ごくたま昨日日記 in March, 2003

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Mar.21,2003 (Fri)

daylife

サッカー日本代表のアメリカ遠征が中止。二転三転の結果がこれですか。個人的には最初に中止を発表してから、アメリカ側の「国の威信をかけて守る」という言葉を受け入れてしまったことが残念。戦争に向かう態度を改めない限りアメリカには行かない、という形での反戦意思を見せることも可能だったのではないか。まあ、代表の経験値を上げるという意味では痛し痒しだったとは思うけど。

上記の例だけでなく、戦争が原因でメジャーリーグの日本開幕戦がなくなったり、アカデミー賞の式典が微妙なことになったりと、その影響は計り知れない。スポーツやエンタテイメントを愛する一人の人間としては、スポーツやエンタテイメントが政治以上に日常や一人一人の生活に影響を与えるものになったら、と思うこともある。
「サッカーの試合を中止してまで戦争する意味はない」とか、「アカデミー賞期間中は戦争するな」とか。
馬鹿馬鹿しい考えかもしれないけど、そう思ってしまう。

そんなこともありながらJリーグは開幕。開幕戦のカードはジュビロ磐田VS横浜F・マリノス。結果は4-2でマリノスの勝利。ジュビロはナビスコカップから引き続き4失点での敗北。バランスの悪さが取り沙汰されていますが、確かにそれが一番の原因かなあ。失点の際に常にディフェンスラインが上がりすぎに見える。攻撃重視とはいえ、ラインを統率できずに上げるのはどうか。大岩の移籍の影響がこういうところで出ている気がする。前半も後半も始まってすぐの時間帯で失点しているのは集中力の欠如か。中山隊長の欠場はこうした形で影響が出る。やはり精神的な主柱がいないのは大きいということか。
対して、マリノスだが、4得点というのは昨年からの攻撃力不足という悩みを解消したかのように見える。確かに前線の得点力は上がった気がするが、中盤はまだまだじゃないかなあ。守りに入った相手を崩すのはまだ厳しいような気がする。
まあ、どちらのチームもこの一試合では見切れるものではない。ジュビロの開幕からの独走がなくなったのはリーグ全体が面白くなりそうな前兆ともいえる。今シーズンは群雄割拠かも。

Yahoo!スポーツ ファンタジーサッカーに登録しましたが、選手獲得などの時期が決まっているらしく、まだ参戦はできていません。参戦したらチーム名とか紹介します。

『SASUKE2003』。やっぱ見ちゃうんだよなあ。久々にファイナルステージの挑戦者が出ましたが、壁は厚かった。SASUKEオールスターズ揃い踏みだったので見ごたえがありましたが、山田勝巳の2ndステージでの失敗は油断でしょう。精神的に弱いなあ、この人は。個人的には消防士の竹田が一番バランスが良いと思っているので彼にはファイナルステージまで行ってもらいたい。
それにしてもオールスターズを見てて思うのは、皆いい顔してるなあ、ということ。何かに真剣に取り組んで戦っている男はいい顔になる。そういう意味では彼らはトップアスリートだと思う。

Mar.22,2003 (Sat)

daylife

知り合い公演を観に新宿まで。素敵な仲間に囲まれているっていうのは素晴らしいことだよな、と思う。

その後、MYSCON出席者4名で一週間前(まだ一週間?もう一週間?)を思い出しつつ食って喋った。いや、ホント食って喋ったなあ。
今日は久々に歌いたい気分もあったんですが、喋りまくってたら気が晴れた。でも、近いうちに歌いたいぞ。

帰りの電車がいきなり止まり、「警報が発せられたので停車します」と車内放送。こんな時だからこそドキッとした。しかも、ちょうど同じ車輌に猫を連れた人がいたのだが、猫がやたらに鳴くのだ。動物は危機察知能力が高いという認識があるので、あまりにニャーニャーと鳴く猫の声にちょっとだけパニック。結局、踏み切りで車が立ち往生、ということだったのだが、こういう状況下では心臓に悪い。「どこか遠い国の出来事」だったはずのものが急に身近に感じられた瞬間であった。

