路線(今勝手に作った)。

両親を亡くし、兄・剛志と二人きりで暮らす直貴。高校卒業を間近に控えた直貴の耳に信じられないニュースが飛び込んでくる。剛志が強盗殺人で逮捕されたというのだ。直貴が大学に進学させるための金欲しさだった。
その日から直貴の生活は一変する。大学進学の夢は破れ、アパートも追い出され、仕事も選べない。「強盗殺人犯の弟」という肩書きを背負って直貴は生きて行くことになる。

直球、捻りなし。断っておきますと本書はミステリでもなければSFでもありません。事件は存在しますが、そこに謎は存在しません。東野圭吾は『トキオ』で、タイムトリップという趣向を取り入れはしましたが、基本的には直球で、青年の成長、若者の苦悩というものを描きました。
本作では、ミステリ要素もSF要素も排除して、ただひたすらに若者がハンデを背負いつつ成長して行く姿を描いています。

しかし、ミステリ要素はなくとも、エピソードの積み重ねを描くことを得意とする東野圭吾だけに読み応えは充分です。

兄が犯した罪のせいで、何の罪もない自分に降りかかる謂れのない不幸。ただ、普通に生きていくことすらも、夢を持つことすらも出来ない忸怩たる想い。そんな不幸の元凶である兄への複雑な感情。理不尽な世間への憤り。決してテーマを大袈裟に見せつけるわけではないのですが、読者は直貴の苦悩を共有し、また、自分を直貴の立場に、時には直貴を色眼鏡で見つめる人々の立場に置き換えてしまいます。その辺りの読ませ方はやはり巧い。

ハンデを背負わされた人間というのは、どこか卑屈になり、諦めの感覚を持ってしまいます。それは人の弱さでもあるんですが、東野圭吾は「人の弱さ」を書かせたら右に出るものはいないんじゃないかと思います(言いすぎか)。あくまでも「弱い人」、ではなく「人の弱さ」ですが。しかし、「人の弱さ」を露骨に描くことによって、その弱さを克服した時のカタルシスは大きい。そのギャップの見せ方が非常に巧い作家だと思いますし、私が彼の作品を好きな理由もそこにあります。

やがて真っ暗闇の中に、一筋の光明が見えてくるわけですが、そこで単純なハッピーエンドを用意しないのが東野圭吾。その辺りの構成も見事です。

そして直截的に突きつけられる命題。直貴が選んだ道は果たして正しいのか?。それを東野圭吾は読者に提示します。贖罪、という言葉の重み。果たして「罪を償う」というのはどういうことなのか。

全編にわたって作者のシニカルな目線が感じられ、いつもながらよくもここまでキャラクターを突き離せるものだと感心してしまう。ただ、本作に限っていえば、キーとなる「手紙」の活かし方やラストの展開などに少々不満が残るのも確か。作者が意図しただけのショックを与えられてはいないのではないかと思う。

全体として、作者の筆力もあり、読んでいる間は非常の楽しめるのだが、テーマの掘り下げが足りず不完全燃焼な印象が残る。テーマとして、というよりもその扱い方として凄くいいものがあるだけに、もっと胸に来るものが欲しかった。終わり方にも賛否両論ありそう。

とはいえ、及第点が高い東野圭吾だからそう思うのであって、その意味では読んで損はない一冊である、と思う(ちょっと弱気)。

Mar.15,2003 (Sat)

MYSCON4レポート

というわけで、以下MYSCON4レポートです。今年も恐ろしく長いので注意して下さい(なにをだ)。

朝から開始直前まで

今年はゲリラ企画の準備も自分の分は殆ど終わっていたため、昨晩は早めにゆっくりと寝ることができた。他のメンバーはICQで最後まで打ち合わせをしていたようだ。

10時半ごろに起きて朝食を食べ、持って行くものの準備。相変わらず多い。車のトランクに一年間放り込んでおいたMYSCONグッズを確認。昨年のように一年間放置されたままの柿の種とかが見つからなかったのでホッとする。
しかし、いざ出発という段になってスーツ一式を忘れていたことを思い出し、急いで準備。出発してから「なにか忘れ物がなかったかなあ」と考えてしまうのはもはや性質なので諦める。

今年はmatsuoさんINOさんを迎えに行くことになっていたのだが、matsuoさんを迎えに行く道が込んでいたので、予定時間から30分ほど遅れてしまう。お二方、ごめんなさい。
matsuoさんを拾って「楽しみですねえ」などと平静を装い喋っていたが、心の中では「まさか、matsuoさんも今晩自分があんな目にあうとは思うまい」とほくそ笑む。

INOさんとはドンキホーテで待ち合わせ。ここで、本日の全体企画の際の飲み物やお菓子類を大量に買い込む。毎年思うことだが、90人分の飲み物とお菓子を買い込むのは壮観である。ここでビデオ用のテープも買うつもりだったが見つからず。仕方なく新宿に集合しているメンバーに連絡して買っておいてもらう。
来年用の覚書。コップは人数の倍くらい買い込むこと >自分。

怪しいグッズも買ったところで、いざ森川別館に向けて出発。昨年よりは順調に進んだのだが、なんと首都高で事故。ちゃんと案内板で「渋滞なし」を確認して首都高に乗ったのに、ついさっき事故が起こったらしい。事故現場を通ってみると玉突き三台の事故。死傷者は出ていなかった模様。しかし、このせいで到着が30分近く遅れてしまう。皆さんスミマセン。
遅れることを電話で連絡してみると新宿集合組みも遅れている様子。「時間通りに集合したのがお手伝いさんだけだったらどうしよう」とか話しつつ、焦りのため一方通行を逆走したりしながら森川別館に到着。