我らが浦和レッズは開幕戦黒星。訪日が遅れて調整不足が危ぶまれたエメルソンは出場したのに、エジムンドが怪我で欠場。いつになったらEEコンビは見れるんだ。山田のゴールは素晴らしかったがなあ。まあ、アントラーズが相手だし、次節頑張ってね。早く白星が欲しいよ。

うーん、私が何も考えなさすぎなのかなあ。

Mar.24,2003 (Mon)

daylife

来年のアカデミー賞はCNNの戦争生中継映像(リンクはしません)に違いない。

昨日は様々なことが頭を巡って対処しきれなくなったので引篭もりの一日とした。電話も電源切って放り投げ、Webもしない。あ、メールチェックだけしたけど(*1)。当然、日記も書かない。外部との交流はなるべくしたくなかったのだ。
殆ど一日中、布団の中で寝たり、漫画読んだり、音楽聞いたり。あまり物事を考えすぎないように漫然と過ごす。
夜の9時ごろになって起き出し、腹が減ったので飯を食い、テレビを見た。それだけの一日。

こうやって現実逃避みたいなことをしても何にもならないことは重々承知だが、ここのところ忙しかったこともあり、たまにはこういう一日があってもいいだろう、ということにする。

今日からは少しだけ(少しだけです)前向きになろう。

そんなわけで(どんな?)、書き溜めていた本とマンガのレビューも処理していくことにする。普段のフォーマットどおりには書けてませんが、そんなことを気にしてるのはおそらく自分だけなので気にしないことにする。

涅槃の読書模様

どうにも目の調子が悪く、読書が進まない。休み休み『明治断頭台』山田風太郎読み中。

購入物。

『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎(祥伝社ノンノベル)

偉大なる先達に追いつき追い越すことは容易なことではない。
何が言いたいかってえとコン・ゲームものとして本作を読んだ場合、やっぱり「あの作品」の呪縛からは逃れられないのだなあ、と思ったわけです。それでも、まんまパクッた(インスパイアされた)かのような某作品に比べればはるかに頑張っていて、特に、そこに行きつくまでの伏線の張り方には脱帽ものでした。

いきなりケチつけるような一文から入りましたが、この作品はオススメです。『ラッシュライフ』で、コマ切れに寸断されたバラバラ死体をくっつけるがごとく、見事にバラバラに語られるエピソードを纏め上げた作者ですが、本作でもその辣腕ぶりを見せつけてくれます。

それはもう「伏線の鬼」とでも呼べばいいのか、いや正しくは「伏線収拾の鬼」でしょう。恐ろしいことに、この作品には無駄なエピソードは一切出てきません。単なる挿話と思われたもの、何気ない会話の一つ一つまで、全て伏線なのです。大体において、伏線ばかりのストーリーというのは「いかにも」な感じがしてしまったり、伏線であるが故に「説明臭く」なったり、逆に伏線であることをバラさないように「無理に淡々と」していたりすることが多いのですが、本作は違います。一つ一つの伏線が話として面白い、一つ一つの会話が軽妙洒脱で楽しい、ので、ついつい伏線ということを忘れてしまうのです。それがラストに向かって一直線に収拾していく様は、ビックリ仰天というしかありません。

ただ逆に、そこが少々残念な点でもあります。本作のメインの登場人物の四人は、全員が全員キャラが立っています。「人間嘘発見器」に、絵に描いたような嘘つきの演説好き(*2)、動物をこよなく愛するスリの天才、そして正確無比の「体内時計」の持ち主と来たもんです。

それだけに、彼らのキャラクターを活かした“キャラクターのため”のエピソードがもっとあったらなあ、と思ってしまいます。なんせ、それだけでも面白そうな小説が書けそうな異色のキャラクターばかりなのですから。「これだけじゃもったいないよ!」と叫びたくなるのも道理ってもんです。

ま、しかし、そのおかげもあってか厚さも程よいノベルズ2段組260ページ。銀行強盗四人組の話ですが、これっぽっちも血生臭くないうえに面白おかしいクライム・コメディ。「ちょっと面白い作品が読みたい」という人にはピッタリです。これを読んだあとは銀行強盗したくなること請け合い。ただし、あなたが特殊能力の持ち主ならば、という条件付ですが。

『緑の黙示録』岡崎二郎(アフタヌーンKC)【→bk1へ】[comic]

名作『アフター0』が新装版で復刊され、やっと注目を浴びつつある岡崎二郎が、アフタヌーンで連載した、連作短編集。

植物とコミュニケーションできる少女が、植物を巡る様々な事件と出会い、その真相を探っていくが、そこには悲しい真実が隠されていた。という風にミステリーとSFを取り入れた作風は変わらない。『アフター0』でも機械文明の世の中に対するメッセージが良く描かれていたが、本作は「植物」というテーマを扱っていながら、安易なエコロジーを提唱したり、押し付けがましさが目立つことのない作品になっている。

いつもながらこの人の視点と道具立ての巧さには感心してしまう。ピンポイントな作風なのは確かなのだが、本作はひとつのマンガとして一級品だと思うので、できるだけ多くの人に読まれて欲しい。薀蓄が多いところがとっつきにくい、という人もいるかもしれないが、まさしくショートショート(というより短編か)の見本ともいうべきマンガ。

手塚治虫や藤子不二雄などのSFチックな短編集が好きな人なら是非ともオススメ。これを気に入った人は迷わず『アフター0』にも手を出そう。

『D-LIVE!! -1-』皆川亮二(少年サンデーコミックス)【→bk1へ】[comic]

『スプリガン』『ARMS』とその画力と設定の面白さ(*3)でまたたくまに読者を(っていうか私を)魅了した皆川亮二の最新作。

今回は特殊能力者専門の人材派遣会社「ASE(エース)」でアルバイトする少年・斑鳩悟を主人公に、またもや世界を股に架けたアクションコミック。主人公の斑鳩悟はエンジンさえついていればどんな乗り物でも乗りこなす、スーパーマルチドライバー。その運転技術を活かし、他の特殊能力者と共に数々の難事件を解決していく。

コミック1巻にして、既に今後の主要キャラとなるであろう魅力的なキャラクターの数々が登場し、今後の期待は大。1巻では一話完結の短編形式だが、既に伏線も張られていることから、いずれは大きな物語へと移行して行くだろう。タイプ的には異能力者が登場しない(*4)『スプリガン』タイプのマンガになると思われる。

続きが早速気になる要注目マンガ。
(先週のサンデー読んだら、次週からは七月鏡一シナリオで新章突入、となっていた。楽しみです)


*1: どうしても気になることがあったので
*2: 彼こそ「戯言使い」という形容詞がピッタリだ
*3: 『スプリガン』は原作がたかしげ宙、『ARMS』は原案協力が七月鏡一
*4: 特殊能力ではあってもESPなどの異能力ではない

Mar.25,2003 (Tue)

daylife

やっぱり顔をつき合わせて喋るのはいいね。自分から飲みに誘ったのはかなり久しぶり。引っ込み思案(?)なもので。

涅槃の読書模様

今日は目を休ませるために読書はお休み。↓のマンガだけ。

購入物。

『ねじの回転 FEBRUARY MOMENT』恩田陸(集英社)【→bk1へ】

多くの作家の心を掴んで離さない「2・26事件」に恩田陸が挑んだ作品。恩田陸らしい奇抜な時空操作と「その時代」を生きた人間達の物語が描かれている。

多くの方々が評価しているようだが、個人的にはいまひとつであった。いまひとつとは言っても恩田陸ですからレベル的には当然及第点はクリアしてるんですけどね。それだけじゃ物足りないのが読者のワガママ。