スタッフ一同集合して段取りを確認。大広間の準備や、部屋や廊下に貼り紙を貼る。今年はお手伝いさんがいるので人数的にも楽だった。ゲリラ企画用に楽屋が用意されたのは我が事ながら笑ってしまった。

準備がスムーズに進んだので、余った時間で私的に一番の懸案事項である「全体企画」の例題に頭を捻る。今年も当日ぶっつけである。しかしこれが難しい。正直、この時点までまともに考えていなかったので、事ここに至って「今年の問題は難しすぎるのではないか」ということに気づく。しかし今更どうしようもない。「私も例題を考えたい」という近田鳶迩さんの力を借りて「最悪これでいこう」という案を捻り出す。しかし、どうにも納得がいかず、その後も必死に考え続ける。
そうこうするうちに、次々と参加者が到着し、あっという間に時間は過ぎる。開会まで後20分という段になって、ないとーくんが「若竹さんがまだ来ない!」と焦りまくっている。心の中で「到着が遅れて時間が押せば、少しでも例題を考える時間が増える」と思ったことはナイショだ。

やがてゲストである若竹七海さん小山正さんと共に到着し、少々時間は押したものの、無事にMYSCON4は開幕したのであった。

若竹七海インタビュー

毎年何人かのスタッフはインタビューを見る(聞く)ことが出来ないので、今年はゲストインタビューをビデオで録画しておこうと計画していた。若竹さんからも録画の許可が出たので、大広間にてビデオを準備する。ただし、若竹さんから「門外不出」指令が出ているので、一般には公開されることはありません。

ビデオを回し始め、無事に録画されていることを確認した後は受付に移動。遅れてくる参加者を待ちながら、例題を考え続ける。2時間以上考えに考えたものの、結局は「最悪これでいこう」以上の案は出なかったために、開き直ってそれでいくことにする。おーかわくんが出してくれた案も捨て難いものがあったのだが、オチが捻り出せなかったために泣く泣く捨てる。その案がどんな案だったかはナイショだ。

さて、ここからはビデオで見たインタビューの感想。
若竹さんは、インタビュアーのないとーくんよりもリラックスされていたのか、と思ったが、逆にないとーくんが緊張しすぎだっただけか。その気持ちは大いにわかる。インタビューを受ける側がインタビュアーのことを気遣うという図式がかなり笑えた。「コメントはないの?」の一言には爆笑。
内容的には若竹さんは、かなり「ぶっちゃけトーク」だったんだなあ。これは確かに門外不出である。
そういった若竹さんの姿勢からか、会場は大いに湧いていた。MYSCONは毎回ゲストには恵まれているなあ。
個人的には日本には紹介されていないという「バカミス映画」は凄く見てみたい。芝居に関する質問はその場にいたらもっとしてみたかったと思う。
それとノワールに関しては私も若竹さんとほぼ同様の考えである。特に某作家にはこの若竹さんのインタビューを聞かせたい、とか思った。誰かはナイショだ。

インタビューの詳細なレポートは、おそらく市川憂人さんが書いてくださることであろう。なにせ、インタビューが始まる前、「一番前で克明にメモを取ってもいいですか?」と息巻いていたから。期待してます >憂人さん。

残念だったのは、バタバタしていたこともあり若竹さん本人と一言も言葉を交わせなかったこと。おまけにサインをもらうための本を忘れていた(今年の忘れ物はこれだった)こと。お会いしたら「是非、『製造迷夢』コンビの話をまた書いてください」とお頼みしようと思っていたのになあ。それにしても若竹七海アンケートでは『製造迷夢』は2票かよ。私は大好きなんだけどなあ。

例題と休憩

インタビュー後、フクさんから諸注意があり、各個別企画の説明。今回は私も個別企画を担当させていただいたので、説明させていただいたのだが、この時点ではまさかあんな結果になるとは露とも予想していなかった。

今回はいつもと違い、全体企画の問題を先出ししておいて、その後に休憩が入ることになっていたため、この時点で問題と例題を発表する。いつもなら休憩中に例題を考えることができるのだが、それができなかったので余計に焦っていたのであった。

今年の問題「ダイイング・メッセージング」とは、別名「松本家の三つ子殺人事件」というもの。内容は、とある殺人事件の現場で三つ子が殺され、そのうちの二人分のダイイングメッセージを提示し、「残る一つのダイイングメッセージ」を推理し、三つのダイイングメッセージから犯人を引き出す、というものである。
前述したように、これがとにかく難しい。さぞや皆様ご苦労だったことであろう。私が提示した例題は、残されたダイイングメッセージをストレートに読んで、オチを無理やり作った。半分は鳶迩さんの協力あってのものだったので鳶迩さんにはこの場を借りてお礼を述べさせていただく。ほどほどに受けていたようなので、なんとか救われた。例題後はその場を逃げるようにして去る。

ここから一時間半の休憩。参加者の方々は晩御飯を買出しに行ったりお風呂に入ったりと思い思いに過ごされたはず。今年はお風呂に入った人はどれくらいいたのだろうか?。参加者の中にはすっかりMYSCONに慣れた方々もいて、スタッフ以上にマイペースで過ごされていたのが印象的だった。

例題が終わって、一番の重荷を背中から降ろしたこともあって休憩中はホッと一息。雪樹さんに買ってきたもらったおにぎりを頬張り、空きっ腹を満たす。残りの休憩時間はゲリラ企画の打ち合わせに費やす。これも毎年のことであるが、今年は自分の出番は殆どないので楽であった。しかし、INOさんや松本楽志はかなりテンパっていた。それもむべなるかな。