語り口の巧さでいえば他の恩田陸作品の方が優れていると思うし、なによりこの小説の根本を為す「歴史改変」の理由がよくわからない。この説明の部分が疎かになっては物語に入り込めない。更に、これは無粋なツッコミになってしまうかもしれないが、歴史改変のために選ばれた三人の存在がまた意味不明。なぜ、この三人が歴史改変作業に必要なのか?。「歴史は自己修復する」のなら、この三人を利用するほうが危険ではないか(実際そうなったし)。

キャラクターにもあまり厚みがなく、特に石原莞爾のような重要人物がこの程度にしか使われないのは正直残念。主人公がいきなり豹変しちゃう理由もよくわからないのでクライマックスの場面はひたすら「?」の連続。ひとつひとつのポイントで起きるイベントが説得力に欠けるのでハラハラドキドキ感も少なかった。

登場人物のほぼ全員が自分勝手な意思の下に動いているので感情移入し難い、というのもあったかも。そのくせ、「歴史が」と語られても何の説得力もないというか。その空しさを描こうとしたなら、それはあまり伝わってこなかった、ということで。

ラストのオチはそれなりに驚いたというか笑えたが、そこに行きつくまでの過程が雑。おまけにそれまで語ってきた内容とオチがどうリンクするのか私には理解できなかった。表面だけ「2・26事件」をなぞってみました、という印象。

この本を紹介するなら「野心作」とか「意欲作」という言葉がピッタリだが、私が恩田陸に求めているのはそういう類の作品ではないのかもしれない。

正直、恩田陸は壮大なテーマというか、設定のデカさが際立つものではなく、もっと小規模な世界を描いたほうがあっていると思う。頑張っても『月の裏側』のひとつの町程度にしておいて欲しい。世界が広がれば広がるほど、細かい部分での齟齬が目だって物語に集中できなくなるのは私だけでしょうか?。
恩田陸だからこその厳しい注文です。

『警察署長 -10-』高原泉/やぶうちゆうき(モーニングKC)【→bk1へ】[comic]

4月から再び『こちら本池上署』としてドラマ化されることが決定。この巻でも安定した内容。所長の出番も少しずつ以前程度までは戻ってきたかな。中村婦警ファンにとっては出番は少ないけどサービスシーン(?)あり。やぶうちゆうきの絵はますますたかもちげんに似てきた気もする。

このマンガでは『新宿鮫』ばりの大きな問題を椎名が握っているわけですが、その辺りは今後どうなるのか気になるところ。たかもちげんの原作にどこまでそれが書かれていたのか。高原泉としてはその辺が原作者の腕の見せ所だと思います。

Mar.26,2003 (Wed)

daylife

近所のBOOKOFFで『神田川見立て殺人』鯨統一郎100円で売られていた
買わなかったけど。

それはともかく。
『NEWS STATION』に椎名林檎が出演していた。今まではドギツイ化粧をした姿しか見たことがなかったので、そのギャップにビックリ。普通にカワイイ人だった。
演奏も聴いたけど、以前とはかなりカラーが違ったというか、化粧と共に憑き物が落ちたように感じられた。ファンの人はどう思ってるんでしょうね。

『HR』、最終回。終わったかあ。まあ、今後もこうしたシチュエーションコメディがテレビで見れるようになるといいですね。

シチュエーションコメディといえば、随分前に、夕方くらいにフジテレビで浅野ゆう子と小日向文世がホームコメディをやっていたのを見たことがあるんだけど、妙にアメリカンナイズされていた割に面白かったことを憶えている。番組改変期の一週間だけとか、その日だけの特別番組だったかもしれない。
それと、深夜にやっていた『バカ三兄弟』も忘れられない。阿部寛、沢村一樹、伊藤英明が三兄弟という設定なのだが、とんでもなくバカで笑いまくった。あれも一週間くらいだったかなあ。

涅槃の読書模様

『明治断頭台』山田風太郎読了。レビューは後日。

購入物。

『Pの密室』島田荘司(講談社文庫)【→bk1へ】

御手洗潔の幼少時代を描く、御手洗シリーズの中でも異色作。当時の関係者の回顧を元に、石岡が小説仕立てにした、という設定なので現代の御手洗はまったく出てきません。

【鈴蘭事件】と【Pの密室】の二編を収録。

相変わらず巧いです。何が巧いってこの人はトリックに頼り切らないのが巧い。自身は声高に「魅力的な謎を!」とか叫んでるけど、多くのミステリ作家はそれを曲解してると思うな。単に理解不能な謎とか、トンデモなシチュエーションを作るんではなくて、「そう見せるか」ってのが大事だと思うんですよ。この人はそれが巧い。だからこそ時に「語り口の割にちゃちなトリック」と思われたりもするだろうけどね。

実際、本書でも「わかってみたら大したことない」トリックなわけですが、何故そのトリックが出来たのか、という話の持って行き方が巧いです。特に【Pの密室】の、応募作の数が変化した理由とか。小さな謎を大きく見せる技術を知ってる人だから出来るんだよなあ。

往年の「壮大且つ美しい謎」を期待する人には向かないかもしれませんが、御手洗ファンは御手洗の生い立ちを知る上で必読の一冊。うざったい石岡の呟きも最初の数ページだけなので安心。それが好きな人は残念かもしれませんが。

余談ですが、本書に出てくる小中学生の絵を対象にした「横浜市長賞」に小学生の時入選した経験があります。こと、絵に関することで誉められたのは後にも先にもこの一回。自他共に認めるノーセンスの私としては嬉しいような恥ずかしいような思い出です。

『バトル・ロワイアル -9-』高見広春/田口雅之(ヤングチャンピオンコミックス)【→bk1へ】

いよいよ終盤戦、といったところでしょうか。私としてはこの巻での殺し合いが一番キツかったなあ。この状況下の中でのひとときの平和、そして見えかけたはずの光明が一転地獄絵図。これはキツイ。

生き残った生徒は遂に一ケタ台。あとは主要登場人物の直接ぶつかり合いと脱出劇を残すのみでしょうかねえ。杉村とまだ見ぬ想い人・琴弾が出会えるのかどうかにも興味はあるところですが、実はこれが相当痛い結末を迎えるのではないかと勝手に憶測して苦しんでいます。

Mar.27,2003 (Thu)

daylife

色占いはオレンジでした。

巡回しているWebサイトで冒険小説について語られていた。正直、その内容には冒険小説好きとして納得いかない(というと大袈裟ですが)部分があった。頭にきた、とか憤りを憶えた、というほどのことではない。「うーん、それはちょっと言い過ぎなのでは?」という程度のものだ。

大概の場合、こういう文章を読んでも「人の考え方はそれぞれだからな」と流してしまうのだが、今回は何かが引っ掛かった。単に気分的な問題かもしれないが。あからさまな批判でもなく、どちらかといえばご自身が「よく知らないけどね」と納得されている上での発言だから余計に「こういう作品もあるんですよ」というお節介な気分になっただけかもしれない。それはつまり識者ぶった自己顕示欲に過ぎないのだが。

こういう風なことを感じたとき、皆さんはどうします?。メールします?。掲示板に書き込みます?。最近、とみに気弱になってしまったせいか、思い悩んでしまう。ひとまず、普段どおり流しておこう。

涅槃の読書模様

マンガと『週刊プレイボーイ』しか読んでません。

購入物。

一番楽しみにしていた『G戦場ヘヴンズドア -2-』日本橋ヨヲコ【→bk1へ】が売り切れだった。しかも早売りだから他の店ではまだ置いてない。泣く泣く帰ってきました。29日まで待つしかないか。