休憩時間が一時間半あるのは結構良かったような気がするのだが、参加者的にはどうなのだろう。この辺のご意見は次回以降に反映されると思うので、レポート等での言及があると嬉しいかも。もちろん、アンケートでも。

全体企画「ダイイング・メッセージング」

さて、休憩時間も終わり、9時からは各班に分かれて全体企画の解答を考える。問題の内容は前述したとおり。
今年はグループ名が出版社名になっていましたが、この出版社名に特に意味はないので深読みせぬよう。

さて、我が「原書房」班の面々は、小山正さん、彩古さん、スズキトモユさんdaidokoroさんタワさん、戸田和光さん、深川拓さんむっちゃん、私の計9名(五十音順)。最初、素天堂さんが班を間違えて紛れ込んでいた、というのはナイショだ。

まずは自己紹介ということで名前と「自分とミステリとの関わり具合」みたいなものを話していただく。本当はゆっくりお話を聞きたいところなのだが、この時間の本題は全体企画の解答を考えることなので、自己紹介もほどほどに解答を考える作業へと移る。
昨年同様、私は例題で全てを使い果たしていたので、解答を考える作業は皆さんに丸投げして進行に専念。酷いスタッフである。「例題を考える時に一番いいネタは取っておいたに違いない」とツッコミが入るが、そんな余裕はありませんでした。

様々な紆余曲折があったのだが、「これだ」という案は出ずに行き詰まる。いっそのこと、「このメッセージは字ではなく、絵ということにしたらどうだろう」という意見が出る。その際に、スズキトモユさんから「じゃあ、このメッセージは犯人の顔を表してるんだな。きっとこれが口で、これがホクロで、これがモミアゲ。そしてこっちのメッセージは犯人の体全体の特徴を現しているんだ。手をこうやって伸ばしてガニ股で歩いてる姿を」という案が出る。それは面白い、という話にはなったのだが、一旦はそのまま流されて違う方向に向かった。しかし結局良い案が出ず、さっきの案が一番現実的(?)なのではないだろうか、ということになる。ここで再びスズキトモユさんが「ただ、これは絵なんだ、って言うよりも実際にその特徴を持った犯人が現れると面白いんだけどなあ」と呟く。一同その意見に大賛成するのだが、「じゃあ、その犯人役を誰がやる?」というところで沈黙。仕方なく(仕方なくですよ!トモユさん!)、「やっぱり言いだしっぺがやるのが筋でしょう」とスズキトモユさんを追い込む私。即座に「絶対に嫌です」という意見が返ってくる。しかし、その場の流れは既にこの解決案で行こう、となっている。犯人の特徴を現しているのだとしたら三番目のメッセージはどんなものになるのか、という意見交換。「やっぱり顔、体ときたら声とか口癖とかでしょう」などの意見は出るがスズキトモユさんは強硬に反発。「別の解答を考えましょう」と言い張る。ただ、時間はもうない。あと5分しかない。そしてスズキトモユさんが「ちょっとトイレへ」と席を外した際に小山正さんから「もう新たな解決案を考えてる時間はありません。残り時間はスズキトモユさんを説得するために使いましょう」というある意味極悪な意見が出る。さすがは若竹七海さんの夫である(意味不明)。
何も知らずトイレから戻ってきたスズキトモユさん。皆で「もう、これで行くしかありませんよ」と迫る。「でもやりたくない」と突っぱねるスズキトモユさん。そのまま強硬に拒否すればいいものを「でも、これ絶対に面白いんだよなあ」と自分の案を捨て難い態度を示す。「それでもやりたくないけど」「だって面白いんでしょう?」「面白いけど、そんなことをやりにMYSCONに来たわけじゃない。でもやっぱ、受けると思うんだよなあ」と一人で逡巡し続けるスズキトモユさんが面白すぎる。「やるなら中途半端じゃ面白くないんだよなあ」というスズキトモユさんを説得するために、セロテープとマジックを用意し、即席でモミアゲをつくり、ビールの蓋をホクロとして使えるようにする。こうして外堀を全て埋め、スズキトモユさんの逃げ場をなくす。とうとう相談時間も終了し、他のグループも大広間に戻ってきたところで、遂にスズキトモユさんが観念してくれる。「ここまでやるからには絶対に笑いを取りたいから、プレゼンもちゃんとスクリプト書きましょう。ビールの蓋もマジックで黒く塗りましょう」というこだわりぶりに一同爆笑。プレゼンは結局、小山正さんと私がやることに。小山正さんはかなり乗り気で、「ホームズとワトソンという設定で行きましょう」と提案してくる。私は全体企画の司会なので細部を詰めている時間はもうないんです、と言うと「大丈夫、私がなんとかします」とノリノリ。こうして我が班の出し物は決定したのであった。

各班のスタッフが代表としてジャンケンで順番を決定。我が班は四番目。一番目のグループから発表が始まる。しかし、この時点でもまだ細部が決まっていない我が班は、他の班の発表の最中、スズキトモユさんdaidokoroさんの手を借りてはメイク中、小山正さんと私は台詞の打ち合わせ。おかげで三番目のグループまで発表は聞けませんでした。一番目のグループは小山正さんを犯人に仕立て上げていたようですが、当人が打ち合わせ中で聞いていなかった。これには申し訳ない、と頭を下げるしかありません。
そしていよいよ我が班の発表。ワトソン役の小山正さんとホームズ役の私がダイイングメッセージを前にして頭を悩ませ、ワトソンの推理をホームズが一蹴、という展開で三番目のメッセージまでくる。