『妖異金瓶梅』山田風太郎

豪のミステリ者なら必ずといっていいほど「傑作」と評価する山田風太郎の代表作。裏表紙の解説にも「世界ミステリー史上空前絶後の傑作」と書かれている(よく考えると凄い煽りだな)。
中国の奇書、『金瓶梅』の世界を舞台に、愛憎と狡知が渦巻く人間模様を連作短編の形式で描いている。

これは…確かに凄い。一編目を読んだ時の衝撃は凄まじいものがありました。同時に、なぜ山田風太郎が『金瓶梅』の世界をミステリの舞台として選んだのかも解しました。この驚きの動機は、この世界でしか通用しないかも。というよりこの衝撃を伝えるためには、この世界と、この登場人物以外あり得ないんだろうな。

さらに、本書にはもうひとつミステリ的にはとんでもない仕掛けがあって、それはネタバレになってしまうので書きません。が、読み進めていくうちに少々それが興を殺ぐことも事実です。だからといってこの作品の価値が下がるものでは到底ありませんが。

終章に近づくにつれ、歴史絵巻としての様相が色濃くなり、かの有名な『水滸伝』の登場人物達が入り乱れたりと、そこは歴史小説を得意とする山田風太郎の真骨頂。ラストシーンは物悲しさは、通常のミステリの枠を遥かに越えたものになっています。

そのスケールも含めて、本作はまさに「世界ミステリー史上空前絶後の傑作」の名に相応しい。世界中のミステリファン、そして名だたるミステリ作家達にも読ませたいと思うほど。
日本にはこんなに凄いミステリーがあるんだ、と思い知りました(お前は外国人か)。

『もっけ -2-』熊倉隆敏(アフタヌーンKC)【→bk1へ】[comic]

これまた素晴らしく安定。由緒正しい妖怪マンガとしてそつなく楽しめます。
姉妹が巻き込まれる妖怪事件が、説教臭くない程度の問題提起(というと大袈裟ですが)になっていて、妖怪というのは人間の歪みから産まれた産物なのではないか、という誰だったかの言葉を思い出しました。それでいて、かつての日本とすっかり様変わりした都会を舞台にしていないので、のんびりとしているのも好印象。
この巻では最終話が一番好きかも。

このマンガ、悪い意味でなく、「どこかで読んだような」という雰囲気を感じるんですが、何のマンガだろうなあ。『地獄先生ぬ〜べ〜』か? <違うだろ。
荒俣宏や小松和彦の妖怪噺が好きな人なら是非ともオススメ。

Mar.28,2003 (Fri)

daylife

生まれて初めてサイン会に行ってきました。いや、アイドルじゃなくて横山秀夫のサイン会です。
著書の『顔』が4月からフジテレビでドラマ化されるということで、なぜか神保町の三省堂書店で『春のフジテレビ祭り』が催され、そのイベントの一環です。
密かに主演の仲間由紀恵も来てないかと期待したんですが、来てませんでした <当たり前。

サイン会というもの自体が初めてなのでよくわかりませんが、開始時刻の15分前に行ったら既にかなりの行列で、実際にサインを書いていただくまでに一時間近く待ちました。ずっと立ちっぱなしで待っていたので、「うーん、サイン会って辛いなあ」と思っていたんですが、いざ横山氏を前にしてサインをいただく段になると高揚感みたいなものがありました。
横山氏が「いい人オーラ」全開だったせいもあり、挨拶のような言葉を交わしただけですが、「うわー、サインもらったー」と素直に喜んでしまいました(小学生の作文のようだ)。

あまり作家に対する憧れというか、作家単体に対しての思い入れはないほうだと思うのですが、これからも機会があればこういうのもいいかも。積極的にどうにかしよう、とは思いませんけど。