ワトソン「わかりましたよ、ホームズさん。これはきっと「ドレ」と書いてあるんです」
ホームズ「見たまんまじゃないかワトソン」
ワトソン「こっちは、ICと書いてあるんですよ」
ホームズ「それも見たまんまじゃないか。そんなものは推理とは言えんよ」
ワトソン「じゃあ、ホームズさんはこのメッセージが何かわかっているんですか?」
ホームズ「当たり前だよ、ワトソン君。これは字ではない、これは犯人の特徴を表している絵なんだよ」
ワトソン「犯人の特徴?」
ホームズ「その通り。これは口、これはホクロだ。そしてこれがモミアゲ。こちのメッセージは犯人の体の動きを表している。犯人は手をこうして横にしながらガニ股で歩く男だ」
ワトソン「さすがホームズさん」
ホームズ「しかし、この三番目のダイイングメッセージがわからない。これは何を表しているのだろう」

というところで、襖が開いてスズキトモユさんが現れる。当然モミアゲ、ホクロを装着して、ガニ股歩きでの登場である。会場爆笑。

ホームズ「おお!ダイイングメッセージにソックリの男が!」
ワトソン「こいつが犯人で間違いない」

と迫るホームズとワトソン。ここでスズキトモユさんが一言、

「お、俺は犯人じゃないダギャ」。
ホームズとワトソン「ダギャ!!」

三番目のダイイングメッセージは「ダギャ」だったというオチでした。スズキトモユさんの捨て身の演技のおかげで受けた受けた。
スズキトモユさん、無理矢理あんなことさせてしまって申し訳ありませんでした。あなたの捨て身の演技はMYSCONの歴史に残ることでしょう。本当に申し訳ありません&ありがとうございました。

そんなこんなで他のグループの発表も進んでいきました。印象に残ったのは鳶迩さんのグループのネタ、というよりも喋れば喋るほどグダグダになっていく鳶迩さんの姿と、やはりなんといっても旭堂南湖さんのプロの話術。これはもう反則というしかありません。話術があまりに見事で、実際には謎が全然解けていないという事実を忘れそうになるほどでした。9番目の〆がああいうネタだったのもMYSCONらしいといえばらしい。

今回は本当に難しい御題だったのですが、終わってみれば「やっぱりMYSCON参加者は只者じゃない」というくらいに皆さん見事な推理(?)。今年もまたネタが被ることは一切なし。プレゼンターの皆様の芸達者ぶりに泣き笑い。悲喜こもごもの全体企画と相成りました。
私自身としてはなんといってもスズキトモユさんの捨て身ぶりに一票。これはもう、南湖さんを差し置いてでも我が班のメンバーは一票入れるしかありません。

個別企画「ミステリの輪を広げよう」

そんなこんなで全体企画は盛況のうちに幕を閉じ、一旦休憩。この後は個別企画の時間帯になるのだが、今回は私も恐れ多くも個別企画を担当していたのであった。といっても大広間で皆で輪になって喋りましょう、程度の企画だったので特にこれといって準備することもなく、そのまま大広間で時間を潰していた。
「「ミステリの輪を広げよう」はこの辺でまったりとお話します」と声をかけてみると、20人近くの方々がわらわらと集まってくる。この時点で既に「うわ、予想していたよりも多いなあ。輪になって話せるかなあ」と心配していたのだが、いざ企画開始の時間になると、なんと40人以上の人々が集まってくるではないか!。これはまさに嬉しい悲鳴としかいいようがない。特にテーマを設けず、気軽に話をしましょうというコンセプトが仇となって、とてもじゃないが「輪になって話す」なんてことは無理な状況になってしまった。この状況で輪になったらキャンプファイヤーでもやるみたいだ。

とはいえ、特に限定トークをするわけでもなかったので、急遽参加者を適当な(まさしく適当としかいいようがない)グループに分けてそれぞれのグループで自由に話をしてもらうことにする。グループでどんな話をしてもらっても自由。全部で6グループほどに分け、勝手に「××さん、取り仕切ってください」とお頼みする。まあ、この企画自体が救済企画のようなものであり、とにかく参加者の方々の橋渡しになればよい、と考えていたので、それはそれで成功と言えるだろう。

元々この企画をやろうと思った動機の一つが、昨年のMYSCON3の明け方に話した「ミステリのエッセンス」についてである。その時のメンバーである市川憂人さんとそらたさんがいたこともあり、まず始めはその話から入っていくことにした。全員の「あなたが愛するミステリのエッセンスとは何か?」について聞いてみたのだが、ここでサイトウマサトクさんSTRさんから「何故ミステリというフレームを愛するのか?」という逆疑問が発せられたので話の中心はもっぱらそこに。お二人はどちらかといえばSF系の方なので、こちらもどうしたら他ジャンルの本読みをミステリへと引き込めるか、という話題で盛り上がった。とはいえ、こうした話に脱線はつきもので、そのうちに出版業界の現状を憂うような話になったり、「SFとミステリではどちらが排他的か」という話も出た。
結論は相変わらず出ないわけだが、「本読みが楽しめるイベントはもっとあってもいいはずだ」というのは大方の意見として挙がった。全体企画の際に小山正さんが「読書というのは自己完結的な作業ですが、こうした集まりに参加するとやはり血が騒ぎ出す」と仰っていたように、本読み同士が交流することで、一層読書欲を掻きたてられることはあるはずである。本を読まない人との接点を作り出すことは困難だが、本を読む人たちとの接点を作ることは出来るはずで、そういった人達を更なる本好きへと導くことができれば、少しでも何かが変わっていくかもしれない、と思うのであった。