『春のフジテレビ祭り』は日曜まで続いて、明日はアヤパンが、明後日は人気上昇中の中野美奈子アナウンサーが来るそうです。ファン(?)の人は足を運んでみては?。

サインを貰ってからは速攻で帰宅。日本代表とウルグアイ代表の試合を後半開始から見る。ぐわ、小野が見れなかった。まあ、後半しか見ていないので簡単に。

アレックスは相変わらず入れ込みすぎの癖が抜けませんなあ。逆サイドが全然見えてないし、全部同じパターン。相手DFが強かったせいもあるけど。後半はアレックスのサイドから攻めようと決めていただけに、そこから展開できないとなかなかねえ。黒部が入ってからはもっと単純にクロスをガンガン狙ってもよかったんじゃないかな。稲本のシュートは見事でした。
問題は川口。前半の2失点目は致命的。あれは言い訳できない。ただでさえポーツマスでは出番がなく、アピールの場がないだけに、この試合は絶対にミスだけはしちゃいけなかった。ジーコは次の代表戦に招集するのかどうか。微妙だ。

押せ押せで攻めてはいるけど勝ちきれない、という部分ではあまり進歩が見れませんでしたね。いいサッカーはしてると思うけどね。それだけじゃ今迄と変わらないし。次の日韓戦でも勝てないようだと、ジーコに対する風当たりも強くなりそうですな。

涅槃の読書模様

『鉄の枷』ミネット・ウォルターズ【→bk1へ】読み中。

購入物。

『嘘をもうひとつだけ』東野圭吾(講談社文庫)【→bk1へ】

東野圭吾の唯一のシリーズキャラクターである加賀恭一郎ものの短編集。
ラストの一編を除いて、犯人は冒頭から明示(というほど露骨ではないが)されるが、犯行方法はバラされていない。その犯人の嘘を加賀は見抜くことができるか、というパターン。

しかしまあ、加賀の洞察力の恐れ入ることといったら。自分が何も悪いことをしてないくても加賀を目の前にしたら自白しなくてはいけないような気分にさせられてしまうだろう。
基本的には加賀と犯人の駆け引きが見物になるのだが、対等な対決というよりはハンターが獲物を狩るように追い詰める様を描いた、というほうがしっくりくる。正直、加賀に目をつけられた犯人達には「ご愁傷様」としか言いようがない。

この加賀恭一郎というキャラクターは、ある種、東野圭吾作品を語る上で絶対に外すことのできないキャラクターですが、個人的には、この「加賀の視線」というのがその他の作品でいう「作者の視線」に非常に近いものに感じられます。あくまでもクールに、怜悧に、あたかも分析するかのように精確で予断を許さない情報だけを手繰り寄せる。東野圭吾の作品に「作者の愛」を露骨に感じることはあまりないのですが、加賀恭一郎も相手に対する「情」というものを殆ど見せません。

それだけに一瞬でもその「情」が見えたときの読者の感情の揺れ動きは大きくなります。本書でいえばラストの一編、【友の助言】で見せる加賀の友情は心を打ちます。友人に対して、心を鬼にして真実を語る加賀の姿に心打たれる読者も多いのではないでしょうか。

上記のような理由もあって、私の中で加賀恭一郎ものの最高傑作は『眠りの森』ということになります。本書の表題作【嘘をもうひとつだけ】では、『眠りの森』同様バレエ団が事件の舞台になります。加賀恭一郎ものでは、他の作品に言及されることは殆どない(時系列も一切不明)のですが、ここでは珍しく『眠りの森』の事件を匂わせる発言があります。東野作品、特に加賀恭一郎ものの読者はそういったところも楽しむことが出来る作品であり、シリーズを語る上で重要な短編集といえるでしょう。

個人的には『眠りの森』以後の加賀恭一郎がどうなったのか、特に二人の関係がどうなったのかはものすごく知りたいので、東野圭吾には是非とも堂々と「続編」を書いてもらいたいものだと思っています。