反省点としては、自らが話し手として参加してしまい、他の方々の発言を促すなど、主催者としての働きが出来ていなかったこと。単なる歓談なら問題ないのだが、企画主催者として、これは失敗だった。また、最後の方で別のグループの話題に取り込まれて、自分のグループを放ったらかしにしてしまったのも反省。そのまま企画時間が終わってしまったし。グループの方々、申し訳ありませんでした。

次回もまた企画を担当するとしたら、今回の反省を踏まえて、もう少し形のあるものをやってみたいなあ、と思っています。また、どんな形でも構わないので企画に携わってみたい、という方も募集しています。お気軽にお声をお掛け下さい。スタッフがお手伝いさせていただきますよ。

深夜企画「MYSCON裁判」

ひとまず企画の時間は終了になったのだが、そのまま大広間で会話を続けるグループもチラホラ。毎年ならここでそそくさと姿を消して秘密裡にことを進めるのだが、今年は一味違う。堂々と大広間で舞台設営を始めながら「えー、30分後にここら辺で何かが始まる予定ですので、お時間のある方はどうぞご覧下さいませー」と宣伝。隠してもバレてる、ということもあるが、昨年の「笑う大捜査線」で、観客との距離がありすぎたためにネタが見え難かった、という反省があったからである。どうせなら目一杯楽しんでいただきたいので、とりあえず「なにかやる」ということだけは宣伝し、見る体勢は作ってもらうことにしたのだ。

舞台設営が終わったあと、ホワイトボードに「MYSCON爆笑クリニック」とその場の思いつきで考えたネタを書いて、楽屋へ直行。まあ、この通りのネタが始まると信じた人は一人もいないだろうが、それはそれでよい。

楽屋で恒例のスーツ姿に着替え(約一名の女子が「スーツ萌え〜」と叫んでいたのはナイショだ)、台本を手に段取りをチェック。準備万端整ったことを確認するといざ大広間に出発。スーツ姿の男達と、謎のマント姿(←違います)の男、そしてなぜか白衣の女性二人がわらわらと階段を下って行った姿を「幻覚だ」と思った方がいるとかいないとか。

大広間の袖で準備をして入るところを、ちょうど大広間から出てきた大森望さんにニヤニヤされつつ見られたり(ハズカシー)。合図と共にこれまた恒例となった電気を消して、いざ今年の深夜企画は始まったのであった。

内容については当人言及もなんなので割愛。ここから先は所感。

こんなところか。あとはオフレコ。

実は我々、昨年末から動き出していました。一月には台本の草稿の〆切りを設定され、一ヶ月前からは毎週会ってミーティングしたり稽古したりしてました。ハッキリ言ってバカ。MYSCON本会よりも力入れてたよ。しかしまあ、本気でバカやるってのは楽しいです。どこまで皆様に楽しんでいただけたのかはわかりませんが、「やめろ」と言われるまでは続けられる限り続けたいものだ。まあ、メンバーの気持ち次第ってところもありますけどね。

てなわけで、ご覧になってくださった皆様、ありがとうございました。そして、なんといってもmatsuoさん、本当にありがとうございました&申し訳ありませんでした。このお詫びは必ず。あ、フクさん、勝手に殺しちゃってごめんなさい(笑)。

おがわ裁判

無事(?)「MYSCON裁判」が終わって一息、といきたいところでしたが、そうはいきません。突如として現れたカリスマ探偵おがわさんの登場に我々の興奮は収まりません。なんといってもおがわさん本人から「MYSCONに行けそうにない」というメールまでもらって「なんだよー」と残念がっていたはずなのに、いったいどうして?!という疑問は残ったままです。
あまりの喜びに抱きつきたい気持ちを抑える我々。謎は解明されねばなりません。

というわけで楽屋でおがわ裁判が開廷されました。詳細はオフレコ。

まあ、実際はおがわさんとINOさんの共謀だったんですが、驚いたのはおがわさんが「今日の夕方6時まで仕事して、7時半の飛行機で東京に来た」という事実。そこまでして参加してくれるとは、おまけに朝も閉会までいられず、とんぼ返りになるらしい。おがわさん、あんたはゲリラスタッフの鏡だよ…。私はとことんまでバカする人間を尊敬しますし、愛します。

この後、ちょっとしたほにゃららがあったのだが、それはナイショだ。

大広間にて

その後、夜中の三時を過ぎて、ちょいと喫煙室を冷やかしたりしてから、大広間へ。来てビックリ。今年の参加者はタフな人が多いのか、例年よりも起きてる人間がダントツに多いのだ。おまけに皆さんハイテンション。ゲリラ企画で脱力してしまった私はとてもじゃないが話の輪に入れない。根が小心者で人見知りするせいもあるが、自分から輪に入るタイミングが全然掴めなかった。

そんなわけで入り口近くでボーっと座っているとsasashinさんが来たので二人で話し始める。知り合いだと安心なんだけどなあ。すると、いつのまにか寒月さんも輪に加わり、更に気がつくとたれきゅんさんが横にいて、はたまたFOOLさんも加わってひとつのグループを形成していた。ミステリとはあまり関係ない話ばかりしていたなあ。名古屋話とか、タワー話とか。そういや話に出た京都の清水の坂の途中にあるというお茶漬け専門店には私も行ってみたい。ご飯大魔王の異名をとる私が行かずして誰が行くのか。絶対に行ってやる。

そうそう、FOOLさんには「関西MYSCON実現の際には、是非スタッフを」とお願いしたのであった。実はMYSCONの度に思うことなのだが、地方からわざわざMYSCONに参加してくれる人は大変だなあ、と思いつつも、「旅行とMYSCONが一遍に楽しめていいなあ」とも思っていたので、関西MYSCONには憧れるのだ。思い出が倍増しそうじゃないですか。でもそうなったら徹夜は無理だな。確実に寝るだろう。

早朝5時近くになった辺りから頭がボーっとして来てあまり記憶がない。疲れて眠くなったのもあるんだけど、大広間に充満するアルコール臭のせいもあったに違いない。今年は酒好き&タフな人たちが如何に多かったかという証拠であろう。

政宗九さんnaubooさん里見さんたちとモー娘。話とかをした記憶はあるんだが、今ひとつ曖昧。なんか問題発言してなければいいんだけど。

遠くの方で蔓葉さんがホワイトボードを使って「萌え」について演説してて、その周りを聴衆が囲んでいたのが「おお、すげえ」と思った。それも含めてやっぱり参加者のミステリの嗜好の潮流が「新本格」というか「講談社ノベルス」にあって、自分がはぐれ者だということを改めて思い知った。

激しく睡魔と戦っているうちに時間は過ぎてゆき、6時半少し前あたりから自然発生的に後片付けが始まり出す。これには少々驚いたと共に、参加者の皆様方が自発的に行動して下さったのでものすごく感謝。おかげさまであっという間に後片付けも終わって、いよいよ閉会式となったのであった。

そして、閉会式では毎年恒例フクさんの「家に帰るまでがMYSCONです」。私は心の中で「MYSCON5で会いましょう」と誓いを立て、家路につく皆様を入り口でお見送りするのであった。

祭りのあと

皆様が宿を後にした後、スタッフとお手伝いさん方で後始末。といっても今年はそんなに大変ではなかったかも。お酒が大量に余ってしまい、持ち帰れない分は流す羽目になってしまったのは勿体無かった。来年も使えそうなものは私の車に積み、また一年間トランクで過ごしてもらうことになる。

森川別館の方々に御礼を延べて旅館を後にする。ここで、今回お手伝いをしてくださった、そらたさん、タワさん、縹トヲルさんとお別れ。丁重に御礼を述べることができなかったのが心残り。本当にお疲れ様&ありがとうございました。おかげさまで無事にMYSCON4を終えることができました。来年もよろしくお願いいたします <おい。

その後はこれまた毎年恒例のルノアール反省会の予定だったのだが、ルノアールの手前にジョナサンが出来ていることを知り、こちらに場所を移す。新しくなった後楽園遊園地にツッコミを入れつつ、反省会。約2名爆睡者あり(笑)。今年は大きな問題はなかったかなあ、などと話しておりましたが、スタッフの気付かない問題があったやもしれませぬ。お気づきの方はご遠慮なくスタッフまでお申しつけ下さい。次回への糧とさせていただきます。

反省会終了後、解散。お手伝いしてくださった上に、ここまでお付き合いいただいた素天堂さんと茗荷丸さん、本当にお疲れ様&ありがとうございました。これまた来年もよろしくお願いいたします <だからオイ。

いつもなら徹夜疲れの身体を引きずって後楽園のゲーセンでぶっ壊れるのだが、さすがに年を取ったのか誰一人ゲーセンに行こうと言いだすものもなく、INOさんとmatsuoさんと共に車で一路帰宅する。正直、目を瞑ったらそのまま眠ってしまいそうでヒヤヒヤものだったのだが、二人にはナイショだ。
漸く帰宅したときにはヘロヘロ。晴れ渡る空の真昼間から即効でベッドに倒れこんで寝ました。家に帰るまでがMYSCON。私のMYSCON4はこうして幕を閉じたのでした。
それにしてもあの後にまだ遊びに行く元気のあった皆さんの体力には驚くばかりです。

そんなわけでMYSCON4は無事(?)終了。参加してくださった皆様、そして今回は特にお手伝いとして頑張っていただいた方々、誠にありがとうございました。参加者の皆様あってのMYSCONです。楽しんでいただけたようなら幸い。是非、レポートやアンケートでの感想をお待ちしています。忌憚のないご意見をお寄せください。それが次回のMYSCONへの糧となります。

それでは、MYSCON5でお会いしましょう

Mar.17,2003 (Mon)

daylife

20時間昏々と眠り続けました(一度トイレには行ったけど)。帰りの車では2秒以上目を瞑ると眠ってしまいそうになるというデンジャラス走行でした。よく無事に帰れたもんだ。

そんなわけでMYSCON4は無事(?)終了。参加してくださった皆様、そして今回は特にお手伝いとして頑張っていただいた方々、誠にありがとうございました。参加者の皆様あってのMYSCONです。楽しんでいただけたようなら幸い。是非、レポートやアンケートでの感想をお待ちしています。忌憚のないご意見をお寄せください。それが次回のMYSCONへの糧となります。
それでは、MYSCON5でお会いしましょう。

MYSCON4レポートは昨年同様連載形式で書いていきます。書き終わったら3月15日の日記としてまとめます。レポートリンクのアドレスは(http://www.diana.dti.ne.jp/~shaka/diary/2003b.html#15)になる予定です。↓の日記や、明日以降の日記に書いたレポートは3月15日にまとめた後は削除しますので、リンクする際にはご注意を。それぞれの項目にリンクしたい場合は、こちらに項目のタイトルだけ書いておきますのでそちらを参考に。よろしくお願いします。

Mar.18,2003 (Tue)

daylife

申し訳ありません。昨日の日記にて表記したMYSCON4レポートのアドレスが間違ってました。正しくは(http://www.diana.dti.ne.jp/~shaka/diary/200303b.html#15)です。リンクして下さった方々、修正のほどお願いいたします。お手数をおかけしてスミマセン。