東野圭吾作品と、加賀恭一郎については過去にまとめらしきものを書いた(123)ので、ご参考までに。

Mar.29,2003 (Sat)

daylife

渋谷でカフェでお茶しながら反戦デモを聞き、ちょっと贅沢な食事に舌鼓を打ち、初めての太鼓の達人で楽しみ、リーダーの座を奪われつつ上等兵になってきました。
それにしても第一レグで9,000円食ったのはビックリだ。

Mar.30,2003 (Sun)

daylife

法事でした。祖父が十三回忌、祖母が七回忌だったので併せて。孫思いの祖父母である。

鎌倉の桜は見頃は来週辺りでしょうか、まだ三分咲きでした。来週になったら夜桜でも見に行こうと思います。車で15分だからね。

法事を終えて一旦帰宅し、着替えてから新宿へ。スペシャルゲスト(笑)を迎えての飲み会。牛もいました。腹筋するパンダもいました。どんな集まりやねん。
法事でたらふく飯食ってから3時間しかたってないのに普通に飯を食う自分はどうかと思いました。最近、太ってきたし、ヤバイぞ。

返りはスペシャルゲスト(笑)と喋りながら帰ってきたのですが、やりたいこと、というよりも、やってみたいこと、が沢山あるなあ、と改めて思う。それをまとめて実際の行動に移せないのが問題だ。一つずつでもクリアしていきたい。

とりあえず歌いたい欲求は満たされていないので歌いたいぞ <そんなことかよ。
来週辺り歌いたい人がいたらご一緒しませんか、と言ってみるテスト。

お茶漬けオフ、行きたい、ご飯大魔王としては是非とも行きたいが…お茶漬けのために京都は遠すぎる。

K-1グランプリ2003 開幕戦

といっても、ミルコVSサップ戦だけ。
最初にラッシュにいけなかった時点でサップは勝つチャンスを一気に下げてしまった。そして、これまでの戦いでもそうだったように、サップは相手のパンチやキックを防御できなかった。そして、ミルコのミドルキックもストレートも、その破壊力はサップをもってしても耐えうるだけのものではなかった、という単純な結果だ。

サップのラッシュは恐ろしいほどの破壊力をもっている、というか殆ど必殺に近いだろう。ただ、リングをうまく使って、その突進から逃れることさえできれば、K-1のトップファイターなら一撃で葬り去ることは可能だということだ。真っ向から戦えばサップのほうが有利なのは間違いないけど。

では、ホーストはなぜ、サップを倒せなかったのか。厳密にはダウンは取ったわけだが、それはホーストが一撃必殺で倒すことよりもダメージの蓄積を狙ってしまったからだろう。サップにはカウンターのような高等技術は使えないのだから、体重を掛けて打ち込むことができれば、ほぼ100%当たる。それができたのがミルコであり、ホーストの敗因はそれができなかったことだろう。

サップはまずパンチやキックを見切る練習から始めるべきだ。もしくは防御方法を。ミルコのパンチで倒せるのなら、マーク・ハントやバンナのパンチでも倒れる、ということだ。いや、アーツやホーストだって、一撃狙いすればそれだけの威力はある。

攻略方法が露見したファイターが生き残っていけるほど今のK-1のレベルは低くない。もし、次の試合でもラッシュをかわされて距離をとられた瞬間、一撃必殺のパンチやキックがとんできた時にサップがまともにそれを受けてしまうようなら、サップのK-1ファイターとしての価値は急落するだろう。

Mar.31,2003 (Mon)

daylife

階段から落ちて足に怪我。あまりの激痛と出血に気分は超ブルー。そんなわけで手抜き更新です。

『芸能界スポーツマン決定戦』。永井大も照英も出ていないのはどうかと思うが、そんな中、きんに君はよく頑張って盛り上げた。今回初出場で凄まじいポテンシャルを披露した白川裕二郎は次回は恐い存在だろう。
女性版の水野裕子はいい身体してる(ヤラしい表現だ)。バランスがとれた、ああいう体格(の女性)は好きだ。

3月の読了本

計8冊。リンク先はレビューです。


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shaka / shaka@diana.dti.ne.jp