毎年のことですが、MYSCONが終わった後は脱力感でいっぱいです。元の生活になかなか戻ることが出来ません。仕事にも身が入らない(それはいつものことだ)。今年は例年になく準備に力を入れたので、といっても本会ではなく深夜企画ですが、余計に「終わってしまった」感に襲われています。単に徹夜が響いてるだけかも。
一息つくまでに一週間ばかりかかりそうですが、それからゆっくりペースを取り戻していこうと思います。サイトのリニューアルもしたいし、書評システムもなんとかしたいし、Web上でのちょっとした企画も考えたりしてるし。時計の針は止まりません。少しずつ追っかけるとしましょう。

って、その前に就職考えろよ >自分。

『僕の生きる道』、最終回。矢田亜希子の「はい」にもらい泣き。このドラマはストーリー云々ではなかったので、どんな終わり方でも納得。

このドラマについて思ったこと。穿った見方だとは思うし、主役がチョナン・カンだからという短絡的な思考と取られても仕方ないんですが。このドラマはひょっとして韓国メロドラマを目指して作られたのではないか?、ということ。目指した、というのが大袈裟ならば「インスパイアされた」と言い換えてもいいんだけど。

なぜ、そのように思ったかというと、第一に設定がベタで、展開もベタだということ。何言うてんの?と思われるかもしれないが、韓国のメロドラマ(映画)はとにかくベタだ。しかし、今「ベタ」が見直されてる。4月からは韓国で大人気を博したメロドラマ『冬のソナタ』がBSで放映されることからも、韓国メロドラマと同時に「ベタ」が再燃していることが窺える。
第二に、恋愛描写がプラトニック。ヒロインに矢田亜希子を擁したことからもわかるように、清純派のヒロインをあくまでも清純に見せきる手法は韓国メロドラマの特質でもある。このドラマではベッドシーンは一切なく、キスシーンですら殆どなかった。そのキスも一時期のトレンディドラマに代表されるような「長尺」なものではなく、まるでファーストキスを思わせるような淡いものであった。昨今のドラマでは主人公だけでなく脇役のベッドシーンまでわざわざ盛り込むものが多い中で、こんなにも恋愛描写がプラトニックなドラマは正直珍しい。これはもちろん「死」というこのドラマの性質ゆえもあるだろうが、個人的には韓国映画の影響を感じた。
そして第三に、写真。それも写真スタジオで撮影されるシーン。このところ話題になった韓国映画を何本か見た方ならお気づきだと思うが、韓国映画において、写真、それもスタジオで撮影される写真というのは、「感動スイッチ」の基本である。『八月のクリスマス』『ラスト・プレゼント』『猟奇的な彼女』でもスタジオでの写真撮影のシーンがある。韓国の人達にとって写真撮影というのは心を揺らす何かがあるのかもしれない。このドラマでも「一枚だけでもいいから二人で写った写真が欲しい」と矢田亜希子が草なぎ剛に哀願して、二人はスタジオで写真を撮る。そして、この写真が遺影となる。

こうした幾つかのファクター(まだありますけどネタバレになっちゃうので)から、私は勝手にこのドラマが韓国映画にインスパイアされて作られたのではないかという結論に達した。しかし、この推論が定かかどうかは確かめる術もない。まあ、インスパイアされたかどうかに関係なく、見応えのあるドラマであったことは確かだ。以前にも書いたが、久しぶりに「本気」が伝わってくるいいドラマだったと思う。

涅槃の読書模様

『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎読み中。

購入物。

Mar.19,2003 (Wed)

daylife

『ヴェニスの商人』風に言うならば、私は戦争に反対しない。いくらでもやればいいと思っている。ただし、したい奴だけでやれ。したくない奴を一人も巻き込むな。死にたい奴らが勝手に死んでいくのを私は止めはしない。

しかし問題は、これが「民主主義」という旗の下に決まった現実だということだ。アメリカ国民は「戦争するぜ」と宣言する大統領を過半数が支持している、ということであり、そんな「アメリカを支持しちゃうぜ」と言っている首相を日本人の過半数は支持している、ということである。

これはもちろん極論であって、実際はこんな単純な話ではない。だがしかし、表向きの現実はこういうことだ。戦争に反対したいなら、戦争を止めたいならば、民主主義の名の下に行えなければ結局は敗北なのである。その事実がひどく私を打ちのめす。

『最後の弁護人』、最終回。うーん、弱い、弱いよ。料理は美味しいんだけど盛り付けがイマイチ、みたいな。実はこのドラマ、うちの家族全員夢中になって見てたんですが、いつもラストがなーんか物足りない、という意見で一致。事件が起こって、第一回公判くらいまでは文句なしに引きつけられるんだけどなあ。惜しい。
それにしても最後まで娘は出てこなかったか。なんか続編ありそうな終わり方だったのも気になる。
「憎しみの連鎖」って、どっかで聞いたか読んだかした記憶があったんですが、なんだっけかなあ。『13階段』高野和明?。

『HR』。今日は面白かった。リズムも良かったし、素直に楽しめました。来週で最終回ですか。
つーか川平慈英髪薄いね。

涅槃の読書模様

『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎読了。レビューは後日。

『明治断頭台』山田風太郎読み中。

購入物。

Mar.20,2003 (Thu)

daylife

開戦してしまった以上、早く終わることを祈るしかない。その他にできることがあれば別だが。

そうは言いつつも、自分の生活は何も変わることがなく過ぎていく。

『美女か野獣』の最終回も特番で潰されるようなこともなく、普通に放送されている。そして、私はそれを見ている。
ドラマ的には予想通りの大団円。実際にニュースで「私の娘を侮辱するな」とか言われたら報道的には引いちゃうと思うけど。ま、美帆ちゃん目当てで見始めたわけで、それなり収穫だったということですか。

地元に戻ってきてから友人と久々に食事。「暖中」という中華チェーンに入ったのだが、安くてなかなか美味しい上に、店員さんの対応がとても気持ちよかった。すっかり気に入ったので、これからも使わせてもらおうと思う。自分の中では店員の態度っていうのはかなりのウェイトを占めているんだなあ、ということを改めて確認した次第。やっぱ気持ちよく食べたいよね。

書評が溜まりまくった。これ以上溜まると書かなくなりそうなので、通常のフォーマットにこだわらずに短くてもなんでもいいから書くとしよう。マンガもこの三日間で9冊も買うと追いつかないなあ。ま、明日から順々に。

MYSCONレポートはひとまず書き終わったので、3月15日分の日記としてまとめました。明日には連載形式分は削除します。

『Number 572 だからJリーグ』

Jリーグ開幕直前特集。
チームに焦点を当てるのではなく選手中心の構成。それも優勝候補の二強であるジュビロとアントラーズの選手には多くの誌面を割かず、どちらかといえば大穴と思われるチームの選手に注目している。

中でも我らが浦和レッズの新たな光である坪井慶介は最注目扱い。ミスターレッズの福田正博が引退し、ディフェンスラインの要であった井原正巳も引退した後のレッズの守りの中心、そしてレッズの顔になるであろう坪井。昨年のJリーグ新人賞を獲得し、日本代表にも選ばれた彼はまさに旬の選手と言っていいだろう。
彼の持ち味は何といってもそのスピードにある。そのスピードはDFでありながらフェアプレイ賞を受賞していることからもわかるようにタックルの必要性が全くないほどのスピードだ。しかし、これまで以上のDFに成長するためには、クリーンなままでは物足りないのも確か。時には相手に強烈な一撃を食らわすことで、相手に「怖さ」を感じさせるようでないと真のDFとは言えない。早さと強さと、そして怖さを兼ね備えた新時代の日本を代表するDFになってもらいたい。
個人的には、かつてのマルディーニやブレーメ、今で言うならアルゼンチンのソリンのように守りも攻撃も出来る選手になって欲しい。自陣サイドでは鉄壁の守り、ボールを奪ったら脅威のスピードでサイドを駆け上がる。それが理想。

レッズからはもう一人、今季東京ヴェルディ1969から移籍した野獣エジムンドの記事も載っている。二年前にヴェルディを降格危機から救ったこの男が今季からはエメルソンとEEコンビなる脅威のツートップを形成する。レッズサポーターにとっては頼もしい限りだ。
日本に来てからは嘗ての「野獣ぶり」が嘘のようにベテランとして模範となっているエジムンド。どうか今年も何も問題を犯さず、相手チームの脅威となって欲しい。

今号の最も素晴らしい記事は、FC東京の「キング」アマラオの記事。1995年に来日して以来、FC東京が東京ガスだった時代から一貫してこのチームのために戦ってきたアマラオ。そんな彼だからこそサポーターは敬意を表して彼を「キング」と呼ぶ。彼が優勝という有終の美を求めて横浜・F・マリノスに移籍を考えた際のエピソードは涙もの。ラモスやロペス、アレックスといった帰化組に比べると知名度が低いアマラオだが、彼のような選手こそがそのチームを愛するサポーターの心に残るに違いない。もし、彼が引退するようなことがあればFC東京はなんらかの形で彼を称え、チームの歴史として残して欲しいと思う。インタビューの最後の一節にはジーンときた。

最近躍進著しい京都パープルサンガからは初代表に選ばれた黒部と、中村俊輔をもってして「アイツはヤバイ」と言わしめる天才・松井大輔がピックアップ。私は正直、今でも天皇杯をパープルサンガが獲ったことを信じられないのだが、若いチームの持つ勢いというのは恐ろしいものだ。今年は勝ち負けを別にしても面白いチームになるかもしれない。それにしてもエンゲルス監督は凄いなあ。

その他にも、エムボマ、藤田俊哉などの選手、岡ちゃんこと岡田武史監督の記事など、なかなかに充実した号である。普段よりも分厚いのは広告だけのせいではないだろう。広告が多いのも、「この号は売れる」とそれだけ思われているということであり、Jリーグが11年目を迎えてますます熟してきたことが窺える。いよいよ開幕が楽しみである。

Jリーグ以外の記事の中では、日本で行われる予定だったアメリカメジャーリーグの開幕戦、アスレチックス対マリナーズのトピックが皮肉だ。つい先日中止が決まったばかりなので差し替えが間に合わなかったのだろう。小宮山悟が解説しているのだが、そういや彼は今年どうなったの?。

ボクシングのロイ・ジョーンズJr.×ジョン・ルイス。ミドル級からヘビー級までの四階級制覇に挑戦し、106年振りに王座を勝ち取ったロイ・ジョーンズJr.。格闘技の世界では「階級」という壁を取り払っての真の世界一は誰なのか、ということをファンは常に夢見ている。ロイ・ジョーンズJr.の偉業はそういったファンたちの渇望に答えるものであり、体重だけが全てではないということを改めて示したものだといえる。今後彼がヘビー級で戦い続けるのかどうかはわからないが、この伝説はボクシングの歴史に残り続けるに違いない。

F1の開幕戦の模様も報じられているが、一番気になっているレギュレーションの変化の影響については、まだ一戦目ということもあるのか、詳細には報じられていない。まあ、予選の方式が変わっても結局フェラーリ勢がグリッド一列目を獲得しているということは今年も赤い跳ね馬が暴れそうだということだろう。BARの調子がよさそうなのはちょっと気になるところだ。

涅槃の読書模様

『明治断頭台』山田風太郎読み中。

購入物。


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